■石井補佐(職員課) これから団体交渉を始める。まず吉田委員長から発言をお願いする。
□組合 前回6/28の交渉で組合の要求事項に対して法人側から回答があった。今回はそれに対する組合側の姿勢を示す。中心的には、准職員・時間雇用職員に有給の夏季休暇をどのように与えるかという点と、准職員・時間雇用職員の正規職員への登用の道を設けることについて検討することについての組合の考えを伝える。
夏季特別休暇について
□組合 まず、夏季特別休暇の関係だが、前回の徳重理事からの回答は、おおよそ有給2日間の夏季特別休暇を、労使協定による試行という形で実施するということで、対象としては准職員および、週5日以上勤務しかつ雇用期間が6ヶ月以上の時間雇用職員ということだったと思うが、これについて確認したい。
■徳重理事 その内容でよい。
□組合 時間雇用職員の週5日間以上勤務についてはよいが、6ヶ月以上の雇用期間については、どのような時点で6ヶ月かについて確認したい。
■徳重理事 正確には6ヶ月以上の雇用予定期間が定められている人か、または6ヶ月以上継続して勤務している人、ということだった。いつの時点かという質問はどういうことか。
□組合 たとえば、夏季休暇は7月から9月の3ヶ月間の間に取れるが、今年4月から勤めた時間雇用職員の場合、4月からの6ヶ月なので9月ギリギリで取れるということか、それとも7月頃には取れないのかと考えた。
■徳重理事 予め6ヶ月以上の契約期間があれば、実際に6ヶ月勤続していなくてもよい。
□組合 契約期間として6ヶ月ないとしたらどうか。たとえば、3月からの契約ならば7月で6ヶ月だが、そんな人は8月でとれるということか。
■徳重理事 そのようなケースはありえるだろうか。
■佐藤職員課長 年度更新なので、基本的に、今年の例だと、4月1日から来年の3月31日までの1年間の雇用期間の設定になっている。したがって6ヶ月以上の雇用期間になる。通常の場合ならばこの条件で全部入るだろう。
□組合 全部入るのか。
■徳重理事 まったく新規採用の人の一部を除けば、大丈夫だ。前年度からの短期雇用の人はどうか。
■佐藤職員課長 特殊な定めがない限り大丈夫だ。ほとんど該当する。
□組合 6ヶ月以上の予定で契約されているか、すでに6ヶ月を継続勤務している人が対象だということか。1月や2月から勤め始めるということはあまり考えなくてもよいか。
■佐藤職員課長 考えなくてよい。1月や2月に採用されても、一旦3月末で雇用期間が切れるので、4月1日から通常の場合だと来年の3月31日まで改めて雇用期間が始まるようにしている。特殊な場合、あるいは科研費等でそんな場合があるのかもしれないが、それを除けば、ほとんどの人が該当する。
□組合 再確認だが、4月から採用の人でも6ヶ月以上の雇用期間の契約になっていれば夏季特別休暇が該当するのか。
■徳重理事 そうだ。
□組合 念のためにだが、7月時点で実情として6ヶ月になっていなくても取れるのか。
■佐藤職員課長 通常だと4月1日から3月31日までの雇用期間として通知がでているはずだ。そこまで考える必要がない。よほどの特殊な例でなければ、4月から10月末や12月までといった例でなければ。そのような例はあまり聞いたことがない。あれば6ヶ月経過した残りの期間ということになる。
□組合 実働としてまだ5ヶ月にしかなっていなくてもいいということか。
■佐藤職員課長 あくまでも雇用予定期間だ。
□組合 以上で確認ができた。それではこちらの基本的な姿勢を述べる。すでに述べている通り、本来ならば正規職員と非正規職員との格差是正というのが基本的な姿勢としてあるべきだと考える。したがって、本来ならば准職員、時間雇用職員には、正規職員と同様に3日間の有給の付与があってしかるべきだ。このことは組合の基本姿勢として変わりない。その意味で、今回の法人側の回答には、とくに2日間という期間設定については不満が残る。しかし、すでに前回の交渉に参加した准職員の人の意見等を聞いたところ、その際にともかく一歩前進でありうれしいということだった。したがって、組合としても今回については不満ながらも法人側の回答を受け入れる。しかし、基本的な姿勢は正規職員と准職員、時間雇用職員との格差を縮めるということなので、ぜひ来年度に向けて試行しながら、来年度はより確実なかたちで有給3日間となるように努力してほしい。これをあらためて要請する。以上が、組合としての結論だが、ぜひ来年度に向けての検討を進める際に、当事者の声を反映してもらうために、本日参加している時間雇用職員の声を聞いてほしい。
□組合 夏季休暇が有給で2日間ということで、昨年交渉に参加した際には無給で2日間という提案だったので大変な進歩だと思う。感謝する。勤続20年の自分としては画期的なことだ。ただ、なぜ2日間ということで正規職員との格差があるのかということは不満だ。これを踏まえて、さらに来年は良い結果が出るように願っている。気になるのは、時間雇用職員は週30時間が最大の勤務時間だが、勤務時間が週4日で30時間という人がいる場合に、その人との間で差が出るのは心苦しい。こうした点も検討してほしい。
□組合 試行という形で2日間有給ということで今までになかったことを思うと大変な進歩だと思う。ありがたいと思う。将来的にさらに良い回答を得られたらさらに良いと思う。
□組合 以上の時間雇用職員の声も踏まえて、今後の検討をしてほしい。
■徳重理事 前回も言ったが、代替要員や財源について試行の結果を踏まえて、また試行の中で課題を整理して19年度以降のことを考えたいということだ。3日間ということを否定しているわけではない。実際、他大学では3日が普通だ。もっとも旧7帝国大学では2日のところも2大学程ある。試行の中で課題を整理して、また先ほど話のあった週4日間で30日の時間雇用職員のことも課題としてふまえて検討していきたい。
正規職員への登用の道について
□組合 以上で、第一の課題である准職員、時間雇用職員の夏季休暇についての組合の態度表明とする。もう一つの課題として私たちが重視しているのは、正規職員への登用の道をどのように設けていくかということがある。これについては法人側としても検討するということだったので期待している。時間的には今年度中実施は難しいという回答だったと思う。いずれにせよ正規職員への登用の道を検討するということはありがたいと思っている。できれは可能なことは来年の4月採用から実施するという形での努力もしてほしい。現実的にどんな方法を採用するかは微妙な問題があることは承知している。とくに前回の交渉でも准職員の人から話があったが、長期にわたって働いている人や、職務によっては正規職員よりもその勤務に精通している人もいる。こうした人については、できるだけはやく正規職員となれるような機会を与えることが重要だ。働く意欲にも大きく関わるだろう。そのようなことも十分考慮して、可能なものについては今年度中に実施して来年4月1日採用できるよう法人側としても努力してほしい。
■徳重理事 時期については明確に言えないが、できるだけはやく制度の骨格について他の役員とも相談しながら固めていきたい。今年度中にはなんらかの形で意見を聞きたい。
パート職員へのボーナス支給要求について
□組合 以上がこの間の大きな2つの問題だ。他にも准職員、時間雇用職員の待遇改善の問題は種々あるが、これらについて、今回は深入りしない。この問題について最後に発言するが、最近の新聞報道によると、厚生労働省が6/30に賃金格差是正のためにパート労働法を改正する方針を決めたということだ。朝日7/1付の報道だ。この点を考えると、国としても次第に正規職員との格差が是正されるよう、これを積極的に進めようと考えているようだ。とくに賃金については、同じ仕事をしているならば同じ賃金を支払うという方向で法改正をしようという考えのようだ。もう一つ、正社員への転換制度も設けるということだ。東北大学でも現在すでに2000名もの非正規職員がいる。賃金ならば、正規職員と同等の賃金ということが問題になってくるだろう。今後、准職員、時間雇用職員の賃金について、国に先駆けて検討してほしい。組合としても今回夏季休暇が前進したが、今後も正規職員と准職員等との格差是正を求めて、とくに賃金については、具体的な要求を出していきたい。要求としては時間雇用職員についてはボーナスや退職金をかかげているが、これらについては今後とも具体的に要求を示して協議していきたい。国の動きについて、法人側として何か把握していることはあるか。
■徳重理事 私も報道でそのことは知っている。直接確認してはいないが、今後も十分情報収集していきたい。給与の改善については、予算確保の問題がある。また説明をどういうふうにするかということもある。組合の提案があったことは、来週の事業場長懇談会や全学労使懇談会で、こういう議論があるということで紹介する。
□組合 春闘で一定の動きがある。数値としてはパートの賃上げは時間給で16.6円。パート職員の賃金の改善も全国的な立場で進められている。これからいっそうその流れが強まるだろう。東北大もできるだけ格差是正により力を入れて進めてほしい。
■徳重理事 准職員等の給与設定について、昨年との比較では、結果的に0.6%上がっている。若い人のところでは給与が下がっておらず、むしろ今年については上がっているということもあるからだ。結果のデータなので、だからどうだという話ではないが。
□組合 以上が、こちらが主として示すべき問題だ。今日はこれ以上他の項目に立ち入らないつもりだ。交渉の主たる中身はこれでよい。今後、他の要求項目については、継続課題として、あらためて要求を出す。
■徳重理事 月曜日に全学労使懇談会がある。そこで協定案のサンプルを示し、事業場長や過半数代表者に説明する。意見も率直に聞きたいと思っている。この点について了承してほしい。全学労使懇談会は7/10の午前10:30からだ。
□組合 不満はあるが一歩前進と考えている。過半数代表者には、できるだけスムーズに労使協定を締結してもらえるようメールを流しておいた。事業場長にもそちらからよろしくお伝え願いたい。
***************(以下、懇談的な位置付け)***************
□組合 その他に一つだけ、これは最近組合員から言われたことだが。
■徳重理事 これは懇談的な位置付けでよいか。
□組合 よい。20年勤続表彰についてだ。昨年までは総長が表彰していた。今年からは、部局単位で行われている。それはどうしてだろうかということだ。
■徳重理事 20年表彰については、かねてから、意義は認めながらもあり方について見直ししてきている。一時はパーティ的なものを実施したこともあるが、それは見直した。意義はあるが、事務を簡素化したいということもある。去年の20年表彰については実は私が総長の代理で渡した。たしかに節目ではある。その意味ではむしろ職場で渡すことに意義があるのではないかとも思う。退職時の表彰は全学的に行い、20年表彰は部局で行うことにしたいと役員会に提案して改正したものだ。表彰状の大きさも学位記と同じようなものにあらためた。
□組合 20年表彰は教員にはない。事務職員等が対象だ。私の要求ではないが、事務職員、技術職員、看護師等にとっては、総長と会うのはひょっとしたら最初と最後だけではないか。20年前の区切りで楽しみにしていた人もいるのではないかと感じた。簡素化することには否定的ではない。リフレッシュ休暇を要求として掲げているが、20年表彰の時には堂々と休暇がとれる。それは20年という節目だからできるのだと聞いている。総長が直接ご苦労さまというと労働意欲が湧く人がいるのかなと思った。組合の要求ではない。
■徳重理事 リフレッシュ休暇も実質的なものとして検討したらどうかと思う。
□組合 以前どこかの自治体であったように税金を使って旅行券を渡すといったものではなく、職員は年次有給休暇を取ることさえままならない状況だ。ともかく強制的にでも休ませようというのが計画年休だろう。同様に、リフレッシュ休暇についても、意義は教員には理解し難いかも知れないが、事務職員にとっては、気兼ねしないで休めるのは意味があるのだろうとも聞いている。
■徳重理事 表彰者を対象とするのか、20年という節目を対象とするのか、教員を対象にしなくていいのか、実績のない人にも与えていいのか、こうしたことも検討課題ではないかと思っている。
□組合 組合としても積極的に、表彰については意見が出ないだろうと思うが、リフレッシュ休暇との関係で検討素材にしたい。以上で交渉を終わりにしたい。
■鈴木人事課長 報告したいことがある。給与支給日の変更についてだ。12/16の交渉後の懇談会で加重負担を軽減したいということを基軸に、給与支給日の変更をお願いしたいと言った。これについて組合の方からは3月中旬の交渉で問題点をあげて、賛同しないということだった。今、全学的な事務の業務量削減、効率化、合理化を検討する中でこれについても検討している。事業場長や過半数代表者にもアンケートをとってみたいと思っている。7/10の全学労使懇談会でアンケートをとりたいということをアナウンスしたい。これについて事前に報告しておきたい。
□組合 それについては組合としても意見を踏まえて検討したい。
***************(以上、懇談的な位置付け)***************
□組合 以上で交渉を終わるが、この場で伝えたいことがある。現在の執行部は7/15の定期大会で任期切れとなる。今日参加している中でも何名かは継続するが、私は退任する。私の後任は情報科学研究科の関本英太郎さんだ。理事や兵頭さんにはお世話になった。これでたぶん最後かと思うので、御礼申し上げる。次期の執行部とも宜しくお願いしたい。
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