2/1団体交渉議事録

■石井補佐　これから団体交渉を始める。今日の議題は、「能力開発システムについて」だ。大学側からの申入れによる交渉なので、まず理事から発言する。

■徳重理事　昨日、職員課から資料を渡してあるが、この間、人事部およびタスクチームで検討してきた内容が成案にいたったので提案する。昨日、これをもとに役員との間で協議しようということになった。具体的には、これから改善や検討をしなければならないところもある。まずは基本的な考え方という位置付けで、これにそって今後、仕組みや制度を充実させていきたいと考えている。

＜資料「新たな能力開発システムに関する基本的考え方(案)」説明＞

■徳重理事　説明は以上だ。新たな支援の仕組みということで、これからさらに検討していきたい。

□組合　教職員の能力開発に対して、大学側が積極的に対応していく姿勢自体は結構だと思う。ぜひ大事にしていってほしい。ところで、能力開発が必要になったのは、法人化も１つのきっかけだろうが、東北大学という世界に伍していく大学としては、これまでもかなり能力開発自体には意を尽くしてきたのではないか。これまでの能力開発のやりかたに、一定の問題があると認識しているから、新たなシステム構築が必要だと考えたのだと思うが、そもそも、大学としては、これまでの研修制度の問題点についてどのように認識しているか。それを踏まえた上で、今後の能力開発のシステムを考えていく必要があるだろう。

■徳重理事　今回の提案内容の裏返しということになるだろう。本学のこれまでの研修は、Off-JTを中心に考えてきた。しかも、内容的にも、一方的な知識の伝達ということになっていた。法人化して、外部に委託するのが良いかどうかは別として、専門的な観点から、人間関係やコミュニケーションの観点も加えて、Off-JTについて改善を図りたいということだ。また、OJTについては、これまでは、上司の資質に委ねられていたところがある。人を育てるのがうまい人と、自然に育つに任せる人等のアンバランスがあり、職場の中で育っていく機会はいろいろあるだろうが、これまでは、そういう条件が生かされてこなかった。その改善について、意識して全学的に取り組みたい。もちろん、一生懸命やっている管理職もいることはヒアリングをしていてよくわかるが、非常に忙しい中で、コミュニケーションやミーティングの時間もとれないという実態もあるので、こうしたシステムを導入することによって、仕事の効率化にもつながると考える。最後になったが、一番大切な点は、自己啓発だ。それに対する組織的支援が大切だと考えている。

□組合　抽象的な指摘としてはその通りだろうと思う。しかし、むしろ個別具体的な研修に関わる問題点があるのではないか。今日の交渉に、雪の中を川渡から参加している。発言用の文書も用意してくれた。事情により代読するので聞いてほしい。

□組合　まず、専門分野の研修についてだ。フィールドセンター勤務において、Ｘ線や超低温・高真空の取り扱いなどの専門研修は案内されているが、センターで普段必要とされる技術ではないので研修に参加することはない。センターで必要とされている作物系・畜産系・材木系・機械系の研修は大学内部では研修を受ける機会がとても少ないので、各部門で必要とされる専門技術に関わる研修を行うために、各自治体、学外や農水省等で行われる研修会への参加、学会参加等により技術の習得を進める必要がある。また、部門ごとにどのような研修を希望するかを意見として吸い上げる機会があればより効果的な研修が行えるのではないか。次に、統計処理技術の習得についてだ。研究教育において技術職員にも統計処理の基本的な考え方を理解して研究を支援することが求められている。そこで、基本的な統計処理とパソコンでの統計処理技術の習得が必要だ。

□組合　業務と研修内容とのミスマッチがあるということだろう。また、大学内部で全ての研修をするわけにはいかないので、外部の研修も必要だということだろう。ということになると、今回の提案にあるOff-JTは、それにあったものかと思うが、これが、これまで川渡の技術職員にとっては不十分な体制だったという意識があるのではないかと思う。もう１つの具体的な意見として、今度は病院の研修のあり方、とくに看護師の研修のあり方について聞いてほしい。

□組合　昨年の交渉の際にも、病院の実態は話し、実態調査もお願いしたが、どの程度の進捗があるかも含めて知りたいと思ってきた。新たな能力開発システムについて、理事の話では、これまで上司に委ねられた形で学習を積み重ね、その中でコミュニケーションやミーティングもないままで云々ということだが、看護部では、それだけの問題にとどまらない。私が入った頃は、病院側で企画した研修はほとんどなく、むしろ、組合が研修を企画して行ってきた。最近では、多い時は週に2、3回というペースで、様々な研修が企画されており、全て参加しなければいけないということではないが、基本的には、イーストを使って看護師長から当日朝に呼び掛けられている。誰が参加したかははっきりと記録され、何回分かをきちんと出れば証書やマークが与えられる等、私たちには、意識的な研修参加がいわば強制されているように感じられる研修が少なくない。私たちも必要を感じることもあり、大方は仕事が終わり次第、あるいは5時や5時半から仕事を中途にして、研修にいくのが今の実態だ。もうひとつは、仕事に必要な研修は仕事としてぜひ認めてほしい。実態は年休を使っての研修になっている。また、自分自身のキャリアアップのための研修にせよ、年休を使って受けようと希望を出していても、実際には公休や深夜明け・準夜の前・深夜の中日等を使って行かざるを得ないのが実態だ。慢性的な人手不足が大きなネックになっている。ミーティングをきちんとやっていくとか、効率化のために研修が必要だと言われても、私たちは、個人の時間や健康を犠牲にして参加しているのが実態であり、また、参加したくても参加できない実態にある。謳い文句は非常に良いし、なるほどとも思うが、現実には、今言ったような実態にある。研修に出たことによって給与や昇進につながるかというと、看護師の中ではほとんどない。また、長い研修はほんの一部であり、選ばれた人が行っているが、どのような基準で選ばれているのかもわからない。本当に学びたいと思っても学べない状況だ。ついでに言うと、年休は20日が権利だとはなっているが、たとえば、ある科では看護師長が配慮して、自分の年休をつかってだがそういった研修に看護師を参加させ、その科の看護師の年休消化率が年間に若干増えた。それでも7日とか8日なのだが。ところが、そのことによって、その科の看護師長が、看護部長室の方からは、他の病棟に比べてこの科には人手が潤沢だから消化されているかのように言われている。だから、どうしても、公休を使って研修を受けざるを得ないという状況だ。病院の実態を正しく見てほしい。その中で、いい看護をしたい、いい医療を患者に提供したいという立場で組合員はがんばっている。

□組合　病院の実態については後で補足する。技術職員の研修についてはどうか。

□組合　技術職員の全学的な研修としては、10年以上前から、文科省の一般教養的な研修が行われていたが、この2年ほどは、専門的な研修を中心に行われてきており、この切り換えは喜ばしいことだと思っている。ただ、聞くところでは、研修にかかる費用への援助のあり方が部局によってバランスが悪いようだ。全額出すところもあれば、そうでないところもあり、また、試験については出すが、通勤費は出さないといったばらつきがあり、なかなか安心して研修に参加できない状況もあるようだ。その辺も、今回新たにシステムの構築を図るのならば、全学的な統一的な指導をしてほしい。

□組合　「超過勤務手当てに関する申し合わせ事項」という看護師長会で出された資料がある。これには、「時間外の研修･講習は、受講者においては自己研修とし」と書かれている。新採用の看護師の超勤については、まだ未熟だから、という理由で、6ヶ月間は超勤処理をしない等のことが申し合わせられている。また看護師長、副看護師長の研修報告会でも個人の年休を使って参加することや、公休・時間外・準夜・夜勤明けに委員会に出る場合について2時間を限度として超勤手当を出す等、看護師の間では、セミナーを含めて、基本的には受講者の個人負担とされている。

□組合　これについては後で話す。さしあたり、以上のような研修に関する問題点が出されているが、ここまでで、徳重理事から指摘や意見はあるか。

■徳重理事　今後、具体的な中身について、現状を踏まえてどう改善するか検討するときに、関係職員の実態を踏まえて内容を改善していく必要がある。今回は、まず最初の仕組み作りとして、それぞれの職員、職場における研修の課題を踏まえて、改善できるものは改善していく。

□組合　研修についてのポイントは、公と私の分離というか、公と私の関わり合いをどう考えるか、ということではないか。研修を受けるということは、個人のレベルアップにはなるのだが、それを個人の利益のために行われていると考えるか、大学の利益のために行われると考えるかによって、対応が相当違ってくるだろう。たとえば、川渡で自分が実際に聞いたところを例としてあげると、真偽のほどはわからないが、法人化されたことによって川渡のフィールドセンター内の道路が道路交通法の適用対象となったとのことだ。それによる具体的問題としては、法人化以前は大型自動車を普通免許で運転しても問題にならなかったのが、法人化で大型を運転するためには大型免許が必要になった。そこで、大型免許を取得するための時間と費用をどうするか、という問題が発生した。免許は個人のためだから個人の負担と考えるか、センターの仕事のためだから大学が面倒を見るかでずいぶん違ってくる。これは、あくまで、たとえばの話だが。今日の説明では当然、大学として職員の能力開発を図るということだろうから、公的レベルでの話ととらえて良いのではないかと思うが、具体的レベルでは公と私の関わり合いが非常に大きな問題になるようだ。同じことが病院についてもあるのではないか。看護師としての能力アップのためには、医師会の研修等に参加した方が良いということになって、これが、看護師の個人的なレベルアップにもなる。これを個人のものととらえるか、大学病院のレベルアップを図るものととらえるかということで、費用と時間を誰が負担するかが違ってくる。聞くところでは、これまでの看護師の研修は、ほとんど個人の時間とお金でやりなさいということだ。今度の基本的考え方では、費用は補助しなさいということのようなので結構なことだと思う。個人のレベルアップではなく、大学のレベルアップだということは、非常に筋が通ると思う。問題は、果たして役員会に認めてもらえるかだが、ここは理事の力の見せどころかと思う。しかし、そういった公と私の関わり合いに還元できない問題を、病院は抱えているように思う。また、病院はそもそも勤務時間の管理が非常にずさんなのではないか。研修がいつ行われているのかがよくわからない。つまり、私たちがもっているのは、「超過勤務手当てに関する申し合わせ事項」という平成16年4月13日付けの文書だが、これは看護師長会で配られた文書だと聞いている。それによると、たとえば「4月採用の新卒看護師は知識・技術が未熟であり、原則として採用後3～6ヶ月間は、超過勤務はつけない」となっており、新人に対する研修は、時間外に行われている。すると5時何分かまで働いた以降は、研修であって超勤にはならない。これが今も行われているということだ。本来、新入社員の研修というものは、勤務時間内に行うべきものではないのか。

■徳重理事　結果的に全員参加となっているのか。

□組合　科の看護師が全員参加して集中的に実施するものと、各病棟で具体的に必要な手順を学ぶのに仕事を終えてから学習するものもある。1時間のもの、2時間のもの、ときには9時10時までかかるものもある。さらに、宿題が出て自宅に帰って回答を作成して提出する場合もある。そうしないと、職場の中でなかなか即戦力にはならないという状況もある。新人はかなり過酷な状態で働いており、心身ともに疲労困憊して、そこから事故を起こすことも珍しくない。

■徳重理事　もう少し詳しく背景を聞かないと分からないが。

□組合　大学病院側からは回答も来ている。勤務時間を守っている、自己研修だ、という回答だ。4月採用時に数日間集中した研修があるが、それについては基本的に時間通り行われているようだ。しかし、実際に仕事に入ると、医師も教育熱心の方が多く、自身が日常的に診療や手術等でめいっぱい働いているのだろう。どうしても、医者としての仕事が終わった後に、看護師の研修をすることとなり、教員としては、あたかも補講をやっているかのような状況だ。しかし、相手はやはり職員なので、勤務時間という概念を全く外すわけにはいかないだろう。

□組合　医師によるものだけではなく、看護師間で学ぶものも多い。医師による学習は、1時間程度で月に何回か各分野について計画的に行われている。他方、毎日の仕事の流れを学ぶために看護師が新人教育を行っている。これが8時9時までかかる。どこの科でもやっていることだ。

□組合　まさに、公と私の関わり合いの問題だ。これを、あなたたちの私的なレベルアップのためにやってあげている、と考えるか、それとも、公としての大学が全体的なレベルアップのためにやっている、と考えるのかで大きく違ってくる。

■兵頭特任教授　病院として、看護師の教育訓練をどう具体的に進めていくか、という問題ではないか。純粋にOff-JTの一環として位置付ければ、使用者はなぜそれへの参加を命じられるか、それは業務の一環だから、そうなると、労働時間だということになる。現状では、病院においては自己啓発の一環として位置付けている、ということだろう。これから病院が看護師を育てる際にどうするか、人材育成のプランをしっかり確認した上で検討する必要がある。また、公と私の関わり合いについてだが、よく言われているのは、こうした能力開発を進めるという時に、完全な公ということならば、費用も時間も大学側が全て責任を負ってやるべきだ。完全に公と言えるものではないならば、対象者を誰にするかについても費用負担のあり方についても、さまざまな選択肢がある。費用負担を折半にするということもありうるだろう。大学として職員のニーズは受け止めたいが、ニーズを全て受け止めれば大学がパンクしてしまう。ニーズを受け止めながら、限られた人件費の中で何を優先的に投入していくのか、という検討をせざるをえない。職員が今の仕事で必要としている能力と、大学が必要としている能力とのギャップの大きいところから優先してやっていくことになるのではないか。

□組合　そうだろう。

■兵頭特任教授　お互いによく見ていきながら、今後ももっと意見を出してもらい具体化を図っていきたい。

□組合　公私がきれいに２つに分かれるのではなく、その間に、いろんな程度の違いがある。現在の病院の看護師の状況からすれば、費用は、折半でも、今よりずっと良いのではないか。

□組合　そうだ。非常に個人負担で経費がかさんでいる。

□組合　職種や分野によって状況はずいぶん違うだろうから、きめ細やかに見ていかないといけないだろう。また、もし自主研修ということならば、業務命令ではないということをはっきりさせないといけない。不思議なのは、採用後3ヶ月から6ヶ月間というのは退勤処理を個人にはさせないというのを明確に出していることだ。退勤処理とは、今日の仕事を終わりにするというタイムカードのようなものか。

□組合　コンピュータのなかで退勤処理という画面を出し、自分で打つ。そうすると、ご苦労様、明日も頑張りましょうと出てくる。病院だけなのか。事務はないのか。ほとんどサービス残業だからないのか。だとすると気の毒なことだ。ただ、退勤処理したことによって、自分は超勤したと思っているが、超勤の種類について、看護師長が超勤かどうかを見極めて調整する。それで、現実には実働分は出ないことが多いようだ。

□組合　とくに、採用直後の看護師にとっては、病院の事情はよくわからないのだから、退勤処理という操作について説明を受ければ、そういうものかと思わざるを得ない。ある意味で業務命令だ。それはまずい。大学病院がどうなっているかよくわからないが、勤務時間という概念をまず作り上げるところから始めるのかな、と思うくらい難しい。研修を勤務時間の中でやるのか、あるいは勤務時間と分けてやるのか、細かい区分けが必要かなと思う。抽象的に研修はさせると言っても、勤務時間内か勤務時間外か、これが個人にとっては難しいし、年休で処理せよと言われれば年休消化の問題になるだろう。その意味では、先程川渡の例として言ったが、大形免許を取るといったケースについては一般的にはどうなるのか。

■徳重理事　これまでは個別ケースに応じて判断していた。今聞いた話では、職務として位置づける説明はできるだろう。ただ、問題は経費があるかどうかだ。

□組合　法人化によって、あらゆる場面で資格が必要になってきている。ルール改正によって生じた負担なので、できれば大学で負担してもらいたい。

■徳重理事　今までそういう制度がなかったところ、今回ささやかだが経費援助という考えを新たに盛り込んだ。

□組合　これまで、自分の業務にとって必要な資格はこういうものだ、と思っていた職員にとっては、法人化によって、急に状況が変わったことになる。これから採用される人については、募集の時点で、たとえば大型免許が必要、とすればよいが、今までの人にとっては、途中からの変化なので、できれば大学側で出してほしい。

■徳重理事　財源との関係がある。

■兵頭特任教授　必要な免許がないという時に、それならば免許を使う仕事をさせない方がいいのか、免許を取ってもらい仕事させた方がいいのか、大学としてどちらを取るかだ。大学として免許をとって仕事をしてほしいということなら、費用を大学で負担するといった判断ではないか。

□組合　1ページに「職務遂行上必要と認められる公的資格を取得した場合の費用補助の導入について検討する」とある。ここで受験料等という説明があったが、大型免許の場合、数日間におよぶ場合もあるだろう。受験料だけでなく研修受講料についても場合によっては検討の対象に入るのか。

■徳重理事　全学一律の制度として作る場合に、そこまで対応できるかどうかはまだわからない。大学にとって必要だと判断できれば、この制度とは別に様々な対応が可能だろう。この制度についてはこれからまた詰めていくが。

□組合　そうしたケースについて、本人の身になって考えると、自腹も大変だが、大型免許を取れば今までの延長上の仕事ができるが、もし嫌だと言ったら、違うところに配転されてしまって、またゼロから仕事を覚えなければいけない、という問題にもなる。本人の意向の尊重が必要だ。労働条件が大きく異なるところに配転されるか、それが嫌なら、自腹を切って十数万の費用で教習所に休暇を使って通うことになる。人間味のある解決を考えてほしい。

□組合　大学側が一方的に人勧に準拠する問題とも関連するが、大学側にメリットがあるかどうかを重点的に考えて天秤にかける、といった政策を大学側はこの間とっており、その考え方は、トータルに見て、かなり冷たい姿勢なのではないか。我々も、仕事に必要でない研修や資格を取りたいと言っているのではない。あくまで、経営なり研究・教育なりを支援するというのは良いが、職員に対して支援を求めるのならば、大学側も配慮すべきだ。

■徳重理事　どこまで柔軟な制度にできるか検討したい。

□組合　大学側の意気込みが聞きたいのだが、提案の最初の方に「時代の要請に応える能力」「労働力の相対的低下を防ぐ」といったことが書いてある。基本的には、東北大学がもっと輝く、職場としても非常に良い大学だ、非常にレベルが高い大学だ、というふうにしていきたいということだろう。その一環として、東北大学に就職した後も能力開発していき、そうして大学全体のレベルを上げたいという観点だろう。問題はそれに対する姿勢として、そうは言っても原資の制約があるので、あくまで運営費交付金の枠内でということを言い始めると、随所に「検討する」と書いてあることがみなネガティブに聞こえてくる。我々も大学と一致団結して東北大学全体のレベルを上げていきたいと思っているのだから、こういう提案をするからには、それなりの意気込みをもって、たとえばOff-JTの問題もあるだろうが、予算措置も必要だろうから、それを運営費交付金のみならず別な形でも取ってきたいという決意はないのか。お金さえあれば、この理念でやっていった場合、東北大として非常にレベルアップが図れると思う。

■徳重理事　考えてみたい。運営費交付金が第一だが、外部資金が取れるならその獲得に努力したい。

□組合　宜しくお願いする。さっきの病院の状況などは、東北大として非常に貧しいと思う。これをやるにあたって積極的に、見える形で取り組んでほしい。

□組合　病院の実態どのように考えているのか。どのように病院を指導してもらえるのか。明日の仕事の励みになるような言葉をかけてほしい。

■徳重理事　病院はとくに経営改善係数等の難しい問題が生れている中で、努力していることは話を聞いていてよく理解している。もちろん、私自身も直接、病院関係者に状況を聞いている。公と私の問題もあるだろうが、病院関係の皆さんの努力に基づいて医療や教育が進行していると思っている。実態を十分踏まえて、問題解決につながる提言もいただき、個別の問題も制度的な問題も、より良い医療体制になるようにしていきたい。そういう立場だ。

□組合　病院当局は労働者にあまりに甘え過ぎではないか。甘え過ぎてはならない。それによって労働者は心身ともに健康を害している状況だ。やはり今言った内容については、全て良い回答をいただきたい。

□組合　4ページの教員研修について聞きたい。全学の初任者を対象にした新任教員研修を去年初めて実施されたと思うが、ここで述べられているのはそのことか。

■徳重理事　そうだ。

□組合　「東北大学教員として最低限身につけておくべき事項を学ぶ」とある。去年実施したのは秋だったか。

■徳重理事　4月と10月。

□組合　1日か。

■徳重理事　3日間だ。内容の改善は必要だ。

□組合　不評だった。貴重な時間を使っているので、もう少し内容を考えてほしい。また、参加した上にさらにウェブでの出席登録も必要だった。大学でそんなことをやるのか、と違和感を感じた。研修をすること自体はいいのだが、やる以上は、中身のあることをやってほしい。時間も長ければ良いというものではない。

□組合　ひとつの意見として受け止めてほしい。今日提示された基本的考え方については持ち帰り、この間の提案についておそらくまとめた形で議論して、適切な時期に一定の私たちの考え方を提示したい。その上で、今回の能力開発システムは就業規則に関係するのか。

■徳重理事　関係しない。制度の問題だ。次回について日程はまだ決まっていないが、給与システム、65歳までの継続雇用、人事評価システムについてこの間提案してきた。給与支給日の変更について具体的に書いたものを今準備中だ。先程、これまでの意見をまとめて回答するという話だったが、ぜひ意見を聞きたいと思っている。近々行えるよう日程調整したい。

□組合　今は学期末試験の時期だ。明日から採点を一生懸命しないといけない。他の先生方も卒論等様々なものが集中する時期であり、会議の時間がほとんど取れない状況だ。2/15前後には一定の会議をもち、少なくとも第一次的な意見を出したい。

■徳重理事　もう2月になった。こちらからの提示が遅れたこともあるが、全学労使懇談会との日程の関係もある。2月の上旬から中旬にかけて就業規則を提示したい。まだ素案段階だが、少なくとも2月下旬位までには、意見を踏まえた上での4/1付で確認する成案として示して意見を聞きたい。これまでに示した内容を就業規則化したものを素案として示していいかどうか。

□組合　2/8まで待ってもらえるか。

■人事課長　待てる。

□組合　2/8に執行委員会があるのでそこで検討して回答したい。

■人事課長　2/8以降、全学労使懇談会に就業規則的なものを、固まったものではないが、示したい。

□組合　2/8までになんとかしたいと思う。

「能力開発問題」団体交渉報告2006年2月1日