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東北大学職員組合ニュース:総長交渉報告

日時 8/25(月)午後3時より
場所 本部事務局2階庶務部第1会議室にて
出席 職組 25名
   当局 総長、事務局長、人事課長、他

1997年9月5日号 目 次

  • はじめに
  • 1、任期制導入問題
  • 2、定員削減問題
  • 3、キャンパス移転問題
  • 4、教職員の待遇改善
  • 5、その他

  • 職組・吉田委員長

    当局は会見と言ったが、これは国公法108条の5にある交渉である。3月14日に申し込んだ交渉が半年たって実現した。その間に組合では役員が交代した。このように遅れたことは当局による交渉応諾義務違反とも言える。次々と起こる問題にすぐ対応するために、早めに交渉に応じてほしい。これまでの交渉の慣行に従い、現執行部がこの場の進行に責任を持つが、予備交渉を前執行部が進めてきた関係で、前役員にも参加し発言してもらう。任期制の問題では早いうちに交渉を行いたかった。人勧も出、行革会議関係では大学の民営化・エージェンシー化等も予断を許さない。これらの問題でも要求したいことがあるが、今回は予備交渉で整理した議題に沿って交渉を行う。当面する重要問題は多いので、それらについては改めて交渉を申し入れたい。

    1、任期制導入問題

    職組 組合は任期制法制化に反対だった。また多くの大学人が反対したし、西澤前総長も反対意見を表明している。それにも拘わらず短期間の国会審議で法制化されてしまった。組合としては当初交渉において法制化に対する総長の認識を問いたかったが、すでに言ったとおり時期を逸してしまった。現時点での総長の考えを聞きたい。

    総長 経緯は委員長の言った通りである。任期制について一般論を言うことは難しい。東北大学でも事実上の任期制はすでにある。それなりの因縁や歴史があってのことである。公式の場で任期制反対を言ったことはないが、大学審議会委員に抗議したことはある。法律ができて峠を越してしまった。元にもどった議論はしたくない。これからどうするか考えている。具体的に8/22に政令だか省令だかが出、本日付で施行されている。省令にいくつか規定されているが、それらについて大学管理機関が規則を定めることになっている。省令の内容は簡単なもので、学部、学科、講座、講師・助手など対象とする教員を規定してあるといったようなものだ。まだよく読んでいないので、もう一度眺めてみたい。そういった状況の下、東北大学として何をするか。教員人事は教授会の仕事であり、評議会で何かを言えば、これまでの大学の慣行と教授会自治に反する。自分の想像では、どこかの部局でやるとしても対象となるのは助手だけではないかと思う。一言で助手といっても多岐にわたっており、全体的なことを評議会で決めることにはならないだろう。省令が8/末ころ出ることについては予測がついていた。省令が出たので、早期に評議会に相談することになる。学部長・研究所長会議に状況を報告して意見を聞くことになるだろう。任期制の導入について大学全体である方向をだすということは適さないのではないか。まったく採用しなくてもよいのだから。事実上の任期制でさえ採用していないところもあるのだから。評議会であまり拘束を与えるということはしたくない。

    職組 すでに検討を指示しているということはないか。

    総長 話題にはした。検討は部局自治の範囲内である。法律の善し悪しについて検討してほしいと言ったことはない。導入について大学としてはイニシアチブをとらない。導入するところがあればノーとは言わない。議論をすれば教授会を拘束することになるのではないか。教授会決定を尊重したい。

    職組 教授会にはそのメンバーの教授・助教授の意思は反映するだろう。しかし助手については問題だ。助手は教授会メンバーでない。任期制の対象を助手とするならば、助手の意見を聞くべきで、その点を各部局で十分考えて慎重に検討するように求めてほしい。

    職組 大学が自主的に導入の判断ができるが、一方、文部省は任期制推進の立場だ。自主性を言いながら、一方で財政誘導で導入をはかるということはよくあることだ。国会質疑で何度も取り上げられ、文部省もそのようなことはしないと答弁しているが、実際に文部省がこれを遵守するか疑問がある。

    総長 国会答弁にも質疑にも附帯決議にもある。私は国大協の第一常置委員長に選出されたが、第一常置では文部省に要望書を出すことになった。そこでもこの話が出た。この法律の趣旨は教員の流動性を図ることにあるが、既に十分流動的な大学もあり、また、流動しすぎていることが問題になっている大学もある。任期制の対象は実際には助手だろうが、助手がほとんどいない大学もある。そういう大学が実施する例を持たないということで、文部省から見て不利にならないようにという意見も出ている。そのような要望書をもって、国大協会長とともに文部省に行ってきたが、文部省も同意見だった。但し、大学の方から任期制を入れるからご褒美をくれというところも現れている。第一常置はこのような大学の姿勢は認められないし、文部省もそれに同意している。時間が経つとこのようなこと(文部省国会答弁・附帯決議)が忘れ去られてしまう心配があるので、そうならないよう努力しなければならない。

    職組 流動性を図ると言うのならば、なぜ事実上助手だけが対象とされるのか。矛盾である。東北大学ではこの点十分検討してほしい。

    2、定員削減問題

    職組 東北大学に第9次定員削減として、教員12、看護婦5、その他の職員151、合わせて168名が押しつけられている。さらに、事務職員300名(東北大17名)の上乗せで、たいへんな状況だ。この状況を総長はどう考えているのか?

    総長 基本的にとんでもないことだ。無理やりイエスと言わされている。文部大臣が財政構造改革会議でやると発言している。背景はものすごく深刻だ。財政難による公務員削減を、高等教育に同じようにかぶせられていることが問題だ。なぜそうなっているのかが重大だ。東京の会議に出ると国立大学への非難ごうごうだ。中には理不尽な非難も多い。確かに、国全体が今ターニングポイントにたっている。しかし、教育に金を使おうという発想が出てこない。こういう時こそ、教育が大事だと訴えるしかないのだ。第9次に対しては要望が出ているが、プラス300に対しては出ていない。それだけ痛めつけられているし、文部省もまた自信を喪失しているのだ。17名をどうするか。ほとんどやりようがない。事務でも省力化などを検討しているが困ったもので私にも名案がない。

    職組 17名についての時限は?

    事務局長 5年つまり9次が終わるまでだ。上乗せと考えてよい。

    職組 工学部では9次で25人、プラス17人分では3人の割当だが、これまでのように大体技官で消化されると大きな問題になる。任期制の問題もある。これでは現場でやって行けなくなる。

    事務局長 実際、やって行けないところがでている。

    総長 言い方は良くないが末期的症状だ。ただ反対しても解決にならない。私大からも、国立大は事務職員が多いと痛めつけられている。私大もまた筋が通らないのだが。私大も国立大も、欧米なみの役割を果たしているとは言えない。50年間アメリカにおんぶして日本を運営してきた状態を抜け出ていない。自分たちで作り上げる発想が知識人に欠けている。これだけ必要だということで増員を要求していくことが大事だ。これだけ減ったからでは、まだこれだけ減らせるではないかと言われるだけだ。どこかで言わないと。

    職組 欠員分を、どうにか工夫して回復しなければいけない。事務の方でも工夫してほしい。文部省は、この点であまりうまくないのではないか。

    総長 他省庁の人はそういう。しかし、文部省には応援団がないのだ。

    職組 昇給・昇格も、文部省は他省庁に比べうまくないようだ。

    総長 学内でいろいろ検討している。

    職組 減った形で、その中でどうするかを検討するのは難しい。増やす方向を工夫 すべきだ。

    総長 いろいろ考えてみたい。

    3、キャンパス移転問題

    職組 8/18付「河北」夕刊でキャンパス問題が報道されているが、現状はどうなっているのか?

    総長 96/11に民事調停に入り、発言しにくくなった。県とカントリークラブの問題になったので、大学はアピールも何もしていない。河北新報の記事は、移転調査費が急に見送りになったかのように書いているが、好意的な書き方ではない。移転調査費というものは、民事調停に決着がつく前につくことはない。民事調停に決着がつけば、短期間のうちにつくこともありうる。青葉山移転が暗雲につつまれていることは事実だ。「河北」の記事では、財政難のためキャンパス構想は九大をもって終わりになったと書いているが、これも誤報だ。文部省に確認したが、そんなことはないという。財政難は大変な問題だ。国立学校財務センターは土地財産処分に努力しているが、売れる時代ではなく、かえって重荷を背負っている。じわりじわりと首を絞められてきている状況だ。早期の決着が必要だ。「河北」からは5日前に取材を受けた。まず文部省に取材した上で、私に取材したものだ。私は、現状として変更はないが、長引くと財政上のしめつけが厳しくなるので大変だと言った。「河北」はそれを書いた。見通しをつけにくいのは事実だ。今の文部省幹部は変更はないと言っているが。

    職組 同じ「河北」記事では、民事調停について、入口で平行線だと書いている。一方6/15付で、総長が知事と会ったときには、知事は順調に進んでいると言ったということだが、今はどう思うか。

    総長 知事も、思ったより時間がかかっていると言っていた。つまづきということになるか、人によっては、向こうが延命策を図っているという人もいるが、これは噂であり確認できない。オンブズマンの動きもあり、私はそれに関与していないが、市民の応援は必要だろう。有力者の中にも非公開はおかしいという人もいる。非公開は調停委員の要望なのだ。

    職組 もし訴訟となれば、4〜5年はかかるだろう。片平や雨宮の現状はどうするのだ。今いる人が困っている。前回の総長交渉で事務局長も約束したことだから、少なくとも、雨漏りの補修等は早急に実行してほしい。

    総長 その通りであり、気になっていることだ。大型の工事は出来ないし、小さい工事では限界がある。先が見えないと、文部省も予算要求しにくいのだ。来年再来年でなくても、先が見えれば。早期決着を望んでいる。委員長が言ったことは大切であり、手を打っていきたい。

    職組 素材研等の状態はひどいし、他にもまだあるだろう。移転自体についても、市民や環境にとって移転がいいのかという問題もある。組合としては賛成反対を明確にしているわけではないが、全体としてバブル期の案なのだから、現状を踏まえて全体的な検討をすべきでないか。

    職組 仙台の都市計画について言えば、青葉山は東西に広がるキーだと言える。今までは南北に伸びてきたが。太白、茂庭、愛子ラインに都市圏が広がることになる。東西交通網もあるかもしれない。今までは下流に都市化してきたが、上流が都市化するとなると、平野がせまく環境問題になってくる可能性が高い。青葉山で交差することになれば、今までにない問題も生じる。この移転は拙速であったということにならないように、長期的な視野をすえるべきだ。

    総長 片平をどうするかについても、同じ視点が必要だ。

    4、教職員の待遇改善

  • 教務職員

    職組 教務職員問題は、歴史的に、矛盾の集約点だ。数年間の、全国と東北大学のデータを見ると、確かに減ってはいる。しかし、東北大学は全国の教務職員数の1割を占め、ダントツだ。給実甲についての文部省見解では2001年にリセットということだが、そのために必要な時期をすでに3年過ぎている。要望書を検討してほしい。

    総長 教務職は、仙台弁で言うと「いずい」存在だ。助手への振替等を積極的にすべきだ。概算要求が有効だが、大学院重点化に合わせてするのがしやすい。難しいのは、定員になっていない人がいることだ。教務職員から移しにくい人が現実にいるのがやりにくい。方針としては、助手にするというのでよいと思う。

    事務局長 助手への振替は毎年行っている。助手の定員事情の枠内ということもあり、ただちに全員をというわけにはいかない。事情を踏まえて取り組んでいきたい。この夏、文部省に要望を出した。

    職組 東北大学の在職者は95名で、東京大学は66名だ。努力をお願いしたい。事務局長より、空き定数利用の定数振替えの話が出たが、概算要求による定数振替を進めてほしい。東大では、全員移行の方針で全定数を振替要求に載せている。阪大の基礎工では、1度の概算要求で20名振り替えたこともある。交渉に行くと、概算要求での振替要求が少ないと言われる。

    総長 工学部に多い。定員になっていない人も多い。

    職組 このような事は他にもある。ある研究所では、概算要求により助手定数を確保し、これを「新規採用」にあて、在職者の「座る席」をなくした。このようなことが各学部でおこなわれて、定数と現員の差がでていると考える。

    職組 評議会全体として、助手振替を確認してほしい。助手に向かないという意見が多い。教務職員問題の深刻な実態を知らないままに、一般の助手採用と同じように考えているのだ。事務局長にお願いしたい。不利益が強いられており、本人の意志とは無関係に60歳でやめさせられている。社会的に見て許されない人事管理がされていると言える。

    総長 内容に反対はないが、自分がディレクションを与えれば、助手の人事に関係するので教授会の自治に反する。各学部、研究所で実効を伴うように、上手にやるように考えてみる。

    職組 全国の1割を占めているという不名誉をなくしてほしい。

    総長 そこは一致している。

    職組 他の待遇改善と合わせて、事務局との会見を持って改善に努めて欲しい。

  • 技術職員

    職組 専行職への移行の実現が、文部省や人事院の動きを見ると難しい状況にあるようだが、総長の認識は?

    総長 専行職は難しくなったというのは認識しているが、ギブアップしたとは認識していない。また、専行職に変わる待遇改善の方法について、第4常置の域を出ていないのではないか。外に出れば、第1常置といえども関係するはずだ。第4常置委員長が検討している噂は聞いている。

    職組 8/24に出すということだったが。

    総長 国大協としては、何もしていない。会長・副会長だけで何かをすることがあるならば、ありうるだろうが。知恵を出そうとして動いていることは事実だ。

    職組 文部省の検討会の新しい「職」について、どう考えているのか。

    総長 東北大学としてというよりは、第1常置委員長としてのべれば、正式な動きではない。組織、理念については、第一常置も手伝わなければならない。まだ、第4常置のレベルだ。私も組合が知っている程度しか知らない。秋ぐらいには動きが出てくるかもしれないという程度には言われたことがあるが、現時点で聞いていない。

    職組 技術職員が410名で、そのうち60%以上が50歳以上だ。10年後には半減して200人になるが、それでは組織として動けない。補充し、働きやすい職場、魅力的な職場にしないと、技術職員の組織がなくなる。全学を見通した組織を構築するイニシアチブをとってほしい。やめ6、定員削減に対する対策にもなる。また、東北地区1100人いる技術職員の交流を深めるようにお願いしたい。

    総長 東北大の総長にはそんな権限がない。

    職組 団塊世代は、かなりの人数いるだろう。団塊世代の昇格が確保できるだけの対策を、事務当局にお願いしたい。

    人事課長 事務職員と技術職員の俸給表は同じだ。文部省も、行一職俸給表の者について、改善を検討している。具体的に、教室系技術職員について伝わってきているわけではない。今のところ、専門職の定数拡大として進んで行くだろう。

    職組 組合は、この問題では長い間闘争してきている。今日参加している組合員の中には、事務局より詳しい人もいる。聞きたいことがあれば聞いてほしい。

  • 定員外職員

    職組 (1980年に頭打ち解消と同時に)3年期限付雇用が導入された時に採用された定員外職員は、2-7でストップしたまま頭打ちになっている。「端境期職員」の頭打ち解消をはかるよう、何とか救ってほしい。人数としては10人程度しかいないが。またパート職員は、民間では6割がボーナスを支給されている。大学のパートのレベルはそれより高いだろう。みんながボーナスをもらっている時、もらえないのは寂しい。人事院は出せないとは言っていない。出さないとすれば大学の問題だと、答えている。東北大学として、評議会等で何らかの方策をとってほしい。部局によっては、餅代等の名目で支給しているところもある。また、夏季休暇を保障してほしい。かつて、忌引休暇を学内的に保障したように。

    総長 評議会で決めたからといって、動くというものではないと思う。制度的に解決しないと。

    人事課長 ボーナスに代わるようなものは、制度が変わらないと支給できない。文人給通知が変わらないと出せない。

    職組 パートは非常勤に入ると、人事院が言っている。

    事務局長 文部省としてやらなければできない。今、中央省庁でそのような動きは出ていると聞いているが。

    職組 パートに身分証明書を発行してもらえるか。図書の貸出とか銀行等で、身元証明を求められることが多いと聞く。

    人事課長 この4月から、具体的な話が出てきている。基本的には、部局から申請があって発行される。どこで切っているのかについて、調べて答える。 (職員第一掛長が調べに行った結果)

    人事課長 パートの場合、6ヶ月以上ならば出る。6ヶ月未満については除いている。

    職組 申請先は部局事務でいいのか。

    人事課長 そうだ。

  • 5、その他

  • 全学的な教職員の福利厚生施設

    職組 大学の教職員専用の福利厚生施設は貧弱だ。働く意欲に関わるので、充実させるよう努力してほしい。

    総長 学生も含めて、改善の余地は大きい。そもそも、教職員の福利厚生施設は東北大学にあるのだろうか。教養部廃止の時、学生食堂もすったもんだしていた。私が工学部長の時に、学生が昼休みの初めに食堂に並んで、昼休みが終わっても食べられない時があった。それで、工学部の中で勝手に改善した。もちろん、施設部には連絡した。全学的にやると、総合的計画との関係が出てくる。文教施設費がまた減った。全国で必要な半分しかない。強力な要求がないと、通らない。学生を抱えた学部から、強力に要求を出してほしい。優先順位の問題になる。北海道大学に教職員のための立派な施設がある。経団連会長がそこで食べて、科学技術基本計画制定以後、国立大学の改善が順調に進んでいると思ったと言うので、私は、それは違うとんでもないことだ、あれは特別な場合だと言っておいた。青葉山と川内には、就任早々に、総合的計画をたてるようにと訴えた。工学部の話をすると、工学部だから身銭を切ってできるだろうと思われそうだが、工学部も研究教育の金を削ってやっている。教職員について施設を作るのは、北大のようなケースでないと難しい。北大は上手にやった。きちんとした計画をたてて、施設部・文部省にも相談して進めていく必要がある。

    職組 組合でやるのではなく、当局の責任でやるべきだ。

    総長 学生に対してもできないのに。組合の方から、強く要望してもらわないと。

    事務局長 本部と学部・研究所との関係がある。総長から言えることと、学部等から上がってきて調整するものとがある。概算要求も、第一次的には学部等から上がってこなければ。

    職組 教職員の施設なので、当局としてイニシアチブを。

    総長 場所の問題がある。少ない予算をつぎ込むので、学内の協力体制が必要だ。トップダウンではできない。要求が上がってくれば、積極的に協力する。学部でできるんだから、工学部では、青葉山記念館を作ったんだから。

  • セクハラ問題

    職組 相談窓口を設置するなど、一般的に対応するつもりはあるか。

    総長 一般的にいろいろ問題があり、何らかの対応をすべきだと考えていた。具体的に資料を見ると、多くは教職員と学生の問題、学生同士の問題だ。対策をたてている大学は、問題を起こして新聞沙汰などになってのことだ。東北大学では直接には聞いていないが、予防的な措置をとるべきだ。問題は異なるが、工学部長時代に研究の安全の問題があり、他大学に委員会、マニュアル、チェック機構を作ったところがあるので、工学部でも準備しておくべきと考え、対策をたてたことがある。セクハラ問題でも、対応をそろそろ始めるべきだと考える。具体的には、相談窓口、また学生便覧のようなものでのガイダンスを考えているが、便覧は学部の所轄事項だ。学部長会議等で話題にし問題提起をしたい。窓口については、4月から、女性教官に学生相談所の担当になってもらった。セクハラ的な対策も、当然、含まれていると思っている。職員内部の問題としては、人事院勧告に出ていたが、具体的には来年出るようなので、それを見ながら対応していきたい。

    職組 学生相談所の対象は学生だ。職員に問題が生じたときはどうするか。組合からの申し入れの趣旨はここにある。この間の動きは、人事院勧告の前の男女雇用機会均等法改正に基づいているので、大学が対策を先取りすることには問題はない。できるだけ早く、職員のための相談窓口をという要求である。

    総長 対応が遅いということか。伺っておく。

    職組 私の知るところ、現に起こっている。採用に際して、事前にパンフレットを出す等の対策をお願いしたい。

    総長 重要な問題として、学部長・研究所長会議に話題提供して考えてもらう。

    職組 結論が出たら、組合に伝えてほしい。

    総長 結論が出るかどうか。動きを見ていてほしい。

  • 人勧、次回交渉

    職組 人勧については、改めて交渉を申し込むので早急に応じてほしい。答えはいらないが、勤勉手当については、差別支給しないことについて、当局と組合の間の確認があることを、認識しておいてほしい。

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