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団体交渉報告ボーナス0.35ヶ月引き下げ、本給0.2%引き下げに反対し、給与改善を求めて(10/21、10/28交渉の継続)

※文責は組合にあります。見出しも組合にてつけました。

2009年11月11日(水)14:00 - 15:51
本部第1会議室

※平成は固有名詞を除きすべて西暦に変えました。

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議題 2009年人事院勧告に伴う給与の取り扱いについて

■課長補佐 これから交渉を始める。

□委員長 今日が3回目の交渉だ。ここまで双方の歩み寄りはなかった。法人側はこの間、全学労使懇談会や各キャンパスでの全学説明会をしてきた。組合との合意を経ないまま、法人方針を強行していると組合は考える。遺憾だ。本日の交渉の焦点は、前回からの質疑の継続として、2点にしぼりたい。第1点は、前回までの交渉の説明ではまだわからないことや、全学説明会で言われたことと交渉で言われたこととのギャップを感じる点について。第2点は、「代償措置その他の関連する労働条件の改善」について、まだ法人側から整理された形では説明されていないので、今回整理して説明してほしい。

“引き下げの理由”ではないのに、なぜ“代償できない理由”になるのか?

□委員長 第1点。前回までの交渉で、組合がたとえば、ボーナスが一律0.35ヶ月引き下げられる場合の代償措置として、職員の一律1号俸昇給や、教員のみなし労働時間15分延長をしてほしいというと、理事は、「後年度負担」になるのでだめだ、ということを何度も言った。他方、法人側が今回給与を引き下げる理由としているのは「社会一般の情勢を考慮して」というのが主たる理由だ。後年度負担を軽減するために引き下げる、とは給与引き下げの理由としては一度も言っていない。それにも拘らず「引き下げ分を別の形で補償してくれ」と言うと、つまり「引き下げないでくれ」というのと同じだが、それに対して理事は「後年度負担になるからだめだ」ということを言う。この説明では、前後で首尾一貫性がなく、整合性がとれない。整合性をとるためには2つの方法しかない。

■理事 「整合性がとれない」とはどういうことか、もう一度説明してほしい。

□委員長 給与引き下げの理由として「後年度負担を軽減するため」と言ったことは一度もないのではないか。

■理事 ない。

□委員長 引き下げの理由としては、「社会一般の情勢を考慮して」ということを言っているのではないか。

■理事 はい。

□委員長 それに対して組合は「給与を引き下げないでくれ」と言っている。

■理事 組合の要求としてはそうだ。

□委員長 「引き下げた分を、別の形で引き上げてくれ」というのは、「引き下げないでくれ」というのと同じだ。これに対して理事は「後年度負担になるからだめだ」という言い方をしている。これについて、前後で整合性がない、と言っている。

“引き下げ”と“代償措置”は、別の話?

■理事 今回の引き下げの主たる理由は、社会一般の情勢に合わせる、ということだ。それに対して組合は、引き下げないでくれと要求している。そして組合は、引き下げるならばその代わりに職員への一律1号俸昇給や教員への超勤費15分支給やその他の人件費での還元を要求するということだ。それに対してこちらは、それら一律1号俸昇給などの要求は、後年度も継続して負担になるのでだめだと言っている。

□委員長 「後年度負担だから」という理由は、最初には言われない。なぜ後から「後年度負担だから」と言われるのか。

■理事 誤解だ。引き下げはしたい。法人としては役員会まで通った案であり、交渉で最初に使用者側の提案として出したものだ。諸々の状況をすべて判断すれば、結論としては人勧と同じように引き下げるべきだということだ。ただし、月例給引き下げの時期については、人勧通りにするという判断はしていないので、それについては意見を聞いて検討したいと言っている。それとは別の話だと思うが、組合から、引き下げるならこれをやってくれという別の提案がある。これについては後年度に負担がかかるような提案なので、できないと言っている。なぜ発言が矛盾していると言われるのかわからない。

引き下げの範囲での代償措置は、“後年度負担”にはならない。

□委員長 後年度負担にならないような給与の引き上げ方法はあるか。

■理事 世間に説明がつかない。

□委員長 引き下げなかった場合には、後年度負担になるか。

■理事 引き下げなかった場合には、今と変わらない。

□委員長 今と変わらないのに、それを後年度負担と言うのか。

■理事 引き下げないという前提でものを言うのは、議論の入り口の違いだ。互いに入り口で理解が異なり合意がなければ、交渉を何度重ねても同じではないか。

大学は、カットしなくても負担増ではない。教職員(家計)は、カットで毎年の負担増になる。

□書記次長 0.35ヶ月の引き下げは、職員にとってはずっとマイナスであり、ずっと後年度負担だ。引き下げない場合でも、昇給・昇格は普通に行われ、後年度負担はあるので、理由にならない。大学にとっては、マイナス0.35ヶ月分は、ずっと余ることになるのではないか。

■理事 給与改定は毎年おこなっている。今回仮に法人案通りに給与改定すれば、今後はそれを前提にして給与交渉をしていくことになる。

□書記次長 給与引き下げによって、職員には後年度負担をずっと強いる一方、法人は、浮いた分を人件費には使いたくないということか。

■理事 給与交渉は毎年のことなので、今後のことは未定だが、少なくとも今金額がかかるということを言っている。

□書記次長 職員には引き下げによる負担を強いるということではないか。

■理事 今回の改定が今後の改定の前提になるが、なぜ今回改定するか、ということの方をむしろ理解してほしい。

“人勧だけではない”と言われても。

□書記次長 なぜ今回改定するかという点では、人勧しか言っていないのではないか。

■理事 人勧は国家公務員に対する勧告だ。その人勧を有力な参考資料にするというのが本学の基本方針だ。それに加えて、閣議決定に基づく要請がある。人勧だけではない。

□書記次長 人勧以外の理由が示されていない。

■理事 本学職員の給与の取扱いに関する基本方針、閣議決定に基づく要請、運営費交付金・財務状況・人件費の見通しが不明であること、他の国立大学法人や地方公共団体の方針等が判断材料だ。

□書記次長 運営費交付金と他大学の状況を除いて、結局、本学職員の給与の取扱いに関する基本方針の(3)の「人事院勧告に基づく給与法の改正、労使交渉に要する十分な期間の確保、人件費予算の計画性の確保などを考慮して」とある。これをもって「基本方針」と言われると人勧以外のものが出てこない。こちらは人勧以外の理由を聞いている。

■理事 「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」の[基本的な考え方]は、(1)の「人事院勧告を有力な参考資料として基本におきながら決定する」だけではなく、(1)(2)(3)すべてだ。人勧だけではない。

□書記次長 人勧以外の理由について文書でほしい。いまだに人勧以外の理由についてイメージがない。

■理事 「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」に基づいて、給与改定を検討する。ただし閣議決定の要請も受けているのでこの閣議決定もふまえて考える。また、レベルは異なるが本学を取り巻く情勢もある。財務状況、とくに運営費交付金、その中でも人件費が今後どうなるか見通しがつかないということもある。同様に閣議決定に基づいて要請を受けている他の国立大学法人、地方公共団体、学生・保護者等のステークホルダーがどう思うかも勘案して法人案を決めた、と何度も説明してきた。

人件費予算の中から実際にどれだけ使うのかが、労使交渉の課題?

□書記次長 4月からの予算編成の時点で、年間のボーナスを0.35ヶ月引き下げることを考えたか。

■理事 それを考えるべき時期ではなかったので、考えなかった。

□書記次長 なぜ人勧が発表されるとすぐに引き下げが出てくるのか。人勧以外(財務状況、運営費交付金見通し等)の状況があるのならば、年度はじめの予算編成の時点で、本学の状況、社会一般の情勢はこうだから引き下げる可能性があると、言うべきではないか。

■理事  4月の時点では計画的に必要な人件費を確保しなければならない。その際に、前年度実績をもとに確保するのは当然だ。その中から実際に何にどれだけ使うかということは、たとえば民間企業ならば毎年の労使交渉の課題となる。

□委員長 これについては後で議論するので先に進みたい。

□ボーナスも給与なので、翌年4月実施とすべきではないか。
■諸々の状況の中で、他大学等と同じようにしたい。

□副委員長 その前に1つだけ。片平での「給与改定に関する全学説明会」に参加した。[基本方針]の(3)は大事だ。つまり本学では、人勧が出ても給与改定の実施時期は翌年4月にするのが役員会の基本方針だ。これは他大学にはない本学独自の方針だ。しかし今回は、特別にボーナスを今年12月に引き下げるという。これは基本方針から外れている。なぜ今回は特別に基本方針と違うことをするのか。その理由が聞きたい。

■理事 月例給改定の時期については検討するという方針なので、結論を出してはいない。

□副委員長 基本方針は給与であって月例給限定ではない。本給だけでなくボーナスも含む。

■理事 ボーナスだけは、諸々の状況の中で、申し訳ないが、国家公務員や他大学、地方公共団体等と同じようにさせていただきたい。

□できない理由は? ■総合的に判断した。

□副委員長 本学の基本方針通り、ボーナスは来年6月実施という提案をしてほしい。

■理事 それはできないので今回のように提案している。

□書記次長 できない理由は何か。

■理事 理由はいま説明したこと全てだ。これらを総合的に判断したということだ。

□今年度の事情なら、附則改正でよいのでは?

□副委員長 6月のボーナス凍結の際は、今年度限りの特別措置ということで附則改正をおこなった。方法としては、この12月のボーナス引き下げも、就業規則の本則は変えずに、附則を改正するという方法も可能だろう。しかし法人案は、就業規則の本則を改正するというものだ。

■理事 就業規則改正案は決まっていない。示せる段階ではない。どのレベルで改正するかは、今後、事業場長懇談会や全学労使懇談会に諮らなければならない。

□副委員長 法人案に基づいて各キャンパスで「給与改定に関する全学説明会」が行われた。今回引き下げれば、2010年度以降も引き下げられたままだ。職員にとっては、ずっと後年度負担になる。今回だけ一時的にボーナスが下がるという話なら、附則改正でよいはずだ。しかし法人案はそうではない。今回の法人案を丸呑みすれば、未来永劫下がったままだ。

■理事 給与は毎年交渉する。

□なぜ自らの基本方針と異なる対応をするのか?

□副委員長 毎年というならば、毎年ボーナス4.5ヶ月から交渉すればよい。

■理事 毎年交渉するにあたっての法人側の考え方が「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」だ。6月のボーナスは臨時的、暫定的に凍結措置をおこなった。全体状況がわかってから清算することにして、例外的な取り扱いをした。6月の凍結措置と今回の給与改定は違う。今回は、6月ボーナスの凍結分も合わせて、今年度の年間ボーナスの引き下げを実施する話だ。

□副委員長 それが本学の基本方針と相容れないので、理由を聞いている。

■理事 そしてこれが交渉の入り口だ。本学の団体・機関としての性格、その性格に対する閣議決定に基づく要請、その性格に基づく学生・保護者等に対する説明責任等は、まさにその団体・機関としての性格から発するものだ。今回の給与改定は、個人や本学独自のレベルの問題ではない。

役員会方針の例外ではないのか?

□委員長 組合が言っているのは、法人側が、自ら決めた基本方針に関して、今回は例外扱いしているからだ。つまり、基本方針の(3)で翌年4月実施としているが、今回のボーナスについては今年12月実施としているからだ。

■理事 個別に見て基本方針の例外だと言うが、それぞれの判断材料がある。それを総合的に判断すると法人案になる。

□委員長 今回のボーナスについては基本方針(3)の例外になっているのではないか。

■理事 翌年4月から実施する基本方針なのにボーナスはそうなっていないと言われればその通りだが、あくまで全体のパッケージの中でどうすべきか考えた結果だ。方針案全体のパッケージの中で、とくにボーナスを見た場合の話だ。

□委員長 (1)も(2)も時期については書いていない。時期について書いてあるのは(3)に翌年4月実施と書いてあるだけだ。法人がそう判断するというなら、ボーナスについても来年度から実施したらどうかと言っている。

■理事 本学の団体・機関としての性格、全体の中の判断だ。

□委員長 (3)の例外ではないか。

■理事 それだけではない。

地域、職位、学歴、年齢などを含むラスパイレス指数で、なぜ比較できないのか?

□委員長 時間の関係があるので次に進む。ラスパイレス指数についてだ。なぜ我々がラスパイレス指数にこだわるかと言えば、組合員ではない過半数代表者も含めて、組合に聞いてくるからだ。法人側は、全学労使懇談会でも全学説明会でも、組合からラスパイレス指数88.8という話がされ、話し合っているところだと説明しているということだ。

■理事 組合との話し合いについては、バイアスなしに説明している。

□委員長 その際に、法人側としては100に比べれば低いが単純に比較できないと言っていると説明していると思う。

■理事 そうだ。

□委員長 比較できないというのならば、なぜ比較できないのか、その根拠を示してほしい。「国立大学法人等の役員の報酬等及び職員の給与の水準の公表方法等について(ガイドライン)」というものがある。(ガイドラインの様式2「国立大学法人等の役職員の給与等実態調査票」を示して)これは、人事院がラスパイレス指数を出すために、本学からデータを提出する際の様式だ。人事院はこれに基づいてラスパイレス指数を計算している。この様式に本学の全職員のデータを埋めて人事院に提出される。課長は知っているはずだ。

■課長 はい。

□委員長 たとえば地域、職位、管理職員かどうか、学歴、年齢などをすべて書いて提出している。そのデータをつかって人事院が計算しているので、このデータによって比較して良いのではないか。大きな狂いが出てくるようなものではないのではないか。このデータのどこで狂いが出てくるのか説明してほしい。

“およそ比較など意味がない”という姿勢ではないか?

■理事 前回組合から、国や仙台市内の国立大学を例として話があった。こちらは、100に対して88.8は低い、上げる努力はしている、100と88.8は単純には比較できない数字ではないか、ということを言った。その理由はこうだ。たとえば、東北大学Aと東北大学Bで、年齢構成も経歴も学歴も同じで、一方の給与は高く他方は低いならば、当然問題だ。しかし人数も構成員も違っていて、こちらが低いのはなぜかという場合はどうか。国について言えば、行政改革の中で、現場部門を国の業務から外して、独立行政法人化、国立大学法人化、中央機関への移管等をしている。その結果、それらはラスパイレス指数の基盤から外れている。ここまでは良いか。

□委員長 もう一度説明してほしい。

■理事 もし年齢構成、人数、学歴等が同じ団体なのに、給与に100と88.8の差があるということならば、給与水準が低いから是正すべきだ。国にしても、他の仙台の国立大にしても、そもそも構成、学歴、年齢等が違うので、単純には比較できない。

□委員長 それでは、およそ世の中の比較には意味がないということになるのではないか。

■理事 ラスパイレス指数の改善に努力はするが、単純には比較できないのではないか、と言っている。

総務省ガイドラインにもとづく給与公表には、意味がないのか?

□委員長 総務省は、このガイドラインにしたがってデータをつくり公表せよ、と言っている。それには意味がないのか。

■理事 それにはそれで意味がある。かつ、国民に説明できるようにすべきだ。

□委員長 国家公務員に比べて東北大学職員の給与水準が妥当だと言いたいのか。

■理事 それぞれの機関の役割・使命も考えて、数値が適当かどうかを考えるべきだ。

□委員長 それを聞いている。私はラスパイレス指数には意味があると考えるが、法人側が意味がないと考えるならば、その根拠が聞きたい。

■理事 これまでも努力しているし、これからも努力しなければいけない。

□委員長 それを聞いているのではない。比較することに意味がないという根拠は何か。

■理事 団体の性格や要素が違うので、単純には比較できない。

□委員長 それではラスパイレス指数で比較する意味がないということになる。同じ行(一)職員について比較している地方公務員についてはどうか。

■理事 表の項目は同じだが、人数も構成要素も違う。仙台市内の他の国立大学の場合、学長も理事も課長もいるが、若い人の人数等が違う。

□委員長 ガイドラインに基づくデータは年齢ごとに出している。

■2005年度を基準に、毎年確実に上げていく。

□書記次長 理事が計算した指数では東北大はどのような水準か。

■理事 計算できない。

□書記次長 おおよそで良いから答えてほしい。

■理事 計算できない。一番はっきりしている数字で上げていく努力をする。2005年度を基準に毎年確実に上げていくということだ。88.8が高いとは言っていない。数値としては低い。

地域勘案、学歴勘案、地域・学歴勘案の違いは?

□委員長 ラスパイレス指数には88.8の他に、参考として3つの数字が出ている。地域勘案(92.9)、学歴勘案(88.4)、地域・学歴勘案(92.6)だ。これら3つの数字の意味を教えてほしい。

■課長 調べる。

■課長補佐 自主的に出したものではなく、人事院から文科省を通じて逆に提供されている。

□委員長 自分たちの出した資料にもとづいて出ている数値であり、本学のhpに載っている数値だ。数値の意味は人事院に確認した方がよい。意味を質問されて答えられないではすまない。調べておいてほしい。(後日人事課より「参考提供の比較指標の算出方法について」の提供あり。交渉記録の末尾に記載。)

目的積立金となる剰余金のうち、人件費の節約分は7割。

□委員長 目的積立金について、何を節約して生じたものなのか、その中で人件費節約分はどれだけか、という質問を前回したが、法人側は明確には答えなかった。人件費改革5%目標のところ9.1%と超過達成していても、それは人件費の節約分がそのまま残っているということではない、別の形で使われたりしている、という説明だった。しかし、組合の調査によると、目的積立金となる剰余金のうち7割は人件費の節約分だ。教員人件費が6割、本部管理1割だ。それ以外の3割が物件費だ。これは大学財政の性格上こうならざるをえない。科研費などの外部資金はプロジェクトや特定の研究目的に使うものであり、余れば返さなければいけないので、蓄積することはできない。外部資金の一部が運営費交付金でまかなうべき部分をまかなっているということはあるが、剰余金は運営費交付金からしか生じない。

■理事 剰余はやりくりの中で生じている。法人化のメリットの一つだ。いろんな工夫で大学の発展のために使えるお金だ。

建物のための返済に、部局の教員人件費が使われるのではないか?

□委員長 目的積立金について、前回財務課長の説明を受けた。その中に、目的積立金の使途については償還可能な建物を優先するという説明があった。「償還可能」の意味は何か。前回交渉での財務課長の説明では、大学hpに出ているということだった。交渉後に大学hpを見たが、それによってむしろ疑問がわいてきた。

■理事 これは事務的に事実確認すべきことか、交渉で確認すべきことか。

□委員長 理事なので役員会には出ていると思う。今年3/27役員会の資料「学内財源を活用した新たな整備手法による建物整備計画(案)」だ。償還計画というものは、それにしか出ていない。前回財務課長が説明したのもそのデータだ。

■理事 目的が事実確認なら、別途事務的に確認した方が良いのではないか。

□委員長 役員としての理事に聞いている。

■理事 総長からの権限委任の中で、回答できる話とできない話とがある。

□委員長 回答できる話だと考える。たとえば、「学内財源を活用した新たな整備手法による建物整備計画(案)」によると、インテグレーションラボ棟は2010年までに全額返済予定だ。他に返済予定のものとしては、片平エクステンション教育研究棟が17.5億の返済予定額から約10億に軽減され、2012年までに4.7億返済予定ということだ。経済学的には償還と返済とはまったく異なる概念だ。現金を固定資産、つまり建物にする。その上で、償還という場合、固定資産をもう一度現金等の流動資産にする。つまり減価償却をする。それが「償還」だ。そういう計画があるのかと感心していた。しかし償還計画には「返済」とある。返済とは、お金を借りた人が貸した人に返すというものだ。返済と償還とはまったく違う。そのことが前回の交渉後にわかったので今質問している。片平エクステンション教育研究棟の例で聞く。この償還計画の中で、2012年までに4.7億返済予定と書かれている。これはどういうことか。思うに、片平エクステンション教育研究棟は、法学研究科と経済学研究科が使用する予定だと言われているので、法学研究科と経済学研究科が本部に対して返済する、という意味ではないかと思うが、違うか。

■理事 責任をもって答えられる状況にない。

□委員長 もしも学内での貸し借りだとすると、返済対象になっている部局は本部に返すということだろうか。返す方の立場に立ってほしい。返済に充てることができる原資は部局渡し切りの教員人件費しかない。前回は、将来の給与引き上げのための財源をプールする必要があるという説明があったが。

■理事 前回の説明は、大学のために有効に活用してもらうという説明だったはずだ。

□委員長 人件費の節約で建物が建てられた結果、将来の給与引き上げのための財源まで返済に充てられてしまうということでは困る。

■理事 部局で使うお金については部局の工夫の話だ。

准職員等の給与、減らさない工夫はできないのか。

□委員長 今回の給与改定で、准職員、時間雇用職員の給与はどうなるのか。全学説明会では、職員と再雇用職員の給与が下がるとは説明された。本学の准職員、時間雇用職員は長年働き、正職員並みの仕事をしている人も多い。しかし非正規なので正職員と比べてかなり待遇が悪い。准職員等の給与は今回の人勧に関わってどうなるのか。

■理事 今回の人勧に関わっては、正職員の給与やボーナスをどうするかという話だ。それに連動して准職員、時間雇用職員の給与単価にも影響が出る。

■課長 資料でも、今回のボーナス引き下げについては「准職員を含む」となっている。正職員についても若年層については本給の引き下げをしないので、若い准職員、時間雇用職員には、給与単価が下がらない人もいるだろう。

■課長補佐 今回、初任給を中心とした若年層については本給表の改定をしない。准職員、時間雇用職員の給与単価の積算根拠となった級号俸が若年層のところならば影響しない。高年齢層で高い級号俸のところで給与の単価が決定された人ならば、給与が減るかもしれない。

□委員長 下がる人とあまり影響を受けない人が出てくるということか。

■理事 正職員と同じだ。

□委員長 もともと低いので減らさない工夫はできないのか。説明会で、今回の正職員の給与改定が全体に及ぶので准職員等についても給与が下がることは避けられないが、別な形で工夫するという説明をしたのではないのか。

■理事 その理解は正確でない。たしかに片平での全学説明会でそのような質問はあった。その場で、准職員、時間雇用職員の待遇改善については、以前から組合の要求項目が継続しているので、その中で継続して考えなければいけないが、今回の給与改定においてそれだけを特別に取り扱うことはしない、と答えた。今回下がるから、その代わりに何かを上げるというような話はしていない。

□副委員長 先ほど、下がる可能性がある、という話があったが、可能性ではなく、下がるということではないか。

□書記長 高い人は下がるということではないか。

■課長補佐 通常の上限の人は下がらない。人数的にはほとんどの人は下がらない。教育職のパートの人については影響するだろう。

労働時間が減っていないのに、なぜ給与だけが下がるのか?

□委員長 これは複数の過半数代表者から聞いた話だ。民間が下がったことで、人勧も下がった。民間が下がった理由は、仕事がなくなり、利益が大きく減り、それが給与にも及んだということだ。同時に、民間の場合には仕事がなくなり、労働時間も減っている。ところが本学の場合、労働時間はまったく減っていない。もちろん、民間は労働時間が減ったのだから給与が下がっていいのだということを言っているのではない。民間にはそういう事情がある。本学は労働時間が減っていないのに、なぜ給与だけが下がるのか。それはなぜか。ぜひ聞いてほしいと言われた。これについて、どう考えるか。

■理事 それは本学が公の役割・使命をもっているために税金をもらっている団体・機関だからだ。問題としては認識している。このことについて以前から「入り口が違う」と言っている。

□委員長 これは論争してもしかたがない。理事がそう答えたということだけを伝える。

■理事 交渉でも、過半数代表者に直接聞かれても、全学説明会でも、同じように答える。

教員4.4億、職員2.4億の代償措置、金額入りで説明してほしい。

□委員長 「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」について。ボーナス引き下げによる不利益は、教員4.4億、職員2.4億だ。それに対する「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」についてどう考えているか、金額入りで、どの程度の規模で、どの程度のスケールでやるのか、説明してほしい。

■理事 就業規則改正によって不利益変更をするので、労働契約法第10条による4つの考慮要素によって説明してきた。この4つの考慮要素には含まれていないが、判例で言われているからということで、また私自身もそれによって資金が生じるということは事実なので、その資金をいかに有効に使うかについては、できれば説明した方が良いと考える。(1)勤勉手当における優秀者選考の増員、(2)研修経費の充実、(3)業務改革推進関連経費だ。「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」については、過半数代表者に、ぜひ意見を出してほしいと言っている。全学説明会でもお願いした。組合にも提案してほしい。

【組合注:合理性判断の考慮要素について】

「基発第0123004号」参照。組合は、労働契約法第10条の5項目の中に判例の7項目が含まれていることを重視しており(下記(カ))、法人側は、これらが総合的に考慮されることを重視しています(同(ア))。

「労働契約法の施行について」(抜粋)

(平成20年1月23日「基発第0123004号」。都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

4 就業規則の変更による労働契約の内容の変更(法第9条・第10条関係) (3)法第10条の内容  オ 法第10条本文の合理性判断の考慮要素

(ア) 法第10条本文の「労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況」は、就業規則の変更が合理的なものであるか否かを判断するに当たっての考慮要素として例示したものであり、個別具体的な事案に応じて、これらの考慮要素に該当する事実を含め就業規則の変更に係る諸事情が総合的に考慮され、合理性判断が行われることとなるものであること。
(カ)法第10条本文の合理性判断の考慮要素と判例法理との関係については、次のとおりであり、同条本文は、判例法理に沿ったものであること。(組合にて、下表に整理)

 労働契約法第10条 第四銀行事件最高裁判決
1労働者の受ける不利益の程度(1)就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度
2労働条件の変更の必要性(2)使用者側の変更の必要性の内容・程度
3変更後の就業規則の内容の相当性(3)変更後の就業規則の内容自体の相当性
(4)代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
(7)同種事項に関する我が国社会における一般的状況
4労働組合等との交渉の状況(5)労働組合等との交渉の経緯
(6)他の労働組合又は他の従業員の対応
5その他の就業規則の変更に係る事情

数字は言えないのか?

□委員長 勤勉手当の優秀者について、数字はまだ言えないのか。

■理事 手続き中であり、まだ決まっていないので言えない。

□委員長 どのくらい増やすつもりか、言えないか。

■理事 それは人数見合いの話なので難しい。

□委員長 組合だから、過半数代表者だから言えるとか言えないとかではなく、一連の流れの中で、時間が経ったので言えるようになった、ということもあってよいのではないか。今までは言わなかったが、組合からも過半数代表者からも言われており、要望が非常に強いことがわかったので言うことにした、ということで十分なのではないか。過半数代表者の会議で言わなかったから組合にも言えないということはない。

■理事 最終的なことはまだ決まっていないから言えない。

□委員長 部局に推薦枠が出されている。

■理事 部局の中での手続きがある。部局から上がってきて、最終的には総長が決める。

□委員長 部局に推薦枠が出され、もう締め切っているはずだ。

■理事 その後、一人ひとりについて計算しなければいけない。

□委員長 おおよその数でよい。

■理事 おおよそではない。もちろん、おおよその人数見合いというものはある。全学の推薦の合計がどれだけになるか。その中で若手はどうか。全学基準に照らして部局推薦は適切か。いろんな要素がある。

□委員長 何%になるかを聞いているのではない。2割増、5割増など、従来に比べてどれほど増えたかを聞いているだけだ。

■理事 言えない。

□委員長 12月でも言えないか。

■理事 言えない。

□委員長 それほどの極秘事項か。

■理事 そうだ。どこも公表していない。

具体的に、引き下げの額に見合うものを。

□副委員長 仮に12月にボーナス引き下げを実施するのならば、その前に「代償措置その他の関連する労働条件の改善」の説明をしなければ、就業規則改正ができないのではないか。

■理事 労働契約法第10条の4項目については説明した。

□副委員長 「代償措置その他の関連する労働条件の改善」なので、何がどのように変わったかなどを具体的に説明しなければ「改善状況」にならないし、桁違いのものでは「代償」にならない。

■理事 今回余った分については全部使わなければいけない。臨時収入はあるかもしれないが、今後どれだけ収入があるかどうかはわからないので、将来に備えなければならない。

□副委員長 教員の4.4億、職員の2.4億の行方はどうなっていくのか。その形が聞きたい。また労働者にとってかけがえのない給与を引き下げるのならば、代償措置はそれに見合うものにしてほしい。

■理事 見合うものを個人の給与に使うか、それとも自らが働いている機関が発展するために使うか、ということだ。今回は、一人ひとりに着目して給与を引き下げるのではなく、機関に着目して給与改定せざるを得ないというケースだ。それは理解してほしい。

人勧の要請で引き下げるにしても、翌年4月にすべきではないか。

□副委員長 人勧の要請があって引き下げるにしても、翌年4月にすべきなのではないか。なぜ他に合わせようとするのか。従来の役員会決定によって翌年4月に実施する方が自然だ。

■理事 それだけではない。それも含めて全体として判断した。基本方針は大事だ。しかし、閣議決定の要請もある。

□副委員長 文科省からの直接の要請はない。

■理事 閣議決定だ。

□副委員長 国家公務員に対するものだ。

■理事 国立大学法人についても要請する、と閣議決定している。

□副委員長 前回、直接は要請されていない、ということだった。

■理事 閣議決定されているということは、要請されているということだ。国民が国会議員を選び、国会に基づいて内閣があり、その内閣の閣議決定だ。

□副委員長 基本方針と合わない。

「代償措置その他の関連する労働条件の改善」について

□委員長 「代償措置その他の関連する労働条件の改善」の説明について中途半端だった。再度説明してほしい。

■理事 再度説明する。「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」については、過半数代表者に、ぜひ意見を出してほしいと言っている。全学説明会でもお願いした。組合にも提案してほしい。

「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」法人案 ※(1)は「代償措置」として、(2)(3)等は「関連する他の労働条件の改善」として

(1)勤勉手当における優秀者選考の増員
(2)研修経費の充実
(3)業務改革推進関連経費
・その他、保育所新設やインフルエンザ対策等について検討中。

□金額も示してほしい。 ■金額は言えない。

■理事 保育所の入所を待っている人がいる。インフルエンザ対策については、ワクチンなど難しい面もあるが、病院職員を優先したいと考えている。

□委員長 保育所については、以前から計画されていることは知っているか。

■理事 はい。これまでお金がなくて進まなかった。今回はチャンスだと考えている。

□委員長 規模は。

■理事 保育所1箇所で約1億。今回浮くお金の中で貯金すべきものもある。それは経営判断すべき事項だ。通常ならばできないことを今回実現したい。

□委員長 具体的に、金額も示してほしい。

■理事 無責任な回答はできないので、金額は言えない。

今回の引き下げがなかったならば、やらなかったのか?

□委員長 インフルエンザ対策は、今回の問題がなくてもしなければいけないことではないか。

■理事 お金の問題がある。組合から建設的な提案をしてほしい。

□委員長 インフルエンザ対策は、もし今回の人勧による引き下げがなかったならば、お金が浮かなかったのでやらなかった、ということか。

■理事 検討事項であり、まだ判断していないことだ。

□代償措置は手当等で。
■期末の一律支給と勤勉の優秀者増員では、まったく異なる。

□副委員長 組合からは、代償措置は手当等で、と要求している。

■理事 人件費を削って、それを個々人の人件費に充てるということは、今回の場合、説明が難しい。まして3月の期末手当などは論外だ。3月の期末手当は過去に公務員にあったが、なぜ民間にはない制度を国に措置するのかが問題となって廃止された経緯がある。その際、3月分は6月と12月のボーナスに振り分けられた。たとえば3月の期末手当を単純に復活させるのではなく、6月・12月の引き下げを考えて3月に勤勉手当を支給するといった話の方がまだ説明がつくのではないか。6月・12月をそのままにして3月に期末手当を出すということではまったく説明がつかない。

□副委員長 これはアイディアとして言っている。期末・勤勉手当の引き下げを、実際に人件費に還元する案はないのか。

■理事 期末手当の一律支給と勤勉手当の優秀者割当の増員とではまったく異なる。今回皆一律に下げているにも拘らず、一律に上げるということはできない。

□副委員長 下げる方は、学内でも全国でも皆一律に下げておきながら、上げる方は、一律に上げることはできないというのは、まったく理解できない。

■理事 一律に下げるのは機関の性格や役割、使命からそうせざるを得ない。働く一人一人の評価ではなく、団体そのものの位置付けからだ。国立大学法人は皆同じだ。

□副委員長 教員のみなし労働時間を15分多くするのは、教員についてだけなので一律ではないのではないか。

■理事 一律の意味が違う。

□副委員長 勤勉手当の優秀者のように、ごく少数の人間ならよいということか。

■理事 法令に照らして適正な執行なら良い。

優秀者が良好を上回る分の差額は、本部から部局に追加配分。

□委員長 部局渡しきりの教員人件費について、今回下がるのは4.4億だが、代償措置としては優秀者の増員以外は言われていない。それ以外の使い方は、部局に任せているということか。

■理事 誤解があるかもしれないので説明する。成績優秀者が良好を上回る分の差額については、今回の増員分に限らず本部から部局にお金を追加で配分している。部局渡し切りの教員人件費から充てるということではない。この増員分に4.4億から充てるということではない。

4.4億の使い方は、部局長の責任と判断。

□委員長 これまでの説明では、他の4.4億の使い方については部局に任せている、ということだ。部局によってボーナス引き下げ分の使い方が変わってくる。これについては、組合や過半数代表者と各部局との交渉に任せるということで良いか。

■理事 これについては、全体の中で部局長に責任と判断があり、部局長が説明すべきことだ。私には言えない。本部としては教育や研究に使ってほしいと言っている。

本部が代償措置に責任をもつべきではないか。

□副委員長 本部主導でボーナスを引き下げ、お金を貯めさせているという問題なので、本部が代償措置に責任をもつべきだ。

■理事 それでは部局が大変なことになる。私は部局長を信じている。

□副委員長 個別の交渉事項となるのか、本部が責任をもつべきなのか。本部は組合と交渉する機会もある。しかし部局長にはそういった場がないのではないか。

□書記長 部局渡し切りなので教員については代償措置がなく、各部局長の権限で対応するということになると、教員については、ボーナス引き下げに見合う労働条件の改善があり得ないということになるのではないか。それでは説明責任が果たされない。

■理事 お金は学内のルールでそのように配分しているが、代償措置については、勤勉手当優秀者の割合を増やす。

□書記長 それだけだ。

■理事 保育所にせよ業務改善にせよ、実質的にはボーナス引き下げによるお金を使わなければできない。

“業務改善等のためにある程度割いてほしい”もあり得る。

□書記長 各部局に建物を建てても、部局長の判断だから問題ないということか。

■理事 保育所を建てるから協力してほしい等、いろんな話は出てくるだろう。事務の業務改善についても、事務は教員のために頑張っているのだから、その分について本部で使うから、4.4億のうち事務の業務改善のためにある程度割いてほしい、という話もあり得るだろう。大学全体の中で使う話なので、完全にすべてが部局長に任せられているということではない。大学あっての部局だ。

□書記長 こういった問題については本部主導で吸い上げて対応することがあっても良いのではないか。

■理事 ぜひそうありたい。しかし現在のルールではそうはいかない。教員の理解を得ることは、組合との交渉以上に難しい。

部局長と労働者側で合意した場合は?

□書記長 本部の団体交渉では、部局渡し切りの予算なので部局長に権限があるということだ。そうすると、各部局で組合の支部が団体交渉をおこなうことになる。様々な要求について部局長と組合側で合意したとする。それを役員会は認めるということか。部局長の判断なので。

■理事 部局長が説明し、承認される。部局長が不適切な執行をすることはあり得ないと考えている。交渉かどうかはともかく、部局で予算をいかに適切に執行すべきか、教員も職員も一緒に考えればよい。

部局長と労働者側との交渉に対して、本部はストップをかけない。

□委員長 本部としては、部局長と過半数代表者や教員が交渉することに対して、ストップはかけないということか。

■理事 はい。教員分や事務職員・技術職員分といった仕組みになっているが、大学全体としてどう使うかという共通事項はあるが、部局で余った教員人件費をどう使うかについては、まずは部局長が主体的に判断すべきことだ。部局長が適正な判断をするためにいろんな意見を聞くことはあってよい。

□委員長 たとえばどの部局も6、7月頃に予算を決定するが、その際に、教員一人当たりの研究費を増額するという場合があってもよいのか。

■理事 部局長が、他の部局等に対して、きちんと説明できるかどうか、という問題だ。

□委員長 本部はストップをかけないということか。

■理事 法令違反や著しく問題であるケース、大学の発展のためにつながらないといった場合でなければ。

□来年度以降も、引き下げの一環として優秀者増員を続けるのか?
■担当理事としては、そうしたい。

□委員長 勤勉手当の優秀者の増員はしているということだが、ボーナスの0.35ヶ月引き下げをする一環なので、それが続いている間は、来年度以降も優秀者の増員を続けるということか。

■理事 基本的には、担当理事としてはそうしたい。実際にできるかどうかは、大学全体の判断だ。

□委員長 優秀者の枠を増やすことと同様に、昇給枠の拡大という対応も考えられるのではないか。法人側としては月例給の引き下げを考えているということだ。その時期はわからないが、月例給を引き下げる場合、その時に昇給者の枠を増やしたらどうか。

□委員長 いくつかの大学で、代償措置として地域手当をアップするというところがあるようだが。

■理事 これまで国家公務員の水準に達していなかったところだろう。

□月例給引き下げは、来年4月実施と想像する。
■検討を踏まえて結論を出す。

□委員長 月例給の引き下げについては提案もされていない。説明会などでの話では、来年4月からの実施を考えているように感じたが、これについてはどうか。

■理事 現在意見聴取中だ。その意見聴取をふまえて決断したい。

□委員長 基本方針には4月実施と書いてある。

■理事 基本方針ではそうだ。

□委員長 組合としては、月例給については、法人側が来年4月実施で考えていると想像する。

■理事 検討を踏まえて結論を出す。

次回、交渉テーマを広げる。

□委員長 それ以外については、今回も歩み寄りはない。多少、誤解が解けた部分はある。

■理事 互いに理解が深まったのではないか。

□委員長 交渉しないよりはよい。

□副委員長 労働契約法の4項目、あるいは判例の7項目について、文書でほしい。

■理事 口頭で説明した。

□委員長 このまま継続してもあまり進展はないと考える。法人側も同じ理解だと思う。次回交渉をおこなう際には、少し時間をおいて、2つの要求に限らずフィールドをやや広げて行いたい。

□書記次長 12月ボーナスの基準日はいつか。

■理事 12月1日だ。

■課長補佐 これで交渉を終了する。


(※交渉後、ラスパイレス指数の説明に関して下記資料が法人側より提供されました。)

参考提供の比較指標の算出方法について

(人事院作成「国立大学法人等の役職員の給与水準の公表 公表様式記載要領 及び 国立大学法人等給与等実態調査事務要領(平成20年度公表用)」より)

(1)在勤地域・学歴を勘案した比較指標

 在勤地域・学歴を勘案した比較指標は、ガイドライン様式1のII-2-(5)で公表することとされている対国家公務員指数の算出方法と同様、法人の人員構成をウエイトに用いて年齢階層別に算出することを基本とした上で、各年齢階層に属する職員を、地域区分や学歴区分で更に細分化して算出します。
 集計結果及び比較指標は、次の3パターンで提供します。(「4 国立大学法人等給与等実態調査の集計内容について」の別紙4参照。)
 文部科学大臣及び法人は、提供された在勤地域・学歴を勘案した比較指標をガイドライン様式1のII-2-(5)の「給与水準の比較指標について参考となる事項」に記載してください。(記載要領II2(5)のオ(1))そのほか、説明として、職員の在勤地域・学歴構成による要因を記載する場合も、提供された在勤地域・学歴を勘案した比較指標を使用してください。(記載要領II2(5)のエ又はオ(4))
 また、分析を行う上で、国の在勤地域別・学歴別の年間給与額を必要とする場合は、人事院に相談してください。

○在勤地域別

 在勤地域は、平成21年3月31日における国の地域手当の級地区分(非支給地を含め7区分)に対応して区分します。
 なお、国には地域手当の支給割合の異動保障制度等があり、例えば在勤地域が5級地であっても、職員個人の受ける地域手当の支給割合は10%であるといった場合があります。法人の職員についても同様の事情があると思われますが、この比較においては、そのような職員であっても在勤地域の区分(上記の例の場合は5級地)で整理し、年間給与額を比較します。

○学歴別

 学歴は、国のいわゆる「給与決定上の学歴」(人事院規則9-8(初任給、昇格、昇給等の基準)別表第3「学歴免許等資格区分表」中の基準学歴区分)に対応して区分します。当該区分は、大学卒、短大卒、高校卒及び中学卒の4区分です。したがって、調査票の「(4)学歴」欄に5(修士課程修了者)又は6(博士課程修了者)が入力されている場合は、4(大学卒)と合わせて集計します。

○在勤地域別・学歴別

 在勤地域別に区分した職員を更に学歴別に区分する集計であり、「地域区分」や「学歴区分」の考え方は上記の「在勤地域別」「学歴別」と同様です。


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