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声明
大学当局は、4.77%〜9.77%の大幅賃下げを撤回せよ

 国立大学法人東北大学は2012年5月29日、「国家公務員の給与臨時特例に伴う本学役職員の給与の特例措置方針(平成24 年4 月26 日役員会承認)」を根拠とする就業規則改定(具体的には「国立大学法人東北大学職員給与規程」改定)を強行し、6月1日付で施行した(以下、この改定を「0601就業規則改定」という)。この「0601就業規則改定」の内容は、一言で言うと大幅賃下げであり、本学教職員の給与(本給月額)を4.77%〜9.77%減額(本給表の級・号俸によって3段階に分かれる)、期末手当・勤勉手当・期末特別手当の一律9.77%減額、地域手当や広域異動手当などの各種手当の本給月額等の減額率に応じた減額などと、過去に類をみない極めて大幅な給与削減となっている。

 そもそも労働条件の変更は、使用者の法令遵守を当然の前提として、十分な団体交渉をおこなった上で実施されなければならない。また、労働者の合意を得ないまま就業規則変更によって労働条件を労働者の不利益となるように変更することは労働契約法第9条で原則として禁止されており、同法第10条によって労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的な就業規則変更である場合にのみ例外的に認められるに過ぎない。ましてや今回の就業規則変更は賃金の大幅引き下げであるから、「高度の必要性」が求められる。しかるに大学当局は、不利益の程度、高度の必要性、相当性について説明を尽くすどころか、労働組合である東北大学職員組合との団体交渉の場で議論・交渉はおろか必要性および相当性をはじめとする合理性の説明を一切行わないまま「0601就業規則改定」を強行してしまった。これが労働契約法第10条所定の合理性の要件を満たす適法な就業規則変更であると言うことは到底不可能である。

 東北大学職員組合は、大学法人当局提案の違法性の疑義をただすべく5月21日に団体交渉を行ったが、労働条件の不利益変更の内容にかかる交渉は一切おこなわれなかった。「0601就業規則改定」は、大学当局が労働組合法も労働契約法も不当に軽視し、労働者の合意を得ぬ就業規則変更という手段により一方的に不利益変更として強行されたものであり、その手続きは違法の疑いが極めて強い。甲野正道理事が労務担当という職にありながらそれらを主導した責任は極めて重いものと言わねばならない。

 東北大学職員組合は、国立大学法人東北大学当局に対し、「0601就業規則改定」の即時撤回、「0601就業規則改定」前の就業規則に従った給与全額の支給、労働組合法および労働契約法の遵守はもとより、労使対等の原則に立った誠実な労使交渉を要求するものである。

2012年6月22日

東北大学職員組合


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