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緊急要請

評議会に「金銭提供問題」問題の全容解明を求める

1月20日、東北大学評議会が開催される。私たちは評議会に対して、「金銭提供問題」問題の全容を解明するために必要な措置をとることを改めて要請する。

昨年12月16日に開催された臨時評議会は医学系研究科「研究助成金問題調査委員会」の調査結果について、「任意調査としての制約と限界はあるものの、その範囲内で調査が厳正かつ適切に行われたものであり、その調査結果は信頼に足りるものであると認める」(評議会見解)という見解を示した。私たちは、これにたいして12月19日に声明を発表し、「医学系研究科調査委員会の調査結果は十分な説明を与えていない」ことを指摘して、「新たな全学的調査委員会を設置し、資金の流れを示す書類を精査すべきである」と提案した。この提案は、今日でも有効である。

繰り返し強調するが、証書類を精査しなければ提供された金銭の使途は明らかにならない。したがって、研究助成金の受入と医師の就職・アルバイトとの関連性はないとか、寄付目的、あるいは財団の趣旨に則って支出されているなどと主張したところで、説得力はない。マスコミによる問題の指摘がいっこうに収まらないのがその証拠である。

まず、委任経理金に入った部分は証書類が公文書であるから、評議会の意思一つで調査が可能なはずである。付言すれば、証書類は情報公開制度の対象であるから、仮に隠そうとしても隠すことはできないのである。

医局で支出された部分についても調査が必要である。1月16日のNHK総合テレビ「クローズアップ東北」によれば、医局による支出には寿司店などでの飲食も含まれているという。寄付目的に沿った支出が行われていたかどうか疑問が持たれているのである。医局は任意団体だから調査できないという意見もあるが、それはあまりに実態とずれている。NHKが調べられて、大学自身は調べられないということはない。 次々と新たな事実が発見され、調査結果が事実と異なることを指摘されても、「調査結果は厳正かつ適切」という主張に固執してよいものだろうか。社会から大学が厳しく点検されようというときに、自らは調査可能な書類も見ないという態度でよいのだろうか。それでは、東北大学は真理を探究する場だと胸を張ることはできなくなるだろう。

私たちは、いま一度、評議会に要請する。評議会は、ことの重大性に気づきかけているからこそ、臨時評議会を開催して「任意調査としての制約と限界」を指摘したのであろう。いまからでも遅くない。自ら指摘した「任意調査としての制約と限界」を突破するために、十分な権限と独立性と透明性をもった調査委員会を設置し、その調査結果を迅速に公表すべきである。私たちは、評議会が自治能力を発揮し、社会的責任を果たすことを心より期待する。

2004年1月19日

東北大学職員組合


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