2000年定期大会における挨拶
真壁執行委員長のあいさつ
組合は昨年10月29日に結成50周年を迎えた。組合員や他団体の協力で記念の諸行事が成功したことに深く感謝する。職員組合50年史は現在編さん委員会にて論議中であり今日の議論も反映させたい。
総選挙によって国民の審判が下った。一方、少数の得票で大きな議席を得る小選挙区制の弊害がはっきりと示された。民主的選挙制度の確立も今後の重要な課題だろう。
国大協が国立大学の独立行政法人化を具体化する文部省の調査検討会議への参加を決めたことは重大だ。すでに全国で反対運動が始まっている。組合としても一大運動を組み独法化阻止に全力をあげよう。
東北大学ではこの間、効率を優先し締め付けを強化する動きが強まり自殺や医療事故が増大している。今こそ組合の役割は大きい。仙台銀行などは職場闘争を強化して要求を前進させてきている。東北大職組も職場闘争を大いに強化しよう。
自民党の後退という大きな変化が進行している。自民党の従来の手法である団体を通じた締め付けがもはや通用しなくなってきている。しかもそれは自ら推進した規制緩和政策の結果でもある。21世紀における大きな変化が期待できるだろう。
女川原発から4キロメートルしか離れていない山中に自衛隊機が墜落した。4キロメートルといえば自衛隊機にとって1秒以下の圏内。新ガイドライン体制のもとで日常的に低空飛行訓練が行われている。日本の主権の問題だ。
東北大学職員組合の運動は、青年・学生に影響を与えるという点で重大な役割と責務をもっている。私も大きな影響を受けた。科学と真実に根差した問題解決ということが今日きわめて重要だ。新しい闘いの方向示せるような21世紀へ、東北大職組の奮闘に期待する。
県内労働者はまさに命が脅かされるような深刻な事態におかれている。昨日、タクシー労働者等の組合である自交総連の大会が行われた。会社の廃業を選ぶかかそれとも賃下げを選ぶかという究極の選択が問われた大会だった。自交総連の労働者はもともと低賃金であり、中には今度の賃下げで年収200万円台になる人もいる。その大会は結局180名の組合員が団結して営業と生活をともに守ることを確認した。組合員の団結は命を守る要であり県労連運動の誇りだ。連合傘下の全自交においては、今、組合分裂の動きが起こっている。宮城県全体の中で県労連組合員2万人がはたす役割はひとり県労連のためではなくもっと大きなものがある。東北大学職員組合には運動をますます牽引し中心的な役割を果たすよう期待する。
昨年、宮教協としてとりくんだ日の丸・君が代の法制化に反対する運動が発展的に継承され、県民の会が結成された。憲法、教育基本法、戦後民主主義の危機は、憲法調査会が3年後の憲法改悪を狙っていることや「教育改革国民会議」の動きなど、いっそう深刻になってきている。独立行政法人化も今や国立大学だけの問題ではない。小学校、中学校、高校の独立行政法人化についても語られ始めている。小・中・高・大学の共同を強めよう。
高教組はこの間県内の自治体をめぐり高校の統廃合への反対を訴えてきたが、この趣旨に32の自治体が賛同している。保守的と言われる町長などから「県立高校は町にとってはわが町の高校であり、そう考えてこれまで大切に育て支えてきた」との思いが述べられている。このような視点は私たちの運動の中で大切だろう。県民、国民との協力共同を大いに発展させよう。
県国公は結成来年40周年を迎える。
国家公務員をとりまく状況は厳しい。25%定員削減が実施されれば減員は14万人にあたる。公務員がたいへんなだけではない。行政サービスが低下する。ここに地域住民との接点がある。我々のサービスは地域にとって必要なものであり、人減らしのために切り捨てられていいはずはない。
賃金をめぐる状況も厳しい。人事院の姿勢は、公務員賃金は民間準拠であり民間の賃金状況はまだまだ厳しいというものだ。このままではボーナスカットどころではなく基本給までもがカットされかねない。最低賃金など民間労働者との共同を大きく進めよう。
今年度の署名運動の到達は組合として誇りにしてよいだろう。ただし生協や他労組等の力によるところも大きく、教員の力はまだまだ発揮されていない。引き続き奮闘しよう。
娘からは「どうせやるならポジティブ思考で」と言われた。かつて元委員長から「やってみると情報量が全然違うしなかなか楽しい」と言われたこともある。先日行われた文科系支部の集まりでは「どうせやるなら、国立大が何をしようとしているのかを市民に知らせるシンポジウムでもやったらどうか」との提案も出た。このシンポジウムは秋あたりに是非やりたい。学部を超えて励まし支える声がきている。組合を通じた人と人とのネットワークづくりをすすめたい。