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2月16日 団体交渉報告−組合要求項目に対する法人側の回答と質疑−

※文責は組合にあります。見出しも組合にてつけました。

2010年2月16日(火)14:00 - 16:20
本部第1会議室

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■課長補佐 これから団体交渉を始める。今回は組合からの要求項目に対して法人側が回答する場なので、法人側から発言する。

■理事 前回交渉では組合から要求項目について丁寧な説明をいただいた。それをふまえて法人側で検討した対応方針について回答する。要求項目3から回答したい。それで良いか。

要求1.期末・勤勉手当および本給を引き下げる労働条件の不利益変更を行わないこと。

要求2.教職員の一時金を0.1ヶ月引き上げること。

【組合注】2009年10月21日、28日、11月11日の交渉参照

  1. 2009年10月21日交渉
  2. 2009年10月28日交渉(質疑)
  3. 2009年11月11日交渉(質疑)

□委員長 1/21付けで『給与改定によって生じる「7億円」の使途について』という文書を法人側に提出し、できれば文書で回答をお願いしたいと申し入れている。その点についてどうか。

『給与改定によって生じる「7億円」の使途について』(照会)(pdf)

■理事 時間が限られているので、交渉とは別にそれについて回答しようかと思っていたが、最初にこちらの方を回答してほしいということならば、それについて口頭で回答したい。

□委員長 文書で回答されない理由は何か。

■理事 これまでも交渉については、口頭で回答してきている。口頭で回答したい。

□委員長 回答の中にはいろんな数字が出てくるのではないかと思う。そのようなものは文書の方がわかりやすい。

■理事 数字については、総額が7億円ということと、その内訳ぐらいしかない。それで回答を準備している。もし仮にその数字がわかりにくいということなら、あらためて問い合わせをしてもらってもよい。細かい数字が並ぶという回答ではない。交渉が終わってから回答しようと思っていたが、どうするか。

□委員長 いつも、法人側の発言をできるだけ正確に受け取りたいという考え方からすれば、文書回答が一番誤解がない方法だと考えているので、文書でお願いしたい。だめか。

■理事 口頭で回答したい。

□委員長 文書は理事の手元にあるのではないか。

■理事 これは私のメモであり、訂正もある。そういう性格の文書でもないと思う。今までの交渉の中で、使途については詳細に回答してきた。時間の経過とともにそれがしだいに固まってきたというところがあるが、考え方にせよ、使途にせよ、背景にせよ、今まで回答してきたことと違いはない。要求項目の回答の方を先に済ませた方がよい。

□委員長 文書回答でないのは不満だが、今回は用意していないということならば、やむを得ないので、口頭でお願いする。

「照会」への理事回答(口頭)

■理事 照会があったのは『給与改定によって生じる「7億円」の使途について』だ。照会文の中にも、これまで「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」として説明してきた項目の記載がある。それとの間に大きな変化はない。

<7億円の内訳> 約7億円という金額に間違いはない。
(1)教員分の人件費から生じる額約4億4,000万円
(2)その他の職員分の人件費から生じる額約2億4,000万円
合計約6億8,000万円

年度当初交付分と合わせて

(1)(教員分)について

年度当初、各部局に教員人件費として運営費交付金が交付されている。それと合わせて、約4億4,000万円について、主に各部局において執行計画を立てていると承知している。

(2)(その他の職員分)について

主に本部の取り扱いとなる。その一部分は、勤勉手当における優秀者選考の増員分としてすでに執行している。平成21年度が間もなく終了する。平成21年度における大学全体の剰余金の有無、額を含めて、大学の運営費の執行計画として、その資金を次年度以降も効率的に運用していく。

“その分はここに使う”とは考えない

これでは、どの項目にどれだけ使うのかわからないという疑問があるだろうが、大学全体の経営判断として、今年度剰余金が出たから、その分はすべてここに使う、という考え方は採っていない。大学の将来を見据えて、無駄なく、効率よく、教育研究が発展するように、執行していくためにはどうすべきか、という経営判断の中で執行されている。理解してほしい。
 事実としては、平成20年度の剰余金の承認もまだ国から下りていない。間もなく承認が下りるだろうと予想するが、承認が出て初めて、大学でその取り扱いができる。今回の話は平成21年度分の承認に関わる。来年を待たなければいけない。それも含めて、平成22年度以降の運営費交付金がどうなるか。政府予算案は出たが、それ以降のルールも含めて、未定の部分が非常に多い。予算案の取り扱いも含めて動向に注意しつつ、本学の教育研究の進展に資するように考えていきたい。

以上だ。基本的に、これまで説明してきたことと変わりはない。

把握していないのか

□委員長 いくつか疑問がある。第一に、部局渡し切りの部分については、各部局に任せているということではないか。本部として把握していないのか。合計4億円強の余剰が出る。これについては、聞いたところによると、今年度分については繰り越しはだめだ、余さないように使いなさい、と本部から言われていると、複数の部局から聞いている。とにかく今年度は余らせてはいけないと。だから各部局で余った分について、教員の研究費の増額に使ったという例が複数ある。将来必要になると思われる備品を購入するというところもある。本部はそういったことを掌握していないのか。

背景、先行事例

■理事 まだ各部局で執行している段階だと思う。これまでも説明してきたが、2点述べたい。
 第一点は背景だ。中期目標・中期計画期間は平成16年度から6年間なので、今年度が最終年度だ。このような剰余金は、先行独立行政法人の例を見ると、次期の中期目標・中期計画期間には持ち越せず、余れば国庫への没収となる。そのような取扱いがされている。国立大学法人についてどんな措置がなされるか、正確な決定は承知していないが、先行独立行政法人の例を見れば、本学の教育研究のために使った方が良いというのが経営判断としてある。

承認されたもの+余るもの→調整して使う

■理事 その一環として、各部局でも、各部局で取り扱う人件費、運営費交付金について、もし余るようなら、もったいないので、平成21年度の承認は下りてはいないが、できるだけ、これまでに承認された資金と今年度余るだろう資金については、いろんな工夫をした上で、適正に執行せずに没収されるということのないように、かつ、法律違反にならないように、本学の教育研究の発展につながるように、全体として調整して使う。その一環として各部局においても取り組みがなされていると考える。

配るのではなく、教育費や設備費等に

□委員長 各部局でどのように使用されたのか、年度末も近いのである程度明らかになっていると思うが、まだ集約していないのか。

■理事 決算されていないので。
 次に第二点。各部局において剰余金の使途について検討する時は、教育費の増額や、それまでなかなか手が回らなかった設備費等を含めて、単にお金が余ったから配るというのではなく、本学の教育研究発展に貢献するように使ってほしいと言っているので、各部局でもそう考えていると思う。これは、4億4,000万円をどうするか、という話ではない。他の部分での剰余もあり得る。各部局で取り扱う運営費交付金全体の中で、部局としてどうすべきか、合わせて考えて執行されていると思う。

一般職員の分からの持ち出しではないか

□委員長 優秀者の増員という話があった。おそらく教員についても、昨年度の約1.5倍増員されていると思うが、これは、これまで理事が話したところからすると、勤勉手当の優秀者の分は、本部のお金で出すということだ。そうすると、教員の勤勉手当の増員分は、本部の一般職員の分からの持ち出しになると思うが、そういう理解でよいか。

“優秀者”は、もともと本部分に入っている

■理事 国からの運営費交付金には、教員分、職員分といった色分けはない。学内のルールとして、それまでの実績をもとにして区分している。それを踏まえて、教員の毎月の給与分は教員人件費として部局渡し切り予算の中に入れているが、勤勉手当の優秀者分は当時から本部預かり分の方に入れている。それと同じ仕組みだ。

職員の研修経費、増額したのかわからない

□委員長 部局によっては、教員の人件費で浮いた分は教員の研究費に使うというところがいくつかある。ある意味では、不本意ながら、十分な形ではないが、研究費増額という形で還元されていると考えられないことはない。一般職員は、どのように代償措置等として還元されたのか見えてこない。職員の研修経費は、今年度、実際に増額したのか。やると言っていたが。

■理事 執行途中だ。締めてみないとわからない。

人件費を削って何に使おうと経営の自由?

□委員長 執行途中で、まだやっていないと。

■理事 そういう意識はもっている。全体の中でこれだけお金があるから、これをここに使おう、ということではなく、これまでの資源を合わせて本学の教育研究のために、あえて言えばその中で働く職員のために、どこに資源を充てようか、というのは経営判断だ。単に余ったから、その分を、本当はこちらが必要だが、このジャンルだけで使わなければいけない、ということは考えていない。これまでも言ってきた。人は大事だということは、担当理事としてきちんと認識して、そのつもりで使いたいと言ってきた。

「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」とは

□委員長 しかし、「代償措置その他関連する他の労働条件の改善」ということは、たとえば職員の給与カットをした時に、それで余った分について代償措置等に充てるということだ。他の経費と一緒だから何も言えない、ということでは困る。

■理事 お金が国から項目別、使途別に来ているわけではない。

□委員長 それでも4億4,000万円が浮いた。

■理事 それは、従来予定されているものについて、本給ならば平均0.2%減、ボーナスならば0.35月減を当てはめるとこうなる、ということだ。

“それ”で“職員のために”何をしたのか?

□委員長 これだけになります、ということなので、それをどう使ったのか、と聞いている。

■理事 全体の中で、他の資源と合わせて、大学のために、どの部分にその資源をどう充てるべきか、という判断の話だ。私は人事担当理事なので、先ほど言ったところにきちんとお金をください、と言っている。

□委員長 大学なのだから、大学のために、というのは当然だ。組合は、職員のためにどんなことをしてくれたか、と聞いている。教員のため、職員のために。

“優秀者の増員”“いかに計画的に使うか”

■理事 執行分としては、勤勉手当の優秀者増員分だ。
 あとは、今あるお金の中で、執行以外の部分の中で、どのようにお金を積み上げられるか、というきちんとした計画ができるか。時間がなくてできなければ、来年度以降にきちんと使えるよう、今年は経営判断として使って良いが、来年度以降いかにきちんと計画して使っていくか。それが経営だ。それは、決算になるだろう。この議論をずっとやるのか。

不利益変更によって、一人ひとりの給与が、法人に貯められたもの

□副委員長 今回の7億円は、どこかから別に予算がついたということではない。我々の働いている給与が、不利益変更として、個別に入らずに、そのまま保留され、貯められただけのお金だ。法律的な趣旨から言えば、ある程度、人のために還元する、代償措置という形で戻すのが本来の筋だ。そういった立場から、どんなところに使われたのか、その内容を知りたい、ということだ。我々のお金だから、我々のお金がどこに使われたかが知りたい。それで聞いている。
 前回の交渉でも、部局分については各部局で案を出してもらい、とんでもないものに使わないかどうか、ある程度見た上で、OKとするということだった。それで、すでに時間は過ぎているだろうから答えられるだろうと考え、質問した。ところが、返事は前回と変わらない内容だ。むしろ、内容を把握していないとか、執行中なので様子を見ているといった話だ。要するに、部局が何をしようとしているか、精査をしていないということか。それとも、きちんとみた上で執行しようとしているのか。

一人ひとりに割り当てられたお金ではない

■理事 国から来る予算で、給与費に充てるということで積算されているお金はあるが、毎年給与改定をどうするか、という決定を待って執行している。申し訳ないが、我々のお金、というものではない。大学のお金であって。年度当初に、こういうことで使おうと考えているお金ではあるが、一人ひとりに割り当てられているお金ではない。大学という組織体を運営していくために、事業をしていくために、どうやって使っていくかについて、めどがないとできないので、そういうお金だ。個人の分が取られたから、個人に、という主張をするが、そもそもが、そういうものではない。

各個人の債権として確定していたお金

□組合員 労働契約によって、各個人の債権として確定しているお金が失われたという問題だと私は理解している。

必要な手続き

■理事 当然、給与条件というものは示しているのだから、それはある。それを、人勧をふまえて、給与改定というものを毎年行う。今回は下がったから、予定していたお金を使わないということで、そういうお金が出てくる。逆に、人勧で増があれば、給与改定でその通りやるということになれば、当然、増額部分を手当てしなければいけない。同じように、今回のことも、お金を吸い上げるという措置はないが、当然、余ったらどこかから出てくる、ということではない。自分の中で手当しなければいけない。それらをすべて踏まえて、お金の使い道を考えるということだ。それで、給与は労働条件として示されているから、本給減、ボーナス減についてはきちんと必要な手続きを踏まえて決定して、実施してきている。そのために交渉もしてきた。

部局に4.15月分しか渡さないのか

□副委員長 剰余金の扱いの話や、次期に繰り越せるかどうかの話があった。来年度から、どういった形で4月に予算が配分されるか。現行のままだと4/1時点で、今回決まった就業規則のままで給与分等を部局に渡すことになる。ということは、部局には、ボーナス分としては4.15月分しか渡さない、ということか。いわゆる剰余金としての配分はないということか。0.35月分は部局に渡されないということか。

1.8%減(内示)をふまえて検討中

■理事 今検討していると思う。当然、6年間が中期目標・中期計画期間として定められている。運営費交付金をどうするかについても現政権下で検討されている。前回の交渉で話したように、2010年度の運営費交付金の内示額は1.8%減だ。効率化係数、病院の経営改善係数はなくなったが、臨時的な減によって1.8%減ということだ。この部分も今回の政府案に限っての算定になっている。2011年度以降どうなるかわからない。2010年度の政府案ではそうなっているということだ。国会審議を踏まえて各大学の運営費交付金として出てくる。それを踏まえて各部局の人件費がどうなるかは、見通しが不明だが、財務担当のところで検討しているだろう。

8月以降、給与カットで浮いた“7億円”。はっきり区別できる。

□委員長 時間の制約があるのでこれは切り上げたいが、一つだけ言っておきたい。理事は、お金は仕分けされて下りてきているわけではないというが、組合で問題にしている7億円は、大学法人が人勧をほぼ受け入れて職員の給与をカットしたことによって浮いた人件費だ。それは、たとえば、昨年4月時点でははっきりしていなかったことだ。人勧前だから。臨時の人勧で5月、正式な人勧で8月だ。法人側がこれだけの人勧が出るだろうと織り込んでいないとすれば、8月以降になって初めて出てきた7億円だ。これははっきり区別できるものだ。それについて、これは一体どうなっているのか、と聞いている。これは、他のものとは区別して考えられる。今回はこれくらいにするが。組合が言っているのは、そういう7億円だ。

理解の土台が違う

■理事 理解の土台が違うので、おそらくかみ合わないと思う。

素朴な疑問に答えていない

□副委員長 説明責任を果たしていないと思わないか。働いている人達は皆ここを注目している。皆、ボーナスを減らされ、給与を減らされている。そのお金がどうなったのかという素朴な疑問にどう答えるのか。全然答えになっていない。

■理事 できるかぎり答えている。そうなっていないなら、反省しなければいけない。

□副委員長 中身を言ってもらえば良い。

■理事 今まだ執行中だ。全体を合わせて、大学のため、教育研究発展のためにどう使うかということで執行中だ。

予定した人件費が余った…

□副委員長 執行中だということなら、年度末がきたら、決算がきたら言えるのか。

■理事 決算がきたら言える。

□副委員長 言ってもらえるということか。

■理事 単年度のものは出る。

□副委員長 単年度で十分だ。

■理事 単年度で考えてはいけないと言っている。だから、そこが一番違う。たとえば、単年度で考えれば、状況によって変わる。事業によっては余るものもある。足りなくなるものもある。同じように、予定していた人件費は今回の給与改定によって余った。年度によっては足りなくなる時がある。その中でどうするかは、その後のことも含めて経営判断の世界の話だ。これだけはこうだからと色を付けて、その色の行き先を教えてくれということにはなじまない話だ。

今年度だけでは、つくれない。

■理事 こういったことに使いたいと努力しているのは、保育施設にせよ、余ったからといって今年度だけで作れるはずはない。使いたいとは言っているが、1年後、2年後、3年後といった話になる。そういう見通しの下で考えなければいけない。一方、今年度使える事業がある。回収できるとか、なくなるとか等いろんなことを踏まえて、きちんと余ったお金について、大学として考えなければいけない、ということだ。先行独法の例のように取り上げられると困る。今年度はとくにそのような状況の中で、こういうことにきちんと使っていきたいということを説明している。

はっきりした数値を

□委員長 これだけで時間をとるわけにはいかないので、これについてはこれで終わる。次に移る。年度末、決算がでた時点で、もう少しはっきりした数値を出してもらえることを期待している。

■理事 単年度の決算書は出ないが。

□委員長 要求項目3の回答をお願いする。

要求3.昇給・昇格を前倒しし、昇給枠・昇格枠を拡大すること。

“成績”反映なので“前倒し”は適さない。

回答

■理事 職員の昇給は、1月1日に、前1年間におけるその者の勤務成績に応じて、また昇格については、その職務の級に応じた級別標準職務表にかかげ級別資格基準表に定める年数に応じ、かつ、勤務成績が良好である者について決定しているところである。よって、勤務成績の実績があって反映されるものであり、期待度等を反映するような前倒しの制度は昇給・昇格には適さないものと考える。

“枠”はない。人件費管理、ポスト把握は可。

□委員長 前倒しというような制度は採れない、ということか。昇給枠・昇格枠の拡大についてはどうか。

■理事 前回の組合側趣旨説明の時に、こちらからの質問の中で話したが、枠というものはない。目安として人件費の管理があり、そこで現在いる人のポスト等が把握できる。昇給枠、昇格枠の拡大というような「枠」というものはない。

“7億”ある。昇給増、昇格増は可能。

□委員長 一般職員で2億4,000万円、教員で4億4,000万円が人件費のボーナスカット、給与カットで浮いている。理事は他と区別できないと言うが、事実としてこれがあるのだから、従来以上に昇給・昇格者を増やすことは可能なのではないか。枠がないということならばなおさらだ。

■理事 人件費管理は、国との約束事としてある。5年間で5%の減をしなければいけない。

□委員長 その5%ならば、はるかに超過達成しているはずだ。

9%は瞬間風速

■理事 瞬間風速的に9%だということは承知している。しかし約束事は平成18年度から平成22年度までの5年間で5%減だから、そこに向かって努力している。

【組合注】“瞬間風速”の推移

本学が法に基づき公表している人件費削減率(補正値)は、2005年度を基準として2006年度は5.2%、2007年度は7.9%、2008年度は9.1%。つまり、目標はつねに超過達成しており、その超過幅は拡大してきている。

http://web.bureau.tohoku.ac.jp/kohyo/koho/yakuin.htm

平均1%になるように

□委員長 東北大学は超過達成している。

■理事 5年間で5%減ということが約束事だ。最後の年だけ下げれば良いというものではないので、ある程度の目安を立てて、平均すれば年1%になるようにやってきている。しかし、教員のところが、なかなか、計算や目安に従うことが難しい。それで9%だ。以前の交渉で随分説明した。約束事は最初から5年後に5%ということだ。

□委員長 だからすでに超過達成している。

本当に“後年度負担”がつづくのか

■理事 前倒ししてたくさんの人を早く昇給させたり、昇格させたりすると、後年度負担という形でお金がかかってきてしまう。しかも、単に平成22年度だけの問題では済まない。その人がいる間ずっとかかってくる。大学全体の人件費にかかってくる話だ。これも全部今までに話してきたつもりだ。

【組合注】前回1/20の交渉では

 昇給は毎年1月1日の1回だけなので、2年分の昇給を前倒しして次の1年分は昇給なしとすれば、前倒ししている1年間だけ法人の負担が大きくなり、いわゆる後年度負担とはならないことについて双方の理解に達していた。 1月20日団体交渉報告

楽勝ではないか

□委員長 現在の時点で、目標年度の終了までまだある。

■理事 22年度だ。23年度も同様に努力するよう閣議決定されている。

□委員長 東北大学では達成が危ぶまれているのか。楽勝ではないか。

“教員”は、結果を見ないとわからない

■理事 わからない。部局の運営ということで、教員人件費のところが不確定要素としてある。その結果としてそうなっている。教員以外はある程度、本部で管理しているので、きちんと目安に沿って、約束が果たせるようにしてきているが、部局の部分は、部局ごとに状況が違い、その積み重ねだ。ふたを開けてみないとわからない部分がある。

□委員長 納得したわけではないが、要求項目4の質疑に進む。

要求4.不払い残業をなくすため、管理監督者の責任で、所定終業時刻に業務を一旦中止し、必ず超勤命令を出した上で残業させること。

これからも“自己申告制”を基本に

回答

■理事 所定外労働の把握管理については、今後とも自己申告制を基本にその適正な運用を図ることとする。

超勤した人に払うのは当然。増員はできない。

□委員長 これは、当然のことだと思うが、このように本部でも各部局でもやる、ということか。

■理事 残念なことに、これまで労働基準監督署から指導を受けたり、勧告を受けたりして、その度に、お金の精算をしたり、いろんな取り組みをあらためて徹底したりしてきた。我々の認識としては、そういった積み重ねがあるので、不払いはないものと思う。超勤したらきちんとお金を払えと言っている。超勤した人にお金を払うのは当然だと徹底している。きちんとやってもらっていると思っている。
 その上で、しかし本学の業務は非常に忙しくなっている。人も、なかなか、人件費の抑制があって増やせない。仕事の整理は別途すすめなければいけないし、それは努力しているが、基本的に超勤そのものはなくせない。しかし、一人の人、一つの係に負担が生じないようにとか、時間外労働が、少なくとも昨年を目安としてそれより増えないように、いろんな取り組みをしている。今後もきちんと把握、管理していきたい。

仕事の配分、考えなければいけない

□委員長 そもそもこの問題が発生しているのはどういうことなのか。理事は、是正しなければいけないと考えている。しかしそうなっていないとすると、中間管理職の問題か。

■理事 いろんな事情があるだろう。簡単に明日から是正されるというものではなく、人の意識の問題もあるので、時間がかかるだろう。しかしそう言っている状況でもない。きちんとやってほしいと話している。一番問題だと思うのは、課全体とか、部局の事務組織、それが最小単位だ。そこで一人の人、一つの係に仕事が集中していたら、当然、仕事の配分を考えなければいけない。あるいは、一つの課に仕事が集中していたら、今度は部長が、課の間の仕事の配分を考えなければいけない。部全体についても同じ。司、司の問題だ。係長にせよ、課長補佐にせよ、課長にせよ、自分のところの部下を見て、自分自身も含めて、一人一人が気をつけていかないと、なかなかなくならない。

“休めない"のだから“増額"一本で

□委員長 このことに関連して、労働基準法改正によって、今年4月から月60時間を超える残業をした場合に、超勤手当の割増率を50/100以上にしなければいけない。今年の4月からではないか。

■理事 今年の4月からだ。

□委員長 間もなくのことなので、当然、法人側でも就業規則の改定を考えていると思う。昨年、組合からきちんと150/100にせよという要求を言っていたが、これについてはどうなっているか。

■理事 原案はできている。関係の手続きをしている段階だ。きちんと4月1日から実行できるように、手続きにしたがってまた相談したい。

□委員長 これにはいわば逃げ道がある。逃げ道というのは、60時間を超えた場合に、休暇を与えるという形で行っても良いということだ。それを本学のように、年休が十分に消化されていないところでやってもほとんど意味がない。150/100という手当の増額一本でやってほしいという要求だ。

“改正手続きの中で"相談する

■理事 それについてもすでに意見は聞いているので、それも含めて原案をつくっている。原案ができてから、就業規則の改正という手続きにしたがって相談する。今言っても時間がもったいないので原案を見てからの方が良い。

□委員長 いつぐらいに決まるか。

■理事 すべて含めて、3月末には決定しなければいけない。

要求5.教員
(1)助教の待遇を改善すること。
・たとえば本給調整額の適用について、助教を「大学院研究科等の博士課程を担当する者」(調整数2)に位置付けることなど。

“部局判断"で大学院担当。“一定要件"満たせば、調整額支給。

<回答>

■理事 助教の本給調整額、調整数2については、各研究科の判断において大学院担当を命じており、一定の要件を満たしている場合に支給している。

“ある"けれども“言えない"とは

□委員長 現在は、助教には調整数1が適用されていると思う。現在、調整数2を適用している事例はあるか。まずこの辺から教えてほしい。

■理事 ある。

□委員長 それはどの部局か。

■理事 大学として、事実として、ある。

□委員長 どの部局か、その数等はわからないのか。

■理事 把握しているが。

□委員長 組合の方では、調整数2が適用されている助教はいないのではないかと思っていたので、それではおかしいのではないかと思い、要求を出している。どこかわからないのか。あると言われても。たとえば理学研究科はどうか。

■理事 私の立場で、このことについて、この場で答えていいかということが、わからない。

細則+部局判断

□委員長 隠すようなことではない。

■理事 隠すようなことではないかもしれないが、制度や考え方は、事実や方針なので言えるが、具体的に増員がいくらあるか等は、各研究科できちんといろんな判断をしてやっていることだと思う。各研究科でどんな人に大学院研究科を担当させるかを判断していると思う。その判断してやっていることが、きちんと細則で決められている内容とあっていればお金を払っているということだ。私自身がやっていることなら、たとえばこの課でやっている、等と回答するが、この場では言えない。

細則=「“大学院担当"を命じられた者」のうち「“博士"課程を担当する者」

□委員長 調整数2は、修士課程ではなく、博士課程の担当ということか。

■理事 「国立大学法人東北大学本給の調整額支給細則」で、そこで調整数2については、「教授、准教授、講師又は助教で大学院担当を命じられた者のうち、大学院研究科等の博士課程を担当する者」と定められている。この通りだ。

博士論文審査委員、授業担当で、調整数1?

□委員長 ほとんどのところでは調整数1が適用されている。たとえば、理学研究科では、助教が博士論文の審査委員の中に入っている。授業も担当している。それにも拘らず調整数1しか適用されていない。そのような助教があるので、大学の方針として、調整数2は助教には適用していないということなのか。

実験等、実質的に指導している場合

□委員長 そうでないならば、きちんと、たとえば博士論文審査委員になっているとか、講義を担当しているとか、あるいは講義の担当というように表面には出てこなくても、実験指導等で実質的に指導している場合も非常に多いので、そういうケースには調整数2をきちんと適用せよと、本部から指導があってしかるべきではないか。

単位数等の“一定の要件"は部局ごとの判断

■理事 この支給細則では、大学院担当を命じられた助教で、実際に研究科等で博士課程を担当する者ということだ。その中で、一定の要件というものは、それぞれの研究科でおそらく設けていると思う。単位数等々の要件は、細則のもとでの、部局ごとの判断だと理解している。

□委員長 わかった。各部局での判断だということだ。

■理事 細則の下で、だ。それは、細則を逸脱しているとは思わない。

【組合注】人事部長通知、“留意事項"

 2009年1月21日交渉での法人側回答は「助教の本給の調整額については、平成19年5月16日付の人事部長通知(大学院研究科を担当する教員及び大学院の学生を指導する助教の取り扱いについて)にもとづく一定の要件を満たす場合に支給しており、これにより対応する」だった。この人事部長通知が示している様式の“留意事項"に指導教員、授業時間数が記されている。今回の理事回答は、“留意事項"は“部局の判断"をしばらないということか。

本部は、運用・要件を決めていない。部局が、細則のもとで判断する

□委員長 そうすると、本部の方でああしろこうしろとは言えない。むしろ部局の実情に合わせて部局で判断せよということだと考えて良いか。

■理事 もちろん、細則を守りなさいということは、規定の話だからそれを守りなさいということだ。実際に、細則の範囲で運用、要件というものがあると思う。決めていないので。細かい要件について、みんなの合意として決めてあれば、やっている人がいるのに払っていないということならば、きちんと払いなさいという話になる。このことについては、先ほどいったが、なかなか回答できない部分だ。

□委員長 本部としては、むしろ部局の判断に任せているということだと、そう考えて良いか。

■理事 細則の範囲で、細則を守るという中で、部局の判断に任せているということだ。

部局名も、部局数も答えられない。

□委員長 そうすると、やはり、実際に出している例があるということならば、どこの部局か教えてほしい。

■理事 部局によって、ひょっとすると、取り扱いが違うかもしれない。

□委員長 複数の部局か、あるいは単独か。このくらいなら答えられるだろう。部局に一人しかいないとか、複数いるとか。

■理事 それも含めて、今は、あるというだけで、あとは言えない。

□委員長 きちんと規定に則ってやっていることだから、別に隠すようなことではないと思う。固有名詞で言ってくれということではない。部局としてはどこか。

■理事 言えない。

調べて教えてほしい

□委員長 それでは、あるのならば、後で調べて教えてほしい。あるという話を聞いていないので、私は、ないはずだと思っていた。あると聞いて驚いた。

■課長補佐 研究科から、5/末の時点で報告が出ているので。

□委員長 わかった。あるということですね。各部局の実態について、私は経済学研究科なので、助教がいないので実態がわからないが、他の部局の助教の実態について、この点について意見があれば言ってほしい。

仕事は増え、責任は大きく

□支部委員長 理学研究科だ。本日は調整数だけの話だが、本来ならば給与体系としてきちんと変えてほしい。すでに助手から助教になって実質的に職務内容の規定も変わってきている。それは、もともとやっていたことを公に認めてもらっているということと、実際に仕事として、責任として増えているということがある。たとえば学部でいうと、これまでは実験や実習科目しか担当していなかったのが、正規に講義を担当することができるようになったし、実際にそういう状況がたくさん増えている。それは仕事が増え、責任が大きくなっているということだ。そういう状況の中で、まったくこれまでと給与が変わらないのはおかしいと思うが、これについてどう思うか。

全国どこでも同じ給与表。それで良いのか。

■理事 学校教育法が改正されて、それまでの助手を、助教と助手に分けた。教育指導を担当させることができる人は助教にして、そうでない人は助手にするということで職を分けた。その時に、本学の助手についても振り分けがされたのだと思う。
 給与表については、全国立大学法人共通だが、どこでも同じ給与表を使っている。助教が新設されたからといって、助教の給与表を新設するということはされていない。

□支部委員長 それが良いと思っているのかと聞いている。仕事と責任を増やしておきながら同じ給与にしておくことが正しいのか、ということだ。

頑張り具合ならば“勤勉手当"

■理事 仕事の重さについて言えば、同じ准教授でも人によって違う。人の頑張り具合は、勤勉手当によって措置するのが原則だ。

□支部委員長 頑張り具合のことを言っているのではない。義務としてどうかということだ。

“職の義務"として、差はないか

■理事 職としての義務だ。給与表は、助教と助手の間に違いはない。あとはその人の経験や実績等は勤勉手当ということだ。

□支部委員長 普通、ヒラ職員から係長になれば給与は上がる。

■理事 助教と助手の間にそういう差はないということだ。

□支部委員長 我々はあると考えている。これまでの助手はしてはいけなかったことが、できるようになった。責任が大きくなった。やれる範囲が増えた。

■理事 もしそれが全国のみんなの思い、認識だったならば、学校教育法を改正した段階で、待遇についても違いを設けるという改正がされたと思う。

待遇改善するか、政府に意見を

□支部委員長 大学としてはどう思うのか。我々は、差がある、仕事に差ができた、実際に仕事が増えていると思っている。それ相応の対応をしてほしい。大学ではできないということならば、文科省等に対して、どうして上げないのかと文句を言ってほしい。
 それで、今回は、その本来の要求をかなり譲歩して、せめて調整数でなんとかならないのかという質問をしたら、先ほどのような回答だ。

“主任指導"“年間2単位以上"

□支部委員長 一例だけあげる。理学研究科もそうだが、細則の下の運用規定といえばよいのか、博士課程担当の場合には、主任指導があればそれで調整数2がつく、主任指導をしていない場合には、講義の担当として年間2単位以上をもっていれば調整数2を付けて良い、ということだ。

3年で16単位、1年で6単位未満。“3人で指導"なら“1人当り2単位未満"

□支部委員長 これで、助教、准教授、教授全員に調整数2がつくか、というと結構難しい。なぜかというと、博士課程の単位数は3年間でトータルで20単位をとれば卒業できる。一般の講義以外に、セミナーとか、博士論文を書くための指導を受けることで16単位だ。1年にすれば6単位未満になる。一つの研究室に教授、准教授、助教の3人がいると、平均すると一人当りで2を割る。

博士課程の学生の面倒を見ているのに

 ということは、研究室では常にそこにいる教員がみんなで面倒を見るが、それ以外に博士課程の講義をもっていないと、あるいは主任指導として指導教員になっていないと、年によっては2単位という条件を満たすことができず、先ほどの細則云々を厳密に適用すると多くの助教には調整数2を付けたくても付けられない年が出てくる。それは、我々としては、実態としては博士課程の学生の面倒を見ているのに、こういう規定にしばられることによって、調整数2を付けてもらえないという状況になってしまう。このことを説明しておきたい。

柔軟な運用

□委員長 私や理事のような文系にはよくわからないことなので、ややピントがずれるかもしれないが、そのような細則の運用がある。運用について各部局でもっと工夫して、助教の待遇改善につなげられるようにすべきだと考えている。
 その時に、今の例のように、複数の教員で担当しているという場合、複数の教員で単位数の割り算をする。しかし、博士課程は取らなければいけない単位数が非常に少ない。経済学研究科の場合、3年間で8単位だ。理学研究科が20単位と聞いて随分多いと感じた。そうなると、教授や准教授でさえ、自分のところにドクターコースの学生がいないと要件を満たさない可能性がある。しかし教授や准教授は、全員、調整数2は最低でもついているはずなので、各部局の運用が働いているのではないか。教授、准教授の場合でもだ。だから、同じ運用を助教に対しても、しても良いのではないか。本部の方で、細則の下の運用については、実態をほとんど反映していないと思うので、柔軟な運用ができるように、各部局に通達を出すくらいのことをしてほしい。もう少し、助教の待遇を改善しようということだ。

■理事 今日、皆さんのおかれた状況について聞いた。各部局で単位数の違いもあり、複数担任といったいろんな仕組みが違うのだろうと思う。大学の規定というものは、教員の場合は、最大限のところで、あるいは最小限のところでルールを定め、あとは学問の性格の違い等があるので、各部局でうまくいくように定める、という定めかたが多いと思っている。教室だけのことなのか、部局全体のことなのか、専攻のことなのか、各部局共通のことなのか、その辺をはっきりした形で要求してもらわないと、ここがこうだから、全体をこうすべきだというところにはなかなか進まない。
 実態調査がどうかといえば、わからないが、あるいはなじまないかもしれない。それは、待遇改善で、助教も大事だが、助手も大事だ。本来ならば全部やらなければならない。しかしやれないといういろんな状況があり、このように責められている。どうやっていくのかということは、もう少し互いにつめていかなければならないのではないか。本部でできることと、できないことがある。簡単に通達を出せというが、通達だって責任をもって出さなければいけないので、簡単ではない。

助教と助手は仕事の内容が違う

□委員長 もちろん助手が大事でないとはいっていない。しかし、学校教育法が変わって、助手と助教は仕事の内容が違う。そのことを言っている。

■理事 それはわかる。

研究科長等と助教で

□委員長 だから、こちらは調整数を1から2に引き上げれば、待遇改善につなげることができるので、考えてほしいと言っている。そうすると、今の理事の話によると、まずは、各研究科長なり研究所長なりと、助教の間で少し話し合いをした方が良いということになるのではないか。

■理事 これは個人的な感想だが、まずはそれぞれのところでそういう話し合いを持った方が良いのではないか。それぞれ状況が大きく違うのではないかと思う。場合によっては、同じ部局の中でも。

□委員長 それでは、この件については、まず各部局の研究科長なり研究所長なりとの間で少し話をつめてから。

■理事 あるいは専攻長なども。

(2)教員の定年を65歳まで延長すること。また給与水準の維持に努めること。

定年延長、給与3割減の大方針は決定

<回答>

■理事 教員の定年年齢を65歳に引き上げること、その際64歳以降の給与水準を3割減とする大きな方針については決定しているところである。

3割減なら75%未満。高齢者雇用継続基本給付金の活用は?

□委員長 雇用保険法に「高齢者雇用継続基本給付金」という制度がある。これは満60歳の時の給与と比べて、定年延長なり再雇用なりで給与の額が75%未満にまで下がった時には、雇用保険から補填してもらえるというものだ。

■理事 知っている。

□委員長 先ほどの話では、部局長連絡会議に出した資料では、教員の給与が68%ぐらいになるということだ。

■理事 人によって違う。3割程度下げるということだ。

□委員長 3割減ということは7割ということだ。実際、下がるということ自体に納得はしないが、もしそうなってしまった場合に次善の策として、7割ということは75%未満なので、5%の差額については、雇用保険法の高年齢者雇用継続基本給付金の適用を受けることができるのではないか。

■理事 要求項目の「給与水準の維持に努めること」との関係がわからないが、定年延長はする。また給与水準は3割程度下げる。

□委員長 3割カットということで、75%とは25%カットのことなので、基本的に75%未満になるという理解だ。7割では5%の幅がある。その5%について、雇用保険法の高年齢者雇用継続基本給付金の適用を受けることができるというように法人側は考えているのだろうか、ということを聞いている。

64歳以降、本人の“手取り"で3割減

■理事 数字については、法人が払う保険のことや、教員が受け取るお金のことなどいろいろある。今回の案は、教員に示すものなので、3割下がるというのは、教員の手取りが、64歳以降、税込みで3割下がるということを言っている。法人としてお金がどれだけかかるか、個人個人で税金がどれだけかかるか、給付金がどれだけになるか、等は別の話だ。今は、大きな制度設計をしている段階の話をしている。再雇用にするか、定年延長にするかから始まり、定年延長にしたらその分人件費がかかるので、その分をどうしたら良いかというような話だ。大きな話をしている。

調べて答えてほしい

□委員長 即答できないのであれば、調べて答えてほしい。

■課長補佐 調べる。

再雇用と定年延長で“給付金"適用は違うか

□委員長 一般職員の再雇用の場合には、この高年齢者雇用継続基本給付金が適用されているのではないか。

■課長補佐 適用されている。

□委員長 教員の場合も、もし70%となるということならば適用されるのではないか。

■病院事務部次長 再雇用と定年延長では、仕組みが違うので。

□委員長 調べてほしい。

【組合注】一般職員(再雇用)への高年齢者雇用継続基本給付金の支給(※下記人事課hp参照。学内アクセス限定)

“ボーナスなし=全学の役職免除"か?

□副委員長 3割カットの中身は、賞与をほぼ全面的にゼロとするということか。これは、どういう意味か。64歳以降で、職務内容的に変わるのは全学の役職は行わないといったことで、しかしたとえば、研究教育はほぼ63歳以前のものを引き継ぐという形でよろしいですね。となると、賞与、ボーナスをゼロにするということは、相当の額になる。それが何に見合っているのかと言えば、やらなくなった業務に見合っているということか。

使用者側の“一年半"の議論。勉強しないと質問できないのか

■理事 これは、一年半以上かけて検討してきたことだ。その積み重ねがこうなった。先生方も、部局長連絡会議でも説明してきたのに、そういうところがもう少し改善されればいいのだが。そこにいたる経緯が理解されず、結果だけ見て、そういう見方もできるといった意見をもらうが、これまでいろんな選択肢があって、結果的にそれが一番いいということで出てきた話だ。それを最初からすべて説明せよと言われたら大変な時間がかかる。

□副委員長 なぜここでは経営的判断と言わずに、人のせいにするのか。

■理事 勉強してほしい。これまで隠さずに会議でも説明してきた。この場で、2〜3分くらいでそれを全部説明せよと言われると困る。それを全部踏まえた上で、ここのところは全学的にみておかしいのではないかと言われるのならわかる。

“最近"の話ではないか

□副委員長 定年延長にするか、再雇用にするかは、ほんの数ヶ月前に決まった話だ。

■理事 そうだ。

□副委員長 給与の3割カットというのはその後の話だ。何も何年分もの説明を求めているわけではない。今ここで定年延長をするにあたって、そういう解釈で良いかということだ。

3割カットが発端?

■理事 だから、違う、ということだ。全部絡んでいる。再雇用にするか、定年延長にするかはそこから始まった話だ。

□副委員長 たとえば地方大学でも。

■理事 時間がもったいないので、組合として全部勉強してきて、ここがおかしい、という話をしてほしい。

“全員対象"のため“ボーナスなし"?

□委員長 一般職員の場合には再雇用制度にしているが、その再雇用制度では、賞与を支給することになっている。しかし、今回の教員の定年延長では、賞与をゼロとするという案だ。このように取り扱いが違う理由はなぜか。

■理事 再雇用と定年延長は全然違う。再雇用の場合は希望者が対象だ。定年延長の場合は全員対象だ。

□委員長 再雇用と定年延長の違いは良くわかっている。

授業も指導もするのに

■理事 定年延長の制度にする時に、人件費がかかり、その人件費はどこからも来ないことから、4つの観点がある。(1)若手の採用・昇任等へどのように影響するか。(2)教育研究の質を少なくとも低下させてはいけない。維持、向上させなければいけない。(3)人件費への影響。(4)大学の競争力だ。

□委員長 研究室は別につくる必要はない。定年延長した後も授業も担当し、大学院生の指導もする。だから新しい教員を雇う必要もない。

■理事 それについては、これまでもたくさんの議論があって、結果的にこういう大方針になっている。研究室の話についても部局によってずいぶん話が違う。3割カットについては、若手のためには必要だということだ。

なぜ“ボーナス100%カット"なのか

□委員長 いまはカットの是非を言っているのではない。カットする時に、月例給もボーナスも全部3割カットという方法もあるのではないかということだ。

■理事 わかる。それも含めて検討した結果の大方針だ。

□委員長 その理由を教えてほしいと言っている。

■理事 どれだけ下げた場合に、部局の教育研究の質を低下させないようにできるか、それは何割かということで、全部局の意見を聞いて立案した。大きな部局と小さな部局では状況が違う。

□委員長 3割か2割5分かということを聞いているのではない。3割カットだとしても、ボーナスをゼロにして3割カットという方法と、月例給もボーナスも一律に引き下げて3割カットという方法もあるだろう。しかし今回の法人案は、ボーナスをゼロにして年間給与を3割カットするという案になっている。なぜそういう方針をとったのか、ということを聞いている。

3つの選択肢…

■理事 いろんな理由がある。たとえば、新しい俸給表をつくるのは大変だ。単純に本給表をそのままにして3割カットというのは大変なことだ。

□委員長 年間で考えるのだから、同じだ。

■理事 毎月教員に給与を支給する事務も大変だ。いろんな手続きもある。

□委員長 事務のことを心配したのか。

■理事 事務のことではない。本給表とボーナスを含めて3割減だとすれば、定年退職の際に教員の退職金がどうなるか。その時点で、国の積算にどう影響するか。いろんな話がからんでくる。

□委員長 再雇用でも同じではないか。

■理事 再雇用と定年延長は違う。

□委員長 それはむしろテクニカルな話か。

■理事 そうだ。3割カットの話をする時に、大学にとっても教員にとってもどれが一番良いかについて、3つくらいの選択肢から決めた。今委員長が言った内容も、その選択肢の中に入っていた。

【組合注】“賞与なし"は今年1/19案が最初。選択肢ではない。高年齢者雇用継続基本給付金を活用する選択肢はなかったのではないか。

2009年 2010年

(3)教員に適用している専門業務型裁量労働制のみなし労働時間を8時間とすること。

8時間とすべき“合理的根拠"はないか

<回答>

■理事 教員の裁量労働制の見なし労働時間は、労使協定により、本学職員の所定労働時間と同じ7時間45分と定めている。8時間とすべき合理的な根拠もなく変更することは考えていない。

要求6.事務職員
(1)業務に必要な人員を配置し、長時間労働を縮減すること。

“努力"している

<回答>

■理事 業務に必要な人員は配置するように努めている。また、長時間労働は、業務改善を行うなど、縮減の努力をしている。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(2)昇進における男女の格差を、数値目標をもって是正すること。

数値目標、考えていない

<回答>

■理事 事務職員については、順次、登用試験の導入を進めてきており、その判定に際しては、当然、男女の区別なく行っている。当人の能力・業績・意欲等により適材適所で役職に付けるものであり、数値目標を設定することは考えていない。なお、近年、女性の係長以上の登用は増加してきている。

□委員長 努力するということは当然だと思うが、数値目標を掲げるということはできないのか。

■理事 数値目標の設定は考えていない。私もそういう意識はもっているので、事実として係長への登用は非常に増えている。教員とは異なり、採用者でいうとむしろ女性の方が多いのではないか。

□委員長 私自身が事実を把握しているわけではないので、今の回答で納得したわけではないが、とりあえず次に進む。

要求7.技術職員
(1)総合技術部として専門技術修得のための研修費を確保すること。

努力する

<回答>

■理事 専門技術修得のための研修については、その内容の改善とあわせて、費用の確保についても今後とも努力する。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(2)技術職員の級別昇格基準、級別定数(とくに5級・6級)を明らかにすること。総合技術部副部長は7級以上に格付けし、以下順次、昇格改善を図ること。

(3)技術職員の研究教育の中での位置付けを明確にし、標準職務表および本給表を新設すること。

職務表“検討"。本給表“考えていない"

<回答>

■理事 (2)(3)合わせて回答する。昇格については、これまでも勤務成績の実績等を考慮し、適切に反映させている。また級別の標準職務表については、今後、総合技術部運営委員会において検討を進める予定であるが、本給表の新設については考えていない。

技術6級は“3"→“0"?

□執行委員 技術職員の平成22年1月1現在の1級〜6級までの級別現員数について、人事課から回答をもらっている。それによると、6級は現在、東北大学の技術職員の中にはいない。技術職員の現数は379名ということだ。事務職員の現数は何人いるか聞きたい。

部長を増やすのか?

□執行委員 2008年3月13日に、事務部門の再構築検討タスクフォースが出されて、部局長を9から4に減らすという人件費削減を打ち出している。ところが、今年1月29日に「部長への内部登用について」というものが出されている。ここには、部長職を10にすることを検討するとある。この時点で、以前9だったものが1増やして10になったということだ。技術職員では、かつて2007年には6級が、私が知っている中でも、3人いた。
 事務職の方では、部長・課長以上の職が増えているが、技術職員の方では、6級は今もいないし、これからもどうなるかわからない。なかなか先が見えないという状況だ。このことはやはり事務職と技術職との給与の格差を表しているのではないか。昨年、技術職の採用試験に合格した人の中に、部局と施設部等との両方を見て、施設部の方に応募した人がいる。その人がなぜ施設部の方に応募したかというと、教室系技術職員では将来性が見込めないからだということだ。昨今、法人化移行、大学院卒業者もたくさん応募しているが、将来6級にもなれない形での給与体系に技術職員というものがあるとすれば、応募者はどんどん減っていく、あるいは興味のない職場になっていくということになるだろう。

5級、6級、7級の昇格基準は?

□執行委員 4級の技術専門員への昇任基準は8項目ある。人事課からいただいた。5級の昇格基準はどうなっているのか。5級には現在11名しかない。また定数というものはない、ということだが、昇格基準は、4級とは異なりどのように考えているのか。
 副技術部長になっている人は現在5級だが、今後6級、7級へと昇格させてほしい。その時に、6級、7級の昇格基準をどう考えているのか。

【組合注】8項目

  1. 職務に関連する技術系の国家資格試験(大卒程度以上)に合格した者、
  2. 特許取得等の独創的な技術開発を行った者、
  3. 学会賞等を受賞した者、
  4. 科学研究費補助金等の公募採択型の各種助成金を受けた者、
  5. 修士以上の学位を有する者、
  6. 学会等において職務に関連する論文発表等を行った者、
  7. 職務に関連する著作を発表した者、
  8. 技術職員研修会等において講師の経験を有する者。

問題解決のための総合技術部

■理事 技術職員のキャリアプランも含めて、今、いろんな問題が起きていることは、タスク報告書の中に盛り込んだ。それを踏まえて、各部局に任せていては改善することは困難だと考えられたので、総合技術部ができた。
 総合技術部の中で順次、研修も含めてそれについて検討しているが、標準職務表についてはまだ今後検討を進める一つの項目ということになると考えている。

900人中、5級は何人か

■理事 具体的な数字の照会があったが、私も橋本先生の後、技術部長を拝命したが、率直に言って本学の技術職員は、他大学の技術職員よりも大事にされていると思う。人数が事務職員より少ないのではないか、という指摘があった。数字としては、技術職員379に対して事務職員は約900名という数字だ。

□執行委員 その約900名の中に5級以上の人は何人いるのか。

■理事 今すぐは回答できないが、事実の照会であり、隠すような事実ではないので後で回答する。

かたや5級、かたや8級

□執行委員 東大では、490名中6級は3人、5級は27名いる。運営費交付金のマイナスもあるが、このようにきちんとやっているところもある。中には研究職の1級に移ったという大学もある。技術職員の大学における貢献という意味では、教員と技術職員と事務職員の三者ともの努力によって成り立っているので、その職分をきちんと認識して、せっかく総合技術部というものができているので、その技術職員のトップに立つ人を6級、7級という形にもっていくポスト作りをしないと、これから入ってくる若い人達が、将来性のない、実質役に立つことをしているのに「お手伝い」といった、魅力のない職場ということになる。事務職員と技術職員で、同じように大卒で試験を受けて採用されている。それなのに、かたや5級にもいけなかったり5級止まりだったり、かたや7級、8級までいけるというのは明らかにおかしい。

■理事 それはやはり勤務の実態が肝心だ。成績が適切に反映されるべきだ。

□執行委員 勤務の実態というが、そのように法人がつくっているからだ。

職務表、見直さなければいけない

■理事 法人化しても同じように進んだのだろう。だから職務表については見直さなければいけない。その時に、いろんなことを調べて、どうするのが適当かということを、技術職員の方も実務者会議に有力メンバーとして入っているので、先生方もメンバーに入っているので、その場できちんと議論すべきだ。

部長を増やすのではない

■理事 事務の部長職の話があった。部長登用試験については、その分、部長ポストを増やすということではない。どの人を部長に就けるかという時に、これまではこのような仕組みはなく、こういう人がいる、ということで、公正性、透明性というようなものがなかったので、係長以上からしだいに導入しているが、部長についても必要だということで、部長の資格はあると思われる人がいる時に、実際にその人を部長に就けるかどうかは、その人の経歴や能力、あるいはたまたま空きポストのある年度である等。それは課長登用試験も同じだ。そこからしか就けないけれども、載ったからと言って必ずしも保障できるというものではない。

人事部長、職員課長の廃止

■理事 部長についても、私自身厳しい発言をしているので、人事部長をなくした。本来は人事課長と職員課長がいて、人事部長もいた。理事がいて、部長がいた方が私は楽だが、お金がない時に、また、部局にもいろいろお願いをしている時に、それはだめだという判断で、人事部長をなくした。
 職員課長についても、本来、組合担当の職員課長がいた。本来それとは切り離した形で人事課長がいるべきだと思うが、それをなくして人事課長にがんばってもらっている。
 そのように、ポストはあるが、そのポストに配置していないというところはある。復活させるのは大変なので空けているというところと、人事部長のように廃止したところがある。
 だから事務が過去の枠をぬくぬくと大事にして、そこに留まっているというわけではない。本学の技術職員が、他大学と比べて不当に低く評価されているということはないと思う。職員の削減率についても、事務職員の方が削減率は高いのではないかと思う。皆同じだ。人事評価についても研修についても、総合技術部として今後検討していくことだ。
□執行委員 評価と研修については、総合技術部から全技術職員にアンケートを行うので、それについて十分検討してほしい。また、標準職務表を検討してほしい。

将来どこまでいけるか

■理事 先ほど採用の話もあった。技術系職員の人で教室系と技術系の両方が受かったという人がいたのか。教室系にではなく、施設系に行ったのか。

□執行委員 両方受かって、施設系に行った。

■理事 施設系は、自分で先生と一緒に何かやるというよりも、将来的には、東北各地を回って、管理の仕事でより大きな仕事ができるようになる、教室系は自分の好きな研究ができる、ということは言っていた。

□執行委員 頭の中では、将来のポストがどこまで行けるかということが、相当決め手になったはずだ。

評価、研修がどれだけうまくいくか

■理事 それはあると思う。総合技術部長も教員が適当だという判断もあり橋本部長だったと思う。我々にも任期があり、3月までの残任期間を新しい人に担当してもらうよりも、副部長だった私がした方が良いということで部長をしている。将来的には、教員が就くべきポストなのか、事務系が就くべきポストなのか、あるいは、技術職員がなるかもしれない。それはわからない。それは評価なり研修なりがどれだけうまくいくかという中で全体の了解の中で決まっていくことだ。そのための検討項目や意識は、総合技術部の中で持っていると思う。わからないところもあるので、話を聞きながらやっていきたい。

キャリアパス、職務の検討を

□支部書記長 その会議の中でも新入職員が入らないということが表でも示されていた。その根本に、技術職員のキャリアパスの問題や、職務の問題がある。総合技術部ができたのだから、そこを一番検討すべきなのではないか。

自分の部署だけでなく全体のことを

■理事 問題意識としてもっている。内定者懇談会や初任者研修にも、技術職員にも入ってもらい、1回目は全体に共通した大学の状況などについて行うが、2回目は、技術職員の人に自分の配属先だけではなく、他の部署も回ってもらえるよう今年から工夫・改善している。また、新採用者に対して、事務を含めて、キャリアプランセミナーを始めたが、病院、技術、図書等々それぞれの担当者から説明してもらっている。自分の部署だけでなく全体のことを知る必要があると考え、新採用者から始めている。

任期内の改善を

□委員長 総合技術部のことについては、今日は技術職員の生の声を聞いたので、あと1ヶ月か2ヶ月の間に、ぜひ頑張って改善してほしい。

(4)技術職員の人事評価は、評価者の選定・評価者訓練について専門性をふまえたものとし、評価結果は本人に文書でフィードバックすること。

状況ふまえ改善する

<回答>

■理事 人事評価については、実施状況を踏まえて改善することにしている。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

要求8.病院職員
(1)病院の稼働実態にみあった人員増および適切な人員配置を実現すること。
・年次有給休暇を20日消化できる要員を確保すること。

年休消化50%

<回答>

■理事 本学の病院における平成20年度の年次有給休暇の取得率は50%となっている。要求の事項については、病院の経営状況等を踏まえ対応していきたいと考えている。

7:1基準、満たしているか

□委員長 必要な看護師数を確保してほしいという単純な要求だ。組合の試算では、現在の看護師の数は、いわゆる7:1看護を満たせるような状況ではないのではないかと、たいへん不足していると考えている。

■病院事務部次長 7:1看護体制について厚生労働省告示で決められた数は満たしている。

□委員長 満たしている、ということか。

■病院事務部次長 そうだ。満たさないと算定できない。

□委員長 その根拠は何か。

■病院事務部次長 厚生労働省告示だ。

7:1対応は586名、全体で約1020名

□委員長 わかった。組合で把握している数値では、現在の看護師数は586名だ。誤差はあるかもしれないが。これは良いか。

■病院事務部次長 それは、7:1看護に対応する看護師数ということだ。看護師は全部で1,000人以上だ。約1020人いる。7:1看護ということで、その病棟によって、手術部であったり、材料部であったり、救急部であったり、全部基準が違う。7:1看護を実施している看護師数が586名だということだ。それで基準を満たしている。

□委員長 私は、現在の看護師数が586名という数値をもっている。これではなく、1,000人以上いるということか。

544名で十分か

■病院事務部次長 586名の算定だけ言えば、今の患者が来院している稼働率から言えば544人ぐらいで十分回せる数だ。だから、少々休みが出ても回せる。ただ、看護師が言うように、病棟ごとの差はある。忙しいところ、忙しくないところがある。それについては、病院全体で看護師数を算定することになっているので、病棟単位では看護師を算定しない。

【組合注】平成20年厚生労働省告示第62号

 厚労省告示では明確に“病棟単位で7:1"を満たさなければならない。本学病院では「当該病棟」を「当該病棟(病院全体の届出病床数)」と読み替えている。http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/tp0305-1.html

・平成20年厚生労働省告示第62号
基本診療料の施設基準等 第五 五 (1)イ(1)
七対一入院基本料の施設基準

  1. 当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が七又はその端数を増すごとに一以上であること。ただし、当該病棟において、一日に看護を行う看護職員の数が前段に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護職員の数は、前段の規定にかかわらず、二以上であることとする。
  2. 当該病棟において、看護職員の最小必要数の七割以上が看護師であること。
  3. 当該病棟の入院患者の平均在院日数が二十八日以内であること。
  4. 当該病棟に入院している患者の看護必要度等について継続的に測定を行い、その結果に基づき評価を行っていること。

年休、取りたい

□執行委員 昨年の団体交渉でも次長に質問した。昨年度の次長の発言では、看護師は年次休暇がほしいというが、そんなに年休がほしいのか、というように感じるかもしれないが、やはり、夜勤に付随してのきちんとした年次休暇というものは、保障されたものについては、できるだけ取りたい、という要求は非常に高い。
 これは、全大教がおこなった全国の看護師を対象としたアンケート調査においても、東北大の看護師も約600人が回答したが、その中でも、自由記載の中で非常に高かった要望の一つだった。だから、今の年次休暇の取得状況で良いというのではなく、ぎりぎりのところで働いているんだと、一つは認識してほしい。

工夫したら本当にとれるのか

□執行委員 前年度の交渉の時には、年次休暇20日は取得できるような数はそろえているはずなので、各職場で計画的に、あるいは工夫して取っていけないはずはない、と発言したと思う。しかし実際には、今年の年末年始もそうだったが、休日が多い割り振りのところになると、その時には年次休暇は取れないよ、取っちゃだめだよ、と言われるし、そういう指導が実際にはある。だから、本当に7:1対象のところに働く各看護師が、20日間の年次休暇を、工夫したら本当に取れるのか、取って良いのか、ということが、一つの素朴な疑問としてある。

週休しか勘定に入れていないのではないか

□執行委員 以前提供された算定式は、厚生労働省の公式な算定式だ、ということだが、この数式のところで、我々の勉強不足もあると思うが、解説は見たことがない。たとえば、数式の分子にある28日、あるいは分母にある20日ということが、何を意味しているのか、ということについて、我々も理解しかねているかもしれないので、教えてほしい。素朴なところでは、20日というのは、4週間、つまり28日でシフト表というものを出すので、この28日の中で、勤務日数を20日と計算しているのであれば、それは、週休しか加味していない計算式ではないかと思って、毎年、看護部に聞いている。何回同じことを聞けばいいのか、と言われているが、説明してほしい。

病欠が一人でもあれば

□執行委員 関連して、7:1看護の問題だが、病院には7:1看護の対象外の職場もある。たとえば、精神科病棟とか、緩和医療科とかは7:1の対象外になるので、そこが非常に厳しくなっている。4月の配置では、看護部から配付された夜勤要員だと、12月の夜勤帯の人数が本当にぎりぎりだ。たとえば、そこに一人でも病欠が出たりすれば、夜勤ができなくなる看護師が出たりすれば、たちまち夜勤が組めなくなるという数しか配付されていない。全体の数としても、非常にぎりぎりの数でやらなければいけない。その実態を訴えたいということで、今日、ここに来ている。

育児部分休業には夜勤要員が必要

□執行委員 育児部分休業についても、ワークライフバランスということで、制度が設けられたのは良いが、一日の勤務時間が短く、1時間や2時間の部分休業を取った場合に、単純に考えれば、夜勤要員から外れる。それも含めると、夜勤要員が十分に配置されているとは思えない。その辺についてはどう考えるか。

自己収入、収支バランス

■病院事務部次長 質問の前提条件として話す。組合の執行部にも理解してほしいが、大学全体とは異なり、大学病院はほとんど自己収入だ。教育研究部分については運営費交付金が充てられているが、ほとんどは自己収入で運営している。だから、7:1看護ではなく10:1看護にすれば、看護師は減らしてよい。それを病院経営として頑張って7:1に増やして、ある程度患者にとって気分よく働けるようにした。だが、それは、あくまでも収支バランスの世界の話だ。収入が支出を超えた場合には縮小しなければいけない、ということをぜひ念頭において、聞いてほしい。

稼働率85%

■病院事務部次長 今のところは、厚生労働省の基準に基づき、7:1に少し余裕をもってやっている。稼働率85%、100人いれば85人見られる稼働率で計算している。病院全体は、80%をちょっと超えたくらいだ。だから、病棟、病棟で、80%をきっているところも、100%のところもある。病棟間の格差はあることは理解してほしい。

休んでも病棟に支障がない?

■病院事務部次長 ぎりぎり週休二日の休みだけで配置しているのではなく、看護師が休んでも病棟勤務に支障が出ない範囲では、配置していると自負している。ただ、あくまでも、増やせば良いというものではない。収入と支出のバレンスはとっている。
 年次休暇が、繰り越せない分の全部ということで、20日取れればいいが、他大学病院と比較すると、平成20年度で他大学病院では概ね6日だ。それに対して東北大が11-12日だ。それを見ると、ある程度、大学病院としては、看護師の数を増やして頑張っているのではないかということを理解してほしい。それだけはよろしくお願いする。

診療報酬改定の動きによって

■病院事務部次長 平成22年度診療報酬改定について、大学病院は診療報酬改定で右往左往するものだが、だいぶ病院に対して追い風が吹いている。診療報酬上で人件費、要員部分について変数が出れば、当然、その部分について増やしていかなければいけない。

二交代の方が休める…

■病院事務部次長 休みの取得について、二交代と三交代で休みの取り方に大きな違いがあるという事実がある。そこは看護部と看護師、師長会が十分に議論してほしいが、二交代の方が、休みが確実に取れる。三交代では取れなくなることを実態としては知っている。三交代で計算した方が、計算式も、本院は今、三交代で計算しているが、人数を少し多く配置する計算式になっている。そこも理解してほしい。

4週間で20日

□執行委員 分子の28日というのは、4週間の28日か。

■病院事務部次長 その通りだ。

□執行委員 20日というのは、週休を除いた20日ということか。

■病院事務部次長 時間数で出しているので、時間数の差が、少し余っているというか、余裕のある人員ということだ。

□執行委員 時間数とは。

40人休める

■病院事務部次長 544人が必要なのに対して586人いれば、病院全体で40人は休んでも大丈夫だということだ。

□執行委員 それを増やして。

■病院事務部次長 全員が一度に休めばだめだが。それを600人にすれば、当然、20日に近づいていく。現在は11-12日だが。

研修、育児部分休業のための年休

□執行委員 それは、研修のための年休も含めて、ということだ。

■病院事務部次長 年次休暇という処理だ。

□執行委員 だから、年次休暇という中に。

■病院事務部次長 自己研鑽をどう取り扱うかについては、別に考えてほしい。

□執行委員 それも全部含めてだ。育児部分休業のところで、年次休暇で取得している部分もある。

労基署、“集団でプログラムを組んで"

■病院事務部次長 当然あると思う。それについては、考え方が少しあるので、理解してほしい。先ほど研修の話があったが、研修について労基署に聞いたところ、集団でプログラムを組んでやるものは研修として超勤手当を支給するが、個人で自己研鑽するものについては、それは違うでしょう、ということだった。

常勤1,031名から1,042名に

□執行委員 もう一点、教えてほしい。常勤の数が、おそらく平成21年度は、4月では全体で、時間雇用職員と再雇用職員を除いた数で、常勤者は1,031人だったと看護部から聞いている。平成22年度の4月当初にあたっては、純増は11だということだ。救急部が10名、NICUが1名、1,042名が常勤職員の総数だということだ。その他に、たとえば、神経内科の科研費で雇用されると言われている人数や、キャリアプロモートで外からお金が入ってくるもので、措置できる人数、あるいはCRCのメンバー、最低5人については、純増で17人増えるのではないか。

■病院事務部次長 それは純増だ。ただ、お金が寄付口座だとか、厚生科研だとか、違うところから出ていれば、看護部の数としては増えている。

□執行委員 増えているのか。

■病院事務部次長 約1040名の数には入っていない。

□執行委員 入っていないということか。わかった。

■病院事務部次長 病棟間でプラスαになっているので、他所から見ると一人多いという話になっている。

□執行委員 看護部の説明がわからない。純増、増えている、という理解でいいのか。他の人にはわかりにくいかと思う。病院の中で交渉ができれば良いが、今はできていない。わかりにくい話で恐縮だが、理事にも、病院の現場の声や、事務部次長とのやりとりを生に聞いていてほしい。

年休をつけるな、年休を取るな

□支部委員長 7:1に必要な勤務時間数を確保するために、看護師長会では、年休を付けるな、あるいは看護師に対しては、年休を取るな、ということは文書で配布されているが、そういうことは労基法違反ではないのか。

■病院事務部次長 文書自体を我々は承知していないので違反かどうかは言えない。

□支部委員長 そうか。それでは今度お見せする。

■病院事務部次長 少なくとも、事務からそういう文書を出すことはない。

年休、夏季休暇、祝祭日を加味した配置を

□支部委員長 ないんですね。看護部で独自に出したものと思うが、そういうこともやられている。さきほどの理事の回答でも年休の取得率が50%ということなので、やはり50%しか取れないという現状があるのだと思う。もっと看護師を増やせば、京都大学などの年次休暇のように限りなく100%に近づいていくだろうと思う。病院は年中無休なので、年次休暇だけではなく、夏季休暇の3日間、年末年始も含めれば祝祭日の20日間、そういうものをきちんと加味した配置でないといけないと思う。

■病院事務部次長 年末年始は勤務を要しない日なので、休暇の中には入れていないが、きちんと休みとしてはカウントされている。

□支部委員長 そうか。

■理事 たいへんな状況はよくわかったが、病院の中で交渉というよりも、今の話は、病院の中での事実確認の話だ。それは交渉ではなく、まず互いに事実を伝えたり、聞いたり、理解するという場を一度もってもらった方が良い。全体の交渉の時間を大切にしたい。

□執行委員 その通りだ。ぜひ協力してほしい。知る必要があることはたくさんあるが、現場から見えることは限られている。こういうことなのだということを事務方からよく教えてもらえれば、時間の節約になると思うので、よろしくお願いする。

(要求8(1)の続き)
・育児短時間勤務の保障に必要な夜勤要員を確保するための手だてを講ずること。

給与減額分の雇用経費で、人員配置せず?

<回答>

■理事 育児短時間勤務者の給与の減額分が一人分になった時に、経費の補填があり、その補填分を雇用経費に充てているが、とくに人員を配置してはいない。看護師の適正な配置を考慮した上で、対応していきたいと考えている。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(要求8(1)の続き)
・三交代制勤務を自由に選択できることを徹底すること。

今後とも“三交代"選択できる

<回答>

■理事 二交代、三交代勤務については職員が選択できるような体制をとっており、今後ともそういうことでおこなっていきたい。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(2)看護師等の有期雇用をやめて正職員にすること。有期雇用をする場合にも本人の同意なく雇止めしないこと。

正職員は、限られている。雇用期間は、本人に説明している。

<回答>

■理事 正職員(退職手当積算台帳が措置されている者)の数は、大学全体で限られており、その範囲内で行っている。また、有期雇用職員の雇用期間については、本人の採用に際して、説明を行ってきている。

ルールを文章化できないか

□執行委員 特定有期雇用職員である看護師の数はかなり多い。昨年の9月にもその年度別の数について質問したが、特定有期雇用職員である看護師を正職員に繰り入れるルールがはっきりされていない。看護部長への質問の回答によると、それは、看護師長とか、評価による、ということだ。職員にしてみれば、4年目の人を飛び越えて3年目の人が正職員になっているということがひょっとしたらあるかもしれない。その辺りが、一人ひとりの職員にすれば不安要素にもなっている。ルールを文章化するといったことはできないか。

390名正職員化、2013年まで可能か

■病院事務部次長 職員の評価があるので。平成25年までは、現在は約390名の特定有期雇用職員がいるが、正職員の退職・離職率から言えば、平成25年までは順番に繰り入れていっても余裕をもって回していける。しかし看護師の評価があるので、全部の職員を特定有期雇用職員から正職員に移すことは、ルール化できないのではないか。

パイはある。正職員に繰り入れる評価基準を

□執行委員 前提として評価があることは理解するが、評価にかなった職員ならば、基本的には、長く働いている人、採用年度の早い人から順番に、正職員に繰り入れていくと考えてよい。

■病院事務部次長 それは、評価基準を看護部で作っていただければよい。

□執行委員 正職員に繰り入れる基準か。

■病院事務部次長 正職員に繰り入れる基準だ。まず看護部内で、今、看護師長による評価をしているが、基準が一緒になれば、特定有期雇用職員の間に不満は出ないのではないか。あの人が良くて自分はなぜ悪い、ただ人数的には、パイは用意してある。

薬剤部、放射線部は?

□執行委員 それは、たとえば薬剤部とか放射線部とかどこでも、特定有期雇用職員である看護師の数よりも、枠は少ないので、我々よりももっと厳しい条件になると思うので、それは各部で、繰り入れるルールについては決めていくということか。

■病院事務部次長 部署によって違う。薬剤部にせよ放射線部にせよ、他の働き場所がある、大学病院のキャリアをもっていけば、門前薬局とか、他の放射線病院とか、行けるところがある。だから、簡単に特定有期雇用職員が全員正職員になる、今のルールでは診療技術部はまったく崩壊していく。ただその代わりに年俸制ということを言っている。給与については、本人が希望すれば、年俸制に移行できるような仕組みをつくっている。

□委員長 これについてはまだ話し足りないところがあると思うが、私も理事もわからないところがあるので、別途話し合いをして、もう少し意見交換をした方が良いだろう。今回は次に進む。

(3)救急部の看護師に危険手当を措置すること。

“経営判断しだい"と同じ意味?

<回答>

■理事 手当については、病院の経営状況を踏まえて、優先度に応じて措置していくつもりである。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(4)時間外におこなわれる日常の看護業務に必要な研修や学習について、割増賃金の対象とすること。

実態は“あくまでも自己研鑽"なのか

<回答>

■理事 時間外におこなわれる研修や学習が命令にもとづくものであれば、超過勤務手当の対象となるが、あくまでも自己研鑽として行うものまでは、超過勤務手当の対象とすることはできない。

看護部でプログラムを作って

□執行委員 たとえば、ティナディス(TNADS。「東北大学病院看護実践能力開発システム」)というものがある。東北大学病院の看護部で行っているキャリアシステムだ。

■病院事務部次長 ある。

□執行委員 その取得ポイントの対象だということについては。

■病院事務部次長 ぜひ、プログラムにしてほしい。看護部でプログラムを作って、専門看護師とか、キャリアプランの中に入れてくれれば、病院として認めた研修なので、それに対して時間外勤務手当は当然払わなければいけない。

□執行委員 プログラムになるかどうかという要件というものはあるのか。

■病院事務部次長 集団というのが最低要件だ。一人ではだめ。

“ティナディスのポイント対象"は

□執行委員 もちろん、ティナディスというのは、東北大学の看護部で。

■病院事務部次長 労基署から指摘されると、集団でやっているので払いなさいと言われる。

□執行委員 ということは、その言葉通り理解すれば、ティナディスのポイント対象研修については、看護部での業務に必要な研修ということで位置付けているので、そこは割増賃金の対象になるということだと理解して良いか。

■病院事務部次長 労基署に行けば、割増賃金の対象になると言われる。

要求9.准職員・時間雇用職員 (1)時間雇用職員の3年を超える更新申請について部局の意向を尊重すること。時間雇用職員の通算雇用期間を3年から5年に延長すること。 5年への延長は、考えていない。

<回答>

■理事 時間雇用職員については、原則として契約の更新を3年以内としている。ただ、現在でも職務の特殊性による、人員確保が困難である、等の理由により、事前協議による3年を超えた雇用も認めている。現時点では、通算雇用期間を一律に延長することは考えていない。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(2)准職員・時間雇用職員に有給10日の病気休暇を与えること。

『対象者拡大“かつ"有給化』はできない?

<回答>

■理事 現行制度では、特定准職員等について、無給10日の病気休暇を保障している。対象者の範囲を広げ、かつ、病休とはいえ、10日分の給与保障という要求には、応じることはできない。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(3)准職員を特定有期雇用職員に位置付けること。

“業務内容"“責任の度合い"

<回答>

■理事 特定有期雇用職員に適用する就業規則として常時勤務する職員のうち任期を付して雇用する職員については、次の4つに整理した。
(1)外部資金により雇用される職員
(2)個別労働契約により雇用される職員
(3)任期付医療職員
(4)外国人研究員
 准職員については、業務内容及び業務に対する責任の度合い等を勘案し、特定有期雇用職員には位置づけていない。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

【組合注】特定有期雇用職員の定義と准職員

(4)メンタルヘルスプログラムを准職員・時間雇用職員にも適用すること。

病休、休職の待遇改善は考えないのか

<回答>

■理事 准職員等は、病気休暇、休職等の雇用条件が正職員とは異なることから、本学のメンタルヘルスプログラムを、全てを正職員と同じように適用することは考えていない。ただ、現在でも、産業医の面接等対応できる範囲で対応している。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

(5)1980年7月以前採用の准職員を正職員にすること。

(6)正規登用試験の登用枠を拡大すること。

非正規2000名中“3名"程度の狭き門、数十年勤続者には過酷な門、改善姿勢なし

<回答>

■理事 (5)(6)合わせて回答する。事務系職員の採用は、国立大学法人東北大学職員任命規定第5条により、国立大学法人等職員採用試験及び面接考査、または、国立大学法人東北大学職員登用試験による競争試験の合格者から行うものとなっている。1980年7月以前採用の准職員を、当然に正職員に転換することはできない。なお、国立大学法人東北大学職員登用試験においては、予め登用枠を設定してはいない。筆記試験の結果、合格水準を上回った者については、全員第一次試験合格者としており、第二次試験においては、登用試験と法人試験の合格者の区別なく選考を行い、最終合格者を選考している。

“35年と1年が同じ土俵"、フェアか?

□組合員 フルタイムで働いている准職員についてだが、35年以上働いている人と、1年働いている人を同じ土俵の上に乗せて登用試験をおこなうということは、どう考えてもフェアではない。以前、全員上げてくれというのではなく、何らかの評価は必要だが、過去の勤務の実績を評価してほしい、と言ったら、公平に評価することができないので過去の実績の評価はない、ということだったと思う。しかし、係長になるのも、課長になるのも、何らかの過去の実績を評価して上げているということだ。東北大学100年ということを言うが、35年勤めた人と1年勤めた人と、まったく同じ土俵の上で登用試験をおこなうのはフェアではない。

(7)時間雇用職員の待遇を改善すること。
・時間単価を改善すること。
・退職金制度を導入すること。
・経済・雇用情勢を理由とした不当な検討「凍結」をやめ、時間雇用職員に対してボーナス支給日に30時間分の一時金を支給すること。

凍結中だから、正規待遇を下げたから…まさに“後ろ"向き!

<回答>

■理事 新たに一時金、ボーナスを支給することについては、社会情勢等を勘案し、凍結しているところである。この間の社会情勢および正規職員の給与・ボーナスの引き下げ等を考慮すると、時間雇用職員について待遇改善を行うことはできないものと考えている。
 また、新たな退職金制度を導入することは、人件費の増大につながり、教員等の教育研究費を圧迫し、その活動に支障をきたすおそれがある。
 なお、正規職員と時間雇用職員では、雇用形態や業務内容における責任の度合いの違いから、給与、退職手当の処遇においても、正規職員とは異なる取り扱いをしている。

【組合注】時間雇用職員へのボーナス支給凍結までの経過

2009年2月17日、折原理事は部局長連絡会議に「昨今の雇用情勢の急激な変化等を考慮し、当分の間、凍結させていただく」と報告。凍結は今日にいたる。凍結までの詳細は下記URL(「時間雇用職員へのボーナス要求と交渉経緯の整理」(pdf))。

“社会との整合性"をいうのならば

□組合員 教職員の給与を下げるということは重大なことだ。法人側としては、今回、教職員の給与を下げて社会との整合性を図る、ということだったと思う。社会との整合性という場合、社会のどのレベルとの整合性を図ったということか。社会との整合性を図るというのならば、学内の職場社会の整合性を図ってほしい。

補助的な仕事か

□組合員 本部にも、時間雇用職員がいると思うが、皆、補助的、二次的な仕事ばかりしているのか。組合側も含めて、皆、周りの時間雇用職員は補助的な仕事をしているのか。東北大学は正職員を減らして、非正規職員でその穴埋めをしている。理事、それは誰もが認めることではないか。

“認める"ことは“払う"こと

□組合員 時間雇用職員の職務の重要性を認める、ということは、この社会では、お金を払うということだ。みんながボーナスをもらう時に、一銭もボーナスをもらえない。ボーナスというものは、期末勤勉手当と呼ばれるそうだが、期末の忙しさは時間雇用職員にも回ってくる。時間雇用職員も本当に勤勉に働いている。本部のことは知らないが、図書の場合、責任をもって名前をつけてカウンターに立てば、時間雇用職員であろうと、准職員であろうと、正職員であろうと、まったく区別はない。現在、正規職員がやれないところを時間雇用職員が担っているということを認めている、ということならば、ボーナス、あるいはそれに代わるものを出してほしい。

“3割カット"をいうのならば

□組合員 これまでの話では、予算がまったくないわけではない、ということだ。しかし、他大学でやっていないからやれないとか、文科省に対してこの御時世だから言いづらいという話だったと思う。今回、教員の65歳への定年延長で、給与の3割カットでは、京大がどうあろうと、東大がどうあろうと、東北大はこれでやるということを示したものだ。東北大はこれでやる、ということなら、他大学が出していようが出していまいが、東北大学は時間雇用職員に、きっちりと全額は出せなくても、何かしらその苦労に報いるものを出すということを、お金という形でしてもらわなければ、この社会では、仕事を認めたことにはならない。

“他大学"は理由にならない

□組合員 私は、組合には申し訳ないが、今回、教職員の給与を下げるという話を聞いた時に、これは時間雇用職員のボーナスを出してもらうチャンスだと思った。それで今日は、周り中に頭を下げてこの交渉に来た。ボーナスが出せない理由は、他大学でやっていないからというのは、まったく理由にならない。教員定年の延長で3割カットを断固やるというのなら、堅固な意思をもって時間雇用職員にもそれなりのものを認めてほしい。

“長期"と“正規"、ほとんど同じ

□委員長 たとえば経済学研究科の事務に時間雇用職員がいる。この人も非常に長い。この人がいないと仕事が回らない。それほど必要な部署にいる。時間雇用職員といっても、長く働いている人は、ほとんど正規の職員と同じような仕事をしている。理事は知っているだろう。知らないで言っているとは思えない。それを考慮すれば、もうちょっと待遇改善に前向きになってしかるべきだ。

“できない"ではなく“なぜできないか"

□委員長 とくに、法人化したということは、国の管理を離れて法人の方針でいろんな待遇が改善できるということを含んでいると思う。できないという回答ではなく、なぜできないのか、他と一緒では納得できないと言っているので、その辺を示してほしい。

わずかでも、天と地の違い

□組合員 業務意欲につながる。しかも今回こちらから要求しているのは、本当に涙も出るような金額だ。これでも出すと出さないとでは天と地の違いだ。やはり、ボーナスが出るということは、仕事が認められたということだ。絶対にこれは業務の意欲向上につながると思う。東北大にとっても損はない。

幅のあるルール

■理事 大学の制度としてつくるということで、全学の交渉がある。組織の性格として、ある程度、最低限とか、最大限のルールをつくるしかない。

“セット案"から“凍結"

■理事 時間雇用職員について一律にボーナスを出すかどうか、これまでも検討してきて、そのことが大学のいろんなことに、社会状況から、実施することは、ひょっとするといろんな影響を与えるかもしれないということで、とりあえず凍結させてほしいとなっている。その時に、時間単価の改善の話を、他の勤務条件を見直さないということはないので、こちらの提案として、時間単価についても、他のところと、たとえば仙台市、宮城県の時間雇用職員と比べてどうなのかということから、すべてセットでやろう、という提案をして、話し合いをしてきた。

“全体ルール"時間がかかるのならば

■理事 その過程で社会情勢によって凍結になってしまった。当然、財源の影響もある。准職員についてもいろいろ考えなければならない。その財源は教育研究費なのでそれへの影響も考えなければならない。時間雇用職員も、正職員同様、いろんな人がいる。大学全体のルールをつくることに時間がかかるとすれば、教育研究費が財源なので、部局によっては一時金を出しているところもあると聞いているので。

勤務年数による区別は

□委員長 長期間働いているという人と、勤務年数によって一応区別することはできるのではないか。

■理事 正規登用試験も今回で3回目だ。大学として制度設計する時に、ずっと勤めてきたからということではなく、登用試験を設計、スタートさせたものだ。

□組合員 ずっと勤めるということは、たいへんなことだ。

制度は改善すべきもの

■理事 もちろんたいへんなことだ。でも、当時のいろんな状況下でこうなったし、互いの了解のもとでこうなっていると思う。採用の時の話だ。
 正職員は本人が望まなくてもいろんな部署を回ってもらうこともある。いろんなことでそれぞれ試験区分を設けている。正職員以外をきちんと正規登用試験を設けて道を開こうという時に、ルール作りの中で、この言葉が入ってこなかったのは事実だ。今回は3回目ということで、これまで受かった人がどういう状況か、他への影響はどうか等をふまえて、制度というものは改善していくべきものだ。みんなの了解が生まれた時にそうなっていくと思う。話はわかる。東北大という組織に、准職員や時間雇用職員は、いないと成り立たない。

財源はある

□委員長 わかるだけでなく、それをお金で示してほしいということが要求だ。言葉だけでは信用できない。

■理事 そのためには、財源の問題がある。

□委員長 たとえば、今回の給与カットの何%かあればできるのではないか。

不当な扱いを改善すればよい

■理事 財源の話としてそうだが、額だけの問題ではない。

□委員長 額だけの問題ではない、とは何か。

■理事 時間雇用職員のあり方を見直すのであれば、当然、准職員のあり方も、正職員のあり方も見直さなければならない。

□委員長 そんなことは言っていない。時間雇用職員はこれまで不当な扱いをされてきたので、せめて正職員に近づけてほしいということだ。

“出そう"まで行った話

■理事 時間雇用職員の賃金について考える時には、ボーナスをあげるかどうかだけではなく、単価や勤務内容についても検討しなければいけない。

□委員長 検討してください。

■理事 検討したが、社会情勢の話として、それが凍結になった。

□委員長 それでは一度は出そうかというところまで行ったのか。

■理事 検討は結構煮詰めてやってきた。

□委員長 だから、そこまで行ったのか。

■理事 行った。

□副委員長 ボーナスだけで実現しかけた時にセット案にして、さらにそれを自作自演で凍結しただけだ。

□委員長 この交渉は継続だ。

■理事 それで良い。残った項目についてこちらの回答だけ述べる。

要求10.2010年4月1日からの次期「一般事業主行動計画」において、下記項目に数値目標を入れること。
・育児休業の取得率(男女別)
・職員の妻が出産する際の特別休暇の取得率または件数
・所定外労働の削減率
・年次有給休暇の取得率

考えていない

<回答>

■理事 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画において、数値目標を掲げることは考えていない。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

要求11.健全な労使関係の趣旨から、教職員の初任者研修の場において職員組合の説明の機会を設けること。

“充実・良好"のため“単独"?

<回答>

■理事 労使の充実した良好な関係を維持するためにも、本学が行う初任者研修と職員組合の行う説明会は、それぞれ単独で実施するのが適当であると考えている。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

要求12.組合費のチェックオフを行うこと。

財形は公的。組合費は“保険並に私的"?

<回答>

■理事 本学における賃金からの控除については、財形貯蓄や共済積立貯金等、公的要素の強いものについて控除を行っているが、個人的要素の強い共済のグループ保険事業や団体傷害保険事業等の控除は行っていない。組合費についても、同様に考え、控除を行うことは予定していない。

※今回は回答のみ(次回質疑)。

■理事 回答は以上だ。それでは次回はこの継続だ。

□委員長 了解した。

■課長補佐 団体交渉を終了する。


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