ダイオキシン学習会

東北大学職組50周年記念学習会
「”ダイオキシン”って何でしょうか？-みんなで環境問題について考えましょう-」

　去る5月20日に「みやぎ・環境とくらし・ネットワーク（MELON）事務局」の濱畑哲さんを講師にお迎えし、上記学習会が開催されました。会は学内からの参加者12名の他に濱畑さんのご紹介で「みやぎ生協生活環境事務局」の篠原富雄さんが加わり、座談会形式で進められ、環境問題について活発な意見交換が行われました。
　ここでは学習会で話題になったことについて紹介します。今や環境問題やダイオキシンについてははあちらこちらで取り上げられていますが、皆さんは以下のことはご存じでしたか？

ダイオキシンの多くはごみ焼却の際に発生しますが、ごみに限らず何かを燃やせばダイオキシンは発生します。野焼き、たき火をしてもダイオキシンを発生させてしまいます。
ダイオキシンはサリンよりも毒性が強く、極めて微量でも人体や自然環境に大きな影響を与える猛毒の物質です。
ダイオキシン対策には環境庁、厚生省、通産省等の中央省庁が各々取り組んでいますが、省庁によってダイオキシン規制の基準値等は違います。例えば、環境庁では上限値を5pgTEQ（1kgあたりの毒性等量、1 pgは0.000000000000001 g（小数点以下ゼロが14個も並ぶ！）としているのに対して、厚生省はその倍の10pgTEQです。厚生省や通算省は企業や自治体を直接監督する立場であるため、甘めに設定しているのでしょうか。
地中に侵入したダイオキシンは雨水によって川、海へと流れていきます。海水のダイオキシン濃度を1とすると、ブリやマグロなどの大型の魚では約250万倍にもなります。ダイオキシンは水には溶けませんが、脂肪に溶け、自然分解もほとんどされないので、人間の食べ物でいうと食物連鎖の上位に立つ、脂ののった美味しいもの程キケンです！
消費者の間では、できるだけごみを出さない消費の心がけや、リサイクルの意識が高まりつつあります。来年度から流通業者の費用負担で、私たちの身の周りにある全ての容器は再生化する義務が生じます。
プラスチックの材質表示（三角形の中に番号の入っているもの）は数種類あります。ジュース等のペットボトルは「１」はよく見かけますが、他の番号はなかなか見かけません。そこまで表示が徹底されていないのでしょうか？ちなみに「３」はダイオキシンを最も発生しやすい塩化ビニルです。
日本人の母乳中のダイオキシン濃度は恐らく世界一とのこと。赤ちゃんに母乳を与えれば、母親の体内のダイオキシンは減少しますが、そのダイキシンは赤ちゃんの小さな体の中に蓄積されてしまいます。悲しいことですね。母乳には乳児を成長させるための栄養がいっぱい入っているので、母乳を与える、与えないは、どちらが良いと言い難い問題です。
ダイオキシンは体内の脂肪にずっと蓄積されるわけではなく、腸内も循環するそうです。小腸にダイオキシンが回ってきた時が体外へ排出のチャンスです。日頃、食物繊維や緑黄色野菜を沢山摂取することが大切です。

　このほかにも、MELONやみやぎ生協の活動等の紹介がありました。また会の締めくくりには、濱畑さんが持参された手作りのダイオキシンについての紙芝居をしていただきました。とてもわかりやすい内容のものでした。
　「知っているようで、知らなかったことがいっぱいあった。」ということを実感できる驚きの学習会でした。「知らぬが仏」ともいいますが、知ることはやはり大切です。今後、このような学習会開催の機会がありましたら、皆様の積極的な参加をお進めいたします。
　なお、今回の学習会でMELONや、みやぎ生協からパンフレットや情報誌をいただきました。ご興味のある方は書記局まで連絡ください。

＜レポート：青年部　堀江、左近＞

みやぎ・環境とくらし・ネットワーク(Miyagi Environmental Life Out-reach Network　“ＭＥＬＯＮ”＝�メロン�）は、1992年6月の「地球サミット」での合意を宮城県内において市民レベルで実践していくことをめざし、それまで宮城の農業、食料、環境に大きな関心をもって活動を推進してきた、みやぎ生協、ＪＡ宮城中央会、宮城県漁連、宮城県森連、日専連宮城県連らの協同組合と、市民、研究者、法律家らによって、1993年6月5日に誕生した、地域活動を基礎とする環境ＮＧＯ(非政府組織)です。ＭＥＬＯＮのホームページは●こちら●．

東北大学職員組合書記局
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