7月6日(火)、国立大学法人東北大学と東北大学職員組合の団体交渉が開催されました。法人化後、労働組合法に基づく初の団体交渉です。組合は、今後労働条件に関する交渉を行うための基礎として、「組合活動に関する協定」と「団体交渉に関する協定」の二つの労働協約案を提示して交渉に臨みました。法人側からは北村理事(財務・人事担当)、兵頭戦略スタッフ、石川人事部長、鈴木人事課長、菅原職員課長、菅井管財課長等が出席し、組合側からは高橋委員長、柳原副委員長、小野寺書記長、下山書記次長、川端教文部長等が出席しました。
交渉は理性的な雰囲気の中で行われ、双方から修正提案を出し合って別紙の通りに妥結しました(「組合活動に関する協定」,「団体交渉に関する協定」)。その際、組合は組合規約に基づいて中央委員会で批准し、法人側は、事業場長からの意見聴取と役員会での確認を行った上で、両者が調印することになりました。そして、組合は翌7日に中央委員会で協約を批准しました。
「組合活動に関する協定」には、「大学は、組合本部に大学内の施設を組合事務所として貸与する」という規定が含まれていました。そして、水光熱費の負担等の貸与条件については意見が分かれたものの、この協約とは別途に交渉する意思を双方が表明し、協定の文案自体は完全な合意に達していました。
ところが、14日(水)になって組合が調印日程を大学側に問い合わせたところ、北村理事が総長補佐会議で出された意見を理由に、「水光熱費等の具体的条件についての協議がまとまらなければ、二つの協約に調印しない」という方針を持っていることが判明しました。しかし、別途交渉すべき事項の存在は、すでに合意している協約の調印を拒否する理由にはなりません。また、事務所貸与は「組合活動に関する協定」に規定されていることであり、「団体交渉に関する協定」をこれと関連づけるべき理由は何もありません。いずれの調印拒否も、誠実に団体交渉を行うべき使用者の義務を放棄するもので、労働組合法が禁じる不当労働行為に相当します。
国立大学法人で私たちが安心してはたらき、研究・教育を行うには、健全で良好な労使関係が必要です。身分が非公務員となったため、給与などの労働条件を法人ごとの労使交渉で決めなければならないからです。だからこそ組合は協約締結を提起し、一定の譲歩や修正も行いながら妥結に努めてきたのです。
北村理事は、健全で良好な労使関係を築く意思があるのでしょうか。労働組合法を守る意思があるのでしょうか。それとも、法を無視し、教職員の発言権を踏みにじって、労働条件を一方的に操るつもりなのでしょうか。総長補佐会議には多くの役員会理事が加わっていますが、役員会はどのような見地に立つのでしょうか。真に大学の将来を思うならば、とるべき道は明らかです。職員組合は、北村理事と役員会が団体交渉軽視をただちに改め、すでに合意した協約に調印することを強く要求します。
2004年7月16日
国立大学法人東北大学職員組合