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東北大学職員組合規約改正案の要点

2004.3.4 執行委員会

規約改正案

1. なぜ、いま規約改正か

(1)法的な必要性

4月1日の国立大学法人移行に伴い、国立大学の組合の位置づけも大きく変わります。現在、東北大学職員組合は職員団体ですが、法人化後は法律上の労働組合となります(国立大学法人法附則第8条)。ひらたくいえば、一般企業や私立大学の組合と同じになるということです。

労働組合には、労働組合法によって満たすべき条件が決められています。それは規約に反映されます。したがって、規約の改正が必要となります。

労働組合が、その要件を満たしているかどうかを問われるのは、不当労働行為を労働委員会に申し立てるときです。その際、同委員会による労働組合の資格審査の一環として規約も審査されることになります(労働組合法第5条)。

また、東北大職員組合は、現在、法人となっています。それを継続するためには、4月1日から60日以内に労働委員会の証明を受け、法人の登記を再度行わなければなりません(国立大学法人法附則第8条第2項)。その場合も、規約が審査されることになります。

(2)「法人化後」に適応した改正

 (1)のように法律的な必要性がなくとも、公務員の職員組合から非公務員の労働組合に変わることによって、従来の規約では不都合・不自然な点が出てきます。その点を改正します。

(3)実情に合わせる必要性

 現行規約には、実情に合わなくなっている点が多々見受けられます。また、組合活動として定着しているにもかかわらず、規約に規定されていない会議等もあります。この機会に、それらを改正あるいは規定しておくことが必要です。

(4)組合のイメージアップ・強化の観点からの必要性

 法人化後は、これまで以上に多数の組合員を迎え入れる必要があります。規約も社会的な状況にマッチしたものにしなければなりません。そのため、社会一般では使われてない用語、難しい言い回しは改めます。また、現在の組合運動に必要な項目も付け加えます。ただし、執行委員会では、規約ひいては組合の性格を抜本的に変えるような改正は必要ないと判断しています。

2. 規約改正の基本方針

 したがって、今回の規約改正の基本方針は次の通りです。

  1. 労働組合法に準拠するように改正する。
  2. 「法人化後」に適応した改正をおこなう。
  3. 組合活動の実情に合わせた改正を行う。
  4. 組合のイメージアップ、強化につながるような改正をする。

3. 労働組合法との関係


労働組合法で定められた要件 東北大職員組合規約との関係
1.労働組合としての資格要件
I. 労働組合法第2条
(1)労働者が主体となって、自主的に組織していること。
(2)労働条件の維持改善及び経済的地位の向上を主たる目的としていること。
・現第5条(目的)で基本的によいが、労働組合として交渉権限をもつことになる組合員の賃金、労働時間の改善を具体的に入れる。
(3)使用者の利益を代表する者が参加していないこと。 ・現第3条(構成)のただし書きを「労働組合法第二条但書第1号に定める管理監督的地位にある労働者等は加入できない」と改める。
(4)使用者から労働組合の運営のために経理上の援助を受けていないこと。 ・問題なし。
(5)共済事業や福利事業のみを目的としていないこと。 ・問題なし。
(6)政治運動や社会運動を主目的としていないこと。 ・問題なし。
II. 労働組合法第5条第2項
(1)労働組合の名称 ・現第1条の名称を、国立大学法人東北大学職員組合に変更。
(2)労働組合の主たる事務所の所在地 ・現第2条(所在地)で基本的に問題なし。
(3)参与権及び均等取扱権
 連合団体でない労働組合(単位労働組合)の場合には、組合員がその労働組合のすべての問題に参与する権利及び均等の取扱いを受ける権利を持つこと。
・現第8章 権利と義務 に「組合員は、労働組合のすべての活動に参加する権利、及び均等の取り扱いを受ける権利を有する」と一般規定をおく。(新62条)
(4)組合員資格
だれでも、どのような場合であっても、人種、宗教、性別、門地又は身分によって組合員としての資格を奪われないこと。
・現行第7条(差別取扱いの禁止)では、組合員の問題に限定しているので、改正が必要。
(5)役員の選挙
 単位労働組合の場合には、役員は、組合員の直接無記名投票により選挙されること。
 連合団体である労働組合または全国的に組織を持つ労働組合の場合には、役員は傘下の単位労働組合の組合員の直接無記名投票、または組合員の直接無記名投票によって選挙された代議員の直接無記名投票によって選挙されること。
・現行第53条(役員の選出)で基本的に問題なし。ただし、書記も組合員なので被選挙権を有するものとしてあえて特記しない。
(6)総会の開催
 総会は、少なくとも毎年1回開催すること。
・現行第11条(大会の招集)で基本的に問題なし。
(7)会計報告
 すべての財源と支出内容、主な寄付者の氏名及び現在の経理状況を記載した会計報告について、組合員が依頼した職業的に資格のある会計監査人によって「正確である」との証明を受け、その証明書とともに、少なくとも毎年1回は組合員に公表すること。
・現行第57条(会計報告)に、「組合員によって委嘱された職業的に資格のある会計監査人による正確である旨の証明書を付して会計報告を行う」と明記する。
(8)同盟罷業(ストライキ)の開始
 同盟罷業を行うには、組合員の直接無記名投票、または組合員の直接無記名投票により選挙された代議員が直接無記名投票を行い。その有効投票数の過半数の賛成を得ることが必要であること。
・現行第17条(中央委員会の権限)に同盟罷業開始の手続きを加える。
(9)規約改正
 規約を改正するには、単位労働組合の場合は、組合員の直接無記名投票を行い、全組合員の過半数の賛成を得ることが必要であること。
・現行第70条で問題なし。

以上から、現行規約の第1条、第3条、第5条、第17条、第57条を労働組合法にのっとって改正し、あらたに新62条をおきます。また、第7条は、法律に抵触することはありませんが、実情に合わせて改正します。

4. 組合活動の実情に合わせた改正

この観点からの主な改正点は次の通りです。

  1. 執行委員会を、現在呼び習わされているように「本部執行委員会」とした。(新第9条等)。
  2. 本部執行委員長に臨時大会の招集権があることを明記した。(新第11条)
  3. 現行規約では月1回開催とされている中央委員会の招集を、実情に合わせ、必要に応じてとした。(新第16条)
  4. 実際には機能していない闘争委員会を廃止した。(現第24条、新第73条)
  5. 支部代表者会議を規定した。(新第24条)
  6. 直属部を規定した。(新第35条)
  7. 支部委員会を置いていない支部が大多数なので、設置の義務づけをやめた。(新第41条)
  8. 本部執行委員会に直接加入申し込みする手続きを規定した。(新第59条)

5. 「法人化後」に適応した改正

この観点からの主な改正点は次の通りです。

  1. 公務員的な用語を改めた。例)勤務条件→労働条件(新第5条)、秘密投票→無記名投票(新第53条等)
  2. 国立大学的な表現を、国立大学法人にふさわしいものに改めた。例)学内行政→大学運営(新第8条)
  3. 法人化後は、労働組合として労使交渉を行うことになる。その手続きに関する規定を付け加えた。(新第17条)

6. 組合のイメージアップ・強化の観点からの改正

この観点からの主な改正点は次の通りです。

  1. 差別取り扱い禁止の条文を増補した。(新第7条)
  2. 事業に男女共同参画に関する事項を加えた。(新8条)
  3. 支部執行委員会が、組合員を「指導」するという、時代・実情にそぐわない規定を改めた。(新第36条)
  4. 組合脱退の手続きを簡略化した。(新第60条)
  5. 組合員に対する懲戒処分手続きに、組合員の弁明権を明記した。(新第61条)
  6. その他、字句の改正については改正案を参照のこと。

7. 規約改正の手続きについて

(1) 規約に定められていること

規約改正について、現行第70条にのっとって大会→批准投票→批准→施行という流れで規約改正をおこないます。

(2) 大会

  1. 3月4日(木) 大会公示・議案配布
    各支部では、大会までに議案書(規約改正案等)の議論をお願いします。
  2. 3月19日(金)午後1時30分より 片平市民センター3階 第1・2会議室

(3) 批准投票

  1. 3月22日(月) 批准投票公示
  2. 3月22日(月)─29日(月) 投票期間
    投票は支部ごとに行います。
  3. 3月29日(月) 開票
  4. 3月30日(火) 結果公示
  5. 4月1日(木) 新規約施行

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