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団体交渉報告
准職員等の待遇改善、リフレッシュ休暇、超勤・年休問題等(継続)2006年6月28日

2006年6月28日(水)16:00 - 17:00
本部別館第3会議室

要求項目
  1. 准職員、時間雇用職員の待遇改善について
    1. 准職員・時間雇用職員等に、正規職員と等しく、3日間の有給の夏期休暇を付与すること。
    2. 准職員・時間雇用職員の病気休暇を有給にし、就業規則に明記すること。
    3. 時間雇用職員の忌引き休暇(有給)について就業規則に明記すること。
    4. 1980年7月以前採用の准職員について、正規職員への登用の道をつくること
    5. 准職員について、給与を月給方式とし、昇給速度を正規職員と同等にすること。退職手当を正規職員と同等の基準で支給すること。
    6. 時間雇用職員に対して、勤務時間・勤続期間に応じたボーナス・退職手当を支給すること
  2. 長期勤続者のリフレッシュ休暇(特別休暇)を新設すること。
  3. 超過勤務の実態を把握して、不払い労働を根絶すること。
  4. 事務職員、技術職員、看護師等の年休消化率の実態について早急に調査しその結果を示すこと。
  5. その他

■石井補佐(職員課) これから団体交渉を始める。徳重理事から発言する。

■徳重理事 6/5の団体交渉で組合から意見や要望を聞いた。今日はそれに対して回答する。また、その他にも法人側で若干検討してきたことについて報告する。

有給3日の夏季特別休暇要求について

 「准職員、時間雇用職員に正規職員と等しく3日間の有給の夏季休暇を付与すること」ということについて、有給で2日間の夏季休暇を労使協定による試行という形で実施する。対象者は准職員および週5日間以上勤務している時間雇用職員で雇用予定期間が6箇月以上または6箇月以上継続勤務している時間雇用職員とする。平成18年度については労使協定によって試行的に実施し、平成19年度以降についてはその試行結果を踏まえて検討する。以上を提案する。前にも述べたが新制度導入にあたって、たとえば代替要員や財源について課題があるだろう。必要なステップを踏むべきだ。これは役員会にも話したことだ。

准職員の人間ドックの有給取扱いについて

 前回交渉の過程で出てきた准職員が人間ドックを受ける際に有給であるかどうかについて、過去の経緯等を精査した。従来の取扱いでは、国家公務員共済組合が計画・実施する総合的健康診断に限定しており、現在のところそれを引き継いでいる。ただし、運用上、事業場によって若干取扱いにばらつきがあることは把握している。他大学の状況も参考にしながら検討したい。

長期の時間雇用職員の労働条件通知書について

 法人化以前から働いている時間雇用職員の労働条件通知書の更新限度の記載が更新予定なしと記載されている例があることについてだが、交渉の際には、具体的な部署があれば言ってほしいと回答した。これについて工学分館の時間雇用職員だと連絡があった。それについて訂正するようにと徹底した。

教員の個人評価について

 教員の個人評価のあり方について、ぜひ案段階から開示してほしいという話が以前からあった。これまでは内容的にもワーキングで作成中の資料だったが、6/20の部局長連絡会議において各部局に対してオープンになった。担当の理事・副学長とも相談し、組合へもほぼ同時にその資料を交付した。最終案という表記になっているが、評価分析室、ワーキングでの検討の最終案であり、最終案という言葉に大きな意味はない。なくてもよかったと聞いている。この案で提案している。これを受けて教員の個人評価のあり方については、各部局で検討することになっている。部局に提案した際にもある程度意見があったが、組合からもぜひ意見がほしい。私から担当理事に取次ぎたい。

 以上、回答する。


正規職員への登用制度について

□組合 その他、検討をお願いした問題として准職員等の正規職員への登用への道についてはどうか。

■徳重理事 前回交渉で回答した通りだが、1980年7月以前採用の准職員だけに限らず、准職員等を正規職員に採用する方法や条件について検討していきたい。案として具体化した段階で協議したい。

□組合 具体的には今年度中に実施することは可能か。

■徳重理事 今年度実施は無理だろうと思う。中身をつめるために一定の期間が必要だろう。

□組合 以上が組合の要求に対する法人側の回答として理解する。その上で、こちらからも意見を述べ、今後のことについてあらためて提案する。

労働条件通知書について

 労働条件通知書については、工学分館の人については訂正された通知書を受領したと連絡を受けた。この件については実態が改善されたということで当人がとても喜んでいたと聞いている。

准職員の人間ドックの有給取扱いについて

 人間ドックについては従来のあり方や他大学の状況を見て検討するという回答だった。これについては早急に検討して今年度中に実施してほしい。

有給3日の夏季特別休暇要求について

 3日間の有給の夏季休暇については、当面、有給2日間の夏季休暇を試行したい、対象は准職員及び、時間雇用職員については週5日以上勤務で6箇月以上継続勤務の人とする、18年度については労使協定で試行し、その状況を見ながら平成19年度以降についてどうするか検討したいという回答だと受け止めた。この件について、私たちは正職員との格差是正を重視して有給3日間を要求した。それに対して一定の前進ではあるが、正職員との格差是正を非常に重視している。その点で格差が残っていることについて、今年度の私たちの要求に直接的に応えたものかどうか納得できないことも多々ある。本日は持ち帰り、再度組合としても検討したい。後日あらためて、当初の要求を続けるか、それとも当面はこの回答の内容で合意するかについて意見を述べたい。

 その他の問題点についても発言したいことは多々あるが、まずは出席している准職員から発言をお願いしたい。率直な感想を述べてほしい。あるいは要請をさらにしたいということでもよい。傍聴者の発言を認めてほしい。

■徳重理事 認める。

□組合 もし3日間ならとても嬉しいが、今回の回答についても一歩前進の回答でありうれしい。

□組合 1980年以前の准職員に限らず正規職員への登用の道を検討するということだが、どの辺で区切ろうと思っているのか。1年や2年も対象になるのか、それとも10年以上とか、今の段階で考えていることを教えてほしい。

■徳重理事 少なくとも1年以上は勤務している人について考えている。それが1年なのか、2年、3年なのかについては説明の仕方ということになるだろう。年齢をどうするかについては、国立大学法人職員の試験を受けられる人には基本的にはそれを受けてもらう。試験の内容については、具体的に検討しているのではないが、国立大学法人試験に準じたものにするか、あるいはこれまでの実績等をふまえた面接やレポート等にするか、ある程度具体的に検討した上で提案し協議したい。

□組合 夏季休暇について、2日間でもうれしいが、1日の格差を付けたことについて明確な理由を述べてほしい。

■徳重理事 昨年の交渉の経緯の中では無給2日間での試行ということを言ってきた。これは後補充の問題や仕事がうまく回るかを検討したいからということも理由だった。昨年は決裂したがその考え方はまだ変わっていない。3日間を否定しているわけではない。2日間で実施して職場として可能ならば、その次のステップとしてあり得るものと考えている。計画年休について述べることで紛糾することは望まないが、あえて述べるが、計画年休の実態を調べたら、年休の残日数の少ない人に対して特別の有給休暇を1日〜2日以内付与している実態のようだ。正規職員にも付与しているので理由にならないという指摘がされていることは承知している。職場の中で問題がないか財源的な問題がないか、見据えた上で次のステップに進みたいと考えている。

□組合 休養やレジャーの楽しみがあってこそ、日々健やかに仕事に打ち込めるものと思います。公式の夏季休暇で、正規職員と同じ3日間を大手を振って休めることを切に臨む。

□組合 30年以上働いてきた。仕事もこなしてきたし、やる気も十分ある、正規職員としてやっていける自身もある。毎日歯がゆい思いで仕事している。ぜひ正規職員への道を開いてほしい。

□組合 全体として皆さんの気持ちはほぼ伝えただろう。大学というところの問題として、正規職員の他に非正規職員がかなり多いという状況は、現在では我が国の産業構造として通常のことになってきたが、大学では相当以前からの問題だ。大学は定員削減で職員を減らしてもそれに応じた仕事量の減少はなかった。その穴を非正規職員で埋めることは簡単にできた。法人側資料によると、本学には現在2000名の非正規職員がいて、正規職員に匹敵する。場合によっては非正規職員が正規職員を指導するケースもある。能力的にも技術的にも正職員となんら変わらない仕事をしている状況にある。これを是正する方向にしないと大学としては非常にいびつな労働力構成になっていく可能性がある。今回、徳重理事が格差を是正する方向に大学も進むという姿勢を示したことに対して、希望を強く持つ。その意味で、今回の回答への判断は次回あらためて話すが、一定の前進があることは間違いない。正規職員への登用の道にも期待したい。ただ、正規職員への登用の道については、その中身については今後検討するということだが、私たちが1980年以前採用の准職員ということで一定の限定を付したのは、すでに20年30年という長期にわたって現在の職に就いている人について、たとえば試験方法について公務員採用試験と同じような試験制度にするのは非常に酷なことだ。むしろこれまで非正規職員として培ってきた技能や知識をどういう形で試すか、正規職員と遜色がないかということをどう試すのか。これは試験内容の問題だ。また技術職についても検討することだろうが、これは意外と難しいが重要な問題だろう。ぜひ法人側としても検討してほしいし、組合からの意見も踏まえて考えてほしい。あらためて次回にでも整理して話したい。以上が、准職員、時間雇用職員の待遇改善要求についての回答への組合の意見だ。

時間雇用職員へのボーナス支給要求について

 その他にも、前回は時間不足で話せなかった問題として、ボーナスや退職手当の問題があった。難しいという回答だったが、私たちの入手した資料によると、今年の春闘の中でそれなりにパートの一時金を出している企業がある。たとえば、国民春闘共闘委員会の調査によると、私たちにとって身近な生協の組合等では、0.655箇月の一時金、金額としては75,488円という形でパートの方にもボーナスが出ているし、その他にも様々な企業や労組の調査でもボーナス等を出している例が一定割合で存在する。私個人としても学生時代のアルバイトでボーナスだと言われて3万円くらいもらったことがあるが、やはり働く気になったことを覚えている。その意味で金額が非常に大きくなければいけないという問題ではない。報道によると業績が上がったので感謝金といった出し方をしている企業もあるようだが、労働意欲を高めるための労務政策の一つだろう。国家公務員と同じで一時金などを時間雇用職員に払えないということならば、法人化する必要はなかった。夏季有給休暇を出すことや正規職員への登用制度の整備など、法人化のメリットがある程度見えてきたところだ。できるだけ正職員と同じにするという意味から、ボーナスや退職金等について十分に考える価値がある労働施策だろう。明後日はボーナス支給日だ。正職員、准職員にはボーナスが入り、話題にもなるだろう。今は振込みだが昔は現金支給なのでその場で受け取った。それを横目で見ながら、時間雇用職員がどう思うかという問題だろう。東北大のためにもっと頑張ろうという気持ちにするために東北大学としてどういった方策をとればいいか、今日はこれについて議論する時間はないが、あらためてよく考えてほしい。

■徳重理事 宮城県内事業所においてもパートタイム労働者へ賞与等が支給されている事業所がある。教育研究への影響等、全学的に考える必要がある問題だ。財源等をどう説明したら良いかといった、具体的な提案をしてもらえれば、たとえば各事業場に提案することもできる。教育研究を支援するという意味では、准職員にはボーナスはあるが、時間雇用職員へも支給すべきだといったこともあるかもしれない。内容の説得性といったことも合わせて提案いただきたい。それについて役員会でも検討したい。

□組合 具体的に金額等を示した形で要求をまとめられればそれに越したことはない。あらためて検討して提案したい。私の手元にある資料では、「時間給×180時間」のように時間で示す場合と、具体的な金額で示す等いろんな方法があるが、今後情報を整理した上で、具体的に示したい。また、准職員の給与方式や頭打ちの問題についても、正職員との格差是正をどうするか、数値も示した上であらためて要求したい。昇給速度については、今度の賃金体系の変更に伴って、昇給速度という考え方自体が評価制度との関係で難しい面があるだろう。昇給制度との関係であらためて要求を整理して要請したい。病気休暇や忌引き休暇について就業規則に明記することについては、前回は具体的に話し合えなかったが、これらは本来的にむしろ利用されない方が良いという観点が重要だと前回述べた。就業規則に明記するかどうかについては、今回の夏季休暇についても今年度は労使協定で試行し、19年度以降はあらためてそれを踏まえて検討するということなので、こちらとしてはぜひ今年は明記してほしいが、どうしても無理ならば来年度はぜひ明記してほしい。

■徳重理事 忌引き休暇等については試行期間を1年延長したという考え方だ。委員長の意見を十分にふまえて検討したい。

□組合 長期の准職員はほとんど高齢化している。検討に時間をあまりかけるとこぼれる人がでてくる。30年、40年働いてきた人に朗報をお願いしたい。私たちは正規職員になっても待遇的にはほとんど変わらないかもしれないが、それでも正規職員になりたいという気持ちを考えてほしい。間に合わなくならないように。

准職員の65歳までの継続雇用適用について

□組合 准職員に再雇用制度が適用されることについてはすでに決まっているのか。

■徳重理事 1980年7月以前の准職員については再雇用制度は適用される。

教員の個人評価について

□組合 理事から教員の個人評価について、組合に資料が交付されたことはその通りだ。受け取っている。ただ、確認したいのは、教員の個人評価問題については団体交渉の議題になるということだ。このことは確認できるか。つまり、教授会に示せばそれで済むというのではなく、団体交渉に議題になりうるものだということだ。

■徳重理事 若干微妙な問題がある。まだ詰め切っていないので明確な回答はできないが。今回の教員個人評価は、中期目標・中期計画の223番、224番、226番の関係で自己点検評価を整備する関係で、教員の個人評価のガイドライン的なものをつくったということであり、評価分析室で対応してきた。ただ、内容的にインセンティブの付与という意味で教員の待遇とも関連していると見ることもできるだろう。その検討の中で意見を聴いていくことになるのではないか。部局が行う個人評価のあり方の中での評価そのものが交渉事項なのかどうかについてはわからない。

□組合 団体交渉の議題になるかどうかが一つの問題だ。私たちとしては教員の個人評価の問題は、教員の労働条件の問題に直接関わるから団体交渉の議題になりうると考えている。

■徳重理事 中期計画の「人事評価システムの整備活用に関する具体的方策」の167番、168番については労働条件の問題だろう。とくに168番については「客観的なインセンティブ付与」といた表現をしているので、それは関係するだろう。もちろん、評価のあり方は人事評価と密接に関連する。

□組合 団体交渉の議題になりうるとした場合、団体交渉の席の法人側の交渉責任者は徳重理事か。つまり責任をもって交渉に臨める人が出て来なければならないのが団体交渉だ。

■徳重理事 自分が出る。責任をもって対応する。

□組合 もし、教育研究の問題での議論となった場合、教員としての経験がなければ十分に理解できないというような問題になれば、たとえば早稲田理事が出てくるということになるのか。

■徳重理事 教員評価の問題を担当しているのは山本副学長だ。

□組合 副学長は経営者の一員か。

■徳重理事 役員会の構成員ではない。

□組合 団体交渉なので法人経営側と労働者側の交渉だ。

■徳重理事 その意味では私が交渉に出るのがふさわしい。教育研究については不十分ということならば努力する。

□組合 私たちとしては総長に出てきてもらうことも考えている。もし次の新しい総長が井上総長となるならば、金研の交渉にも経験があるので、総長との交渉も場合によっては考えたい。事務職員の評価については何度も交渉の議題にのせてきた。基本的に教員評価も同じ性質の問題だろう。教員の評価についてもあらためて議論しなければならないと思っている。そのために交渉の議題になるかどうか確認した。それとの関係もあるが、私の手元に、教員の新たな昇給及び勤勉手当の全学基準ということで、部局長連絡会議で4月の始めに提案された文書があり、これが正式な手続きを経て、職員組合にも配付されたと聞いている。この中で教員の新たな昇給、勤勉手当の基準の基礎となるのが、H18年度は違うと思うが、将来的にはこの教員の個人評価というものが基準になって、昇給や勤勉手当を規定してくると理解してよいか。

■徳重理事 給与制度の改正によって昇給も勤勉手当も制度が変わった。その意味であらためて明確に基準を示し、それを踏まえて部局で基準を作って運用することになる。事務職員については新人事評価システムで運用する。教員については、今検討している個人評価については、部局と教員個人にとって教育研究の活性化を図る観点から確立されなければならない。人事評価とかなりオーバーラップはしてくるだろうが、その個人評価を踏まえて部局でインセンティブを考えるものだ。将来的に、この個人評価のあり方を踏まえてあらたな基準を作るということになるだろう。

□組合 私の理解では、たとえば平成18年度のあらたな昇給制度についてだが、毎年1月1日に昇給時期を統一して決まるが、上位の勤務成績区分の表が示されている。

職種勤務成績
(昇給区分)
昇給幅分布率
教授極めて良好 A5号俸
(2号俸)
10%
特に良好 B3号俸
(1号俸)
30%
良好 C1号俸
(0)
-
助教授
講師
助手
特に良好 A・B5号俸
(2号俸)
15%
良好 C2号俸
(0)
-

これによると、教授の場合、「極めて良好A」は5号俸で分布率は10%、「特に良好B」は3号俸で分布は30%という表示がある。私たちは、賃金制度変更に際して、教授は3号俸しか上がらないと理解したが、これは誤りで、実は3号俸アップするのは教授の中でも30%のみ、10%は5号俸上がる、ただし「良好C」と位置づけられた教授は1号俸、つまり、これまでの賃金体系でいうと4分の1しか上がらない。それについては分布率の表示がない。まったく上がらないというのもありうるのかもしれないが、それを無視すると60%の人は1号俸しか上がらないのがむしろ正確な理解なのではないか。

■徳重理事 これは昇給制度の説明になるが、良好の場合に3号俸であることは変わらない。ただし今年度の場合、国の制度を踏襲することが妥当かどうかという意見はあると思うが、国の制度が能力実績を踏まえたものになっており、東北大の場合それを活用するので、1年目の評価期間は4月から12月なので、3号俸から減らされている。これについては改正した就業規則で明示している。あくまで今年度の過渡的な措置として良好は1号俸、Bは3号俸、Aは5号俸としている。来年度以降は良好3号俸、特に良好だと6号俸、極めて良好は8号俸となる。このことは資料で理解してもらえるよう検討している。

□組合 良好と判断されるCはこれまでの4分の1しか昇給しないようだ。このことを教授、助教授は理解しているだろうか。

■鈴木人事課長 分かりやすく図解した資料を作成中だ。遅くならないうちに周知し、どんな仕組みかを示す。

□組合 組合の発想というよりも一般的な大学人として理解されていないと思う。理解を深める方策をとった方がよい。いずれにせよ、このように評価が昇給の幅の基礎になる。したがって、「極めて良好」「特に良好」「良好」といったような評価を行う基礎になるのは、教員の個人評価だろう。つまり教員の個人評価はマイナス評価のためではなく教員のいいところを引き出すためだということは結構だが、昇給という勤務条件に連動するならば、明らかに団体交渉の議題になってくる。これをあらためて検討してほしい。つまりこのような個人評価には教育実績や研究業績が顕著かどうかも入っている。各人の評価について、「極めて良好」「特に良好」「良好」の判断をするのは誰かというと、部局で判断するということだ。そうなった場合にこれが団交の議題になるということは、各部局で部局長を相手に団体交渉をするということが一番良いのではないか。なぜ自分は良好なのかということになった時に、対応するのは理事ではなく、事業場長しか言えないのではないか。

■徳重理事 個々の評価決定は、担当者の権限であり裁量だろう。基準をどうするかについては、全学的にガイドラインを作るならば、全学的な権限の問題になる。

□組合 そういう状況になると、全学での交渉の議題になる部分と、事業場での交渉の議題になる部分とで違いが出てくるかもしれない。同時に個々人の評価も重要になる。事務職員の評価については法人側は結果をフィードバックするという姿勢を示した。同じことが教員についても言われるべきだ。事業場長から本人にたとえば文書で示されるべきだ。その際に、私は法人側が本人にフィードバックすることはとてもいいことだと思うので、教員についても実施してほしい。評価に不満があれば、その不満を受け止める機関が事務職員には作られた。教員にも設けられるべきだ。自分は「良好」ではなく「特に良好」のはずだという不満をいう場が設けられるべきだ。場合によっては、さらにその問題を解決するために各事業場において事業場長との団体交渉が行われる可能性があるということも事業場長には十分に言っておいてほしい。その場になって交渉に応じられないということになると不当労働行為になるので、その点は、十分に言っておいてほしい。交渉には上部の人間が同席できる。たとえば本部の執行委員が同席するとか、全国大学高専教職員組合の幹部が同席することもありうる。このことも事業場長に言っておいてほしい。こういった問題を抱えていることはおそらく間違いないだろうと私は思っている。

■徳重理事 考えてみる。

□組合 兵頭教授が詳しいと思うので、その辺は検討してほしい。

■兵頭特任教授 これからの進め方について。評価が労働条件か否かということだ。教員個人評価を客観的にするということだけについて言えば、必ずしも労働条件ではない。ただそれは一方、教員の処遇に活用するならば、それは労働条件にかかわる。組合からも団体交渉事項になるかどうかは、組合サイドからどういう関係で組合が求めるのか、労働条件に関わると要求するならば、法人側として拒否できないので誠実に対応する。つくりかた、これから評価制度、個人評価、人事評価、人事制度としてどうするかによる。それも含めて話し合いたい。

□組合 質問がある。先程、60%はCというのは今年度のみの過渡的措置だという説明だった。教員について、確認するが、助教授以下について、表によると、A、Bの区別が今回はなく15%。残りの85%はCとなっている。この昇給抑制期間のうちは、Cが2号俸、AとBは5号俸だ。これは今年度だけでなくこれからも同じか。

■徳重理事 昇給抑制期間についてはそうだ。

□組合 昇給抑制期間についてはですね。すると助教授以下については、今年度と来年度以降が違うということはなく抑制期間が終わるまでと考えてよいですね。

■鈴木人事課長 平成19年度だけ本来の20年、21年、22年の号俸から1号俸ずつ下がる。平成20年から22年についてはいわゆる「良好」が3号俸でその3年度は同じ。その後になって通常の4号俸ということで本来の最終的な形になる。平成19年1月1日だけさらに1号俸下がり2号俸となる。「助教授以下」の「良好」についてみると、

19年1月1日2号俸
20年1月1日3号俸
21年1月1日
22年1月1日
23年1月1日〜4号俸

□組合 わかった。

サービス残業問題について

□組合 もう少し時間がある。要求項目の中で若干前回も話したが、超勤実態把握についてだ。本来こちらから話すことではないが、香川大学に労基署が入り未払分の超勤費として1億円強の支払いという話がある。やはり本学においても実態把握した上でそれを解消するという方向が必要だし、とくにサービス残業を根絶することが必要だ。これについて、資料があるわけではないが、印象としてはかなり超勤があり、サービス残業もあるように見受けられる。労基署に先に指摘されるのは組合の存在意義に関わる。この問題については、組合としても注意していきたい。法人側として超過勤務の縮減、サービス残業の根絶に強い取り組みの意思を示していかなければならないのではないか。労基署が入ってからでは遅い。たとえば今日、水曜日は組合の会議があることが多いが、それが終わって9時半頃となることが多い。この水曜日は定時退庁日でもあるが事務局にはたいていその頃も煌煌と明かりがついている。それ以前からノー残業デーにはなっていたが、実際には明かりが灯っていた。超勤の規制が十分に機能しているのか疑問だが、この点についてどうか。

■徳重理事 いろんな会議で勤務時間中に仕事を終わらせるように、業務を見直すように、超過勤務の必要がある場合には命じてさせるように、不払いは違反だということを繰り返し言っている。基本的には、その中で、各部署で勤務時間を把握して対応していると思うが、指摘された点を踏まえて、具体的に定時退庁日を徹底するなどの対処をしていきたい。

学内限定ホームページの閲覧について

□組合 定時退庁に今日は協力したいと思うので、最後に一点聞きたいことがある。大学の教職員用のホームページを学外者に見せられないから組合書記局にも見せられないということだが、納得できない。

■徳重理事 一生懸命調べてみた。組合との関係というよりも個人情報保護法の取扱いの関係がある。第三者に個人情報を提供する場合には全員の同意が必要だということがある。第三者に組合が当たるのか、総務省の個人情報保護室に聞いたところ、第三者にあたるとのことだ。本学だけでなく、他大学でも民間等でも困っているのではないか。どんな対応が可能なのか、組合と円滑な関係を持ちたいのはやまやまだが、調べた限りでは、提供することは個人情報保護の上でも問題があると思う。むしろどんな工夫がされているのか知りたいと思っている。

□組合 就業規則を改定する、労使協定を締結するといったことがホームページを経由しないと見えないのだが。

■徳重理事 就業規則等は要望があれば提供したいと思っている。問題は名簿等だ。

□組合 現実的に、どこの職場に誰がいるかもわからないのは、問題だ。組合が原則として知っては行けないというのでは、これでいいのだろうか。率直に言って疑問だ。

□組合 第三者といっても職員組合だ。今の説明には非常に違和感がある。

■徳重理事 労働組合となると、大学とは違う法人格だ。

□組合 組合は労働協約を大学と締結している。職員が個別に労働契約を結んでいるのと同じではないか。その意味で学外ではないと思う。個人情報の問題を言うが、現状では学生でも見られる。学内規定も就業規則、労働協約等は見られないと困るのに、学生の方が見られるという状況だ。

□組合 前向きに検討してほしい。有給2日の夏季休暇という法人側からの提案については日をあらためて答える。次回交渉を7月上旬に設定させていただきたい。組合の大会が7/15であり、現執行部はそれまでが任期だ。これで役員が交代する。その前にこの問題については決着を図りたい。ぜひ事務の方々も定時退庁をしてほしい。


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