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東北大学職員組合執行委員会は7月2日、「国立大学協会第108回総会等をふまえた 要望書」を総長に提出しました。

2001年7月2日

国立大学協会第108回総会等をふまえた要望書

東北大学総長 阿部 博之殿

東北大学職員組合    
執行委員長  大村 泉

   東北大学の発展、教職員の待遇改善・地位確立に向けて日頃からご尽力されていることに対して心から敬意を表します。

 さて、報道によれば、去る6月12日〜13日に開催された第108回国立大学協会(以下、国大協)総会において、設置形態検討特別委員会提案による「国立大学法人化についての基本的考え方」及び「国立大学法人化の枠組」の二つの文書が、大筋で了承されたといわれています。
 しかしながら、その後の各大学での学長の反応を聞き及ぶと、総会では、文書による「意見」、「要望」の提出を含め、特に「国立大学法人化の枠組」について、少なからず異論が出され、「特別委員会」の「報告」の取り扱いについても「了承した」と認識していない学長が少なくないとのことです。国立大学の将来を左右するような文書の位置づけが不明確となっていることは、異常なことといわねばなりません。そして、もし二文書が「大筋で了承された」という報道が誤りであるとしたら、報道機関の誤報か、ないしは長尾国大協会長が、総会の結果とは異なった記者発表を行ったかのいずれかになります。国大協総会がどのように行われ、二文書がどのように扱われたのか、職員組合としても重大な関心を寄せざるを得ません。

 また、6月11日の政府の経済財政諮問会議に急遽、遠山文部科学大臣が出席し、大学の改革方針等について、「大学(国立大学)の構造改革の方針」および「大学を起点とする日本経済活性化のための構造改革プラン―大学が変わる、日本を変える―」と題する二つの文書に基づき説明したとの報道があります。さらに、文部科学省は、6月14日に開催された国立大学長等会議でも、この二つの文書に基づき、方針を示したと伝えられております。
 今回の方針は、大学人の中での検討を一切抜きに、突然出されたものです。しかも、新制大学の重要な理念である「1県1大学」の原則を崩し、大学の再編・統合による大幅な国立大学の削減や「国・公・私トップ30大学への重点的予算配分」を盛り込むなど、学問の自由と大学の自治・自律性を無視する形で、上からの強権的改革をめざすものとなっています。ここには、文部科学省の政策転換を意味する重大な問題が含まれていますし、もちろん、国大協でもこのような議論は一度もなされていないものと拝察します。今回の文部科学省の所為は、国大協や大学をないがしろにするものです。

これらのことをふまえ、下記事項について強く要望するものです。何卒その趣旨をご高察いただき、実現方、よろしくお願いいたします。

(1)第108回国大協総会において、「国立大学法人化についての基本的考え方」及び「国立大学法人化の枠組」の二つの文書について、どのような議論がなされ、結果として二文書がどのような扱いとなっているのかについて東北大学構成員に対し、速やかかつ明確に説明すること。

(2)国大協臨時総会の開催を要請し、上記二文書の取り扱いを明確にするよう働きかけること。その上で、二文書が「大筋で了承された」という情報が、報道機関の誤報によるものであるならば、国大協として関係報道機関に厳重に抗議し、訂正報道を申し入れるよう働きかけること。また、長尾会長の説明に誤りがあったとしたなら、会長の責任を明らかにさせ、速やかに訂正を行うよう働きかけること。

(3)国大協臨時総会の開催を要請し、文部科学省による「大学(国立大学)の構造改革の方針」について討議を行うよう働きかけること。


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