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10月18日の大学本部の「方針見直し」は社会的に注目を集め、これを伝えた組合の速報はSNSなどでも拡散され、無期化拡大への期待とともに広く伝播されています。
10月27日に朝日新聞、河北新報、および赤旗から取材があり、朝日新聞、赤旗は11月1日に、河北新報では11月8日に記事になりました。このうち朝日新聞は宮城地方面に「東北大、「雇い止め」回避検討 非正規職員3千人」(全文は有料記事)というタイトルで掲載され,「非正規職員約3千人の多くが「雇い止め」になる事態を避けられる可能性がある」としています.赤旗には「雇い止めを見直し 東北大 労組は引き続き運動」というタイトルで掲載されており(ウェブには掲載されていないようです),方針の見直しがあったことに続き「ただし,どのように見直すのかは明らかにされておらず,組合側は希望者全員を無期雇用に転換するよう求めて運動を広げるとしています」と伝えられています.また,河北新報は「東北大雇い止め 年内方針見直し」とのタイトルで掲載されています。この取材は大学当局にも申し込まれましたが,『「団交中なので詳細は答えられない」としている』(朝日)と実質的な取材には応じていません.
また,見直しが明らかになる前になりますが,10月11日には全大教、東北非正規教職員組合、首都圏大学非常勤講師組合の共催により国会院内集会が開かれ,国会議員、大学関係者など約60人が参加しました。(レイバーネットで集会の様子が紹介).
本学の方針の行方は、単に一大学のことではなく、今回の法改正がその趣旨通り雇用の安定化につながるのか、あるいは法の抜け穴を悪用した非正規雇用の一層の促進と社会の不安定化を招いてしまうのかを象徴する事例として、全国が注目しています。
しかし,今回の「方針見直し」が大量雇い止めを回避する方向を向いたものであるか否かは予断を許さない状況にあります.
10月24日に各部局の事務トップを招集して行われた連絡会議で「今回の見直しは秘書業務に関連する部分であり,事務補佐員については変更はない」との説明がなされたとの情報があります.もし「見直し」の内容がこのようなものにとどまるのであれば「原点に立ち返って」は針小棒大もいいところで,基本方針は何も変わらないことになります.どこまで「見直し」が行われるのかは,いまのところ五里霧中というしかありません.
組合は団体交渉を申し入れ,見直しの理由,範囲,その方向などを問うとともに,より良い方向を目指した新方針を共に策定しようとしています.
厚生労働省労働基準局労働条件政策課が作成した「無期転換ルールに関する雇い止めの状況等について」とする資料(PDFファイル)中の,労働政策研究・研修機構の調査(平成二十五年11月12日公表)によれば(同資料8ページ),「通算五年を超えないように運用する」は14.7%,「何らかの形で無期契約にしていく」が42.2%,「未定・わからない」が38.6%となっています.
同資料7ページでは「雇い止めの慎重な検討について(労使の取り組みのお願い)」とする労働基準局からの要請文が掲載されており,ここでは,「...有期契約労働者が無期労働契約への転換前に雇止めとなる場合が増加するのではないかとの心配があります。...無期転換がもたらすメリットについても十分にご理解いただき、雇止めの判断に当たっては、その実際上の必要性を十分慎重に検討のうえ、御対応いただくようお願いします。」と安易な雇い止めをしないことが要請されています.
こうした企業の動向や労働基準局の要請を、本学も正面から受け止めるべきです。
「方針転換」というものの,その検討状況は全く楽観できるようなものではありません.当局が検討を進めている今こそ,声を挙げるべき時です.当事者の非常勤職員の皆さん,働きやすい職場を求める正規職員の皆さん,組合はいま,あなたの力を必要としています.黙って見ていても状況は好転しません.組合に加入して一緒に声をあげ真っ当な要求がきちんと通る大学にしようではありませんか.組合はあなたの加入をお待ちしています.