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「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」等 4つの「基本方針(案)」に対する暫定的見解

2006年2月9日
国立大学法人東北大学職員組合

 先に大学側から提案のあった「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」「65歳までの継続雇用システム(案)」「事務系職員等の新たな人事評価システムに関する基本方針(案)」「新たな能力開発システムに関する基本的考え方(案)」について、下記の通り当組合の基本的な見解を提出する。なお、これは暫定的な見解であり、今後の団体交渉の中でさらに詳細な回答をしていくつもりである。

1.「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」について

  1. 組合は、この大学側方針を受け入れられない。
  2. 運営費交付金の減額がないにも拘らず給与水準を引き下げることには全く同意できない。
  3. 法人移行にあたっての教職員の労苦に正当に報いるべく、3月15日頃までに期末手当0.1月分を復活して支給すべきである。
  4. 本学2004年度決算の黒字分(当期利益11億3000万円)と、今回の給与改定により生ずることとなる原資をどのように使うかについて、今後の大学のあり方も含めて大学は説明すべきである。
  5. なお、組合との団体交渉の中で、地域手当の非支給地についても財務状況を見ながら支給を検討する旨の理事発言のあったことについて、組合は重大な関心をもって注目している。

2.「65歳までの継続雇用システム(案)」について

  1. 事務職員や技術職員について、現在の60歳定年制を維持したうえで、それに加えて65歳までの継続雇用制度(再雇用制度)を導入することは、少なくとも当面は現実的な対応策であると考える。ただし、今後、定年の延長についても検討すべきである。
  2. 再雇用を希望する職員については、原則として全員を雇用すべきである。またその際に、当人の希望を尊重しつつ、能力・適性に合った職務に就けるよう配慮すべきである。
  3. 給与水準については、職務の軽減度に応じて適切なものとなるようにすべきである。提案内容には検討の余地があり、今後も協議を続けたい。
  4. 契約期間について、1年ごとの更新とすることには合理的理由はなく、期間の定めをおかず年金支給開始年齢をもって退職する制度とすべきである。
  5. 1980年7月以前採用の准職員や、法人化以前から更新限度のない時間雇用職員については、今回の再雇用制度の対象とすべきである。
  6. 雇用保険の高年齢者雇用継続給付の活用および本学負担による暫定手当の措置については、大学の見識を評価する。法人化から現在までの間に高年齢者雇用継続給付の資格要件5年を満たさないことは制度上のミスであり、大学は政府に対してこの分の運営費交付金を当然に措置するよう要求すべきである。
  7. 教員の定年問題についての案を早く示すべきである。なお、教員の定年年齢を現行の63歳を下回るものとすることには反対である。

3.「事務系職員等の新たな人事評価システムに関する基本方針(案)」について

  1. 何らかの評価システムを導入することについては、反対しない。
  2. 人事評価システム導入は、教職員の労働意欲の向上および職場の相互理解の増進を目的とすることを明確にするべきである。
  3. 日本国憲法第14条に則り、性別や思想・信条による差別は絶対に行わないことを明確にすべきである。また、このことを評価者研修で常に徹底するべきである。
  4. 評価基準をより具体的に明示し、公開するべきである。
  5. 従来の勤務評定とは異なり、職員に対する評価結果のフィードバック、性格評定廃止、評価者訓練、評価指標へのコンプライアンス(法令遵守)の位置付け等を明確にしたことについては評価する。しかし、能力評価については潜在的な職務遂行能力を評価する曖昧なものであることに加え、職務遂行過程評価とも重複しており、煩瑣かつ曖昧な査定が行われるおそれがあり問題である。
  6. 本人への評価結果のフィードバックは、文書を本人に交付する方法によって行い、かつ、本人署名による受領確認を義務づけるべきである。
  7. 査定の実施にあたっては、査定者の独立を保障し、新たな評価者が以前の評価者の評価履歴を参照できないようにすべきである。
  8. 公正な評価のあり方については、今後も引き続き議論したい。

4.「新たな能力開発システムに関する基本的考え方(案)」について

  1. 能力開発システムを導入し教職員の研修制度の充実を図ることについては賛成する。
  2. 研修を通じてコンプライアンス(法令遵守)の徹底を図ることを明確にするべきである。
  3. 教職員の研修が大学としての能力向上に直結することを認識し、その立場から、職務に必要な研修については、大学が時間的・経済的な負担をする方向を明確にするべきである。
  4. 国際的な業務や産学連携分野等、本学におけるこの間の業務拡大によって生じた専門技能を初めとして、本学の業務に必要な職種および技能についてあらためて総点検し、それに必要な研修を整備するべきである。

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