ホームに戻る

国立大学法人東北大学職員組合
2008年度定期大会議案

と き:2008年7月19日(土)13:15〜17:00
ところ:片平市民センター 3階 第1・2会議室

この大会議案には、課題別・職種別に経過と課題を記載しています。労働条件の改善、生活の充実をめざして、啓発・協力し合える組合をめざして、職場討議を進めましょう。定期大会に全ての組合員の意見が反映されることを期待します。

議案をPDFでダウンロードする


第1号議案(経過報告と運動方針)

はじめに

(1)国民の生活が大変になっています

 現在、2008年4月から始まった「後期高齢者医療制度」への国民の怒りが渦巻いています。この75歳からの人々を一纏めにして、それ未満の人々の健康保険制度から切り離すという制度は、まるで「姥捨て山のようだ」と批判されています。また、昨年以来の「宙に浮いた年金問題」もまだ解決にはほど遠い状態です。

 政府によって推し進められてきた、いわゆる「新自由主義」政策は、「勝ち組・負け組」という言葉に端的に示されるように、少数の富めるものを生み出す一方、多数の国民の生活を大変苦しい状態に追い込みました。

 大企業がもうけを独り占めする一方、働く人々の間では、年収200万円以下の、働いても働いても生活が困難なワーキングプアと呼ばれる非正規労働者が増大していますし、正規労働者も人員削減が続いて労働強化が進み、過労死や精神疾患の危険にさらされています。

 学生も、高い入学金や授業料に苦しめられ、止むなく退学せざるを得ない人も多く出ています。

 いま、このような貧困な生活の改善を求めて、多くの人々が声を上げつつあります。

(2)東北大学の中でも声を上げています

 この1年間、組合は、東北大学で働く人々の中でも労働条件のよくない准職員や時間雇用職員の労働条件の改善を第1の課題として運動を展開してきました。その中で、2008年3月の0.05月一時金支給について、准職員にも正規職員と同様に支給することを実現しましたし、また時間雇用職員についても、2008月6月ボーナス支給時に合わせて、30時間分の一時金を支給するよう要求しました。29部局長のうち25部局長が一時金の支給に賛成したにもかかわらず、法人側は最終的に支給をせず、要求が実現しませんでした。

 このように、不十分な点もありますが、働く者の声を法人側に届けることができるのは、唯一職員組合のみであることが、この間の活動でますますはっきりしてきています。

(3)組合の現状は厳しいものがあります

 しかし、組合の声が法人側にしっかりと届いているかというと、残念ながら不十分といわざるを得ません。その大きな理由は、やはり組合が十分に大きくない、むしろ小さくなっていることにあります。交渉力を強めるためには、何といっても組合員の数を大きくして、少なくとも教職員の過半数を組織する組合を作り上げていかなければなりません。

 ところが、組合の現状は組合員数が減少傾向にあり、交渉力が弱まるだけでなく、財政的にも極めて厳しい状態になりました。そのため、書記1名が退職してその後を補充せず、専従書記1名体制とならざるを得ませんでした。組合の底力が低下する事態になっているのです。

(4)組合を大きく力強いものにしましょう

 このような現状をみていると、何となくこのまま組合は小さくなっていくだけのように思えます。でも、マスコミの報道によりますと、最近、小林多喜二の『蟹工船』が若い人の間で大変読まれるようになっているそうです。虐げられた労働者が団結して使用者側に当たっていく姿が、現在の若者たちの共感を呼んでいるとのことです。

 評価と競争の中で、人々はばらばらにされ、団結とか連帯という言葉がほとんど死語のようになっていたかもしれません。でも、それでは世の中は決してよくならない、生活は改善できないことに、人々が少しずつ気付き始めているといってよいでしょう。

 東北大学は、中小零細企業で働く人々からみれば、まだ恵まれている労働環境かもしれません。しかし、正規職員は人員が削減されても後補充がなく長時間労働を強いられており、非正規職員は、正規職員と同様の仕事をしていても労働条件が悪いのが一般的です。教員も研究時間を削って外部資金獲得や評価のための書類作成に追われることが多くなっています。こうしてみると、東北大学で働く人々も、正規職員にしろ非正規職員にしろ、このままでいいと思っている人はむしろ少数でしょう。

 組合は、このような東北大学で働く教職員全員の労働環境の改善を目指し、これからも活動していくことが大事です。そのためにも、いろいろ工夫をこらして、ぜひ組合を大きくしましょう。きっとその条件はありますから。

ページのTOPへ


1.2008年度の運動の基調と重点課題

[1]運動の基調

(1)組合の基本的な目的は、

(2)世界と地域の未来をつくる大学、いかなる権力からも自由で創造的な大学を目指します。大学の自治を維持・発展させ、学問の自由、学内民主主義、自律性原理を基本に真の大学改革を進めていきます。

(3)教職員の生活と労働条件、職場環境をより良くしていくために、労働三権を全面的に行使していきます。

(4)全大教に結集して政府や国立大学協会との交渉・会見など全国の大学に共通する課題に取り組みます。

(5)地球環境、平和・民主主義、文化の各課題について、広範な市民、団体とともに運動を進めます。

[2]重点課題

(1)基本要求にもとづき積極的に政策策定活動を行い、団体交渉や迅速な宣伝活動等を通じてそれらを実現する存在感のある組合をつくります。

  1. 2008年度版「基本要求」を作成し、活動の中でその充実をはかります。
  2. 新教員組織の下での負担増をふまえ、待遇改善、評価と給与査定をめぐる問題など実態把握・分析と提案が組合活動にとってますます重要になっています。積極的な政策活動を行っている「賃金・人事制度検討委員会」を引き続き存続させ、その提言に基づき、当面の課題に対応します。
  3. 運営費交付金の競争資金化に反対し政府に対して基盤的予算の拡充、高等教育の無償化を求めます。
  4. 「団体交渉に関する協定」「組合活動に関する協定」を有効に活用し要求の実現をはかります。適切な時期に適切な課題を提起できるよう交渉能力を高めます。
  5. 事務職員の長時間労働の縮減、サービス残業の一掃について、使用者責任を明確にして強力に取り組みます。
  6. 多忙化による教職員のメンタルヘルス問題について、法人側に健康に働ける環境整備を求めるともに、組合活動がコミュニケーションと「心のケア」の場となるよう取り組んでいきます。

(2)支部活動の活性化、計画的な組織拡大を進めます。

  1. 法人化後4年を経過して浮きぼりになった問題と課題を整理して支部にもわかりやすく伝えます。
  2. 過半数組合をめざす目標と計画を作成し、本部と支部で協力して系統的に組合員拡大を進めます。

(3)ホームページの充実をはかります。また、適宜、立て看板や掲示板によって組合の方針・実績・重要性をわかりやすく宣伝します。ホームページと電子メールによる組合員への効果的な広報に努めていきます。

(4)青年部の活動を応援し、組合の担い手を育てます。若い世代の多い事務職員、看護師、技術職員、助教への働きかけを工夫します。

(5)准職員、時間雇用職員の労働条件改善を進め、正規職員との格差是正に努めます。

(6)組織・財政検討委員会を引続き設置し、組合員拡大を大きく前進させる中で、財政の健全化をはかります。

(7)過半数代表者の民主的な選出が適切に行えるようにサポート活動をします。また、就業規則・労使協定等をより良いものにしていきます。さらに、組合の団体交渉の重要性を過半数代表者と教職員に伝えていきます。

(8)教職員共済本部との団体事務取扱契約に基づいて、組合員・教職員の教職員共済生協への加入を促進します。

(9)他大学への出向、転籍に際しては、全大教全体として組合員減とならないように単組間での連絡を密にします。

(10)憲法9条を守り、憲法に保障された自由と権利を仕事とくらしに活かします。

ページのTOPへ


2.法人側の暴走にブレーキを! ─法人化後の大学─

[1]法人化後4年経過した大学と組合運動

(1)ますます評価と競争が強まっています

 以上は、「井上プラン2007」の2008年度改訂版23頁に掲げられている文章です。その項の表題は、「5-(3)大学を支える人材の確保・活用を図れる人事システムの構築」となっています。法人側が目標とする人事システムとは、評価と競争のなかに教職員を投げ込むことであることが、よく示されています。

 しかし、例えば、ディスティングイッシュトプロフェッサーについては、その制度がマスコミの関心を集めたことは確かですが、教員にとっては研究条件が重要で、必ずしも給料だけで動くものではないとか、1月10〜20万円の給料上乗せとはケチな話だとか、あまり芳しくない反応もあったように、これで優秀な人材が確保できる保証があるわけでなく、むしろ東北大学はバカバカしいことをやっているとみられているのではないでしょうか。

 また、教職員に何らかの評価が必要なことは否定しませんが、例えば、今年度導入されようとしている全職員対象の人事評価第二次試行では、評価と面談が、(1)目標設定面談(6月)、(2)中間評価面談(10月)、(3)期末評価面談(1月)、(4)フィードバック面談(2月)と4回行われることが予定され、さらに評価者と評価者の上司等複数で組織する評価会議で評価することになっていて、評価者も被評価者も評価疲れしないか心配になります。

 競争は、上記した「井上プラン」に書かれているものだけではありません。事務職員の中間管理職について立候補制が導入され、本部役員の前でプレゼンテーション等をした上で昇任が決められた人がいました。これなどは競争の最たるものでしょう。

 しかし、この制度については、「井上プラン」に書かれていませんし、誰がこの制度で昇任したかも公表されていません。なぜでしょうか。誰がディスティングイッシュトプロフェッサーになったかは公表されています。優秀な職員と評価されて昇任したならば、それが誰なのかを公表した方が競争が激化して、法人側の求める方向に一致するのではないでしょうか。

 でも、法人側は、それは公表しない方が得策と判断したようです。その理由は推測するほかありませんが、事務職員が担う仕事はチームとして行われるものであって、個人プレーではないからではないでしょうか。つまり、この人が昇任すべきだとチームのみんなが納得する昇任人事ならば、その後の仕事も順調に進むでしょうが、その職員の普段の行動をほとんど知らないであろう法人役員の前で、個人として行ったプレゼンテーションで昇任したら、その後のチームの人間関係はぎくしゃくしたものになって、仕事の遂行に支障が生ずることを懸念したからではないでしょうか。

 組合は、教職員が評価と競争の中で心身にわたる健康を害したり、人間関係が損なわれたりすることを防ぐにはどうすべきかを具体的に検討し、その方策を法人側に要求していくことが重要です。

(2)大学の意思決定がますます不透明になっています

 国立大学の法人化の狙いの1つが、大学の意思決定方式をトップダウン式に改めて、教授会や評議会の役割を極力小さなものにすることにあった以上、大学の意思が総長を中心とする少数の役員等によって決められることになるであろうことは、すでに十分予想されたことでした。東北大学においては、意思決定の中心部分を総長室が担っていることは、昨年の大会議案でも指摘されている通りです。

 しかし、大学経営はともかく、教学の面でも教職員の声をほとんど聞かないまま、トップダウン的に事が運ばれる傾向にあることは問題を孕みます。1つ例を挙げます。

 それは、教養教育の問題です。「井上プラン」には、「1-(1)大学教育の根幹となる教養教育の充実」の項に、「A東北大学独自の教養教育カリキュラムの再構築」と「B教養教育の実施体制の充実」が掲げられ、その目玉として、TOEFLの導入や総長特命教授(教養教育)の任命などが盛られています。

 しかし、教養教育のあり方について、大学の一部の審議会や委員会で検討はなされているものの、大学全体として十分な議論がなされているとは到底いえません。かつて教養部を廃止した際の姿勢とは雲泥の違いがあります。教養部廃止以後の教養教育について、しっかりとした総括なしに、「井上プラン」の掲げる「教養教育を綜合的に統轄し、科目設定、教員人事、学生支援等に責任をもつ組織体制を整備する」という目標は実現しないでしょう。

 その他にも、法人側の策定したプランを実現するために、関係教員の意見をほとんど聞かずに事を進めるという事態がみられます。教授会や評議会が法人側をチェックする機能をほとんど失っている現状からみると、組合こそ法人側をチェックできる唯一の組織といえます。組合は、このチェック機能をより強化していく必要があります。

(3)教職員の多忙化が深刻になっています

 法人化に伴って導入された法人の中期目標・中期計画に対する法人評価が2008年度に行われます。この評価に向けて、教職員は、単年度ごとの自己評価や第三者評価等、評価のための会議や書類作りに追われているのが現状です。

 また、教員については、外部資金獲得が至上命令になっているため、そのための書類作りも加わってきます。日常的な教育は絶対手を抜けませんから、いきおい研究時間を削ることで対応するほかありません。

 事務職員、技術職員については、法人側は、団体交渉の席上、その人員の削減・合理化を広言していますので、今後は団塊の世代の退職に際して後補充をせず、せいぜい非正規職員をその代替とする程度で済まそうとするでしょう。

 病院職員、とくに看護師は、いわゆる「7対1看護」の実施により人員が増えましたが、決して人的余裕ができたわけでなく、新人が実戦力になるまでの教育や、途中退職者の多いことなどを考慮すると、その労働条件の改善が求められており、とくに年次有給休暇の消化が満足にできないことに変わりありません。

 准職員、時間雇用職員のことはのちに詳しく触れますが、この非正規職員がきわめて多人数に上っており、しかも正規職員と変わらない業務に従事している人もいることを考えると、非正規職員の労働条件の改善要求も組合の大きな課題です。

 さらに、清掃や窓口業務などで外部委託が広範に進んでいることも見逃せません。

 以上のように、東北大学で働く多様な職種の人々が、それぞれ相当多忙になっています。私たちの健康破壊を許さず、またサービス残業の根絶を求めていくことが重要です。

[2]助教・助手問題について

(1)助教の待遇改善が緊急の課題です

 2007年4月1日から教員組織の新制度が導入され、従来の助手が、研究・教育を主体的に行う「助教」と研究・教育の支援業務を行う「助手」に分離されました。この変化については、これまで曖昧だった助手の職務を明確に定義したことで一定の評価ができますが、待遇の面ではこれまでと一切変わりがなく、今後も改正の見込みはありません。

 助教に移行したことにより博士学位の取得がその条件となり、また研究者として一般に認められるようになっても給与面での改善はなく、むしろ任期制の一部導入や講義担当等の職務の増加により待遇は悪くなっています。学務が増えても待遇が同じということでは、助教授から移行した准教授についても同じ問題があります。しかし、任期制の導入や助教ポストの削減など助教の置かれる立場はより深刻であり、学内の矛盾の皺寄せが、最も立場が弱い層である助教に集中してきています。

 なお、新助手についてもさまざまな固有の問題がありますし、助教問題と同時に論ずると問題の焦点がぼやけて、議論が散漫になってしまいます。そこでこの議案では、新助手および教員に存在する問題のうち焦眉の急である助教問題について主に議論します。ただし、新助手の待遇については、後にも触れますが、助手と助教の給与体系は年長者には厳しい体系で、新システム移行後も変更されていません。早急な見直しが必要です。

(2)助教のアンケートは訴えています

 組合では、「助教の待遇改善のためのアンケート」を2007年11月12日付けで東北大学の全助教(984人)に発送しました。アンケートはA4版6ページにわたり約50問の質問で構成され、回答は同封の回答用紙または組合ホームページからダウンロードしたエクセルファイルに記入し返送されました。65名からの回答(回収率6.6%)があり、教文部で回答内容について詳しく検討しました(脚注)。ここではこの分析結果をもとに、助教問題についての運動方針と課題について議論します。なお、文中「  」付きの語句は、回答に寄せられた文言です。

  1. 任期制について

     任期制についての質問では、65名中38名(58%)が任期ありと答えています。このことは、任期付きの助教が待遇に関して高い問題意識をもっていることが伺えます。また、大学の財政状況、文科省の方針等の事情により任期付き助教は増加傾向にあり、今後の組合活動・組合員拡大において任期付き助教問題は重要な対象となると考えられます。

     任期付き助教の選択理由に、「興味ある研究分野で研究できる」をあげた回答が、全51票中16票(複数回答可)あったのに対し、現在「ある程度満足している」は全102票のうち僅か1票(複数回答可)であったことをみても、助教問題の深刻さが分かります。「パーマネントのポストが減る中で、例えば40代で路頭に迷うことになる」といった不安を抱えながら、「研究以外の業務が多すぎる!!(時間が限られているにも関わらず)」ということに、多くの人が不満を持っているようです。教員数増加、事務の効率化、再任基準の透明化を大学側に求めて行く必要があります。

     また、自由記述欄に「半強制的に任期制に移行され、不本意な転職活動を強いられている」といったSOSが発せられていました。今回は本人の特定まで至りませんでしたが、今後法人側に対する監視を続け、再発防止や被害者の支援のための活動が必要です。

  2. 給与について

     任期の有無に関わらず、ほぼ全員が「職務や職責の割に給料が安すぎる」と考えています。昨今の物価の上昇に対して教職員の給与が抑えられているという問題もありますが、助教および助手の場合、30代後半で昇給カーブがフラットに近づくため、子育ての費用の増加に追いつけないといった重要な問題があります。

     現在、経験年数の多い助教に講義担当が割り当てられていますが、「助教の給料は1号俸ですが、講師と同じレベルにしてもらいたいと思います」といった意見をも踏まえて、助教の給与改善を実現することがぜひ必要です。

2008年度運動方針と課題

  1. 助教および助手の給与改善をめざし、そのための新しい給与表を要求します。
  2. 助教および助手の職務について、法の趣旨に照らして本学の運用を検証します。
  3. 任期制の導入、運用および再任審査について情報収集し、不当な扱いをやめさせます。
  4. 助手、技術職員、事務職員の充実により、助教も研究に集中できる環境を要求します。

[3]賃金・人事制度検討委員会の活動

 2007年度は本部執行委員会からの検討要請をせず、十分な活動ができませんでした。2008年度は基本要求を改訂し、教職員に組合加入を訴えます。

[4]組織・財政検討委員会の活動

 組織・財政検討委員会は、本部執行委員会の下で組織・財政に関する政策を明らかにすることを目的としています。今年度、10回の委員会を開催し、組織・財政に関する問題を議論してきました。

 今年度の焦眉の課題は財政再建でした。東北大職組は専従書記の給与・賞与および退職金不足分など諸々を含め1,000万円を超える負債を抱えています。2008年度からは、融資に協力してくれた組合員・元組合員に対する債務の返済も始まります。したがって、本委員会では分担金の支払いなど支出項目の見直し、抑制を検討しました。

 また、2007年7月14日の定期大会で承認された予算案の収入の中に、教職員共済業務委託手数料として200万円を計上していましたが、今年3月の時点で業務委託手数料が88万円しか入らないことが明らかになりました。その結果、2008年3月分までの全大教加盟組合費のうち112万円を未払いとすることを決めましたが、その後の全大教書記長等と話し合い、2007年度分は予定通りの金額を納入し、2008年度の納入人員を大幅に削減する方向で解決を目指すことになりました。

 さらに、准職員・時間雇用職員の正規職員化のこれまで以上の推進、近年増大している時間雇用職員の待遇改善、そして再雇用職員の問題など、組合内での准職員、時間雇用職員、再雇用職員のプレゼンスの重要性に鑑みて、組合費の引き上げの検討を行いました。

2008年度運動方針と課題

 財政再建のためには時間を要します。本委員会の重要性はますます増しているといえます。したがって、本委員会を引き続き存続させ、財政に関する政策提言を行うとともに、その基礎となる組織拡大につとめます。

2008年度運動方針と課題(教文部全体)

 これまで見てきたように、教員は研究時間の削減を余儀なくされ、職員は効率性の追求のため労働の強度を高めることを余儀なくされ、法人化後の東北大学は最高学府としても、一職場としても、その将来を憂いざるを得ません。学内民主主義を形骸化させトップダウン方式によって、教職員を競争に駆り立てようとする傾向がますます強まっていくことでしょう。

 法人側が教職員を競争に駆り立てるのは、それぞれの分野で高いパフォーマンスを出して欲しいからでしょう。ここには、単純な社会的ダーウィニズムが反映されていると言えます。しかし、競争は常に高いパフォーマンスを保証するのでしょうか?市場経済を一瞥すると、高いパフォーマンスを上げている製品・企業が市場競争における「適者生存」の結果であるとは必ずしも言えません。偶然が左右した例、競争よりはむしろ保護した結果であったりと、成功の理由は必ずしも競争ではありません。

 教育・研究という分野は、競争が必ずしも高いパフォーマンスを保証しない最たる例ではないでしょうか。切磋琢磨は必要でしょう。しかし、切磋琢磨と競争は同義ではないと思います。少なくとも、現在の法人側が教職員に求めている競争は切磋琢磨とは全くの別物のように思います。

 このような法人側の暴走に対してブレーキをかけることができるのは、組合しかありません。しかし、残念なことに組合は多額の負債を抱え、組合員も減少傾向にあります。組合の重要性は今後ますます高まっていくことでしょう。したがって、組合員の拡大と財政再建に急いで取り組む必要があります。

ページのTOPへ


3.力強い交渉で、切実な要求を実現しよう! ─団体交渉─

[1]2007年度の団体交渉(概要)

  1. 2007年10月22日 13項目要求の趣旨説明
  2. 2007年12月07日 法人側回答
  3. 2007年12月28日 重点3項目交渉
    1. 2007年度一時金について、現行支給月数4.45ヶ月を0.05ヶ月引き上げて4.5ヶ月とし、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、引き上げた0.05ヶ月分を加算して支給すること。
    2. 時間雇用職員に対して、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、一時金として当該職員の時給の30時間分を支給すること。
    3. 2007年度人事院勧告を参考として、若手教職員を中心とした給与表改善を図ること。
  4. 2008年1月11日 重点3項目回答
  5. 2008年6月24日 時間雇用職員へのボーナス支給拒否回答

     なお、2008年3月6日に、時間雇用職員へのボーナス支給、正規登用問題について法人側と懇談を行いました。5月27日には時間雇用職員のボーナスについて交渉を行うことが一旦は正式に決まりましたが、法人側の準備不足のため取りやめとなりました。

[2]具体的な要求と成果

(1)2007年度期末・勤勉手当について

 2007年度期末・勤勉手当について、2007年12月28日の交渉の際に、今年度の人事院勧告と同じく、「現行支給月数4.45ヶ月を0.05ヶ月引き上げて4.5ヶ月とし、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、引き上げた0.05ヶ月分を加算して支給すること」を要求しましたが、法人側からは「正規職員についてのみ、今年度中に0.05ヶ月分を支給する。准職員には支給しない」と回答がありました。

 しかし、組合側としては0.05ヶ月分を准職員に支給しない場合、正規職員との格差が拡大されることになるため、再度准職員にも支給するよう要求し、これを受けて2008年1月11日の交渉の際に、法人側から「准職員についてもそれぞれの労働契約に応じて正規職員と同じように支給する」と回答があり合意しました。

 なお、この0.05ヶ月分は、2008年3月21日給与支給日に一時金として支給されました。

(2)時間雇用職員へのボーナス要求

 これまで組合は、時間雇用職員にも、正規職員と同じくボーナスを支給するよう要求してきましたが、今回具体的に当該職員の時給の30時間分を支給することという要求を行いました。この要求について、2007年12月28日の交渉の際に、法人側は「2008年度に向けて、部局と話し合いながら、部局の予算計画の中で考慮されるよう引き続き検討する」と回答し、12月ボーナス支給時に30時間分の一時金の時間雇用職員への支給は実現しませんでした。

 しかし、法人側が2008年2月に全29部局の部局長へアンケートをとった結果、25部局長が、「一時金を支給したほうが良い」と回答しているように、この長年の懸案事項が一歩一歩前進しています。

 ところが、法人側は、2008年6月のボーナス時に時間雇用職員にもボーナスを、という組合の強い要求を、6月24日の交渉の席上、まったく不当な理屈をつけて拒否しました。組合は、この法人側のかたくなな姿勢に強く抗議します。

 世の中全体でも非正規職員の待遇を正規職員の待遇に近づけていくという流れが強まっています。組合としては、この要求がぜひ実現するよう、今後も粘り強く法人側と交渉していきます。

(3)若手教職員を中心とした給与表改善

 団体交渉では、2008年の人事院勧告と同様に給与表の改善を行うことも要求しました。扶養手当の改善も含めて、若手職員に配慮した今回の人事院勧告を踏まえて、給与表の改善が必要とされたためです。今後、人事院がなくなるかもしれないともいわれており、大学教職員の賃金交渉をどうするべきか、組合にとっても法人側にとっても一つの課題です。それも含めた話し合いを今後も続けていきたいと思います。

 2007年12月28日の交渉の際に、法人側から、「本給改定については、2007年4月にさかのぼることはせず、2008年4月1日から国家公務員の改定通りに実施する」との回答がありました。人事院勧告の具体的内容は、

  1. 若年層を中心とした本給表改善
  2. 扶養手当の引き上げ
  3. 期末・勤勉手当の0.05ヶ月分引き上げ
  4. 地域手当の支給割合改定
  5. 広域異動手当改定

です。法人側の回答は、これに比べてまったく不十分なものでした。そのため、法人側として再度検討するよう強く求めました。その結果、2008年1月11日の交渉の席上、法人側は「人勧は重要な参考資料であるが、給与は2007年4月にさかのぼることはせず、2008年4月から改定する。一方、そのことと今回の給与改善を分けて考えることについて、役員会であらためて検討し、今年度限りの措置として、2007年4月に本給、扶養手当を改定した場合との差額を、ボーナス0.05月分と合わせて一時金として支給する方針を決定した」と回答しました。

 これで、不十分ながらも実質的には人勧とほぼ同様の成果を得られました。また、地域手当については1%引上げ仙台6%、川渡・浅虫等3%となりました。しかし、差額支給については正規職員のみで、准職員には出せないという法人側の姿勢を打ち破ることはできませんでした。

(4)新教員制度における助教の処遇について

 第2章[2]で詳しく述べたように、大きな問題をはらんでいる助教の処遇についても、団体交渉でとりあげました。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「助教の処遇改善は財源措置の問題と密接に絡んでいる。待遇改善をはかるということは、新たな財源措置をどうするかということとセットで考えなければいけない。新たな級の新設はできない。本学独自の級を設定した場合、毎月の額もさることながら、退職手当の差額を本学で用意しなければならない。これは大変だ。現時点ではこれは難しい問題だと思っている」と回答がありました。

 組合はこの回答に納得せず、引き続き助教の処遇改善を求めて交渉を行っています。

(5)1980年7月以前採用の准職員は、当然に正規職員に転換すること。当面、2007年度導入の正規職員登用試験制度を、勤務実績を強く考慮した制度に改めること。

(6)法人化以前より長期にわたって勤続している時間雇用職員について、勤務実績を強く考慮した正規職員登用制度を設けること。

 (5)と(6)を一括して述べます。のちに第8章で述べるように、准職員・時間雇用職員の待遇改善も、団体交渉でとりあげました。

 1980年以前採用の准職員については、すでに30年近くの間、正規職員と同じようにフルタイムで働いている人たちがいます。事務補佐員とか技術補佐員と呼ばれていますが、実際には補佐ではなく、明確に一部門を任せられています。場合によっては、新採用の正規職員の指導をしている人もいます。

 しかし准職員には様々な待遇の不備があります。たとえば日給制であり、月給制になっていません。その長年の労苦に報いて正規職員にすべきだというのが組合の要求です。

 今年度実施の登用制度についていえば、登用制度ができたこと自体はよいことで、それを否定するものではありませんが、その内容は組合が望んだものとはあまりにもかけ離れています。そのため、勤務実績を強く考慮するよう制度を改めることを要求しました。

 時間雇用職員についても准職員と一本化するような形での登用制度でもよいと考えます。この場合でも、おもに勤務実績を考慮するようなものにすべきです。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「これについてはこれまでも要求されていて、今年度から登用試験を実施した。今回は、要望も踏まえて勤務実績を特別に考慮するということで、二次試験の一次試験や小論文の免除を行った。あるいは試験内容についても受験者による区別はなく面接を実施し、採用後も正規職員との区別なく人事管理するということで実施した。事務系については、132名応募して120名受験、一次試験合格者6名、最終合格者2名だった。図書系については、14名応募して14名受験、一次試験合格者1名、最終合格者1名だった。来年度以降もこの登用制度で登用をはかっていきたい」と回答がありました。

 これは、組合の要求とはまったくかけはなれた内容ですので、1980年以前採用の准職員、長期勤続の時間雇用職員の正規職員登用を求めて、今後ともねばり強く交渉していきます。

(7)東北大学病院の「7対1看護」体制採用後に関わる問題

 東北大学病院については第7章で詳しく述べますが、団体交渉では、いわゆる「7対1看護」との関連で、勤務体制の改善を求めました。すなわち、病院では、今年度「7対1看護」が実現しました。これによって患者への看護はよくなったといわれるかもしれませんが、実態としては、看護師の勤務はむしろ厳しくなっているように思われます。

 とくに、今年大量に新看護師が採用されて、その人たちが一人前になるためには、2年から3年の経験が必要で、その指導のために先任看護師の勤務が厳しくなっているとのことです。看護師の超過勤務が増え、また、年次有給休暇が消化できないなどの問題もあります。

 さらに、病院には三交代勤務体制から二交代勤務体制への移行の問題もあり、試行が行われている科もいくつかあります。二交代というのは12時間と12時間で分けるのではなく、日勤は8時間、夜勤は16時間ということです。

 若い看護師は二交代の方がいいという人が多いようですが、二交代での夜勤は、子どもや介護が必要な老人のいる看護師には到底できません。また、ある程度年齢が高くなった看護師には疲れがひどく、医療事故等々が起こる恐れもあります。それを心配してやめていく看護師も出てくるかもしれません。

 いずれにせよ、大学病院は大変厳しい労働環境におかれています。経営改善係数2%問題もあり、もうけを生み出すことが強く求められるような状況です。大学病院における労働条件の改善は、非常に急を要する課題です。

 そのためには、看護師等の増員がまずは必要です。2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「従来からの対応方針に変更はない。7対1の看護体制を実施している。前回も交渉でもいろんな問題があると聞いた。現状における課題や問題点を整理して、看護師を含めいろんな職員の労働環境の改善についてさらに努力するように本部から病院に伝える」と回答がありました。

 この回答が実行に移されるよう、組合は厳しく監視し、不十分な点があれば、その改善を引き続き求めていきます。

(8)超過勤務の実態把握、不払い労働が生じない措置

 時間外労働の縮減、時間管理の適正化などについて周知して取り組みを強めることも求めました。2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「改善しなければいけない。できる限りの最大限の努力をしている。労働時間の適正管理の徹底、時間外労働の縮減等、労基署の是正勧告等をふまえて調査し、通知で全学に周知した。引き続きこのような努力をしていきたい。部局長、事務長等に会うたびに話していく」と回答がありました。

 この点についても具体化をしっかりと監視し、教職員が、過労死やメンタルな病気にならないような環境作りのため、引き続き努力していきます。

(9)高齢者雇用安定法改正に伴う教員の定年制変更等についての方針提示

 東北大学の教員の定年は63歳ですが、年金支給年齢までは一定の働く場所を提供しなければいけないという法の趣旨に則った場合、教員の定年はどうするのか。この問題が教員のなかで話題になっています。

 東大ではすでに60歳から65歳へかなり大幅な定年延長がされています。しかし、東北大学ではまだ具体的な方針が正式に示されていないので、早めに提示することを求めました。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「改正高年齢者雇用安定法の施行をうけ、事務職員等についてはすでに再雇用制度として制度化したが、教員についてはまだ検討中だ。教員人件費との関係で状況はきわめて厳しいが、法定事項でもあり、枠内で導入可能な制度について検討している。理事副学長会議にも一度かけた。方向性としては、定年制の延長ではなく、再雇用制度を導入するという方針で検討を進めている」と回答がありました。

 しかし、再雇用では、講座や学問の継承、教室の運営がどうなるのか等、多くの問題点もあります。この問題についても、引き続き交渉中です。

 長期勤続の教職員ができるだけリフレッシュできるような、年次有給休暇を使わなくても済む休暇制度も要求しました。このほか、教職員の修学、国際貢献活動のための休暇制度の要求もあります。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「従来からの対応方針に変更はない。一方、教職員の修学や国際貢献のための休暇制度の実施については国でも4月に施行されている。本学でもできるだけ早く実施できるように検討している」と回答がありました。

 つまり、リフレッシュ休暇は、年次有給休暇を使用せよということです。これでは組合の要求とかけ離れていますので、今後も要求を続けていきます。「自己啓発休業」と「育児短時間勤務制度」が2008年4月から施行されています。

(11)年次有給休暇を使わない形での夏季一斉休業の実施

 事業場閉鎖による夏季休業をした場合、かなりの光熱水料が節約されるのは事実でしょう。しかし、現在の夏季一斉休業は、事業場ごとに本来自由に使える年休を、強制的に計画年休と称して使わせているのが現状です。また、准職員、時間雇用職員にとって、決して多くない貴重な年休が強制的に使われることには問題もあります。年休を使わずに大学が特別な夏季一斉休業を設定することも考えられますので、このことを要求しました。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「本学では、事業場ごとに計画年休の労使協定を締結して、一斉に年休を取得する形で事業場休業としている。労使協定による計画年休については、労基法に基づいて、年休の取得促進をはかることを目的としている。メリットは光熱水料の節約、年休の取得率アップ、気兼ねなく年休を取得できること等がある。引続きこのような形で実施したい。一方、夏季休暇が、特別休暇として7月から9月の期間内で連続する3日間をつかって休めることになっている。特別休暇としてこれを夏季一斉休業の時に移すか、夏の一斉休業の時に年休ではなく自分の夏季休暇を使うか等いろんな選択肢がある。今の夏季休暇3日に加えてそれもほしいというのはいろんな状況のもとで難しい」と回答がありました。

 これまた組合の要求にはほど遠い回答のため、さらに要求を強めていきます。

(12)教員への安易な任期制導入をしないこと

 博士浪人問題、ポスドク問題など、高いレベルの教育を受けた人たちが安定したポストで働ける場がないように思われます。昨今3年、5年の任期を付けた形態の雇用が広まっています。長期的視野に立った研究などの保障をどうするのでしょうか。任期制は教員任期法を厳格に適用すれば簡単に導入してはならないはずですが、現在安易に任期制が導入されているように思われます。

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「大学教員任期法、労基法に基づいて本学の就業規則が定められ、就業規則に基づき任期を付けて採用している。安易に任期が付けられているものではないと考えている」と回答がありましたが、とても実状を踏まえたものとは思われません。  安心して研究を継続できるような環境を求めて、これからも積極的に交渉していきます。

(13)初任者研修の場での組合説明要求

 2007年12月7日の交渉の際に、法人側から「研修の趣旨にそぐわないので、研修期間中には組合説明の時間を確保することはできない」と回答がありました。

 この要求は、健全な労使関係を築くためにも、大学と共同歩調をとるためにも、初任者研修の場で、組合の考え方や、組合とはどういうものなのかをきちんと説明することがとても重要なことです。今後とも要求を続けていく必要があります。

[3]団体交渉をめぐる問題点

(1)法人側の問題点

 法人側の対応は、民間企業の従業員の給与の動向、生計費等の諸要素が盛り込まれた人事院勧告を有力な参考資料として基本におきながら決定するといったことや、「井上プラン」の実施にかかる経費、運営費交付金の効率化係数など、財源がないという問題ばかり強調しています。さらに、他の大学の動向を気にしながら方針を決める例も少なくありません。

(2)組合の課題

 准職員、時間雇用職員、看護師が多くの交渉に参加して、生の声で法人側に訴え、給与改善を実現したことは重要です。参加人数で法人側を上回ることもあり、法人側へ要求の真剣さを伝えることができました。しかし、組合の力量不足から満足する回答が得られていません。さらに組合員の参加人数を大きくして、切実な要求をかちとれるよう交渉していくことが課題です。

ページのTOPへ


4.研究教育に貢献する働き甲斐のある専門技術組織の構築めざして ─技術職員部─

(1)技術組織の現状

1)全国の動向

 組合では技術職員の給与をはじめとする処遇改善に取り組みながら、これまで各研究室、部署で孤立して業務を行ってきた技術職員を技術部として組織化し、大学の中での位置づけを確立する運動も併せて進めてきました。研究教育は、教員、技術職員、事務職員の3組織による協力共同によって運営していくとの認識もできつつありますが、現在、多くの技術部では教育研究に貢献できる組織の構築に取り組んでいます。また、組織部運営や技術継承、専門技術の研鑽に取り組む中で組織マネジメントの重要性が指摘され、大学を超えたマネジメント研修の取り組みも行われているようです。一方、いくつかの大学では全学一元的な組織化やセンター化への改組が進められています。教員と一体となった協力連携体制でスタッフ制組織を充実させるとしている研究機関や全学横断組織である総合技術部を6専門技術職群に改組している大学などもあります。

 業務(人事)評価については、法人化以降各大学の中期目標・中期計画の中で位置づけられ、事務職員に続き技術職員の業務 (人事) 評価の検討も各大学で進められています。既に行われた大学では上司との面談により目標設定シートを作成することで各自の業務、役割を明確にする意識の改革に役立てているとの報告もありますが、技術職員の業務評価では専門技術職としての評価の目的をふまえつつ、導入にあたっては公平性があるのか、モチベーションが上がるのか十分議論し、技術職員の意見を反映させる必要があります。

 全国的にも技術職員の団塊世代の定年退職が始まり、技術部・室の大幅な世代交代が起こっています。総人件費削減を進める大学では技術職員が削減のターゲットになっています。一方、高度の専門技術を持った技術職員の必要性を強調した大学では、少しずつではありますが技術職員の採用も進みつつあります。

 今、教育研究の進展と技術的要求に応えることができる技術部の再構築が求められていますが、大学単位の進み方で取り組まれているのが現状です。働きやすい技術部を目指して運動を進めるためにも組合に結集して大学と部局間の交流が必要となっています。

2)学内の動向

 東北大学での技術職員に関する全学的な動きとしては人事評価制度の導入の動きがあります。人事評価制度は昨年度の教員と事務管理職の試行に続き、今年度から事務一般職員、医療関係職員、技術職員にも導入することで検討されています。技術職員に関しては昨年度より各部局技術部代表によるWGによって人事評価システムの検討が行われ、2008年6月より部局単位での試行に入っています。内容は自己評価、目標設定と上司による評価を行うとして、2009年度からは給与などに反映されるとしています。現在、各地区において技術職員、事務職員への説明会が開催されております。

 技術職員部では「人事評価制度の導入にあたって」を配布していますが、主に以下の観点に立って行うことが必要と考えています。

3)各部局の動き

 ◇工学部では総務班など5班体制となる技術部組織の改組が行われ、2008年4月は9名の新採用と9名の再雇用者がありました。◇農学部では1名の新採用と再雇用者1名がありました。研修の希望を募り予算要求と増員の要求を行っています。◇多元研では4名の新採用で再雇用職員は9名です。昨年度から室長補佐を置いています。また、技術室より積極的に利用窓口を広くする意味で所内向けの技術相談窓口を今年度より立ち上げました。また、工場系を除いた技術職員は複数依頼の業務を恒常的に務める運用が始まっています。

<技術職員数・昇格数>(2007年4月1日現在)
6 5 4 3 2 1
技術職員数081011486472393
昇格数331615--37

※昇格数は2007年11月28日発令による。

(2)技術組織の問題点と課題

1)組織運営とマネジメント

 技術部および室の組織化は各部局単位で行われていますが、各部局の技術組織では団塊の世代の退職時期をむかえ世代交代が進んでおり、これまでの定員削減の影響で中間層がいないアンバランスな組織となっています。教育研究における専門技術の重要性を明らかにし増員要求する必要があります。技術職員の採用にあたっては、試験合格者の他に選考採用も加えながら多様な専門技術をもった技術職員の採用が望まれます。

 各技術組織は、組織としての目標と計画を明確にして年度毎の課題を確実に実施しなければなりません。高度な専門技術を組織として蓄積しながら組織全体を運営していけるようにするため、専門技術研修とは別にリーダーを育成する必要もあります。

2)給与表と昇給昇格の改善

 昇格では2006年に級の統廃合により昇格規準が不明確になっています。昇給昇格基準の明確化の要求、手当ての要求も必要です。また、専門性のある技術職員の場合、個別的な専門業務が多く一律の評価は困難であるため業務評価と評価基準の公表が必要になっています。さらに事務職と同一となっている給与表を改め、教育研究にかかわる専門的技術業務を評価した「研究専門技術給与表」の新設を要求することが必要です。

3)技術業務以外の業務

 法人化にともなって大学にも労働基準法が適用されたことから労働安全衛生法の順守をはじめとして、PRTR法、毒物劇物取扱法、消防法、危険物取扱関係法令などの法令順守も厳しく求められるようになりました。事業場単位では、それらの業務を技術職員が担うことが多くなり、関係免許の取得や定例会議、安全巡視などメイン業務以外の業務も配分され多忙になってきています。技術部として対応の検討、専門的に位置づけたメンバーの配置や手当、業務の配慮を行う必要があります。

4)技術向上・継承の体制と研修の充実

 研究の進展とともに係わる技術も多様化・高度化を求められるため、技術向上のための情報収集と専門研修を積極的に受講していくことが必要になってきています。そのための研修を技術組織として整備することと、高度の専門技術を組織的に継承していく体制を確立することも重要な課題です。

(3)技術職員部の取り組み

 2007年度は、全国各大学の技術職員シンポジウムや全大教の技術職員交流集会に参加し、全国大学技術部の取り組みの情報の交換を行いました。また、3月に東北大で開催された東北地区職種別懇談会では、東北地区の技術職員の運動と課題について話し合いました。技術職員部の開催が少なかったことは反省しなければなりません。全国各大学や部局間の技術の交流を活発にしながら問題を明確にし、解決の具体策を探っていく必要があります。

2008年度運動方針と課題

 技術職員の待遇改善をすすめるため、必要に応じて技術職員部を開催します。研究教育の発展に不可欠な専門技術を正当に評価させ、技術的要求に応えうる各部局技術組織を構築するための運動に取り組みます。各大学間、部局間の交流を深めます。

<具体的取り組み>

  1. 技術職員の地位、職群確立のため自律した技術部の構築に取り組みます。
  2. 待遇改善、給与改善のため「研究技術専門職員給与表」の新設を要求します。
  3. 技術職員の増員を要求します。
  4. 技術職員の待遇の改悪に反対し、昇給・昇格改善、上位級拡大に取り組みます。
  5. 評価システムの導入にあたっては評価結果の開示を原則とさせます。
  6. 団塊の世代の待遇改善と再雇用問題に取り組みます。
  7. 専門技術の向上と技術継承などの研修を充実させます。
  8. 技術職員と助手の関係について取り組みます。
  9. 他大学、部局間の運動と取り組みの交流を深めます。

ページのTOPへ


5.多くの事務職員を組合に迎え、長時間労働を軽減しよう! ─事務職員部―

(1)法人側との粘り強い交渉によってボーナスの遡及改善等が実現しました。しかし、法人側は事務組織の見直し、業務の効率化・合理化による人件費削減(総人件費5%減)の実施を前提としています。事務機構の見直しは本部事務機構で実施され、部局でも実施されようとしていますが、業務自体はますます多様化・複雑化し、仕事量も増大しており、具体的な効率化・合理化の見通しはありません。

(2)「井上プラン」には、さらに国際的な競争環境に対応するためとして「効率的かつ効果的な事務機構の再構築」「部署の廃止を含めた事務機構の一層のスリム化」「評価制度の本格実施をめざす」等がアクションプランとして推進されています。評価制度については、昨年度の管理職を対象とした第一次試行の結果を踏まえて、第二次試行が策定され、2008年6月から全事務職員を対象として試行が始まっています。能力開発やモチベーションの向上が目的とされていますが、「処遇への反映」もあり、公正な評価・客観的な評価が行われるかが懸念されます。

(3)大学設置基準の大綱化以来の度重なる「改革」と相次ぐ定員削減の影響で、事務職員の多忙化が進んでいます。メンタルの問題も深刻さを増し、休む職員も増え、少なくない職員が退職に追い込まれています。「東北大学健康相談24」も設置されていますが、根本問題を解決するために本気で考えなければならない時期です。

(4)法人化後、何度も要求してきた超過勤務の縮減と超勤手当の不払い是正については、労基署の指導も入ったこともあり、一定の前進を見ることができました。しかし、予算を口実にした圧力は相変わらず続いています。また、実働分を払えばいいという考えは長時間労働につながりかねません。引き続き適正な業務量や人員の配置について要求していく必要があります。

(5)このような状況の中で、久しぶりに事務職員部の交流を行いました。また、全大教のアンケートに取り組みました。より良い大学づくりと職員の賃金・労働条件改善、地位向上のために取り組んだアンケートには40人の職員から回答を得ることができました。「業務改善」についての質問には、「変化なし」「業務が増えた」が大半を占め、「健康問題」では、何らかの不安を抱えている割合が4分の3を占めました。また、「評価制度」については、「評価の基準や運用の明確化」など、評価の公平性や明確性を確保する項目が上位を占めました。

(6)3月に行われた全大教東北地区の職種別懇談会に参加しました。福島大学と2大学だけでしたが、多忙化が進んでいることや予算が多岐にわたり複雑になっていること、組合員拡大の悩み等が話されました。

2008年度運動方針と課題

  1. 業務の見直しや適正な人員配置によって長時間労働を縮減する運動をすすめ、また、賃金の不払いを許さない運動を強めます。
  2. アンケート結果を検証し、具体的に改善すべき事項について法人側に要求・提案します。また、人事評価が適正に行われるよう要求していきます。
  3. 事務職員に組合加入を呼びかけます。また、事務職員部会を開催し、散在する部員の情報交換と交流を深め、周りの事務職員の悩みや問題を解決していく中で、拡大に繋げていきます。
  4. 次世代育成支援対策推進法に基づいた東北大学一般事業主行動計画を実効あるものにするために、女性部と協力してすすめていきます。
  5. 本部執行委員会や他の専門部の協力を得ながら、知的・質的向上をめざすための学習会を行います。
  6. 東北大学から他大学や高専に出向している組合員の労働条件改善のために取り組みます。

ページのTOPへ


6.労働強化が進む職場に組合の光を! ─図書館職員の運動─

 図書館では、電子化への対応や市民サービスの増大など労働強化が進んでいます。また多くの准職員、時間雇用職員が本来正規職員がはたすべき業務を担っています。労働者の権利が軽視される職場環境の中で、たとえば、長期勤続の准職員には60歳以降の継続雇用制度が保障されているにも拘らず、図書館では本人に対してなんらの打診もされないといった初歩的なトラブルがしばしば発生しています。こうした状況のもとで、組合への期待は潜在的に強まっています。要求を把握し、団体交渉を通じて使用者の誠実な対応を求め、図書館職員の議論と運動を組織する必要があります。

2008年度運動方針と課題

  1. 図書館職員の要求を把握し交渉を行います。
  2. 組合員拡大を進めます。

7.特定機能病院にふさわしい人員配置と労働条件改善をめざして ─医療部門の運動─

(1)医療改悪反対運動を強めよう

 2006年6月の「医療改革法」はここ一年でさらに具体的になり、医療費の適正化の名の下に、自己負担の増加がいっそうすすめられています。また、お産ができる病院がない「お産難民」、小児科がない、救急車が駆けつけても病院は満床で医師が不在など、「医療崩壊」が広がっています。今年4月には、医療費の適正化や国民の共同連帯の文言で、「後期高齢者医療制度」が実施されました。これは医療保険制度に75歳以上という年齢による区分を導入し、運営主体を都道府県単位の「広域連合」とし、機械的に「大まるめ」の診療報酬をかぶせるもので、国民皆保険制度をとる世界のどの国にもないまさに差別医療です。今こそ、医療改悪反対運動の役割がますます重要となっています。

(2)東北大学病院の動き

 平均稼働率81.9% 在院日数20.4日と報告されているように、ベッドコントロールと回転率をあげる方法がどんどん推し進められ、業務の煩雑さが増しています。

1)「7対1看護」について

 「7対1看護」実施により多くの新人が採用され、2008年度も114名の新職員を迎えました。臨床の現場では、「早期離職の予防」を課題に、新人育成が実施されています。4月から、7対1看護入院基本料の基準の見直し、看護必要度の導入、産科や小児科領域とともに、糖尿病、リンパ浮腫、退院指導、外来化学療法加算などが追加となり、診療報酬による誘導がどんどん進められています。

 今年3月の看護部の「7対1看護」の質評価についてのアンケート結果によると、看護実践の中心的役割を担っている年齢層は質向上に対して否定的評価でしたが、清潔ケア、直接的看護実践のケア、医師とのコミュニケーション、は向上しているという結果となっています。

 看護要員の配置増は安心安全を願う長年の運動の成果といえます。今後さらに、「7対1看護」のもとで、特定機能病院にふさわしい人員配置と労働条件改善をめざすことが必要です。また、看護職員が3年の任期付き(2年間延長可)で採用されているなどの問題があり、安心と安全な看護の実現をめざして、組合は見張り番の役割を果たすことが重要となっています。

2)二交代制について

 ここ1年で二交代制をとる病棟が増え、10科となりました。二交代制は休憩が取れない、長時間の拘束でつらいと言われている一方で、二交代を経験した看護師からは、「夜勤に関係のない休みが取れる」「夜中に出勤してこなくていい」「自分が投与した眠剤の反応について直接自分で情報を取れる」「1回頑張れば良いので、気分的に楽」などの意見があります。今後、防音設備のある休憩室の確保、2時間の休憩時間の確保、年次休暇の確保、72時間夜勤時間厳守などの労働条件改善と、勤務形態を変える時に構成員の意見を十分に反映することなどを要求し、その実現をチェックしていくことが大切な課題です。

(3)組織強化について

 「どうせやるなら喜んで」という発想の「フィシュ」と称する活動が、看護協会などで取り入れられています。これは一定相手を喜ばすという手法をとっていますが、そもそも労働条件は変わらず、一種のまやかしの現象となっています。本来の喜びに繋がる要求を形にしていく活動が求められています。

 今年も4月1日に「組合オリエンテーション」を全学の応援を得て実施することができましたが、まだまだ成果は少ない状況です。

 病院支部の要求カードには「夜勤月4日」「超勤手当の増額」「介護休暇をとりやすく」「人間らしい生活を」「人事院にそって給与を上げて」などがあげられました。

 組合が、患者・職員の視点からだれもが納得できる提案を行い、議論し職場に返して行くこと、そして仲間つくりを大切にして取り組むことが重要です。

(4)雇用形態の複雑化について

 子育て支援の一つとして4月より「育児短時間勤務制度」が実施され、この制度を利用しての勤務が始まりました。この制度を利用し、経験のある看護師が働き続けることができることは看護師不足対策として有効です。しかし、今後利用する人が多くなることが予想されますが、実際には、職場での時間的活用上の取り決めがなく、欠員となる時間帯をどうするのかがあいまいです。

 組合では、時間雇用職員との雇用条件比較を当局に要望し、「育児短時間勤務(25時間)の場合、ボーナスが60%出、月額では約1万円減収になるが、年間では時間雇用職員より70〜80万円多くなる」という回答を得ました。

 今後、1)採用と配置の計画を明らかにさせること、2)配置のルール化と欠員補充を確約させること、3)育児短時間勤務職員と時間雇用職員の格差の状況を明らかにすることが課題です。

(5)人事評価について

 病院では1999年より目標管理が導入され、主に看護師の能力開発のために利用されてきました。2008年度より「人事評価の第二次試行」に併せて、試行としながらも全職員に「表」の提出が求められ、効率性、能力向上という名のもとに各個人が競争させられる側面があり、注意が必要です。病院の看護という職種上、業務遂行は個人の力で実施されるものばかりではなく、協力する力、協調性などが求められなければなりません。給与を差別するのはだれか、どの視点で評価するかなど問題があります。

2008年度運動方針と課題

  1. 各職場の要求を掘り起こし、対話と共同の輪をつくり、仲間つくりに取り組みます。
  2. 「7対1看護」に見合った人員を正規職員として常時配置し、年間の休暇・休日を確保し、労働条件改善、安心安全な病院をめざします。
  3. 特定機能病院にふさわしい医療供給体制の確立をめざします。
  4. 全大教に結集し、憲法と医療・福祉を守る課題に取り組みます。

ページのTOPへ


8.改正パート法を活用して正規職員との待遇格差を縮小しよう─准職員部─

(1)東北大学には、2008年5月1日現在、准職員277名、時間雇用職員1088名、教育研究系412名、寄付・事業費394名、計 2171名の非正規職員が働いています。

(2)組合は、法人移行期から准職員、時間雇用職員の待遇改善を第一義的に重視して、交渉等でも取り上げてきています。この間組合は、法人化にあたって准職員の「任用中断日」を撤廃し、法人移行に伴う雇止めを阻止し、その後も3年がかりの運動によって、2007年3月には准職員等に有給3日の夏季休暇を実現し、2007年4月には、政府管掌健康保険に加入する准職員、時間雇用職員について人間ドックの有給化を実現してきました。

(3)2007年度は、准職員への正規職員並0.05月一時金支給を実現しました。そもそも法人側は賃上げ人勧への準拠に対して消極的であり、正規職員への0.05月分の一時金支給を明言した時点でも准職員には支給しない方針でしたが、団体交渉を通じて、法人側の方針を転換し、この一時金支給を実現しました。

(4)改正パート労働法は、正規職員同様の労働実態にあるパートタイムの非正規職員への差別を禁じ、あるいは抜本的に是正し、正規職員化に努力することを求めています。また、厚労省は、フルタイムの非正規職員についてもパート労働法の趣旨で指導する姿勢を明らかにしています。准職員、時間雇用職員自らがより大きな声をあげ、仲間を増やし、団体交渉を通じて法人側の努力をチェックする運動の構築が求められます。

(5)フルタイムの非正規職員である准職員は、法人化以前から3年限度の雇用形態でしたが、職務内容が正規職員とあまり違わない准職員は相当数います。とくに、1980年7月以前採用の准職員は、本学では「更新限度のない准職員」として整理され、改正パート労働法のもとで、正規職員にできない主な根拠は「正規職員のような配置転換がないこと」にあるにすぎません。正規職員に導入された療養と職場復帰のためのメンタルヘルスプログラムも、准職員等は長期勤続者であっても除外されています。

(6)東北大学が2007年度から実施している正規登用試験制度は、こうした長期勤続の准職員に正規職員への道をひらくよう求めた組合の要求に対して、事実上、大卒新採用者に課される公務員試験並の教養試験によって、職務に熟練した年配者の正規職員化への道を閉ざすものとなっています。

(7)正規職員への再雇用制度が導入されたことに対応して、「更新限度のない准職員」には「特定准職員」制度が導入されました。これは改正高年齢者雇用安定法では「継続雇用」または「定年延長」にあたりますが、法人側は「期間の定めのある准職員には同法が適用されず、本学の配慮によって再雇用職員を参考にした制度をつくった」という説明で、「定年」を機に正規職員との格差を縮小するのではなく、「更新限度のない准職員」の待遇を一方的に切り下げています。職場において本人に必要な説明をせず、また誤った説明から特定准職員への移行を妨げる例もあり、組合の対応で解決しました。

(8)法人化以前から雇用されている時間雇用職員は、「更新限度のない時間雇用職員」として整理されており、「更新限度のない准職員」と同様に、本来正規職員がはたすべき日常業務を熟練して担っています。また、時間雇用職員は、法人化によって、あらたに3年の更新限度の雇用形態とされ、給与を支える予算や勤務時間などが多種多様であり、雇用保険、厚生年金、健康保険の問題(30時間未満の人は加入できない)などの不安を抱えながら働いています。この間の組合の要求によって、部局長の申請により3年を超えて1年ずつさらに更新できる制度ができ、支部の取り組みで組合員のためにこれを活用した例もあります。

(9)准職員の組合費は900円、時間雇用職員の組合費は600円としてきましたが、組合の要求運動の中心の一つでありながら、上部団体への納入分が大半をしめ、組合自身の活動費が事実上なかったこと等から今期見直しの検討を行いました。

2008年度運動方針と課題

  1. 改正パート労働法の趣旨を活かして、准職員、時間雇用職員の待遇改善に取り組みます。
  2. 時間雇用職員に対して、正規職員のボーナス支給日に少なくとも30時間分のボーナスを支給することを求めます。
  3. 1980年7月以前採用の准職員の正規職員への転換、そのための中期的な計画をたてることを求めます。また、長期勤続の時間雇用職員の勤続実績を尊重した待遇の抜本改善を求めます。
  4. 組合員の時間雇用職員が希望する場合、3年を超える更新手続きのために努力します。
  5. 准職員の給与を月給方式とし、昇給速度や退職手当を正規職員の水準に近づけることを求めます。
  6. 准職員等の病気休暇の有給化、時間雇用職員への退職手当の新設を求めます。
  7. 「定年」を迎える准職員が希望する場合、円滑に特定准職員に移行できるよう援助します。
  8. 准職員、時間雇用職員へもメンタル対策を適用するよう求めます。
  9. 准職員、時間雇用職員の組合員拡大を進めます。

ページのTOPへ


9.組合の魅力を側面からあとおし ─厚生部─

[1]教職員共済

 教職員共済の各共済の加入者数(2008年6月17日現在)は、総合共済;260、火災共済;74(76件)、自動車共済;123(187台)、トリプルガード;126、交通災害共済;30、新・終身共済;8、終身共済;2、年金共済;18、子ども養育共済;2です。

 2007年度延べ給付件数(金額)は、総合共済の入院休業;2(50,000円)、傷害;1(10,000円)、火災共済の火災;1(3,163,000円)、交通災害共済;5(75,200円)、自動車共済の対物;19(3,493,256円)、対人;27;(4,781,696円)、医療共済の入院;31(5,089,000円)、手術;4(170,000円)でした。

[2]労金

 労金一斉積立特融会員は、2008年5月現在104名(105口)です(前年度121名。但し、金研・図書館・農学部は支部直接扱い)。

 現在、エース預金(特融積立)は、本部が一括して労金へ当月納入していますが、支部から本部への当月納入を推進します。

[3]退職者等への取り組み

  1. 定年退職された方々に感謝状と記念品を贈呈しました。(定年退職者28名)
  2. 退職者の会には現在123名加入しています。米寿・喜寿をお祝いしての記念品贈呈や、議会傍聴、日帰り旅行、有志でのフィンランド旅行等を行い懇親・交流を深めました。また、組合との絆を保つ「コア」を「退職者の会ニュース」と一緒に数回届けて来ました。組合の良き理解者として、また互いの要求実現を目指しこれまで通りの連携を深めて行きます。

2008年度運動方針と課題

  1. 生協法、保険業法の改正をうけて、教職員共済との関係が業務委託契約から「団体事務取扱」に変わり、この間大幅減額が続いていた手数料もさらに大きく減額されています。教職員共済の活用を組合活動の一環と位置づけて取り組み、新入組合員に宣伝するとともに、未利用者には活用を訴えていきます。
  2. 「労金」は、「労働者の銀行」という原点の対場として位置づけ、我々の要望を取り入れた運営を堅持してもらうよう働きかけていきます。

10.職場の垣根をこえた交流の機会をつくろう ─文化部─

 文化部では、職場の垣根にとらわれずに組合員相互のコミュニケーションを図るべく活動を行っています。

  1. 恒例の新春囲碁大会が1月12日に金研本多記念館の職員集会室で開催されました。外では雪が舞う身体の芯から冷え切るような生憎の天候となりましたが、天気とは対照的に白熱した対局が繰り広げられ、囲碁の他にも将棋を行うなど、とても楽しく癒された一日でした。
  2. 1月18日には金研の講堂で新春交流会(旗開き)が開催されました。雪の中川渡など遠方からの参加もあり、各支部の活動紹介などを通じて一年の士気を高め、歓談や、女性部からは今流行りの脳を鍛えられるような想像力・思考力を問われるクイズ、青年部からは豪華賞品つきのビンゴなど恒例のイベントもあり非常に盛り上がりのある交流会となりました。
  3. 5月1日は、メーデー宮城県集会参加がありました。当日は五月晴れの絶好の行進日和となり、デモ行進の前には各労働組合の寸劇や、抽選会、合唱などがありました。東北大学からは約40名参加し、メーデーの歌を歌いながら事前に製作したプラカードを高らかに掲げてデモ行進を行い、今年は見事に行進プラカードの部で「審査員特別賞」を受賞しました。
  4. 5月20日には、青年部・文化部共催によるボウリング大会も行いました。新人3名を含む9名の参加で、上位だけではなく飛び飛びの順位に豪華な賞品があったおかげなのか各人それぞれが集中して、闘志溢れる試合展開となりかなり盛り上がりました。

 今年度は以上の文化活動に取り組み、職員間の交流を図りました。ここ数年団塊の世代の退職や新人の増加に伴い、組合員の年齢が若返りつつあって、青年部の活動が活発化してきています。職場内だけでなくどの世代の組合員にも参加しやすいような企画を考え、活発に活動を行い参加してもらえるような工夫が必要です。

2008年度運動方針と課題

  1. 組合員の親睦を深めるため、年齢に関係なく積極的に参加できる文化・レクリエーションを企画します。
  2. 文化部単独ではなく、青年部や女性部、コア編集員会と協力してイベントを企画し、組合活動の活性化を図ります。
  3. 組合員だけでなく、まだ組合に加入していない教職員も参加しやすいような企画を立てて参加を促し、活動を通して組合員拡大に繋がるように工夫します。

ページのTOPへ


11.男女が互いに人権を尊重し、男女共同参画をめざして ─女性部─

(1)男女共同参画社会実現のために

 2008年4月から正規教職員を対象として「育児短時間勤務制度」が導入されました(前年度、女性教員を対象に試行され全学で2件申請)。他方、いまだに休憩室もなくロッカー室も物置兼用という職場も存在しています。昼食も休憩も仕事机で、という現実が特に事務職員では当たり前になっています。昼休みも、学生や業者が来れば対応せざるを得ません。

 女性部は、2007年12月に「東北大学男女共同参画委員会」に対して懇談を申し入れました。しかし「各部局で職員も入って男女共同参画委員会を作っているので、そこを通して問題点を挙げてほしい」とのことで実現していません。各部局での取組みが重要です。

 2007年度の女性の新規採用は事務職員56名中27名、技術職員15名中4名でした。

(2)元気になれる楽しい活動

 今期、具体的な計画はできませんでしたが、いろいろな集会に参加し、他組合員との交流を通して活動の活発化を目指しました。2008年度秋のミニ旅行を計画中です。

(3)女性職員への系統的な情宣活動

 電子メールを活用して、各集会や物資販売活動の連絡を行い、女性部の活動を知らせました。

(4)女性組合員の多い病院支部と農学部支部との交流

 とんぼ玉等の物資販売活動を通して、病院、農学部、理学部、多元研各支部、また、通研、宮城教育大などにも足を運びました。

(5)母親大会の取り組み

(6)連帯の活動

 国際女性デー・宮城はたらく女性のつどいなどの各実行委員会に委員をおくり、集会の成功に貢献しました。

2008年度運動方針と課題

 女性部では、「男女が互いにその人権を尊重しつつ互いに責任も分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現」を目標に、働きやすく学びやすい職場づくりを目指して運動してきました。しかし、多忙化や人事異動の広域化など女性をとりまく労働環境は年々厳しさを増しています。今こそ女性の力を組合に結集し、団結して要求を実現していきます。「女性が生き生きと充実して働き続けられる職場は、男性にとっても働きやすい職場である」をモットーに、女性部として以下の活動に取り組みます。

  1. 男女共同参画社会実現のために活動します。
    1. 「東北大学一般事業主行動計画」を実効あるものにし、男女ともに人間らしく働きやすい職場をつくるため以下を要求していきます。また、積極的に各部局の「男女共同参画委員会」委員になり意見を反映させていきます。
      • 育児に関する休暇の周知・啓発、休暇をとりやすい環境づくり
      • 男性職員の育児休業取得促進
      • 年次有給休暇の取得促進
      • 所定外勤務時間の縮減
      • 事業主行動計画の達成状況の公表
      • 女性職員の登用と採用の拡大および50代女性の処遇改善
      • 任期付教員や有期雇用職員が任期更新の際に出産・介護による不利益が生じないような制度作り
      • セクハラのない職場、管理者のジェンダー教育
      • トイレ・更衣室・休養室の改善、禁煙・分煙等職場環境の改善
    2. 「構造改革」により医療切り捨て、医師の養成数削減などがすすみ、産科医不足などで病院や助産所の休診、閉鎖が相次いでいます。安心して出産できる社会を実現するための運動を他の女性団体と連携して進めます。
  2. 元気になれる楽しい活動(ミニ旅行・学習会)を企画します。
  3. 女性職員への情宣活動に取り組みます。
  4. 第49回宮城県母親大会、第55回日本母親大会、国際女性デー、宮城はたらく女性のつどい等の成功のために諸団体と連帯して取り組みます。

12.身近な仲間の交流から、誰でも参加できる企画へ ─青年部─

 2007年度は、青年部懇親会を軸にして活動してきました。青年部懇親会は、組合の青年部員(32歳以下の組合員)を対象にして、他部局の人と繋がりを作ることを第一の目標に、職場の悩みや相談を気軽に話せる場所を提供することを第二の目標に、そして、組合について学ぶことを第三の目標にして行ってきました。

<青年部懇親会>

  1. 9/26(病院書記局)11名
  2. 11/16(病院書記局)7名
  3. 2/22(金研本多記念館職員集会室)7名
  4. 4/22(金研本多記念館職員集会室)10名

 その他、5月20日、文化部と一緒に「新歓ボウリング大会」(仙台プレイボウル 9名)を開催しました。

2008年度運動方針と課題

  1. 引き続き、青年部懇親会を中心に活動を行っていきます。2007年度は参加者の大多数が同じ人、同じ部局であり、参加したことがない新しい人をどのように開拓していくかが課題です。開催場所も、偏らずいろいろな人が参加できるように、いろいろな場所での開催も考えています。車で来場しやすいようにほとんどをノンアルコールで行っていましたが、一般的な懇親会(飲み会)の企画も検討します。
  2. 学習会やスポーツの企画を少し増やすことに努力します。
  3. 何よりも継続することが大事です。これまで以上に皆で協力し合って活動の幅を広げます。有意義な時間を過ごすためにも、多くの人の意見・要望を取り入れて、色々な企画を行います。

ページのTOPへ


13.学問・科学は平和のために

[1]憲法をめぐる情勢

(1)憲法9条を守る草の根の運動が広がっています。

 小泉政権を引き継いだ安倍政権のもとで、憲法9条を変えて日本を再び戦争のできる国にしようとする動きがたいへん強まりました。憲法を変えるための「国民投票法」も、国民の中に強い反対があったにもかかわらず、強引な形で成立しました。

 しかし一方、このような歴代自民党政権の9条改憲の動きに反対して、9条を守って、戦争をしない平和な日本を維持するための運動も活発になりました。とくに、井上ひさし氏など9名の人々が呼びかけて結成された「九条の会」は、多くの国民を巻き込んだ草の根の運動として力強い広がりをみせ、いまでは全国各地に7,000を越す「九条の会」が結成されています。

 宮城県でも100を越える「九条の会」が結成され、中には宮城県内の市町村長経験者14名が「憲法九条を守る首長の会」を結成したり、現職農協組合長4名が呼びかけた「農協組合長アピール」なども準備されています。東北大学関係者も「宮城・研究者九条の会」に参加して、この運動の一翼を担っています。

 こうした草の根の運動の成果として、最近の各種マスコミの世論調査で、改憲よりも護憲の意見が強まっていることが注目されます。とくに改憲の旗振り役的存在の読売新聞の調査でも、護憲が改憲を上回り、とくに9条を変えることには反対の意見がきわめて多くなっています。この傾向をもっと力強いものにしていく必要があります。

(2)「自衛隊海外派兵恒久法」を成立させようとする動きが強まっています。

 安倍首相が全く無責任な形で政権を投げ出した跡を受けて、福田政権が誕生しました。安倍政権ほど強引なタカ派的姿勢をみせない福田政権のもとで、憲法9条を変える意欲が下火になっているかのような報道もあります。

 たしかに、福田政権は、現時点では憲法そのものを変えることは難しいと考えているかもしれません。しかし、自衛隊が海外で戦争できるようにするための準備は、むしろ強まっています。

 いわゆる「ねじれ国会」の影響もあり、自衛隊がインド洋で行っている給油活動を根拠づける特別措置法が期限切れを迎えて一時中断を余儀なくされたり、イラク派遣特別措置法も2009年7月に期限を迎えることなどにより、自衛隊の海外派兵を1つひとつ特別措置法で可能とするのではなく、全部まとめて1つの法律にして、いつでも自衛隊の海外派兵ができるようにするための「自衛隊海外派兵恒久法」を作る動きが、自民・公明の与党及び民主党の一部の中で強まっています。

 これは、憲法9条を変えることなく、実質的には日本を海外で戦争できる国にするもので、大変危険な動きです。

 大学は、かつて学問・科学をもって戦争に協力し、学生たちを学業半ばで戦場に送り出すという、たいへんな過ちを経験しました。学問・科学は平和にこそ役立てられるべきであり、また平和なくしては学問・科学のまともな発展はありません。大学の組合として、平和を守り発展させる運動も重視して取り組む必要があります。

[2]地域の共同

 組合は、宮城県教職員組合協議会、宮城県労働組合総連合、宮城県国家公務員労働組合共闘会議等の諸団体に参加し、地域の共通課題に取り組んできました。引き続き諸団体と一致する要求・課題での共同を進めます。その際に、国立大の非公務員化、組合財政の健全化等の観点から、諸団体との関係を再点検することが必要です。

ページのTOPへ


14.組合の存在をアピール! 強く大きな組合をつくろう ─組織部─

[1]歩いて組合員拡大をすすめ、もっと見える組合をつくろう!

 組合の財政再建のためにも組合員の拡大は最も重要な活動です。組織・財政検討委員会の活動についてはすでに触れましたが、それ以外の今年度の組織拡大活動として、以下のような活動が挙げられます。

  1. 2007年12月に川内キャンパスの立て看板の移動・更新を行い、2008年3月には片平、文科系、川内北、理学、工学、病院、農学の各キャンパスの立て看板の更新作業を行いました。
  2. 組織拡大のため、青年部懇親会を5回開催しました。看護師の参加を促すために病院支部で開催したこともありました。
  3. 組合活動に関する情報を周知し、組合を身近なものに感じてもらえるようにするため、病院支部の掲示板を人目につきやすい場所に移設しました。
  4. 昨年度同様、新採用看護師に対する病院のオリエンテーションの際に組合の説明を行いました。その際に、組合の連絡先を明記した名刺を配布し、組合による支援体制があることをアピールしました。本年度は青年部の協力もありました。病院支部の新歓ミニ学習会についてはDMでも案内しました。一般職員の初任者研修の際にも資料を配布し加入を呼びかけました。
  5. 2007年8月25、26日に片平キャンパスにおいて開催された東北大学創立100周年記念事業の1つである「100周年記念まつり」において、古本市を開催しました。90,781円の収益を上げましたが、収益をあげることより、多くの教職員に古本市に訪れていただき、組合について知っていただく機会とすることが本来の目的でした。

 以上のような組合員拡大のため行動してまいりましたが、36名の加入、47名の退職・転出・脱退で、11名の純減という残念な結果になりました。

2008年度運動方針と課題

  1. これからは退職者が増えてきます。たとえ退職者と同じ数の加入者がいたとしても、財政再建には十分ではありません。退職者の組合費は若い人に比べて高いからです。したがって、われわれは組合員の拡大に真剣に取り組まなければなりません。
  2. 組合員の拡大を成功させるためには、毎年4月に行われる病院のオリエンテーションにおいて、多くの新採用の看護師に加入してもらう必要があります。他大学では、看護師の大量加入を実現している職組もあります。東北大職組ができない理由はないと思います。来年も入念な準備のうえ実施する必要があります。
  3. 各支部でも、教職員の採用・転入があった際には、速やかに、挨拶を兼ねて加入を呼びかけます。

[2]リアルタイムでつたえよう─情宣活動─

  1. 情宣活動としては、組合員に対して組合の活動をきめ細かく伝えたり、情報交換を行ったりするような活動と、未組合員に対して組合の考え方や運動の成果をアピールする活動を、共に強化する必要があります。前者については、特に、新規の組合員に対して、組合の活動を正しく伝えることを強く意識して行う必要があります。新規に加入した後に送られてくるのが、「全大教新聞」や「国公労連新聞」や「みやぎ県労連新聞」だけでは、何のために組合に入ったのかを疑問に感じることもあるでしょう。学内で起こっていることや組合本部や支部の活動を、すぐに、組合員に伝えるような努力が必要です。後者については、組合が日常的に目に見えるようにしておくことが重要です。各支部のニュースなども効果的です。組合の加入の訴えに行った際に、「職員組合が何をしているのかわからない」と言われるような状態では、組合員の飛躍的な増加を勝ち取ることはできません。

  2. 職組新聞「コア」は、春夏秋冬の4 号発行しました。速報性は少ないものの内容は好評です。財政が厳しくなっていることと、編集委員の減少により、今年度より(7 月号)紙面が半減し2面となりますが、できるだけ記事数は減らさずにしていきたいと思っています。

     これからの課題としては、若い人を編集委員に迎え入れることと、組合の財政を豊かにすることだと思います。「編集委員をしてみたい」「編集委員に薦めたい」という人がいましたらぜひ連絡下さい。 記事の件では、「コア」に掲載する各支部の便り・専門部の便りが最近少なくなっています。積極的に便りを下さるようお願いします。

  3. 組合の WEB ページは、組合の日々の活動や主張を広く広報する上で、最も重要なメディアになっています。また、過去にさかのぼって、組合の活動が記録されていることも大きな利点です。2007年度は、組合の WEB ページを、生協上のページ (http://ha5.seikyou.ne.jp/home/touhokudai-syokuso/) から、組合の独自ドメイン (http://tohokudai-kumiai.org/) に移しました。直接の契機は、生協上のページが容量制限で、これ以上のコンテンツを置けなくなったためですが、名前の覚え易さ等からも、独自ドメインでの運用の利点は、将来に渡っても大きいと考えられます。また、生協上にあった各種の制限を受けることがなくなったため、学内限定や組合員限定のページ、匿名での情報提供を受けつけるページなどの整備が可能となり、ほぼ実現しています。今後も、できるだけ頻繁に内容を更新し、更新内容を、全組合員やメーリングリスト「aoba」に通知する活動を続けて行く必要があります。

  4. 組合員に、迅速に情報を伝達する最も有効な方法は、電子メールです。今期は、組合内のメーリングリスト (ML) のいくつかを、tohokudai-kumiai.org 上での運用に切替えました。tohokudai-kumiai.org 上の ML は、WEB上から、メンバーの登録や変更ができるようになっており、操作に習熟する必要なく、ML のメンバー管理ができます。現在、全組合員に伝えたい内容は、各支部の書記長経由で、各支部の組合員に配布していますが、全組合員に、一度で配送できるようなシステムを構築することが必要な時期に来ています。これは、次の手順で実現できますので、2008年度には整備することとします。

    1. 支部メンバー全員の ML がない支部では、tohokudai-kumiai.org 上に、支部 ML を作成し、そのメンバーの管理は各支部の執行部が行う。
    2. 本部執行委員会が、全組合員に知らせたいと判断した内容は、全支部の ML を包括するアドレスへメールを送る。

     また、組合員や未組合員からの相談や情報提供のメール窓口も整備する必要があります。女性部、文化部、青年部、教文部などの専門部毎のメール窓口を整備し、それぞれ、複数の担当者に、直接、メールが送られるようにする必要があります。

     今期の tohokudai-kumiai.org などのネットワーク環境の整備については、本部執行委員会の元に、専門の知識をもった専門委員会(ネットワーク整備委員会)を設立して行われて来ました。今後も、ネットワーク整備委員会を中心に、ネットワーク環境の整備を図ります。

  5. 今期は、学内各所に配置した立看板を更新し、必要に応じて移動、張替えを行いました。また、目に見える組合活動の一環として、組合の成果をポスターで広報する活動も引き続き強める必要があります。今期は、「団体交渉速報<重点3項目─交渉終了>」などのポスターを作成し、各支部の協力も得て、組合掲示板に掲載しました。

     その他の宣伝活動として、以下の取り組みを行いました。病院の新任職員のオリエンテーションの際に、各支部からの協力を得て、「より良い職場づくりに参加しませんか?」という組合加入の訴えを行いました。また、時間雇用職員向けの独自の「時間雇用職員へのボーナス支給$B(I#の署名と「組合への加入」の呼びかけを作成し、学内便で送付しました。

ページのTOPへ


第3号議案 I

2008年度会計予算編成方針

〔1〕一般会計について

  1. 2007年度決算と2008年度運動方針を基本に、より明確な予算運用と節約に努めます。
  2. 2007年度会計が予算の瑕疵から事実上赤字決算となったもとで、経常財政の正常化をはかります。
  3. そのために加盟団体等と今後の納入人員等について協議します。
  4. 書記局体制は、フルタイム書記1名、アルバイト書記1名として予算を組みます。

〔2〕収入について

  1. 団塊世代が定年退職を迎える中、組合員数が法人化後初めて減少し、組合財政は非常に厳しい状況にあります。健全な財政運営のために、組合員拡大を最重要課題として位置づけて取り組みます。
  2. 健全財政の観点から収入確保の方策について検討します。
  3. 組合費の納入人員は、正規職員   名、准職員  名、時間雇用職員  名として予算編成の基礎数とします。

〔3〕支出について

  1. 日常活動と組合員拡大に最低限必要な予算額を確保しつつ、加盟組合費・負担金の大幅見直し等、項目によって思いきった削減を行います。
  2. 組合員や積立金会計からの借り入れ等について2008年度から計画的に返済します。
  3. 加盟組合員数は、全大教   名、県労連   名とします。

ページのTOPへ


ホームに戻る