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「日の丸・君が代の法制化に反対する宮城県民集会アピール」への賛同署名・メッセージをお寄せ下さい.

 日の丸・君が代の法制化は,7月22日衆議院を通り,参議院にたたかいの舞台を移しました.私たちは,日の丸・君が代そのものには賛成の方も含めて7割以上の人々が,現時点での拙速な法制化には反対であるという,圧倒的な世論の力を信じて,あくまでも法制化反対の声を挙げ続けていくべきだと考えます.

 そこで,去る7月18日に開かれた「日の丸・君が代の法制化に反対する宮城県民集会」(主催:宮城県教職員組合協議会)において決議された集会アピールを掲げ,これへの賛同の署名・メッセージを募ることとしました.

 以下のアピールとその趣旨に賛同される方は,東北大学職員組合書記局まで,FAX(022-227-0671),またはe-mail(touhokudai-syokuso@ma5.seikyou.ne.jp)などで,お名前,所属(差し支えなければ肩書き)をお寄せ下さい.この問題に関するメッセージも歓迎いたします.

 この呼びかけは,主として東北大学の教職員の方々,および,宮城県内の大学・高専にお勤めの方々を対象としたものですが,それ以外の方からのメッセージも歓迎しております.なお,お寄せいただいた賛同署名・メッセージは,書記局で取りまとめた上,記者会見などによって社会的にアピールしていく予定です(請願のための署名ではありません).


集会アピール
日の丸・君が代の法制化や押しつけには反対します


 自民党政府は,日の丸を国旗,君が代を国歌とする法案を,国民の意見も聞かずに,今国会で成立させようとしています.
 この間文部省は日の丸・君が代について,学習指導要領を根拠にしながら「国旗・国歌」としての指導を強制し,特に卒業式や入学式では「国旗掲揚」「国歌斉唱」を義務づけるなど,学校教育への乱暴な介入を図ってきました.また,各種のスポーツ大会や行事の場では,個人の思想信条や国籍さえ無視して「起立」「国旗へ注目」「国歌斉唱」などを押しつけてきました.
 しかし,教育現場には「学習指導要領を根拠に個人の思想信条,内心の自由を侵していいのか」「学校行事に対する日の丸・君が代の強制は教育への介入であり,教育基本法の精神を踏みにじるものだ」「いかなることであれ,強制は教育の条理になじまない」など,政府・文部省の姿勢に対する厳しい批判が渦巻いてきました.
 子どもと教育を大事に考えれば考えるほど,権力による統制や強制を許すことはできません.にもかかわらず,文部省や県教委は,教育の場に土足で踏み込み,教職員の良心も学校の自主的・民主的運営も無視して,強制を強めてきました.広島県立高校の校長の自殺事件はそのような中で起きたのです.残念な事件ではありましたが,このことを契機に,国民の間でも関心が広がり国旗・国歌の在り方や日の丸・君が代は国旗・国歌にふさわしいのかなど,今までにない率直な論議もわき起こっています.県内でも,本日の集会への賛同署名が六百人にも及ぶ学者・文化人・教職員や各種団体を代表する方々から寄せられています.七月十四日には「日の丸・君が代の法制化・強制に反対するみやぎ県民の会」も結成されています.
 この間,自民党は戦争協力法=新ガイドライン関連法を強行可決したり,盗聴法案や住民台帳法の「改正」を強行しようとしたり,改憲を視野に入れた憲法調査会の設置をも強行しています.このような自民党の危険な動きに対しても,全国の著名な学者・文化人の方々や保守層を含む各界の方々から,憲法に抵触することを強行してはならない,数を頼んで歴史の歯車を逆回転させてはならない,戦前の誤りを繰り返してはならないとしり声があがっています.
 マスコミもまた,日本の歴史を振り返り,国旗・国歌についての国民的な論議を広げるチャンスだ.法制化するにしてもそれからでいい,急ぐことはない.国論が二分しているものを,党利党略だけでごり押ししてはならない.拙速な法制化はマイナスだと指摘しています.各種の世論調査でも,日の丸を国旗,君が代を国歌とすることには賛否が相半ばしています.今法制化することに対しては六割,場合によっては七割近い人々が反対し,国民的な議論をすることを求めています.自民党政府は,このような世論をも無視して日の丸・君が代の法制化をしゃにむに強行しようとしているのです.
 私たちは,日の丸や君が代の果たした歴史的事実を無視することなく,そして日の丸・君が代が好きだという方々も含めて,充分な時間をかけて論議し,国旗・国歌に対する国民大多数の合意を広げることを求めます.国旗・国歌が必要なのかどうか,法制化すべきものかどうか,そして日の丸・君が代がそれにふさわしいものなのかどうかを論議し,その上で民主的な手続きをふまえながら結論を出すことを求めます.
 国会の数による強制は,日本の民主主義を根底から崩すものにしかなりません.教育の条理を無視したり個人の思想信条を侵すような強制は,憲法違反であり日本の文化を枯死させるだけでしかありません.論議を保証しない拙速な法制化には,県民こぞって反対しようではありませんか.以上を訴えて,集会アピールとします.

一九九九年七月十八日

日の丸・君が代の法制化に反対する宮城県民集会
宮城県教職員組合協議会(宮教協)


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