ホームに戻る

東北大学役員会は、人勧追随をやめ、教職員の奮闘に報いる賃金政策を持て!

pdfでダウンロードする

2009年9月15日:東北大学職員組合執行委員会

本部役員会は、安易な公務員追随をやめ、独自の賃金政策を採るべきです。

 大学法人化後すでに6年が経過しようとしています。法人化によって、大学教職員は公務員ではなくなり、労働基準法の適用される労働者という身分に変わりました。にもかかわらず、本部役員会は、独自の賃金政策を打ち出すことなく、国家公務員の給与表をほぼそのまま拝借し、人事院勧告が出ればそれを機械的に踏襲してきました。この情けない経営姿勢は、教職員の生活を脅かし、やる気をそいでいます。働きやすく、やる気の出る東北大学をつくるために、今度こそ独自の賃金政策を採用すべきです。

2009年度人勧は不当なものであり、これを認めることはできません。

 8月11日、2009年度人事院勧告が出て、8月25日に政府は完全実施を閣議決定しました。その後、政権は交代しましたが、このまま完全実施されれば、国家公務員のボーナスは、年間で0.35月分が引き下げられます。本給も平均で0.2%のダウンです。しかも、今年4月に遡る引き下げ分を12月の期末手当から差し引くという不利益遡及付きです。これを国立大学法人にそのまま適用すると、今年度だけで平均15.4万円の収入減になります(表参照)。民間給与が低いからと公務員給与を下げると、今度は公務員が下がったからと民間が引き下げられるというスパイラルをもたらし、景気回復にも悪影響を及ぼします。

東北大学教職員の給与は、決して高くない!

 国立大学教員の給与が多くの私立大学に比べて低いことは天下周知の事実です。かつて、国立大学教員は私大教員よりも時間的に余裕がある、といわれたこともありますが、法人化以降の業務負担増加によってそれも過去の幻となりました。仕事は増えたのに給与が下がるのではとても我慢できません。法人が主張する職務・職責に応じた給与にもなっていません。

 教員以外の職員についても同様です。とくに事務・技術職員の場合、国家公務員を100とする指数で2008年度の東北大学の水準は88.8(文科省資料http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/07/attach/1282400.htm)です。仙台市職員のこの数値は102.7(総務省資料http://www.soumu.go.jp/iken/kyuyo.html)ですから、これに比べるとさらに低くなります。本部役員会は、人勧のいう官民較差をうんぬんする前に、業務増加に耐えて奮闘する教職員の給与を、せめて公務員並みに引き上げることを考えるべきです。

給与改善のための財源はあります!

 独立法人である東北大学の経営が苦しくて給与引き下げが避けられないと言うならば、まだわかります。しかし、本学の2008年度の当期純利益は44億円もあります。法人化後5年間に累積してきた利益剰余金は133億円に及びます(本学「平成20事業年度 財務諸表」)。この利益の少なくとも一部は、人件費の節約から生じたものです。財源の面からは、給与引き下げの必要はまったくないのです。運営費交付金は、人勧に合わせて増減することはないので、ボーナスや給与が減額されれば、数億円の差額がそっくり法人の手元に残ります。役員会は、人件費削減で浮く多額の資金をどのように使うつもりなのでしょうか。これまでは「本学の教育・研究の発展のために使う」という以上の説明をしていません。

 東北大学職員組合執行委員会は、役員会が人事院勧告追随をやめて教職員の奮闘に相応しい賃金政策を採用するよう求めます。

人事院勧告を国立大学法人にそのまま適用するとこうなる!
今年2回の人勧と給与改悪給与改悪による「被害」
5月
臨時人勧
ボーナス6月期▲0.2月
(2.15月→1.95月)
年間▲0.35月
(4.5 月→4.15月)
年間平均▲15.4万円(▲2.4%)
・教 授(55歳)▲26万円
・准教授(46歳)▲21万円
・係 長(47歳)▲14万円
・係 員(32歳)▲ 9万円
8月
2009人勧
12月期▲0.15月
(2.35月→2.2月)
本給平均で▲0.2%(「現給保障」も引き下げ)
不利益遡及;今年4月からの「差額」を、12月の期末手当からカット(大学への適用は違法)
住居手当自宅に係る住居手当(新築・購入後5年間。月額2,500円)廃止

ホームに戻る