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人事院による調整給実甲措置

(東京大学職員組合が1991.12.6に作成した資料より)

文部省通知「教務職員から助手に異動した場合の俸給月額の決定について」(1991年11月8日)の骨子(「文人給第20号」、文部省大臣官房人事課給与班主査名)
  1. 今後人事院と個別に協議する。
  2. 2001年11月30日までの時限措置
    2001年12月1日以降の昇格者には調整措置を適用しない。
    また、1982年10月1日以降の採用者にも調整措置は適用しない。

  3. 1991年12月1日以降の昇格者
     別表に基づく(採用年月日、昇格年月日によって定まる)年数、昇格した日から遡った日に、給実甲254号を適用して教務職員から昇格したとして、2級号俸及び次期昇給日を決め、その後の昇給、特別昇給に基づき再計算して、昇格日の2級号俸を決定する。

  4. 1991年12月1日以前の昇格者
     12月1日現在助手として在職している者については在職者調整をする。
     12月1日に昇格したとして、別表に基づき、上と同様に再計算して12月1日の2級号俸を決める。

  5. 遡及した日に教務職員でなかった者(国家公務員でなかった者については給実甲442号の適用者に限る)は、その日の前日に教務職員に異動した者として決められる号俸及び次期昇給日を基礎に計算。

  6. 採用年月日は、常勤の国家公務員として採用された日。人事院規則9-8第17条、18条の規定により地方公務員から引き続き採用等された者も該当し、その際の採用年月日は仮定計算上の採用年月日。

  7. 1991年12月1日から実施

別表

調整計算のための基準表=遡る年数を求める

    昇格年月日
    1991.12.1

1992.11.30
1992.12.1

1993.11.30
1993.12.1

1994.11.30
1994.12.1

1995.11.30
1995.12.1

1996.11.30
1996.12.1

1997.11.30
1997.12.1

1998.11.30
1998.12.1

1999.11.30
1999.12.1

2000.11.30
2000.12.1

2001.11.30
採用年月日 1962.10.1〜1964.9.30 10年 9年 8年 7年 6年 5年 4年 3年 2年 1年
1964.10.1〜1966.9.30 9年 8年 7年 6年 5年 4年 3年 2年 1年
1966.10.1〜1968.9.30 8年 7年 6年 5年 4年 3年 2年 1年
1968.10.1〜1970.9.30 7年 6年 5年 4年 3年 2年 1年
1970.10.1〜1972.9.30 6年 5年 4年 3年 2年 1年
1972.10.1〜1974.9.30 5年 4年 3年 2年 1年
1974.10.1〜1976.9.30 4年 3年 2年 1年
1976.10.1〜1978.9.30 3年 2年 1年
1978.10.1〜1980.9.30 2年 1年
1980.10.1〜1982.9.30 1年


批判点

  1. 問題の根幹に制度があることには触れていない。文部省・国大協の責任、大学当局の怠慢と責任を公式に追及すべきである。
  2. 給実甲254号「別表第1」の改正(1行削除)によらず、姑息な方法によっている。
  3. 「再計算」ではなく、給実甲254号の調整にとどまったため、「不均衡是正」の本質にかなっていない。完全な不均衡是正は行われず、依然として不均衡は残存する。是正率は最高で8割程度。昇格が遅くなればなるほど是正率は減少する。
  4. なお残る格差は、大学当局の怠慢に対応すると判断できる。我々は、それを根拠に特別昇給枠の別途配分を大学当局に要求する。

評価点

  1. 異例な速度で改善策が具体化された。
  2. 教務職員制度の現状に大きな問題があることを認め、部分的ではあるが不公平是正を行うことになった。
  3. 教務職員は助手に昇格すべきもの、しかも適切な時期=11号俸までに昇格すべきものという原則を再確認した。今後の運用に関して、明確な枠をはめた。即ち、1982年10月1日以降の採用者には是正策は適用されず、11号俸、遅くとも15号俸までには昇格することを義務づけた。人事院の言う「昇格方式が適当」ということである。
  4. 在職する高位号俸者についても、採用年月の区分に応じて、一定の年度内に早期に昇格することを義務づけた。(13〜19号俸、20〜27号俸、28号俸以上の三つのグループに応じて具体的年限は定まる)

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