2008年12月2日(火)10:00 - 11:30
本部別館2f第3会議室
■佐々木補佐 これから団体交渉を始める。11/13提出の15項目要求についての組合の趣旨説明なので、まず組合の清水委員長から発言する。
□組合 今期の組合は諸問題に対応できるよう頑張って団体交渉等に臨むことにしている。各要求項目について趣旨説明する。
□組合 長い間要求してきた。県内過半数の事業所が、パートにボーナスを出している。組合は当初、春闘相場に基づき1ヶ月分の支給を要求したが、法人側の回答は、あまりに高額なので検討できないというものだった。組合は、時間雇用職員の意見も聞き、前期からは時給の30時間分の支給を要求している。法人側も前向きの姿勢を示し、ほとんどの部局長もOKだった。それにも拘らず、昨年12月も今年6月も支給されなかった。不満だ。法人側として何か方策を立てていると期待している。パート労働法9条1項は、ボーナス支給も含めて事業主の努力義務としている。法人側は人事院勧告を尊重してきたが、人事院でも人勧にあたって時間雇用職員にボーナスを出すべきだと議論された。すでに人勧は閣議決定されている。この12/10に向けて時間雇用職員へのボーナス支給を法人側が準備していると期待している。
法人側には時間雇用職員の定額職務給を考えるといった議論もあるかと思うが、そういったものと抱き合わせで考える場合には、評価等のいろんな問題が出てくるだろうから、組合とも議論して慎重にあたってほしい。
□組合 組合は、労働時間の短縮の問題には常に取り組んでいる。見ての通り、労働時間短縮を実現してほしいということだ。
□組合 助教に級を新設することについて真剣に検討してほしい。前期の交渉では、財政事情が最大の問題であり困難だと回答されているが、これでは、理事としての責任を果たした回答とは言えない。助手から助教に変わり、職務の内容がまったく変わったと理解しなければならない。できない事情があるならば、大学の助教の職務に誇りをもてるような工夫が必要だ。一大学としてはできないというのならば、全国の関係理事と協議して文科省に申し入れるといった役割を果たすべきだ。助手を助教にしておきながら何もしないというのはおかしい。
本給調整額の調整数2の適用については、緊急措置として要求している。就業規則により、大学院博士課程の担当を命じられた者に調整数2が付くということだから、ほとんどの助教にあてはまるだろう。根拠もあることだから緊急措置として即実施してほしい。
□組合 フルタイムでの長期勤続であり、正職員とほとんど同じ仕事をしていながら待遇が差別されている状況は問題であり改善しなければならない。1980年7月以前採用の准職員は、組合は70名程度しかいないと認識している。早く対応してほしい。
□組合 h19年度から正規登用試験が実施されているが、長期勤続の准職員、時間雇用職員に一次試験として教養試験を課し、足切りしているのは、長きにわたって雇用しているのだから、これまでの雇用の経緯から妥当を欠くのではないか。
□組合 法人側としてぜひ調査して公表してほしい。部署によっては「7対1」になっていないところもある。また「7対1」ではあっても、現状はまだまだ看護師が少なく、ぎりぎりの人員配置であり、休みが非常に取りにくい。
□組合 任期付正職員の数は、任期の付かない通常の正職員の数の半数にのぼる。こういう形で本当にやっていけるのか疑問だ。医療ミスがあったりしたら大変だ。また、看護師は3年で一人前になるという実態もある。経営側の論理としても、5年を限度として雇用を打ち切るとすれば、コストパフォーマンスとしても悪い。制度上、任期なしの正職員にすることに困難な事情もあるのだろうが、それを崩していくべきだ。そのために、我々といっしょに国に是正を求めていく立場に立ってほしい。
□組合 言葉通りであり、説明の必要はないだろう。
□組合 看護師の職場環境は過酷だ。たとえば育児休業から職場に戻れないといった実態もあるほどであり、人員の保障が必要だ。
□組合 「事業主行動計画」の問題とも関連する。代替職員による補充もあるようだが、育児休業後にもとの職場に戻れないという実態もある。戻ってきた時には代替要員が職場の戦力になっているので、復帰する人は他の場所に復帰するべきだという事情もわからなくもない。しかし、育児休業をとったら安心して職場に戻れない、育児休業がとれないといった事情があるのは問題だ。
□組合 医療事故を起こしてはならない。そのためにも職場環境を改善すべきだ。
□組合 昨年度法人側として超勤の実態を調査して、不払いはないという認識を示したと思うが、組合にはいろんな不払いの情報が入っている。とくに、労基法の下では、上司の超勤命令が発せられているか否かに関わらず、実態に即して、実際に超勤を行えば割増賃金が発生する。超勤を命令していないから超勤手当を出さないということではない。もう一度調査を工夫して行い、再び労基署から指摘を受けることのないようにしてほしい。
□組合 法人側からいくつかの案が出ている。その中には1週間に1日雇えば合法だといった内容もある。見識を疑う。
大学は優れた人材を集めなければならない。50代の教員が今後の身の処し方を考える時に、東北大にいると居心地が良くないということでは、優秀な人ほど外に出て行くだろう。国立大学法人89大学のうち63歳定年は20大学、全体の約22%にとどまり、65歳定年は67大学もある。法人案は、人材確保という観点からはあまりにかけ離れている。
財源的には部局まかせだ。部局の教員からは不満の声を聞く。部局から中央にはお金を吸い上げるが、お金がかかることは部局で勝手にすればよい、ということでは、教職員は非常に不満だ。
実際、一般の企業と異なり株主総会がないから経営者は楽だという声もある。経営者には責任がある。この経営陣のもとで、他大学に比べ東北大学がとても良いというようにしなければならない。教員の63歳以降の雇用延長について、全学的な議論の場を保障して、優秀な人材が確保できる制度にしてほしい。
□組合 すでに岩手大や秋田大では実現している。東北大でもできるだろう。一般事業主行動計画を高らかに謳っている精神からもぜひ実現してほしい。
□組合 2005年度の年休取得率については、正職員では平均42.7%といった実態が情報開示されているが、現在の年休取得率はどうなのか示してほしい。
□組合 現在の計画年休での運用をやめて全学一斉での休業をしたらよいという提案だ。昨年度の法人側の回答は、すでに夏季特別休暇もあるし、年休がなくなった人には現在の計画年休での事業場休業にあたって特別な休暇も措置していると、否定的な回答だったが、別の観点からは、今法人が重視しているCO2削減のためにも、夏の暑い時にたとえば一週間すべて閉鎖することなどは非常に有意義だろう。
□組合 この積立制度は、2年の時効にかかってしまう年休のうち何日かを上限として積み立てて、有効に使えるようにしたい。以前から多くの企業で実施されていて、本人の疾病や家族介護に使える。現状では、介護や病気に備えるために思いきって年休が使えないという状況もあるので、この積立措置によって、正職員なら年間20日与えられている年休の取得率もアップするのではないか。
□組合 昨年の回答は、大学教員任期法・労基法に基づき、本学の就業規則が定められ、就業規則に基づいて本学の任期制が実施されているのだから良いということだったが、我々の要求の趣旨はそんなことではない。任期法の趣旨は、「選択的限定的」ということにある。一般的に任期制を導入するというのではない。この点で法人側は回答していない。たとえば、金研、多元研、医学系研究科などでは一般的に任期制の導入をしており、明らかに法の趣旨に反している。部局の方針もあるだろうが、法人としてきちんと、限定的なのだから安易に任期制を導入・拡大するなと周知すべきだ。
□組合 ガソリン代は最近値下がりしている。しかし、3月頃から最近までガソリン代は非常に高かった。とくに自動車通勤の職員にとって大きな負担になったことは事実だ。自動車通勤は大学で定めた範囲できちんと通勤費を措置することになっているので、毎回の値上がりや値下がりにその都度対応せよということではない。また、現在の通勤手当はだいぶ以前に定められた通勤手当だ。とくに今回については特別な値上がりをしたのだから、この間の値上がりによる職員の負担のために、特別な措置を考えてほしい。
□組合 現在駐車問題はいろいろなところで議論されているが、ただ金を払わせれば良いというのは非常に稚拙な方法だ。実際にCO2を削減したいのなら、お金を払わせて何とかするのではなく、もっときめ細やかな対策がとれるだろう。
□組合 本学の一般事業主行動計画は、働く環境の改善を高らかに謳い上げている。とくに女性の就労環境改善にとって重要だ。この実現状況を説明してほしい。
現実には、病院の看護師で、育休後に大変な職場への復帰を求められ、退職を余儀なくされた人がいる。これでは何のための一般事業主行動計画かわからない。育児休業後に復帰できないのでは育児休業にならない。退職した人は、大学というものはそういうものだと諦めてもいる。大学の在り方として、そういった状況は良くない。実態を知って対処してほしい。
あとで女性部からも補足する。
□組合 この要求を提出した後、報告書が公表され、今技術職員への説明会が行われている。法人側としてはこれで組合の要求に応えていると言うかもしれないが、組合の要求の趣旨は、閉鎖的に議論することが良くないということだ。最初から公開してほしい。最初から公開すれば決まるものも決まらないということではないだろう。検討中の案をどんどん示して、いろんな意見を聞けば良い。
□組合 健全な労使関係を築きたいのでぜひ協力してほしいという趣旨だ。
□組合 組合費の天引きを希望する組合員については、労基法に基づいて組合費の天引きができるようにしてほしいということだ。
□組合 先ほど理事に、要求項目12に関係して、女性部から6項目の具体的要望・質問を文書で提出した。女性部として重視しているのは、1)育児に関する休暇の周知・啓発、休暇をとりやすい環境づくり、2)男性職員の育児休業取得の励行、3)年次休暇の取得促進、4)所定外労働時間の減少、5)女性職員の登用と採用の拡大及び50歳代女性の処遇改善、6)トイレ・更衣室・休養室の改善、禁煙・分煙等職場環境の改善、の6点だ。これに文書で回答していただきたい。
□組合 これについては女性部の要望・質問を参照してほしい。
■折原理事 丁寧に説明いただいた。参加者から補足説明があれば聞きたい。理解できることもあれば、法人側の立場が理解されていない、あるいは法人側の理解が不足していると感じたところもある。この要求項目を踏まえて、次回交渉で回答したい。こちらの交渉委員は私と兵頭副学長と寺中人事課長だ。後で人事課長からいくつか確認のため質問する。
組合の新執行部発足後初めての交渉なので、若干の時間、全体的な状況について発言したい。
昨年10月より本学理事に就任している。h16年の法人化から5年目を迎えている。一行政機関だった頃は、国が環境整備し、大学は国が決めたことをきちんと行うのが基本だった。法人化によって、大学は独自の存在となり、自主的自律的な活動を自分の考えで行わなければならなくなった。自由は得たが責任も負い、また中期目標・中期計画、評価制度等、社会的な説明責任もある。そのために多忙が増すといった問題もある。本学は、法人化以前から日本を代表する大学の一つであり、日本や世界の教育研究をリードする役割・使命もあった。引き続き独自の存在として頑張らなければならない。
現状は、意識改革の遅れや、運営費交付金の削減、資金獲得の必要などの厳しい状況がある。理事には責任がある。職員にも責任と役割がある。実際職員には、厳しいお願いもしている。大学の発展のためには、優秀な人材の確保が必要であり、また優秀な人材にならなければならない。職員一人一人も、諸問題の解決に努めながら、自らの生き甲斐と大学の発展をともに考えられるような職員にならなければならない。
健全な労使関係という点では、まだ労使で十分な意見交換ができていない。十分に情報提供をしていないという問題も指摘された。大学の発展のためにも教職員の生活のためにもきちんとやっていきたい。
今回の要求については、できれば年内に回答したい。関係部局との調整や役員会での了解も必要だ。実態調査については短期間にはできないので、次回は途中経過の報告になるかもしれないが、年内を目途に、できるだけ早く次回交渉を行えるようにしたい。
□組合 よろしくお願いする。時間がかかる項目もあると思うので、分けて回答するということがあってもよい。
■折原理事 それでは、人事課長から確認のためいくつか質問する。
■寺中人事課長 「項目2」の労働時間短縮について、17:15から17:00に戻すということだが、具体的には、昼休みを45分の休憩とし、終業時刻を17:00にするということか。
□組合 今の質問は、勤務時間が短縮されて7時間45分になるという確認ですね。
■寺中人事課長 そうだ。具体的な時間帯について聞きたいと思って質問した。
■寺中人事課長 「項目3」の助教の待遇改善について、新たな級を新設せよ、当面は助教に調整数2を適用せよということだが、学校教育法改正と同時に給与規程を改正し、助教が博士の指導を担当した場合で、一定の条件を満たした場合に、調整数2を付けることにしてある。実際に調整数2を適用されている助教もいる。要求の趣旨は、この条件を満たさない人にも調整数2を付けよ、ということか。
□組合 ここで言っているのは「大学院博士課程の担当を命じられたもの」だ。
■寺中人事課長 命じられた者には付けてある。
□組合 命じられた内容を細かく言っているのではないか。たとえば授業とか。
■寺中人事課長 そうだ。
□組合 授業に限らずいろいろなことがある。また、規則では「大学院博士課程の担当を命じられたもの」に調整数2をつけるとなっている。
■寺中人事課長 大学院博士課程の担当を命じられた助教について、一定の条件がある。
□組合 その一定の条件とは何か。
□組合 理学研究科ではすべての助教が調整数1だ。すべての助教が大学院の博士課程を担当していないのか。違う。実態としてはほとんどの助教が担当しているが、調整数1に据え置かれている。
■寺中人事課長 実態と本給の調整額の適用が違うという問題か。
□組合 部局で調整数2を出すことができるのだから部局で改善せよという趣旨かもしれないが、問題は複雑だ。金研、多元研、工学研究科などと兼任している助教もいる。理学研究科だけ調整数2にすると混乱する。部局任せでは進まない。本部として実態に合わせて調整数2にせよという指導を各部局にしなければ改善は進まない。
■寺中人事課長 制度はあるが出ていない実態があるということだと思う。大学院博士課程の担当をしていない助教には調整数2を付けなくて良いということか。
□組合 今の時点ではそれは言っていない。少なくとも大学の規則に明記されているのだから、実情に合うようにしてほしい。
■寺中人事課長 「項目8(3)」の「年次有給休暇を使わない形での夏季一斉休業」とは具体的にはどういう休暇制度を使って休業するということか。あるいは休暇制度を使わないのか。
□組合 有給の全学一斉休業日にすべきだということだ。企業ではよくある。夏の暑い時に効率がわるいので全部閉めてしまう。大学の教員はそれでも出てくる人はいるだろうが、全体としてそういう形をつくっていくのが重要だ。
■寺中人事課長 わかった。
■寺中人事課長 「項目8(4)」の未消化年休の積立について、先程、多くの企業で実施されていて、疾病や家族介護に使えるようにとの説明があったが、本人が自由に使えるようにすべきだという要求ではないのか。
□組合 世間相場にならって使用目的をあげている。法人側が条件は要らないということならそれでもよい。実際、家族介護については社会的なニーズであり、皆不安をもっている。それで未消化の年休を積み立てていって、それがあるので年休がどんどん取れるという形にすれば、年休取得率を上げていくことにもなるのではないか。
■寺中人事課長 「項目10」の通勤手当の見直しについて、自動車通勤の人の通勤手当の額がガソリン代に見合っていないという要求かと思うが、そもそもガソリン代に応じた単価設定にはなっていない。参考にはなっているだろうが。バイクや自転車などいろんな交通用具を含めて通勤距離が何キロならばいくらという定め方をしている。実費支給すべきだという要求か。
□組合 そうだ。
■寺中人事課長 ガソリン代の値上り、値下がりに合わせよということか。
□組合 いちいちガソリンの価格変動に合わせて上げたり下げたりせよということではない。今回のように特別の事情で教職員の負担が増えた時にはそれを考慮せよということだ。
■寺中人事課長 実費に近いようにということか。
□組合 そうだ。付け加えれば、本学では教育のために、青葉山キャンパスに夜遅くまでいなければいけないといったことで自家用車を使うことを余儀なくされている人がいる。また、かなりの教員が授業のために、自家用車でキャンパス間を往復しなければ仕事にならない。しかし、個人負担になっている。通勤費の額が業務の実態からかけ離れていて、個人の負担が強いられているということだ。私自身も、授業のため、三神峯から青葉山や川内などへの移動が頻繁であり通勤費ではとても賄えない。多かれ少なかれ本学の職員はそのような負担を抱えている。そういった事情も考慮されてよいのではないか。あるいは、別途それについてきちんと調査して、それに見合う実費を払うということでもよい。
■寺中人事課長 それは通勤ではないのではないか。
□組合 通勤ではない。それならばなおさら、別途考えなければならないのではないか。今でも、大学の業務なのでタクシーを使って良いことになっているが、大学の出費が増えるから皆マイカーを使っているというのが実情だ。しかし、もし法人がそれに理解を示さないならば、多くの教職員が実際にタクシーを使うということもあり得る。
■寺中人事課長 「項目12」の事業主行動計画の実現状況については、女性部からの要望・質問に対応すれば良いということか。
□組合 女性部の要望・質問にのみではなく、行動計画すべてについてだ。
■寺中人事課長 すべてについてということか。
□組合 そうだ。法人として大きく標榜している事柄であり、法人としても把握しておく必要があるだろう。また実現度という点では、まだ高くはなく、今後の努力目標が大きいのではないかと思うので、お互いに努力するために知りたい。まずは実態を調査するところから初めてほしい。
■寺中人事課長 「項目15」のチェックオフについて、現実にほとんどの組合員が希望しているのか。
□組合 まだ個々の組合員には伝えていない。法的にチェックオフが可能なはずなので可能にしてほしいと言っている。たとえば、組合員のなかで50%しかチェックオフを希望する人がいないかもしれないし、銀行振込を希望する人がいるかもしれない。それは組合員の自由だ。制度としてチェックオフができるということを、法人として認めてほしいということだ
■寺中人事課長 今回新たにこの項目を追加したのには、状況の変化でもあったのか。
□組合 とくにはない。組合費を集金するにあたって、たとえば銀行振込をすると手数料がかかるので、そういった無駄をなくしたい。
■寺中人事課長 要求項目の優先順位はないか。
□組合 難しい。すべて優先だ。
■折原理事 たしかに優先を決めるのは難しいだろうが、昨年は、最初の交渉の際に、1から3までが重点だと言った。今回も同様か。
□組合 たとえば時間雇用職員へのボーナス要求については、正職員への12/10支給日が目前なので、これについては何か回答していただけるか。
■折原理事 この12月は支給できない。
□組合 つまりこの12月の支給については考えてこなかったということか。
■折原理事 考えてはきたが、まだ検討中であり、回答できるような状況にはない。
□組合 早急に検討し、来年度には実施してほしい。
□組合 今日は組合員が大勢参加している。現場の声を聞いてほしい。
■折原理事 わかった。
□組合 最初に看護師から発言する。
□組合 看護師として、安全・安心の医療はもとより、在院日数短縮によって非常に忙しくなっているなど、病院の健全経営にも努力している。現場の末端からの声を届けるために参加した。
この3年間ほど、新採用者が多い。職場によっては、半数を採用後1年〜3年のビギナーが占めている。この若い看護師の育成が大きな課題となっている。中堅の看護師にとっては、出産・育児と仕事との両立が大きな課題だ。社会的にも、「潜在看護師」といって、ライセンスだけあって仕事に就かない看護師がいることが問題となっている。大学病院でも、今働いている大学病院をよく知っている看護師が、いかに仕事を辞めずに、子育てをしながら、若い看護師を育てていくかということが大きな課題だ。
「7対1」看護になり、以前に比べて看護師の人数は増えた。しかし、非常に繁忙度が高い職場では「7対1」が必ずしも守られていない。そうした職場は1つや2つではない。ICUなど特別な診療報酬の体制になっていないところの看護師は、包括的、平均的に「7対1」が算定されており、いくつかの部署では、年度当初から、稼働率が高くなると「7対1」が守られていない。多くの職場で「7対1」が守られていないことについて、きちんと指導してほしいし、必要な人員は雇用してほしい。
「7対1」看護に必要な看護要員を計算する式がある。何がどうだからこれだけの看護要員になるという式だ。組合で把握している計算式と病院で実際に計算した式とが一致していなければおかしい。看護師はぎりぎりの人数で仕事をしているので、看護師の年休取得率の実態は、平均すれば一桁ではないかと思っている。「7対1」看護に必要な看護要員の計算式の中にも、年休取得をきちんと盛り込まなければいけない。病院支部は、「7対1」看護に必要な看護要員の計算式をきちんと示すように病院に要求しているが、回答されていない。計算式に何を組込んで看護要員数を出しているのか、本部の指導でぜひ示されるようにしてほしい。
今年度、看護部から示された各部署の看護師数は年度当初から欠員状態だった。優秀な看護師の頭数をそろえるには年度当初しかない。年度途中では無理だ。来年度は、今年のように年度当初で欠員を生じたまま、一年間過ごさざるを得ないといったことのないように、十分な獲得予定数で、ゆとりをもった人員確保となるように希望している。
看護師以外にも、多くのコメディカル職員が任期付きの雇用形態になっている。看護師は任期付がとれないまま3年目を迎えている人が48人、2年目の人が192人、1年目が111人、計351人の看護師が任期付職員になっている。この任期付職員は、いつになったら任期なしの正式な大学の職員となれるのか、不安に思い毎日働いている。
5年という期間が設定されているが、この5年間ずっと任期付職員として過ごすのか、あるいは5年以内に必ず任期なしの正職員になれるのかという計画がまったく本人達に示されないまま、こうした雇用が続けられていることは問題だ。
一人前になるには3年かかる。3年目の人が48人いるが、3年経っても、せっかく一人前に育っても、任期付きの身分で4年目を迎える人がいるのではないかと不安に思っている。2年目は192人、1年目は111人いる。この人達が5年目までに「生首」が切られる心配はないということを明言していただけるか。
法人経営者から任期付職員に明言してほしい。本当に切実な問題だ。任期付き職員も、同じように大学職員として大学への思い入れがある。親からも「せっかく大学を卒業して大学の看護師になっても、まだ正職員として雇ってもらえないのか」と言われるだろう。「生首」を切るということは絶対ないと明言してほしい。
どのように任期のない正職員に組み入れていくのか、その計画を示してほしい。任期付の職員を任期なしの正職員に組み入れられないのだとすれば、法人はどのようにしてこの人達を救済していくのか、文書で示してほしい。
二交代制導入は、病院長や看護部長の目標になっている。看護部長が目標としたのは職務満足度や病院経営といった2つの観点からだ。
二交代を実施してみて、とくに若い看護師は、従来は公休が夜勤入りと夜勤明けのために使わざるをえず、純粋な休みとしては1ヶ月に1〜2回しかなかったので、二交代制によってある程度まとめて休めることを評価する看護師もいる。何が何でも反対だとは言わないが、全国の看護師の研究などを見ても、意見は二分している。
デメリットは17時間も拘束されることだ。長時間の緊張によってインシデント発生のリスクも客観的には高いだろう。十分な仮眠や休憩が取れるように法人側として十分に指導してほしい。疲労やインシデントの発生についてもしっかり観察するよう指導してほしい。
年齢や家庭環境から二交代勤務はできない人はいる。これは、夜勤をしないのではなく、三交代勤務をするということだから、二交代勤務はできないからといって、引き続き三交代での勤務を希望する看護師が、職場から閉め出されるということが絶対にないように看護部等をきちんと指導してほしい。
今年4月から育児短時間勤務制度が導入され、看護師は皆それにとびついた。週20〜25時間の間で、ボーナスもある程度出る。また正職員としての雇用も継続される。これまで泣く泣く乳飲み子をおいて仕事に出ていた看護師が、子どもが小さい間はある程度ゆとりをもって、育児を楽しみながら看護師を続けられるのでこれに飛びついた。しかし、看護師は「7対1」看護のぎりぎりの人数しか配置されていない。また、育児短時間勤務で夜勤ができない看護師が増えることは、私も時間管理者をしているが、現場にとっては深刻な自体だ。
育児部分休業や育児短時間勤務制度を法人が用意したことは評価するが、それを現状で看護師について運用しようとすると、要員と夜勤の問題があるので、きちんと説明した上で、現場で十分に議論して、ぎりぎりのところでどうしたら各部署で運用できるか、知恵を寄せ合わなければならない。導入時の説明が十分でなかったと思う。仕事と育児の両立ができるようにしてほしい。
とくに、育児短時間勤務を使う場合に、保育所に預けていると対象外になるのかどうか、今わかるのならば聞きたい。
育児部分休業にせよ育児短時間勤務にせよ、職員と職場に制度の説明をきちんとした説明がされていなかった。人事課のホームページを見ればわかるのでネットをみてほしい、というのは非常に不親切だ。
皆どうやって働こうかと悩んでいる。そういう人達を、育児のために辞めさせないための制度だから、きちんと説明してほしい。職員と職場でどうしたら制度をうまく利用できるのか、自分の職場では実際にどんな働き方が可能なのか、しっかり意見交換し選択ができるような保障をしてほしい。
■折原理事 子どもを保育所に預けている人に、育児短時間勤務が与えられないかどうかについて、すぐ答えられるか。
■人事課係長 これについては、別途、病院事務に内容の確認を進めているので、あらためて回答したい。
■折原理事 これについては次回の交渉を待たずに、実質的な回答が得られた段階で回答する。
□組合 技術職員から発言する。
□組合 在り方検討WG報告書が出た。これについて組合の要求は、全学の職員に公開して検討せよ、ということだが、12/1〜12/3まで5カ所で説明会が開かれている。私は12/1の説明会に参加した。冒頭、総長の意見と組合の要望で説明会を行うことにしたと説明された。
スケジュールでは1月発足となっている。これで説明した、実施するというのはあまりに乱暴だ。
各部局には運営委員会がある。報告書によると、技術職員の配置、採用、今後の技術職員の在り方の問題にかかわるので、各部局で検討されてしかるべきだが、部局の議決機関にまったく諮られていない。各部局で技術部設立のためにすでに3年間議論し努力しているのだから、部局の議決機関でも当然議論されるべきだ。
技術職員も大学の教育研究の中で自分達がどういう技術を提供したらよいのか、組織はいかにあるべきか議論したいと思っている。現状を打開したいという思いは同じだ。教員と良い研究をしたいと思っている。
現状認識や各大学の状況調査をきちんとすべきだ。報告書には、技術職員の志願が少ないと記述されているが、これについてWGやタスク・フォースでこれまで十分に議論されているのだろうか。その議論内容をしっかり示してほしい。
最近始まった議論ではない。だいぶ以前に国大協が専門行政職俸給表を検討し、それを総務省が拒否し、文部科学省が訓令で専門官制度を導入したという経緯がある。ポイントは技術職員の職務をどのように規定するかということだ。それを明確にしないと問題は解決しない。
組織がないことや職務が不明確なことなどから、技術職員の給与は低く、また専門行政職も適用されなかった。だから、「大学の教育研究において技術業務とは何か」を明確にすることが大事だ。タスク・フォースが、技術業務のあり方を議論すると言っていることは重要だ。
京都大学の総合技術部を参照しているようだが、実際の問題点について検討しているのか。
昨日の説明会では、私の質問に対して、京都大学、名古屋大学、広島大学などを参考にしたと言われたが、具体的な内容については紹介されなかった。
組合で把握しているところでは、京大では12年前に総合技術部を作ったが、本学のタスク・フォース報告書にある部局間の異動は、京都大学ではできていない。問題があるからだ。部局の中で優秀な技術職員を外に出したくないということもあるが、根本的には、技術職員の職務が部局の教員と一体となって行うものだからだ。そういう技術職員を他の部局に簡単に回していけるものではない。
そういった現状分析を含めて検討すべきだ。報告書の内容は、技術職員のモチベーションを下げるものになっている。各部局の技術職員は知恵をもっている。オープンに十分に議論し、部局の議決機関でも十分に議論すべきだ。
■折原理事 タスク・フォースが報告書を出し、それを部局長に説明したのは11/25だが、私も、関係の部局長もタスク・フォースのメンバーであり、WGには技術室長や総括リーダーも入っている。その結果として今回の報告書がまとめられた。
私がリーダーとなっている教員の63歳定年後の継続雇用」検討プロジェクト・チームについて言えば、教員の定年を延長するのではなく事務職員・技術職員と同じように再雇用制度にするのがよいと判断して報告書をまとめた。局長連絡会議に報告し、現在正式に部局長に意見照会している。とくに要望があった2部局に対しては、私自身が報告書の内容を詳細に報告しに行った。
どちらの報告書も、大学としては、あるべき方向性について専門家によって善意で作成している。最終的に4/1実施予定、1/1実施予定といったスケジュールの違いはあるが、報告書を出してから実施までの間に出された意見・要望を踏まえて修正すべきは修正する。少なくとも「教員の63歳定年後の継続雇用」検討プロジェクト・チームについてはその段取りだ。当然のことだ。
「技術職員の在り方」検討タスク・フォースについても、報告書を決定し、その説明もしたから、この通り実施するので了承してほしい、ということではないだろう。今行われている説明会はそういう場ではなかったと思う。
骨格が変わるような意見は採用できないが、これから実施までの時間の中で、意見を十分取り入れられると思う。また、今後大学として実施するためには、規則の制定・改正や役員会等での審議手続きも必要だ。
□組合 一定の事項について変更がありうるということか。
■折原理事 すでに専門家の議論・意見を踏まえている報告書ではあることは理解してほしい。総長は技術職員を大事にしたいと思っている。
厳しい人件費状況のもとでも、技術職員や教員はあまり変えていない。事務職員で実質的に削り、非正規職員によって業務に支障がないようにしている。そのように技術職員を大事にしている上に、さらに技術職員に頑張ってもらえるようにと、別途総長から指示が出ている。
今回の説明会にも私自身説明に行きたい気持ちはあったが、行かなかった。それは、今回の報告書が、大学の管理運営のための改革だと誤解されるのを避けるためだった。メンバーは皆そういうつもりだ。
□組合 今後議論の余地がたくさんあるということか。
■折原理事 おそらくそうだろうと考えているが、責任者でないのでわからない。確認しなければならない。
□組合 少なくとも外見上は、スケジュールも出ており、最後に説明会を行い、これで実施というように見える。
■折原理事 今後どのように意見を反映するかということは報告書には書いていない。
□組合 この問題について今後も議論を続けていきたいのでよろしくお願いする。
素案をつくる集団があるのはよいし、その集団の中に現場の人が何人か入っていることもわかる。しかし、限定された人だけでの素案検討にとどまらず、素案をつくる段階で、関係者全員に呼びかけてオープンに意見を聞く機会を設けた方がよいのではないか。
■折原理事 素案の段階で修正の機会を設けるべきだということだが、方法として何が良いかという判断の問題であり、また時間との勝負でもあるので難しい面もある。
□組合 私の意見と理事の意見とは矛盾していないと思うが、素案を作成してきた人達以外の現場の人達の意見を広く聞く場があった上で、素案をまとめる方が良い。それが今だということか。
■折原理事 おそらくそういう位置付けなのではないかと思う。
□組合 わかった。それが今日の回答なのだろう。
■折原理事 責任者ではないので、そうではないかということだ。
□組合 各部局の技術部にはそれぞれの議決機関がある。工学部ならば運営委員会というものがあり、毎月開催され、技術部の運営や採用方針について決めている。その場ではまったくこれについて議論されていない。突然、2009年1月にこれで決まりだ、ということになって良いのか。委員の先生方は「突然こうなった」と説明するのだろうか。
■折原理事 委員の立場と部局長の立場は違う。
□組合 少なくとも、この報告書について、工学部ではまったく議論されていない。
■折原理事 部局が作成する報告書ではない。部局の議決機関にかけるべきだ、ということではないだろう。
□組合 これまでは技術関係については各部局で、技術部運営協議会のようなものがあって、そこでやっていた。その制度を変更するという話だ。だから、今後本部主導でやるにしても、現時点で、今までの組織を一切無視して、その場での議論が一切ないというのはおかしい。
■折原理事 内容的にこれまでの組織を無視するようなものではない。良いものは残し是正すべきは是正するというものだ。
□組合 それならば、これまでやってきた各部局の運営協議会等にかけて、改善であることを徹底し、あるいはより良くするための意見を求めた方が自然だろう。
■折原理事 必要ならさらに説明に来てもらうなど、どしどしやって良い。
□組合 その方向は良い。これからも議論していこう。
□組合 最後に、ボーナスの問題で、時間雇用職員から発言する。
□組合 時間雇用職員のボーナスは今回も見送られた。いつまで経ったら、いい返事を聞けるのか。何年待ったらよいのか。これだけ時間雇用職員が増えているのに、どうしてこれだけ時間雇用職員の声を無視できるのか。次回の交渉ではきちんと回答してほしい。
■折原理事 申し訳ない。一生懸命検討している。