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折原守理事及び東北大学役員会に対する抗議文

国立大学法人東北大学は12月8日に全学労使懇談会を開催し、本給の引き下げなどを2010年1月から実施するという案を提示した。内容は「本給の引き下げ」と「自宅に係る住居手当の廃止」など、すでに示されていたものだが、実施時期については「検討中」としていたものである。

 具体的には、(1)2010年4月から実施、(2)2010年1月から実施、(3)2009年4月に遡って実施、の3案が示され、このうち(3)は不利益遡及の法律違反となるため、もともと法人側の選択肢にはないとされていた。残るは(1)か(2)であるが、組合側は(1)であろうと予想していた。法人側が今回の方針を決めるにあたってたびたび参照を求めてきた「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」(2005年12月7日本学役員会承認)に「給与改定の実施時期については、人事院勧告に基づく給与法の改正、労使交渉に要する十分な期間の確保、人件費予算の計画性の確保などを考慮して、翌年4月から実施する」とあり、このたびの給与引き下げに関しても「本給月額の引き下げ等の給与改定については、本学の基本方針等を踏まえ、実施時期について検討。ただし、平成21年12月期のボーナスについては、これまでの社会一般の情勢及び本学を取り巻く情勢等を考慮し、支給割合の引き下げ改定を行う」(9月部局長連絡会議および10月役員会資料)としていたからである。

 しかるに、法人側は12月1日の役員会で1月からの実施と決めてそれを強行しようとしている。今回の事態について、当組合は、大学運営の根幹に関わる重大な問題をはらんでいると考え、本学役員会および折原理事に対して強く抗議する。

 今回の措置はきわめて乱暴な仕方でなされており容認できない。第1に、実施時期に関する説明は組合に対しては一切行われなかった。第2に、全学労使懇談会の持ち方も拙速・拙劣である。各事業場の事業場長・過半数代表者宛の開催通知は、12月3日の午後に本部人事課からメールで通達された。その際、出欠および欠席の際の代理人の氏名を翌4日までに連絡するようにという性急さである。通知から開催までの期間も土日を含めてわずか5日しかない(ボーナス引き下げに関する全学労使懇談会の折には、11月4日開催の通知が10月23日に送付されている)。労働契約法の法的要件を満たすために、アリバイ的に全学労使懇談会を開催し、無理やり1月実施にもっていくつもりとしか考えられない。第3に、ボーナス引き下げ分も含めて、法人側はいまだ明確な代償措置の規模を明らかにしていない。いわく、優秀者の増員をする(組合側の調べでは、昨年度に比べて1.5倍程度になっているが、さらに遡った3年前と比較するとほとんど増えていない)、職員の研修経費にあてる、業務システムの改善にあてる、と。だが、その規模を明らかにせよと要求すると何も言わない。これでは実施されたのかどうか確認しようがない。

 法人側のこうした態度は、役員会と経営協議会の意向のみを重視して教職員の意向には頓着しないという法人化以降の悪しき側面が露呈されたものと考える。多忙さを増す中、ボーナスの大幅カットにも堪えて懸命に働く教職員の気持ちを逆なでするような「給与等引き下げ1月実施案」を撤回するよう強く要求する。

2009年12月15日

東北大学職員組合執行委員会


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