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国立大学法人運営費交付金の3%削減について(要請)

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2008年8月6日

国立大学法人東北大学
 総長 井上 明久 殿

国立大学法人東北大学職員組合
執行委員長 吉田 正志

2009年度概算要求基準において国立大学運営費交付金をこれまでの年1%減に加え、さらに年2%減とすることが、7月29日に閣議了解されました。合計で年3%の削減となります。この閣議了解に対し、われわれ職員組合は以下に挙げる理由により断固反対の意を表明いたします。

第1に、運営費交付金は光熱水料費、事務費、人件費等の大学の日常運営を支える「義務的経費」の性格が強く、それをさらに年2%削減する根拠が希薄です。国立大学法人法等の成立時の附帯決議には「国は、高等教育の果たす役割の重要性にかんがみ、国公私立全体を通じた高等教育に対する財政支出の充実に努めること」とあり、今回の運営費交付金の削減は「高等教育に対する財政支出の充実に努める」ことと矛盾しています。

第2に、さらなる運営費交付金の削減は東北大学の健全な経営に深刻な影響を及ぼします。「井上プラン」では新キャンパス整備事業をはじめ、様々な大学改革を実施予定ですが、今回の運営費交付金の削減は計画通りの実施を困難なものにするでしょう。また、職員の新規採用を抑制しなければならない事態が生ずる可能性があります。新規採用の抑制は現在の職員の労働環境の悪化を意味します。健全な労働環境は維持されなければなりません。

第3に、さらなる運営費交付金の削減は教育の質の維持・向上を不可能にします。迅速な教員人事が不可能になる部局がでてきます。現在、大学院は言うまでもないことですが、学部においても「学士力」という言葉が中教審で使われたことからも窺われるように、大学教育の質が問われています。このような時代に運営費交付金を削減することは暴挙と言わざるをえません。また、現在でも教員は競争的資金獲得のため、研究時間の削減を余儀なくされています。さらなる運営費交付金の削減は研究水準の維持・向上も困難なものにすることが容易に想像できます。

国立大学協会も上記に挙げた理由とほぼ同じ観点から、7月23日に運営費交付金の大幅削減に対し強い反対の意を表明しています。7月28日には福島大学長が反対声明を出しています。また、弘前大学、岩手大学、秋田大学の3大学長は、7月31日に北東北国立3大学連携推進会議において、今回の運営費交付金の削減に対して反対声明を発表しています。井上総長におかれましては上記の理由にご賛同いただき、ぜひとも今回の運営費交付金の削減に対し反対声明を発表していただきますようお願い申し上げます。

以上


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