国立大学法人東北大学の役員会は、私たちの重要な生活費の一部となっている寒冷地手当を、「人事院勧告に準拠する」の一点張りで削減・廃止することを決定しました。下記(表1)(表2)をご覧下さい。職員組合は、これに反対して、4回の声明や要請書を大学当局に提出しました。また、今年度から実際に3万円の削減が実施される浅虫・鳴子両地区の教職員(未組合員を含む)の切実な反対の声を載せた要請書を取り次いで提出しました。さらに、10月22日と25日の2回北村理事と団体交渉を行い、また11月10日には懇談を行いました。
この間の経過については寒冷地手当改定問題のページをご覧下さい.
地域 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年以降 | 最終的には |
仙台等 | 従来の額 | 前年の額 - 4万円 | 毎年、前年の額 - 3万円 | 廃止 | |
青森、遠野、鳴子、秋田 | 従来の額 - 3万円 | 毎年、前年の額 - 2万円 | 従来の額の約6割に |
※いずれも今年から分割払い(11、12、1、2、3月。但し准職員は12、1、2、3、4月)
寒冷地手当の支給状況 | 大学 | |
従来通り | 10/29に従来の額が一括支給された | 福島大 |
東京大 | ||
富山大 | ||
九州大 | ||
ほぼ従来通り | 11/末一括支給.他の変更はなし. | 山形大 |
分割支給のみ実施 | 11-3月分割支給.減額予定なし. | 宮教大 |
人勧通りの寒冷地手当改悪 | 11-3月分割支給.減額・廃止の経過措置含む. | 北海道大 |
弘前大 | ||
岩手大 | ||
秋田大 | ||
東北大 |
※大学共同利用機関法人自然科学研究機構・国立天文台では、従来通りの寒冷地手当支給が維持された。
この間、各事業場の過半数代表者が精力的に反対の行動を取ったことは皆さんご承知の通りです。この過半数代表者には、多くの組合員が選出されていますが、職員組合は、過半数代表者とも連携・協力しつつ、独自に以上のような行動を展開しました。過半数代表者は、使用者側のイニシアティブでただ意見を表明することができるだけで、使用者側はそれを単に聞きおくだけでいいのですが、労働組合である国立大学法人東北大学職員組合は団体交渉を要求できます。職員組合はこの権利をフルに生かして、強力な反対運動を展開しました。
さらに、とくに就業規則改定手続きに不当労働行為に当たる不誠実な対応が使用者側にあると考え、この点を職員組合の顧問弁護士に相談し、検討してもらっています。もしも今後使用者側と話し合いができないような状態が生まれれば、地方労働委員会へ申し立てることもできます。この地方労働委員会への提訴も職員組合なればこそできることです。
今年度の人事院勧告は、来年度に向けて国家公務員の地域別給与制を導入することを報告しています。この制度は、大都市生活者に手厚くして地方在住者に厳しくするものですから、東北大学が「人事院勧告に準拠」して同じ制度を導入するならば、私たちの給与は現在よりも5%近く下がるといわれています。このような給与体系は、私たちの生活を破壊するだけでなく、優れた人材を東北大学に集めることも不可能にするでしょう。職員組合は、使用者側が独自に経営判断することなく安易に人事院勧告に準拠することに強く反対するとともに、どのような給与体系を策定すべきか、早急にその案を示しつつ職員組合と誠実な話し合いに入ることを要求します。
地域 | 官民給与の較差 | |
---|---|---|
北海道・東北 | △4.77% | |
関東甲信越 | 2.00% | |
東京都 | 3.72% | |
中部 | △1.86% | |
近畿 | △0.17% | |
中国・四国 | △2.23% | |
九州・沖縄 | △2.60% |
東京周辺以外は軒並み賃下げに。これでも人勧準拠をつづけるのですか?
今回の寒冷地手当の廃止・削減にみられたように、使用者側の横暴はとうてい一人ひとりが孤立していては防げません。私たちは国家公務員でなくなりました。これからは、手当の削減・廃止のみならず、雇用を維持することすら難しくなるかも知れません。こうしたときに頼りになるのが職員組合です。
私たちは、団結権、団体交渉権のほか、争議権も与えられました。ストライキという語は、日本ではすでに死語となった感がありますが、最近のプロ野球選手会労組のストライキにみられたように、私たちの要求を実現するためには、正当性とまわりの人々の理解が得られるならば、争議もたいへん有効な手段になります。現に、労働組合の本場ヨーロッパでは、とくに自動車産業のリストラ計画に反対して、大規模なストライキが行われています。
これらの権利を有効に行使するためには、なんといっても組合が大きくなる必要があります。たとえ一人ひとりの力は弱くても、団結することで力は大きくなります。東北大学に働く教職員の労働条件や雇用を守り発展させるために、皆さんが職員組合に加入されることを心より訴えます。
国立大学法人東北大学職員組合
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