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団体交渉報告
--正職員登用、給与支給日変更、非常勤講師時間単価について(継続議題)--

議題

  1. 正職員(事務・図書職員)への登用について
  2. 給与支給日の変更について
  3. 非常勤講師の時間単価について

2006年12月26日(火)13:30 - 15:04

■職員課補佐 これから団体交渉を始める。12/5団体交渉の継続交渉であり、まず組合から発言する。

<正規登用制度について>

(組合註 この議題についての議論の中で法人側に不適切な発言があり、そのことについて、1月17日の団体交渉の冒頭、徳重理事より「大変不適切な発言があった。大変不快な思いさせたことについて心からお詫びする。可能ならばその部分を撤回させていただきたい。」との謝罪と申入れがありました。組合はこれを受け入れました。それに伴い、議事録からその部分を削除しました。1/17記)

組合 「1980年7月以前の准職員については直ちに正職員にしてほしい。」
理事 「直ちに正職員にするということは考えていない。」

□組合 前回の交渉を踏まえて組合としても検討してきたのであらためて提案するが、その前に、前回の交渉でも1980年7月以前の准職員については直ちに正職員に、と要求している。あらためてそのことについての回答を求める。

■徳重理事 前回の回答でも、「直ちにすべて」ということではなかったと思う。交渉の過程から言えば、組合の要求は「1980年7月以前採用の准職員について正職員への登用の道を」ということであり、それに対して法人側としては「1980年7月以前のみならず准職員・時間雇用職員全体を対象とし、また、優秀な人材を確保するために、1年以上勤務実績のある人の中から登用したい」と回答した。また、「1980年7月以前の准職員を直ちに」という点について、指摘を受けて過去の経緯も調べてみた。

いろんな経緯があるが、昇級試験は昭和30年から国家公務員の実施されており、行政職(一)の職員採用は、その試験の名簿登載者から選ぶことになっていた。31年の閣議決定によって定員外職員の定員への措置が終了した。経緯はあったが、54年に事務長等会議で、「行政職俸給表適用職員の補充手続き等事務要項」について了承され、それを組合側にも交付している。その内容としては、行政職(一)の7等級、8等級の官職については試験の採用合格者名簿登載者から採用するのが原則、と説明している。その中に希望者がない場合等、若干協議して採用する道があったように記憶している。実際には昭和60年3月に5名定員化した経緯がある。石田学長からは定員外職員の定員化については、文部省の意向に反することであり、昭和60年度以降できるかわからないと言っている記録がある。昭和60年以降に定員化した事実はない。指摘の「1980年以前採用准職員を直ちに」というのは、大学の中での定員化について言うと、60年以後の経緯からするとその事実はない。指摘のように「直ちに正職員にする」ということについては考えていない。

組合 「法人化以降は、裁量の余地があるのではないか。」
■理事 「自由になったわけではない。准職員も同様の試験を受けた上で優秀な人を採用したい。」

□組合 こちらでも調べたことがある。当局の方でも調べていただき感謝する。今の回答によると、昭和60年以降の定員化はないということだが、法人化以降は、大学に裁量の余地があるので、一定程度の配慮はあってしかるべきではないか。我々としてはそこに希望を持ちたい。それについて一定の配慮は期待できないのか。

■徳重理事 前回も議論したので、重ねて言うつもりはないが、法人化して自由になったが、一方で、運営費交付金にも効率化係数がかかっている。正職員に登用することについては、十分な検討をする必要がある。「自由になった」ということではなく、法人化の中で、「将来に貢献できる人材を」ということが重要だ。その一環として、「名簿登載者から」というこれまでの採用から、「本学の准職員、時間雇用職員の中から、試験をやって、優秀な人について登用する道を開こう」ということだ。その中での実際の評価においては、この間の仕事の実績の評価もされるだろうが、総合的な評価の一環として見ていきたい。

□組合 優秀な人材を登用する道を開くこと自体には前向きに対応したいが、後学のために聞きたいのだが、東北大の試験制度を考えるにあたって、他大学を参考にしたということはあるか。

■徳重理事 人事部でも調べたかもしれないが、私自身、東京、京都、九州、神戸については資料を取り寄せてみた。

組合 「他大学の動向も踏まえると、勤務実績を評価し、一定の配慮を行っている。わが大学でも配慮が必要なのではないか。」
■理事 「別ルートでの採用は考えていない。」

□組合 組合は准職員と話し合い、長年要望してきたこととして原則を掲げている。組合として当然の姿勢だ。もちろん、原則に固執するばかりではなかなか1980年以前採用の准職員の人たちにとっても希望を開くことがなかなかできないということ場合もあるので、次善の対応策も考えてきた。我々として、経緯から、1980年以前採用の准職員の正職員化を希望しているが、その人たちについて、一定の配慮が必要なのではないか。そういう面で我々は交渉してきた。他大学の方法も多少調べてきた。東北大と同様の大学もあるし、交渉経緯からそうした人に一定の配慮をして試験制度を別途設けて採用している大学もある。九大などは一定の配慮の下に正職員化されている。一定の勤続条件を満たした人のみが試験を受けるというやり方もとっていると聞き、また自ら調べてもいる。我々としては、これまでの経緯や、准職員のこれまでの実績への配慮から、法人側の案にたいして、一次試験がまさに試験だということから、他の時間雇用職員や准職員と同様の試験をすることについては厳しいのではないかと判断して、少なくとも「法人化以前から雇用されている更新限度のない職員」については別枠の形で何らかの対応を、一種の救済策という形になると思うが、一定の配慮をもった方法を設けてほしい。たとえば、今提案されている条件でいえば、一次試験がペーパーで教養試験、第二次試験で初めて面接とか勤務成績を評価するというのが法人側の提案だが、こういう形ではなく、まず書類審査をして勤務実績を評価することをお願いしたい。前回の交渉でも話したが、准職員は各年度において一定の評価を経た上で次の年度に採用されているという実績がある。我々はその方々については、ある程度評価が済んでいると判断している。別枠という形での試験については、勤務実績を勘案した上での書類審査を検討してほしい。

それに加えて、二次試験として面接や小論文という形で、一定程度の選考方法がありうるかと思う、それは細かいことなのであらためて協議ということになるだろうが、我々としては、別途試験方法を考えてほしいとお願いする。

■徳重理事 九州大学は書類選考だけでなく、一次の試験を課していると理解している。我々としては同じ処遇をするということからすると同じレベルを求めるものではないが、基礎的な知識や思考力を見る試験として法人試験が適当だろうと思っている。そのため、別のルートで採用されるというのではなく、同じ職務処遇でということを考えると選考の方法は同じでいいのではないか。書類選考だけという提案だが、何をもって評価しろというのか。

□組合 書類選考だけとは言っていない。

■徳重理事 何を評価するかという問題もある。検討、疑問の余地がある。

組合 「准職員は毎年、評価を受けた上で仕事をしてきた。勤務実績を配慮した書類審査をしてほしい。」
■大学 「評価はしてこなかった」「同じように試験を受けてもらう」

□組合 だから、「一定の配慮」と言っている。准職員の正職員化という希望を、毎年のように要望しているのに採用されていなかったという実態がある。その中で一定の配慮をお願いしたい。毎年評価を受けた上で現在まで正職員と変わらない仕事をしている。その配慮をお願いした上で、「勤務実績を配慮した書類審査+小論文や面接審査」という提案をしている。選考の基準をそうした形で満たしてほしいといっている。

■人事課補佐 採用の担当の立場からコメントしたい。法人化以降、事務組織において、有能な人材を採用したいといろんな模索をして採用試験を実施している。申込みは全体として約1300人いるが、そのうち第一次試験合格者は400人、その後、3回の面接で170人位まで、第三次で80人位まで絞る。倍率にすると相当高い。採用事務としても時間に追われるが、優秀な人を採用したいということで、十分な時間をとってやっている。その中で、これまで何年間か働いてきた、毎年評価されて再雇用されてきたという言い方をされるが、それは一面にすぎない。

□組合 どういう意味か。

■人事課補佐 評価してこなかった。

□組合 評価してこなかったのか。

■人事課補佐 それと同時に、一定の評価をして前もって試験を行ってくれということだが、入り口で二種類の人は作りたくない。理事も言ったが、一定の配慮をするというのは、一次試験のときペーパー試験で配慮するということだ。一緒の試験を受けていただき、点数については一定の配慮をするということだ。正職員に登用されれば、同じように処遇し、同じように異動し、同じように扱う。採用された人が見たら、何年かいたから正職員になれたということだとおかしいのではないか。

組合 「ペーパー試験の中で配慮することに間違いはないか」
■理事 「一定の水準は求める」

□組合 第一次試験でペーパー試験をして、その中で配慮するということだが、間違いはないか。

■徳重理事 大卒新採用と同等の水準を求めるものではない。配慮もしなければいけない。トータルを見て、基礎的な知識を見る。

■人事課補佐 ただし、一定程度の水準は求めたい。

□組合 配慮というのは、全試験者に対して、新規採用の受験者への配慮ということか。

■人事課補佐 新卒で法人試験を受ける人と比べての、ここで働いている人への配慮だ。

■徳重理事 新卒の合格点を求めても仕方がない。社会常識や読解力などもあるが、そうでないものもある。どれだけ配慮するかは、全体のバランスを見て配慮する。

■人事課補佐 公平に見て、その上で、今いる人は、新しく大学を卒業した人と同じ水準では厳しいと思う。ただし、一定の水準は求めたいということだ。

組合 「再任資料を勤務実績の評価に活用してほしい」
■理事 「我々としては採用試験を課し、一定程度の水準を求める」

□組合 再雇用にあたって評価をしていないという回答だが、それでいいのか。

■徳重理事 言葉が足りなかった。評価はされてきたが、それはあくまで正職員になるための評価ではなく、毎年そこで仕事をしていただくのに十分な能力や労働に適応できる体制にあるかということだ。

□組合 毎年空白の1日をあけて、その度に雇止めされるかもしれないという恐怖にさらされ、国立大の日々雇用職員の枠の中で雇止めされた人はいっぱいいる。それをふまえてほしい。

要するに、求めているのは、勤続実績について、正常に実際仕事をしてきたということへの配慮だ。東北大の給与制度は職務給原則をとっている。就いている仕事が何であるかによって処遇が決まるべきだ。ただし、成績などが処遇に反映することはもちろんある。何らかの理由で国家公務員試験を受けないで採用してしまった。それでも1日8時間、週5日の仕事をさせ、それをこなしてきた。准職員が仕事をしたから、パフォーマンスが下がったということではない。なぜ、正規職員とほぼ類似の仕事をしているのに、処遇はこんなに低いのか、配置転換がないにしても差がひどすぎる。せめて、これまで正常に勤務をこなしてきたということを評価してほしい、勤務実績を評価してほしいと言っている。もちろん世間への説明責任はあるが、これまでの勤務状態、再任をした時の証拠が残っているのだから、それを活用して勤務実績の評価に活用してほしいといっている。評価せずに採用しろとか、自動的に採用しろと言っているのではない。あえてこらえてそう言っている。勤務実績をきちんと評価してほしいということだ。しかも、書類試験だけではなくて、二次試験についても何らかのことがあり得るでしょうねと言った。そういう試験なら、説明責任をはたして引け目も感じずにやっていけると思うが、どうか。

■徳重理事 正常に勤務してきた実績を考慮して、一次試験に代わるものを実施してほしいという提案だと思う。検討対象ではないとは言わないが、今試験を課している以上、ある程度の試験を課すことは必要だと思う。今の提案は勤務実績を評価しろということだが、その時点だけでは難しい。我々としては採用試験を課し、一定程度の水準を求める。2次試験について、勤務成績の評価を総合的に判断して採用の道を開こうと考えている。方法論として教養試験を活用させてもらうということだ。提案された方法がまったくだめだと言っているのではない。少なくとも理解力、思考力を問うような試験がないといけないのではないか。

組合 「他大学では勤務実績に配慮している」「なぜ東北大学では配慮をしないのか」
■大学 「勤務年数を一定程度評価してほしいということならば、1年以上と考えている」

□組合 九州大学の事務職員登用試験だと、本学の有期契約職員であり、本学の勤続年数が10年以上のもの、というのを受験資格にしている。名古屋だと、この通り実施したかはまだわからないが、更新限度のない者、パートタイム職員のうち当初の採用年度が平成8年度以前の者、つまり10年経っている者、という意味だ。こんな形が最善かどうかは議論があるにせよ、九州大学や名古屋大学は受験資格のところで勤務実績に配慮している。同じ形がよいかどうかは検討の余地があるが、なぜ東北大学では、勤務実績に対する明確な配慮をしないという制度設計になっているのか。

■人事課補佐 我々としては1年というところまで枠を広げたつもりだ。他大学のように、勤続年数10年といった基準にするとむしろ閉じてしまう。最低限1年以上の人にまで広げたと考えている。20年以上と言われれば考えないこともないが、よりオープンにした方がよいと思っている。

■徳重理事 実績は考える。広く人材を発掘したい。

□組合 先程、考慮してほしいと提案した中には、長年の要求であるという立場から1980年7月以前の准職員への特別な配慮をお願いしたが、次善の策の提案として、「法人化以前から雇用されている更新限度のない職員」という表現をしている。つまり、更新限度のない人に対する一定の配慮をすべきではないか。九州大学の場合も一定の配慮をしているものだ。ある一定の配慮をして、別枠という形で対応することも大学としてはできるのではないか。

■徳重理事 1980年7月以前の准職員ということとは違うのか。

□組合 本学の就業規則上の表現で説明できるものだ。法人化前から採用されている人で、更新限度が定められていない、という表現の仕方だ。

■徳重理事 法人化以後を排除するのはなぜか。

□組合 排除ではなく、重点を置いた採用試験のあり方があるのではないか。

□組合 試験をやるなと言っているのではなく、勤務実績に十全の配慮をお願いしたいということだ。

■徳重理事 評価にあたっては、そこは別枠とはならないだろう。あくまでも年度の中で、優秀な人をいかに採用するかということだ。その中で実績等に優れた人を総合的な評価で採用するということはあるが、別枠ではない。もちろん、焦点を当てて、資格の中に明記するということはありうると思うが、別枠とは考えていない。

■人事課補佐 採用は投資だ。若い人を採用すると35年から40年位勤務する。2億円以上の投資になる。それを考えると採用の仕事はきちんとしないといけないという気持ちがある。投資なので、過去の成果も大事だが、将来に成果を生み出せるような人を採用したい気持ちがある。年数を一定程度評価してほしいということならば、その意味で、1年以上と考えている。それで何か問題があるか。

組合 「勤務実績について不当な扱いを受けてきた」「大きな差別があった」
■大学 「ペーパー試験で配慮する」「勤務実績の評価等については二次試験の中でする」

□組合 その考えは、選考以外でも管理職を採用しているのに、徹底しているのか。過去の勤務実績について不当な扱いを受けてきたと言っている。准職員から聞いた方が良いのではないか。現に同じ仕事をし、安い給与で、正職員と同じパフォーマンスをしてきた。ルールとも整合性がとれ、世間にも説明責任がとれる方法で実現してほしい。

□組合(准職員) 正規な試験を受けていないので仕方がないという思いも長年あったが、法人化にあたって非常勤職員は一掃すべきだという話を聞いて怒りを覚えた。法人化にあたって首を切るとは何事かと思った。採用される時に人事担当者をおどすようなことをしたわけではない。皆さんの都合で力の強い方が力のない者を採用した。正規職員では足りないから安くて便利な職員を使った。それを認識してほしい。講習会やワーキングへの参加は正規職員よりはるかに少なく、いろんな人に教えられて頑張ってきた。できないと言ったことはない。全部やってきた。都合が悪くなって要らなくなったからポイ、ではない。理事にも聞きたい。30年40年働いたことは何の意味もないか。軽く考えないでほしい。人事の人に言いたい。若い人材はたしかに優秀だが、講習会や研修会、ワーキングでよく職場をあける。その間誰が支えているのか。同一労働同一賃金だ。ほぼ同一の労働をしてきた。確かに優秀な人を採用するということはわかる。我々はあと10年ない。残りをせめて正規の職員として認めてほしい。給与は正規と同じでなくても良い。給与もこれから上がることにどれだけの意味があるかもわからない。それでも正規の職員として認めてほしいと思い、交渉に臨んでいる。わずかの優秀な人を求めてどれだけの意味があるのか、長年働いてきた人の思いも汲み取ってほしい。

■徳重理事 それもふまえて、今までなかった道を開こうとしている。30年40年大学に貢献してきたことについては、我々としてはきわめて評価している。ただ、その一事をもって採用するということではなく、一定の採用のルールの中で何らかの実績なりの評価、ペーパー試験での配慮という中で、採用するという提案だ。決して、長い貢献を無視してということではない。今後とも大学に貢献してほしいという気持ちだ。方法論については検討してみる。大きな仕組みとしては、今提案している方向で実施させてほしい。

□組合 我々としては、勤務実績を評価した上で一定の配慮をもった採用方法を検討してほしいと要望している。今准職員から発言があったが、これまでに大きな差別があった、正職員に劣らず仕事をしてきた、東北大にきちんと貢献をし成果を上げてきた。むしろそれに見合う投資をしてこなかったことが問題だ。新しい人を採用する努力は当然だが、陰の部分があるのなら、少しでも修正する方法があるべきだ。そこに配慮をお願いしたい。これをあらためて要望する。大学新卒のレベルを求めるものではない、一定の配慮をするという、先程の法人側としての考え方は受け止める。我々の今日の要求も真摯に受け止め、別途公正な試験が行われるようお願いする。

□組合 末端の教員として言うが、教員にとって、長くいる准職員、旧日々雇用職員は非常に頼りになる。それが、実績がなかったということになるのか。実績があったという証明になるのではないか。仕事ができるから雇用してきたのだ。書類上の根拠もあるのに、大学が自らやってきたことを否定するものではないか。

■徳重理事 2月位から募集しなければいけない。大きな仕組みについて了解いただきたい。選考だけで一次を終わるということは検討対象外だ。

□組合 選考だけではない。書類プラス適正な方法のセットだ。

■徳重理事 一次試験の中で、思考なり知識を問うことが必要だ。その方が対等な処遇になる。同じところでの仕事ではなく適材適所での仕事もある。その意味でも、今日の提案の中ですべて問題があるということではないので、もう一度検討するが、来年から実施するためには大きな変更はできない。

□組合 書類試験だけで試験を終われ、ということではない。一次試験が書類で、二次試験があってもよいと言っている。二次試験もやれば良いではないか。

■徳重理事 法人の職員としては、一定の基礎的な知識、思考力、文章力などは必要だ。そのための方法論として一次試験を課す。大卒と同じ試験は酷なので一定の配慮をした。また、いろんな人の勤務実績を横に並べて評価するのはなかなか難しいのではないか。勤務実績の評価等については二次試験の中でする。

□組合 我々としては要望を尊重して検討してほしい。理事が大学として提案していることについては我々としても真剣に受け止めて検討する。

■徳重理事 我々としても再度検討する。

<給与支給日の変更について>

組合 「准職員の月給制なども検討材料になるだろうと提案していた」
■理事 「切り離して検討したい」

□組合 東北大で働く教職員の生活条件の悪化を招かないように配慮してほしい。准職員の月給制なども検討材料になるだろうと提案していたが、むげに否定はしないという回答だった。考慮するという話だったと思う。月給制も含めて最大限の配慮をお願いしたいということについて、法人側で検討したことを話してほしい。

■徳重理事 以前から准職員の給与については頭打ちをどうするかという課題があり、今までも検討してきた。月給制をまったく否定するわけではないが、全体として額をどう決めるかが大きい。1ヶ月で検討するわけにはいかない。准職員の職務のあり方をどうするかということとも関係する。今回は、検討課題ではあるだろうが、その話とは切り離して検討したい。とくに今回の提案については、アンケート調査の結果を示しているように、現状では短期間での作業が余儀なくされるために間違いや超過勤務もあることから、何とか打開策を考えたというところだ。支給が4日間遅れて迷惑をかけることになるが理解いただきたい。また、准職員等については以前にも当月から翌月に変更され、そのうえで今回4日間の変更だから問題だということだが、それについては、全体の大学運営の効率化をはかる中での変更なので、一定の説明期間を置けば理解されるのではないか。この内容で実施させてほしい。月給制の話については、これまでも交渉事項の中で提案があるので引き続き検討させてほしい。

組合 「デメリットは何か」
■理事 「全学的な議論をしないとできない」

□組合 准職員について月給制を実施する場合のデメリットは何か。日給月給よりも事務手続き上は楽になるのではないか。

■徳重理事 額の設定をどうするかが問題だ。これは単に給与の設定を月給制にするかどうかという問題ではなく、これまでの准職員の職務や勤務条件の決め方とも関わってくる問題だ。もちろんそれだけを取り上げた検討も不可能ではないが、デメリットとしては、額の設定いかんによっては全学的な議論をしないとできないということではないか。他には電算設定の問題もあるが。

□組合 今回の提案に賛成するわけではないが、教職員の生活条件の改悪にならないような最大限の配慮をお願いしたい。

<非常勤講師の時間単価について>

組合 「突然単価を統一することは給与減となる」
■理事 「1年間の経過措置はとる必要がある。課題を洗い出しつつ運用状況に十分注意しながら見ていかなければならない」

□組合 突然に単価を統一することに対して、長年働いてきた人、とりわけ外国人講師にとっての給与減となるのではないかと考え、慎重な対応をお願いしてきた。この間部局長会議で結論が出たとも聞いているが、法人側としてあらためて検討されたのか。

■徳重理事 前回の交渉の後ということならば、外国人講師がどんな実態かについては調査した。上限に入っている人もかなりいた。担当理事にも話してみたところ、課題ではあるということだ。一方、かなり高いところにはり付いているところについて、課題意識がないということはない。今日の意見も踏まえながら再度検討する。若干設定の仕方を工夫することが必要なのかどうかということだ。一定程度であれば、それで説明していいかということになる。また前回は、人件費管理という観点からの指摘もあった。これについては、16年度以前と17年度以降とは違う。以前は中央枠から措置していたが、17年以降は教員実員ベースで5%枠や平均単価を考慮して部局に配分している。その中では非常勤講師については考慮していないということだ。部局で措置する場合には人件費以外の予算の中から措置しているということだ。人件費の中で残額がある場合には振替の申請がある。この申請は17年度にはなかった。18年度については理学部で2件あった。空き定員をあえて作って雇用しているというケースはない。人件費配分なり非常勤講師の考え方について、法人化前の措置された時代から法人化後は措置されない時代になったが、部局としても変な動きをすることにはならないだろう。先生方の中には、人件費が減る中で欠員を作るという判断はあるのかもしれないが、非常勤講師を雇用するために空き定員を作るということにはならないと考える。

十分な対応ではないが、実態を把握した上で統一単価という形で提案をしている。部局において統一単価にしにくいという場合には改良の余地がある。今決めると来年度の人への影響があるので、1年間の経過措置はとる必要がある。具体的な問題、継続雇用の場合、同じ条件かどうかもあるが、課題を洗い出しつつ運用状況に十分注意しながら見ていかなければならないだろうと思っている。

□組合 財政的な問題は大きいという事情はわかるが、正直なところ、個人的な思いかもしれないが、非常勤講師は足りないから頼んで来てもらっている。頼む方は非常に心苦しい思いをしながらこれまでも頼んできている。統一単価ということになると、私も外国語を担当しているが、頼む方は嫌な思いをするだろうと思う。部局として頼んだり、各部門別で頼んだりするだろうが、大学として決めた制度ならば、非常勤講師に対して大学として責任をもって説明してほしい。理事は一定の説明と言ったが、決して非常勤講師に嫌な思いをさせないような、本当に配慮ある説明をしてほしいし、一年の経過措置の中で不具合がみつかれば是正してほしい。

□組合 本部で説明の仕方を決めて、これまで何度か来てもらっていて、たとえば経過措置をして切り下げなければならなくなる非常勤講師に対して効率的かつ丁寧に伝わるようにしてほしい。部局の事務との相談もするのだろうが、そこで雑な説明をして問題をこじらせるということのないようにしてほしい。具体的には部局によって違うだろう。たとえば私は経済の教務委員をしており非常勤講師を頼む方にいる。非常勤講師を探す時や再任をお願いする時には、まず当該の教員から非常勤をお願いする先生に連絡をとってもらい先方の内諾を得る。その上で教授会に諮り事業計画に組み込む。それを踏まえて庶務係なり人事関連係が動いてパブリックな手続きに入る。これらの各段階でポイントを押させて、全体としておかしなことにならないように説明されるような計画を立ててほしい。

□組合 一律に考えているのではないのか。

■徳重理事 全学的に一律にするということではない。

□組合 全学教育の場合は、一律の基準がそのまま適用されては困る。配慮されないと困る。

■徳重理事 それについては担当のものと話し、必要ならその分を含めた中央枠の要求をしておこうかとも考えている。別途ルールをつくって単価を決めるということも今のところ選択の余地としてあるようだ。

□組合 大学院のドクターを出て、助手の途中から非常勤講師として2006年春から東北大に来ている30代の人がいる。この程度の年齢なら下がらないかと思って見てみたところ、400円下がる。経過措置があるとは言うものの、東北大に来て1年で若手から中堅になろうとするところで切下げられるのはきついのではないか。

□組合 先日の話だと、必ずしも下がる人ばかりではないということではないか。

■徳重理事 上がる人も若干いるが、トータルでは下がる人が多いと思う。単一でみていた段階での案なので、柔軟な設定をすれば、上がる人もいる。

□組合 来年の4月からスタートするのだろうが、法人側として経過措置も考えているし、組合から問題点も指摘した。本部としてきちんと対応してほしい。

 以上が法人側からの団体交渉の申し入れということで前回の団体交渉から引き続いたものだが。

■徳重理事 後者2点については検討すべき点もあるが、就業規則の改定も必要だ。過半数代表者などとの手続きを進めていきたいので、よろしくお願いする。

□組合 前回からの継続という点では以上の3つだが、我々としては、今回の交渉の開催にあたり、もう1つ、新教員組織の問題についても交渉させてほしいという要望をしていた。我々は新教員組織についての一定の考え方や、最低限守らなければならないルールについては見解や声明も出しているし、法人側としての考えを聞いた上で確認したいと思い、交渉として申し込んだものだ。しかし、残念ながら法人側からの返事は、交渉を終えた上での懇談という項目にしてほしいということだった。懇談にせざるを得ない事情があったのか。

■徳重理事 交渉の申入れについて総長に報告し、簡単に口頭では説明したが、正式な回答については理事副学長会議に諮る必要がある。現状では理事、副学長等が十分に経緯を知らないという事情もあり、理事副学長会議では相談していないので、交渉ではなく懇談で、と回答した。

□組合 懇談といっても、我々には一定の考え方があるので、単なるサロン的な話になると困る。一定の責任をもった発言として受け止めたいと思っている。そのように理解して良いか。

■徳重理事 役員会としての責任ではなく自分の責任としてなら良い。役員会としての責任でということならば答えられないということだ。

□組合 すでに全学の方針も以前から示されていたものが改定もされて決まっており、部局での意見も集約しているのに、なぜ。

■徳重理事 授権を受けていないということだ。むしろ、組合の方が交渉要求事項にある1の(1)(2)(3)についていろんな問題点を持っているのではないかと思っている。そういう情報であれば聞きたい。


(以下、懇談)

□組合 それでは、組合で考えていることを具体的に言う。それについて法人側ですでに考えていることを話してほしい。

  1. 「期間の定めのない雇用契約を結んでいる教員は、すべて自動的に期間の定めのない雇用契約のまま新制度に移行させ、労働条件の不利益変更を行わないこと」について。

     新教員組織問題には、大学全体で決めるべきことと部局で決めるべきことがある。これは大学全体で決めるべきことだろうと組合が考えているのは、期間の定めのない雇用契約を結んでいる教員はすべて自動的に期間の定めのない雇用契約のまま新制度に移行し労働条件の不利益変更をしないことであり、これについては、雇い主である法人本部としてきちんと保障し、部局の管理者を指導してほしい。これが最大のポイントだ。誤解してほしくないのは、新教員制度を具体的にどう設計するかは部局で自由に決めるべきだ。しかし、ボトムラインについては使用者責任として法人本部としてきちんと保障してほしい。

  2. 「テニュア制、任期のあり方について拙速を排して慎重に検討すること」について。

     すぐにテニュア制にせよ、任期制にせよという指導を部局に対してしないということを約束してほしい。その上で、次期の中期目標・中期計画に向けて、テニュア制、任期制についてはこのように考えなければいけないというようなことがあれば、教えてほしい。また、その議論はなるべくオープンな形で行ってほしい。早稲田前理事が部局を回って懇談したことは知っている。

  3. 「新教員制度における助教の処遇を改善すること」について。

     本学の給与制度は職務給原則に基づいている。新教員制度のもとでの助教の仕事はパブリックには、正式に授業を担当し、重くなる。人件費の問題はあるにせよ、助教の処遇を上げるべきだ。具体的にいうと、新しく助教の賃金表のランクを作って改善してほしい。全大教でもモデル賃金表を提案しているので提出することはできる。助教と講師の間に新たに級を作って処遇を改善してほしい。それと合わせて、実態に即して大学院担当の基本給調整分の改善をお願いしたい。

■徳重理事 現在期間の定めのない教員を自動的に期間の定めのないままの雇用契約にすることは、早稲田理事が基本方針を出した時に、期間の定めのない職員からある職に異動する際の線を引いていた。これは本人の同意が必要だということだろう。本人の同意がなければ、期間の定めのない教員を期間の定めのある職に移動することは一方的不利益変更だろうと思う。同意なく行われることがないように、どういう形で周知するかという問題はある。基本的な考えはすでに示されているが、役員会でも整理できれば周知できる。また、今回の制度改正に基づいて、意欲的に取り組んでいるところもある。本人があえて挑戦することまでは否定できない。

 新しい助教等の制度とテニュア制や任期制のあり方については、中教審の方針を踏まえて、新規採用の場合にはできるだけこれを活用すると言っている。部局との意見交換の中で、この制度の活用は、我が国の諸制度全体の熟成を待たなければいけない。中期計画第二期終了前年の2006年度末までに結論を出す。新規採用はできるだけこの方針に沿ってほしい。沿わない場合でも協議ができるという仕組みがあるので、それぞれの部局でこの仕組みの下ですすめてほしい。テニュア制については人事戦略企画室で案をまとめたが、昨年の春頃、この早稲田先生の基本方針のペーパーの後ろに出したのが最後で、科学技術振興調整費の関係でテニュアの施行もある。この制度についてはいろんな制度との関係がある。施行状況を見ながら見ていく必要がある。私の立場で言うことはできないので私見だが、総長室において中期計画の検討の中で検討していく。やらないと私が言うのは変だ。

□組合 今はどの部署で検討しているのか。総長室か、人事戦略企画室か。

■徳重理事 人事戦略企画室のようなものは今後廃止して、個別の課題ごとに必要に応じてその都度体制をとる余地もある。個人的見解だが、助教の処遇について新しい給与表での待遇改善要求が全大教から上がっていることは承知している。法人としては、当時の情報の範囲内で整理したものだが、現在の助手の処遇を適用することを想定している。今のところ、教育職(一)1級の給与表を適用する。別途新助手について旧教育職(一)1級(※)の適用を検討するということは考えていない。

※組合註 東北大学では組合の長年の要求が反映して、2005年4月に教務制度が廃止され、それにともない、旧教育職(一)1級は給与表から削除されている。

□組合 新助手についても待遇を切下げないということですね。

■徳重理事 今後の給与のあり方については検討しなければいけないが、昨年役員会に諮った本学職員の給与の取扱い方針では人事院勧告の内容を適用することを考えている。勧告には助教の仕組みがなく、国大協でも検討していないので、今のところ、教育職(一)1級の中で助教、新助手については対応していく。

 大学院担当教員についての本給の調整額については、助手は調整数1だったが、今度、授業を担当するということなので、当然、正式に担当する場合には、それに伴う検討が必要なのではないかと思っている。ただ、財源の問題はある。

□組合 最初の点で、どんなことが起こり易いかだが、ある部局で以前に出てきた案は、現任の「任期の定めのない助手」から「任期付きの助教」「新助手」「准講師」のいずれかを自由に選んで移行するという案だった。つまり、助教になるならば任期付き、任期の定めがないならば准講師ということだ。これに対して教員の中からは、「任期なし」から「任期あり」になるのはひどいとか、准講師という職名が社会的に通用するのかどうかが非常に不安だという声が出ていた。現在その部局では、准講師は良くない、任期の付いていない助手に移行するのもありだ、と議論されているようだ。このように、職名が変わることに伴って、期間の定めのない教員から、任期付きか、あるいは、期間の定めはないが不安定な職名か、という選択が強いられることがないようにしてほしい。任期付きの職の設定は、今後いつでも手続きを踏めばできるのだから、この新教員組織への変更の機会に、本人は同意したが、それしか選択肢がなくやむを得ず同意したのだ、ということが起こらないようにすべきだ。これは望ましくない、すべきではないというふうに本部では指導した方が良い。任期付きの職の設定はそれ以外の時にやってくれ、と指導すべきではないか。

■徳重理事 すべての部局に聞いたわけではないが、本人がチャレンジングなポストに行くことを本当に望んでいるならば、それを排除することはないだろうと思う。早稲田先生のペーパーもそういう趣旨ではないか。

□組合 理系の先生方も、実はこんな問題があるということがあれば発言してほしい。

□組合 本人の同意がくせ者だと思う。本当に自由意思かどうかは外からはわかりにくい。本人の同意という文言を付けてでも、任期付きに移行する道筋は、本部の意向としてはやってほしくない。

■徳重理事 自発的でない同意は良くないとは言えるが、一切だめとは言えない。

□組合 別な機会にいくらでもチャレンジングにできると言いたい。変革の時期にドサクサまぎれに任期付きにされては、ごたごたの火種になる。使用者側としても良くないのではないか。

□組合 不利益変更が起きないように最低限のルールを守ってほしい。

□組合 危ないパターンとしては、以前は任期のない助教というものは良くない、という考え方が学内にかなり出回っていた。助教なら任期付きとすると、任期がないなら准講師か、その准講師とは何なのか、というふうにもめるということがあった。最近は任期のない助教はあって良いという議論が、それが良いことは文科省の資料からも明らかだが、いくつかの部局で出ている。任期のない助教は排除しないと理解して良いか。

■徳重理事 はい。

□組合 これは不必要な紛争を回避するために一番必要なことだ。

□組合 それは、事前協議の対象に入るのか。

■徳重理事 事前協議は、新規採用についての方針が、全学の原則から外れる場合にするものではないかと思う。

□組合 新規採用の場合に任期のない助教で行うときに、事前協議の対象になるのか。

■徳重理事 新規採用については基本方針による。それが原則だ。それと異なる運用を行う場合には、運用方針と異なる場合になるのではないのか。

□組合 その文章が非常に曖昧だ。何が基本原則か、というのが曖昧だ。助教については任期制、再審制の活用を図るとされており、全部が全部そうだと言っているわけではない。新しい助教を任期なしで運用することがそれに反するかどうかはその文章からははっきり言えない。

□組合 正直、困っている。どう理解したらよいのか。

■徳重理事 書いたもののことなので、俄には言えない。

□組合 はっきりさせてほしい。

■徳重理事 そういうケースを除けば、協議する対象もなくなるのではないか。協議で十分な説明があれば良いのではないか。

□組合 これについては議論の余地があるということか。

■徳重理事 26年度末までに結論を出すと言っている中で、その状況を踏まえて、それを排除するということではない。早稲田先生に再度確認して次回に臨みたい。

□組合 現任の人が移行するにあたって、任期のない人が任期のない職に移行することを排除する指導はしていないのですね。

■徳重理事 していない。同意がなければ、教育研究をしている任期なしの助手は、任期なしの助教になるのが一番素直な道だ。

□組合 テニュア制と任期制の問題については、これから検討されるのだろう。井上総長のもとで、すべての教員に任期制を適用するのが望ましいという考えを出したいのか、テニュア制を原則として、教授はテニュアだが、それ以下の一定のところにテニュア制でない職があるという方針を出したいのか。推測に迷う状況だ。金研では全部の教員ポストについて任期制を推進してきた人だった。そこのところの考えをオープンな形の議論で出し合いながら話し合ってほしい。そのことを伝えてほしい。

■徳重理事 今週の理事副学長会議に諮る案件を相談する際に、説明する機会があれば説明する。

□組合 懇談という場ではあるが、前向きな発言をいただいた。感謝する。


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