2002年度定期大会は7/19(金)片平市民センターにて行われました。議長に工学部支部の赤間代議員と金研支部の芦野代議員が選出され全議事が円滑に行われました。13支部から22名の代議員、14人の本部執行委員が出席(他に来賓4名、婦人部からコーヒー販売等で若干名)し、質疑応答はのべ20名でした。本部提案の活動報告、方針、決算、予算、規約改正等のすべてが代議員からの意見を踏まえて可決(三号議案が保留1の他は全会一致)され、大会宣言が満場一致で採択されました。以下に主な質疑等について報告します。
法人化問題を中心に行われ書記局の小野寺が参加しました。6/24aoba投稿記事の要約です。
今期は、有事立法や平和をめぐる課題、医療保険の問題など多くの課題があった。
大学そのものの課題としては、法人化といかに闘っていくか、そしてよりよい大学をいかにつくっていくか、という課題があった。組合の姿勢としては、反対を掲げて取り組んできた。問題はこれからだ。7次を数えている制度検討委員会A委員会の案についても、体制、身分制度等、疑問が残る。学生の視点もない。学生、教職員、全体の視点からとらえられるべきだ。今日の議論に期待する。
1・3号議案(総括・方針)、2・4号議案(決算・予算)、5号議案(教職員共済規約改正)についてそれぞれ金澤書記長、木村財政部長、坂田厚生部長より提案があり質議が行われました。
図書館) 事務職員を対象とした初の法人化問題の説明会(正式名称)がおこなわれた。実際には、説明会といっても、まだはっきり決まっていないので、勉強会だということを当局の説明者は強調していた。組織、人事、会計についての各担当からの説明だったが、本来説明にあたる予定だった推進室長が所用で急きょ別の人が説明にあたったこともあってか、非常にわかりにくい説明だった。役員以外はアウトソーシングできる旨の話もあった。私は非公務員化への反対を述べ、公務員として採用されながら非公務員とされる人の、他官署への異動など救済策について質問した。わかりにくい答弁だったが、まだ決まっていないし相手先のこともあるのでわからないということのようだった。また、制度検討委員会の案では、非常勤職員が法人化後3年以内の任期付き雇用とされ、その後更新される場合にも1回だけ、しかも1年間に限られていることについて質問した。それに対する答弁もわかりにくかったが、定員外職員については定員化という方法もあるが、その場合にも試験という方法がありうるといったもので、一方的な説明だと感じた。
図書館支部では、昨日、総会と新組合員の歓迎会を行った。加入の経緯には、分館当局に対して何か発言すると、組合を通して発言してほしい旨のことを当局から言われていたということもあったとのことだ。
工学部) 校費配分方法の変更について一昨年の大会で話題になっていたが、それはどうなったのか。
組織拡大懇談会の内容を知りたい。
青年部、婦人部費の渡しきりの使途の内容がどのようなものになっているか。
執行部) 青年部は新歓ボウリング、学習会など、婦人部はミニコンサート、ミニ旅行などを実施して予算を使っている。
理学部) 事務職員の方針で、制度検討委員会の記述が不正確ではないか。A委員会7次案の内容に即したものにしてほしい。
学内の技術職員専門研修について組合はどのように考えているのか。
組織拡大の方向性について、どのようなバリエーションを考えているのか。
執行部) 組織拡大懇談会は、本部、支部役員、歴代役員に呼びかけて実施した。議論はまだ入口段階で、主に2種類の議論がある。一つは、当局によって懇親会を母体に事務職員の組織化が図られる場合に対応するものであり、組合としては職種ごとの組織をつくり、その連合体に東北大職組がなるというイメージだ。もう一つは、低額組合費の賛助組合員であり、これによって組合費を減額できる条件をつくることだが、その場合、2種類の組合員になるという問題がある。組合の方針としてはまだ決まっていない。
当局の制度検討委員会が出してきている専門職員については、技術職員の関係ではないか。
科研) 専門職員には事務職員の一部も含まれる。
執行部) 学内の技術専門研修についてはまだ議論していない。組合として検討が必要だ。
遺生研) 校費配分方法の変更については、すでに実施されており校費分は激減している。自分のところの例で言うと、以前講座費で70万あったのが、今では分野あたりで40万にまで激減している。東北大の場合、あまり問題になっていないのは、外部資金が億単位に増え講座費に頼らなくなっていることと、学長裁量経費で補ったりしていることなどがある。しかしこうしたことは旧帝大系だけについて言えることであり、また予算をテコにした管理運営が強く働いているという問題でもある。
理学部) たとえば、九州大学で行った第二の組合組織のようなものを支部で実施していいかどうか本部の見解をききたい。
文科系) 支部独自に組合費を引き下げることはできるか。
執行部) 今のままだと、支部で組合員登録しない場合はともかく、登録している場合は難しいだろう。支部で財源を確保して、本部へ納入する分が確保されることは必要だ。今はまだその段階ではない。
理学部) 北川内支部解散の関係で一定の収入があり、その有効利用を検討することになっている。単なる組合費の補填ではなく、組織が大きくなる方向で使いたい。一度プールして組織強化に使った方がいいのではという議論がある。
この大会で方向を示すことができなければ間に合わないのではないか。期待される組合が少数組合のままでは期待に応えられない。このままでは支部が独自にやらざるをえない。
執行部) 現段階では方針は出せない。組織拡大懇談会を頻繁に行うことが必要だ。
執行部) 次期執行部の最大の課題は、有効に団体交渉できる組織づくりだと考えている。
先日、河北新報から総長選挙への取り組みについて取材を受けた。岩大では、学長選挙に関して学長候補者の参加する討論会が開かれたが、参加者は20数名にとどまった。東北大でも現状でどれだけ集めることができるか疑問だ。
少しでも多くの教職員に組合に加入してもらうための努力をしてきた。パート職員への手紙を実施したり、教文部では教員拡大のための文書づくりをしている。組合の力をつけ過半数化していく趣旨で取り組んでいくが、このことは支部の力なくして実現できない。できるだけ早く、何らかの方向を示す具体的検討をしていく。
文科系) 総長選挙の方針をもつべきだ。この選挙で着任する総長の任期は3年であり、法人化後最初の総長として、法人の使用者のトップとなる。組合として、総長候補者がどのような政策をとるべきかを示すべきだ。具体的には執行部に一任したい。
組織の強化という点では、この間、文系からの委員長が続いている。文系もこれ以上委員長を出し続けるのは大変だ。組織拡大という点でも、できるだけ、いろいろな分野から出るように、本部の目標としてかかげてほしい。
執行部) 総長選についての河北新報の取材に対しては、見識が必要だとの原則的な点と、これまで同様にアンケートに取り組むことを述べた。組合は法人化に反対だが、仮に法人化された場合の体制のことを設問に加えて検討している。大学の自治・自律性をどのように発揮しようとしているのかは、重要な点だ。
委員長が文系に片寄っている問題については、努力はしたが、いろいろな理由でまた理系から出せなかった。他の支部には、今から考えていてほしい。
科研) 組織の方針を立てる時期だ。来年の大会を待たずに決めなければならない。組合は職場に根ざしたものだ。今本部に上納している分を維持しながらそれぞれの支部で取り組んでいく必要がある。会議の持ち方、取り組み方等、様々なことを考えて決める時期になっている。今科研は100人中、4分の1の組織だが、どうすれば100人の組織にできるか。たとえば、今の金額を維持しながら、月1000円とか2000円で加入を呼び掛ける、それを組合費の減額にあてるなど。各支部で譲れない額を今年中には明らかにすべきではないか。本部の活動内容について言えば、6000人を相手にして何ができるかを間もなく決めなければいけない時期だ。組織率が小さい部局もある。本部としてのビジョンがないと呼びかけられない。定年要求など夢も描きつつ部局ごとに宣伝し課題を掲げて本当の組織戦にとりくもう。
執行部) 組織拡大方針については次期も責任をもってあたりたい。早急に方針を出していきたい。
法人化反対運動をどう組織していくか、大学の構成員として、大学の自治をどう守っていくか、大学の自治、部局としての自治の総括的な議論が必要だ。今は自治が空洞化しているところが問題だ。組合が多数派をどう組織していくか、発想の転換も必要だ。
組織を強めるためには学習が大事だ。東北大職組は他の組合と比べて、職場での学習活動が弱い。これからは、学習し団結して困難な課題に立ち向かっていくことを期待したい。
議論の中で出た情報だが、附置研究所について教員定員枠によりA〜Eの5段階にランク付け(180、140、80、50、30)、交付金に差をつける動きがある。学部は学生数によって行うとのこと。教官や学生の数できめられるということだと研究施設・センターについては研究所の方に取り込まれるのだろうか。今まで作ってきた法人化準備の文書を書き直さなければならなくなっている。 9月頃には新しい枠組みが出てくるようだ。
昨年4月に誕生した小泉政権は、「改革」と言う美句を声高に叫ぶことによって、これまでの政府・自民党に対する国民の批判をそらす役割をもつことが、発足当初から指摘されてきました。実際に、この指摘は有事法制やメディア規制などの法案が国会上程されたことによって、小泉内閣が歴代の自民党政権以上に右翼的であり、危険な内閣であることが一挙に露呈されました。私達には、この政権の本質をさらに明らかにし、早急に政権を倒す運動を強めることが求められています。
国立大学の「法人化」問題は、昨年6月の文部科学省「遠山プラン」の発表を機に国立大学の再編・統合の動きが強まり、3月には「最終報告」が文部科学省に提出されました。「最終報告」では大学の教育、学問研究への機械的な競争原理の導入がうたわれ、市場原理に基づく大学運営が打ち出されています。これは、多様で豊かな学問の発展を制限し、大学間格差を一層助長し、我国の高等教育の基本を変える重大な内容を含んでいます。国立大学協会は「最終報告」を異例ともいうべき多数決によって承認しましたが、このことは、「最終報告」には大学自身がさらに議論すべき多くの重要な問題が残されていることを証明したものに他なりません。また、大学教職員の非公務員化という方針は、「法人化」が目論まれている国立大学だけでなく、公務員労働者全体に重大な問題を投げかけています。
私たちは今大会の議論の中で、このような状況に対して敢然と立ち向っていくことを確認しました。同時に、私たちは、研究と教育を通じて人類と国民の福祉・文化の向上を推進するという大学の原点に立ちかえり、すべての大学人との連帯を通じて一人一人の権利の拡大と生活の向上を勝ち取っていくことを誓いました。
ますます困難さを増す状況を打ち破るため、全学の教職員の皆さんに、私たちの運動に加わり共に闘うことを呼びかけます。
2002年7月19日
東北大学職員組合2002年度定期大会
法人化問題を中心に行われ書記局の小野寺が参加しました。6/24aoba投稿記事の要約です。
・全大教は、「最終報告」を国大協が容認したことによって「具体的な法案策定」と「それに対する国会闘争」という新たな局面に入ったと考え、それを受けて、「『最終報告』の枠組みに基づく『国立大学法人法』策定に反対し、その抜本的見直しを要求する」と「法人化の検討作業に対して矛盾・問題点を徹底して明らかにし、制度と身分・待遇に関する『重点要求・対案』を対置して取り組む」の二面作戦を提起しました。
(1)署名を中心とした運動
(2)「重点要求・対案」運動
(3)討議資料の作成
(1)組織強化3ヶ年計画(2001.7〜2004.7)の達成のため、各単組で「基本計画」を策定・具体化する。活動と組織のあり方の見直し、事務・青年の組織を重視する。
(2)文科省交渉、大学連合(新国大協)との会見・協議機能の追求、法人制度下における全国的な賃金・勤務条件モデルづくり、職員採用、研修、人事交流のあり方についての提言・協議、単組交渉への支援体制等、法人制度下での活動を検討する。
○中期目標・中期計画の策定についてある大学の資料2点が配付された。
○ある大学では、事務局長名で、非常勤職員を来年度から原則として雇用しない方向が出された。実は、来年度以降の事務職員のあり方について検討中のことを、その事務局長が個人的に先走ってしまったもの。支部の定員外部会は、あまりに横暴なやりかたであるということと、全員移行の方向が経営者としての責任だということで事務局と折衝。解雇通知ではないこと、オープンな全学議論をすることについて事務局長から約束をとりつけた。人事課長交渉で、職の制度枠と生活権の問題を切り離し、生活権については人事課の責任である旨の言質をとった。組合としては、弁護士による対応も含めて、全員雇用、人権、生活権の問題として迫るつもり。当局は、定型的業務、日常的業務は電算化、外注化する方向。
○名大の取り組み
○組合員拡大の方策
○東大では、当局の公務員水準、教特法水準維持という姿勢がこの1ヶ月で「難しい」へと後退している。東大当局は「合理化が前提の法人化であり、身分保障は非常に難しい」と言っている。
東大総長は「通則法とまるきり同じではないという一点で賛成した」とのこと。