※6/1,6/4交渉からの継続。文責は組合にあります。見出しも組合にてつけました。
2009年6月17日(水)10:30 - 11:42
本部第1会議室
■補佐 これから交渉を始める。組合から発言する。
□組合 今回でこの問題については3回目の交渉となる。我々はこれを労使の交渉ととらえている。これまでの2回分の交渉を踏まえて、見解を作成し学内に広報した。法人側にも渡してある。今日の交渉では、これまでの組合の考え方として、見解に上げた感覚、理解を述べる。
これは非常に不誠実であるということで、見解を出した。
交渉は平行線になっているが、ポイントは法的な問題だ。我々は労働組合なので、労働契約法にいかにマッチした形で法人提案がされているかが重要なポイントだ。それに対して法人側は、総括的にひとことで社会情勢に鑑みて、と答えている。我々は、それは労働契約法の説明義務を満たしていないと言う立場で議論している。今日は、それが主なポイントだと思うので、それをつめたい。交渉で妥結点を目指したい。
最初に、前回交渉をうけて、法人側としてhpに「平成21年6月期(ボーナス)における特例措置(案)について」の広報を載せている。載せないよりは載せた方がよいのだが、我々としてはやはりまだ不十分だ。これだけの不利益を職員が被るのだから、全職員にきめ細やかな説明をすべきだ。hpにのせたから皆知っているだろうという態度でいるとは思わないが、十分というのではないが、きめ細やかに。コンプライアンスについても、世間一般云々とだけでなく、内容的に職員が被る被害額、不利益がどの程度大きいのか、小さいのかを示す必要がある。理由が社会一般ということが言われようが、経営者として労働者に対して、今回の措置による被害額が大きいのか小さいのかの評価を示さなければいけない。この辺から議論したい。理事は、これまでですべて出しているので何もないということか。
■理事 1回目の交渉では説明が不十分だと言うことについて、2回目の交渉で、労働契約法に則して、総合的に合理的だという判断でこうしたと説明した。組合の見解についても、政府の政策に追随するだけの給与政策では当然なく、大学として判断して措置をとるということだ。東北大の実態に即さないというが、東北大が教育や研究をする時に、運営費交付金でいろんな活動を行っている。自助努力での外部資金、競争的資金もあるが。財源は税金だ。本学のこれまでの役割、使命等があり、基本的な性格は法人化で変わっていない。だからこそ税金の運営費交付金が交付されている。今回の人事院勧告については、民間と法人も含めた官とのバランスで出てきた。法人化されて東北大学はどちらに近いかといえば、官房長官の談話にもあるが、官に近いと思う。そう言う時に、どういう説明ができるか。こうした大学の性格、今回の人勧の内容、今後の取扱いも含めて、正式には後できちんと、取扱いを精算する、判断するということになっているのだから、今回のことについて、東北大学だけが、合理的な判断とは言えないというのか。
□組合 それは、他大学と横並びでやるということを言っている以外の何ものでもない。
■理事 大事なことだ。本学の性格、存在として。他の大学との均衡や国との均衡など。
□組合 他の大学というと、東北大はかなりの大学が態度を表明したあと、表明するということか。
■理事 そうではない。本学として判断した。
□組合 そうするといくらでも他にやりようがある。12月に最終的に、人勧を見て、12月のボーナスの件もセットで決めるというのだから、今やらなくてもよいということだ。なぜ6月にやるかと言えば、大きな減額が来るということだからだ。凍結というが、戻ってこないということではないか。
■理事 本学独自に民間の調査をするという仕組みになっていない。より正確で、これまでのこともふまえて、人勧を有力な参考資料にするということだ。当然だ。一番信頼できる。
□組合 有力な参考資料としてだ。人勧が出ればそのまま100%、それでやるということではない。0.1月ということもあるかもしれないし、0.3月ということもあるかもしれないしということだ。そういう検討はしているのか。
■理事 いろんな選択肢はある。12月にというのは、宮城県はそうだと思うが。まさしく人勧で言っているような、暫定的な調整措置として行うのが妥当だと判断した。
□組合 ポイントだと思うが、今コンプライアンスという観点で交渉しているが、本学の財務状況とは関係なく、今回の措置を提案しているということか。
■理事 財務状況とは関係なくか。本来、人件費はきている。勧告がなければ払えるお金はある。
□組合 労働契約法から見れば、不利益変更だから、法遵守という立場でやらなければいけない。それとは無関係に、財務状況とは関係なく、今回の措置をとった。これも考慮しなければいけない。
■理事 財務状況とはどこに書いてあるのか。
□組合 労働契約法に書いてある。不利益な変更をする場合には、財務状況も見なければいけない。そうではないか。
■副学長 必要性の要素として、一般的には言われている。
□組合 その必要性というのを、社会一般の情勢に鑑みて、という一点でやっているということだから、財務状況とは関係なく今回の措置をやるということか。
■理事 一般論に過ぎない。財務状況もそこに入るかもしれないが、必要性の判断をするときに、今回一番の判断は本学の性格だ。他の大学も国もやるというときに、ひとり東北大だけが違うことをやるのがどうかということだ。凍結ということで、精算は後だが、今回その分が支払われないということになれば、事実としてありうるが、申し訳ないがしかたがない。国も民間もこういう状況だが、本学はがんばって評価も出ているではないか、ということで、税金で運営されている東北大学が。
□組合 理事の観点では、東北大が胸をはって、他の大学はどうか知らないが、うちの大学はすごいのだと、その必要はないと、胸をはって言えないということか。
■理事 この状況下でか。今回はとれないと判断して提案している。頑張っていることはわかる。
□組合 そういう時に経営者が世間一般に説明できないというが、誰に対して説明できないのか。
■理事 世間一般にだ。国民にだ。
□組合 一度やってみたらよい。
■理事 どのような影響を与えるか。
□組合 非常に良い影響を与えると思う。
■理事 それは判断の違いだ。
□組合 兵頭副学長の本(※)の中に書いてあるが、何かすることによって世の中の注目を浴びることになるかもしれないが、むしろこの大学を宣伝することになると。
(※-組合註 兵頭英治氏著「独立行政法人・国立大学法人の人材マネジメントの考え方 公務員法から労働法の世界へ」。平成18年4月20日発行。「ぎょうせい」)
■副学長 そういう場合もある。
□組合 一生懸命やり、成果もあげている。成果を上げているところが、なぜボーナスがカットになるのか。民間にもいろいろある。ボーナスもらっている民間だってある。我々は公務員ではない。法人はいろいろあるが、その中で、わが東北大学はカットする必要がないと胸をはって世間に対して言うことは重要だ。なぜ常にいっせいに並ばなければならないのか、そういう経営方針が残念でならない。ここの人たちのパフォーマンスをあげるのに役に立つと思う。なぜそういう立場になれないのか。
■理事 どこで頑張るかという話だ。将来にわたってどうなるのだろうということだ。判断の違いだ。
□組合 そういう言い方なら、話し合いをしない方がよい。
■理事 そういう判断をとらなかったといことだ。
□組合 我々の批判は、ただ単に見解が違うということではなく、労働契約法にもとづいて労働者と使用者ということでコンプライアンスを念頭において解決しなければいけないと言っている。
■理事 コンプライアンスは当然だ。
□組合 それならカットするための理由というものを、単に世間一般のということではなく。
■理事 それはhpにのせた「平成21年6月期(ボーナス)における特例措置(案)について」に書いてある。
□組合 それは読んだ。
■理事 それだけしか書いていないか。
□組合 そうだ。たとえば、職員が被る被害を大きいと見ているのか、小さいと見ているのか。その辺の見解も示されていない。
■理事 凍結なので、精算は勧告をふまえてきちんと後でやるといっている。引き下げるといっているのではない。今回の措置としてはこれをやる。
□組合 附則を読むと、普通に読むと、凍結と表現されていない。やると書いてある。今職員がどこかに異動すると、この人はカットされてしまう。やると書いてあり、戻すとは書いていない。一例だ。そう言ったことも考えてやっているのか。
■理事 やっているし説明している。ここでは法技術的に解説する時にこれが一番適切だろうということで書いている。説明では、まさしく凍結の扱いなので、きちんと夏の勧告をふまえて12月にやると書いている。
□組合 法人側としては、あくまで凍結だということか。
■理事 そう言っている。
□組合 したがって、夏の人勧が出たあとで、12月のボーナスも含めて考える。たとえば勧告が0.3ヶ月になれば冬が0.1ヶ月になったり、勧告が0.1ヶ月になれば冬に0.1ヶ月戻すということか。
■理事 その時にそれをふまえて判断するということだ。
□組合 その段階でもう一度交渉していただけるか。
■理事 もちろん。夏の勧告が大事だ。
□組合 今度は時間を取ってやろう。6月に実施するのに6月にはいってから交渉するのでは、構成員だってほとんど知らない。後から、いろんな人から、どうしてそういうことになっているのかと組合にかなり来ている。
■理事 今回はまさしく異例のことだ。国の勧告が5月1日頃に出て.その勧告を東北大は重要な参考資料にするという位置づけだった。交渉が遅れたのは申し訳ないが、それまでいろんなことを考えていた。
□組合 考えた結果が全然。
■理事 議論する内容について検討する時間も必要だ。他大学に比べて誠実に交渉してきていないということはない。
□組合 我々が不誠実というのは内容のことを言っている。社会一般云々の一点張りで言っていることが不誠実だといっている。5月の段階で交渉を始められたはずだ。考える時間が必要だったというが。
■理事 それだけ大事な問題だと思っている。
□組合 やはり、本学の財務状況とは関係なくそういうことをやるのだということをはっきり表明されている。これでは使用者側がこうだといえば、中でどんなにがんばろうと、頭越しにやれるということになる。
■理事 そういうことはない。
□組合 そう言っている。「本学の財務状況とは関係なく今回特例措置(案)を提案せざるを得なくなった考え方等を東北大学HP上で提示した」と。
■理事 どうやって教育研究、モチベーションアップに活かすか、当然ある。今回については、財務状況というよりも、うちの大学の性格、仕組みの方が重いと判断した。財務状況、積立金がこれだけある、そういうレベルで判断したのではない。
□組合 それはわかっている。
■理事 だから、他のことでお金が余っているからそれをどう使うかということならば、当然交渉するが。
□組合 それはわかっている。コンプライアンスという点で欠けているのではないかと言っている。労使の関係というものがある。労働者は法律で守られている。大学がこういう方針だというのはわかる。それに対する説明になっていない。一人一人の労働条件というものがあるのだから、労働契約法に即してきちんと答えなければいけない。凍結なのだから、直接不利益には結びついていないかもしれないので、人勧の後にセットで考えた時に、きちんと説明する、と言っているのか。
■理事 今回の6月期の話は特例措置、暫定的な措置だ。きちんと夏の勧告が出て、それに対する政府の取扱いが決まって、本学の状況を考えて、その上で判断するということだ。
□組合 人勧が出る前に、なぜ先走ってやるのか。
■理事 出ている。夏の人勧はこれから出る。今回のは人勧で出ている。
□組合 夏の本番の人勧が出てから精算するという話ではないのか。
■理事 暫定的にこういう措置をするということだ。国と同じように。
□組合 その時に一気にやった方が、手間がかからないのではないか。
■理事 国は、12月になると、格差が大きくなり、額も大きくなるのでたいへんだろうと言っている。私もそう判断した。
□組合 12月になると額が大きくなってたいへんだというのは、どういうことか。たとえば6月にちょっとだけ取っておいて、12月にまたちょっと取れば大したことはないということか。
■理事 そういうことではない。今回は異例、特例の勧告だ。官民のバランスということで。人勧に載っているが、春の状況をふまえて人事院で特別調査をしたらこういうことだった。民間と公務の特別給に大きな乖離があることは望ましくないというのが人事院の判断だ。可能な限り民間の状況に合わせるのが望ましい。さらに12月期の特別給で1年分を精算すると大きな減額になる。6月になんらかの特別措置を講じることが必要だ。現時点では夏の全体状況を正確に把握できないので、暫定的な措置として支給月数を凍結するということだ。まさしくそういう判断だということだ。
□組合 別な見方をすると、人勧が出た後、一気に12月に減額すると、額が大きすぎて大騒ぎになる、経営側としてはやりたくない、と聞こえる。
■理事 正確な夏の全体状況を把握した上でということだ。妥当だと思う。
□組合 人勧だというが我々は公務員ではない。その上で、法人側は人勧を尊重すると言っているので、公務員の平均給与と大学の平均給与がどうなっているのかについて、一般には大学が15%位低いと言われているが、そういったことをきちんと勧告してほしいと思う。理事も同じ考えと思う。ぜひ法人からも大学、教職員について公務員との関係できちんと見直すべきだと。そうしないと、官民の差と十把一絡げで言われると、すでに低いので、一律に下げられると労働意欲をそぐ。理事も同じ考えだと思うので、同じ立場で呼びかけてほしい。
■理事 よくわかる。法人化になり、公務員でなくなり運営費交付金も1%減らされている。他大学と共同してやらなければならないことは、たとえば国大協を通じて行っている。今までもずっと働きかけている。文科省にせよ、財務省にせよ。それで理解が得られるようにそれぞれ努力している。その結果としてその取扱いがどうなるかということだ。絶えず努力していかなければいけない。
□組合 いっしょにスクラムが組めることなので、よろしく。
□組合 我々の被る損害について、凍結なので、今回の場合はそれほど評価しないということか。それとも評価はしているということか。
■理事 実質的にこれだけさがるということはたいへんなことだ。実態として平均としてこれだけの金額が今回支払われないということは大変なことだ。
□組合 実質的に、0.2ヶ月について支払われないという行為がある。例えば、我々は、4月に今年度の予定をたてる。ボーナスをもらったら、少しはこんなことをやろうと考える。それが一気に下がって、猶予される。どこからも金を借りてこれない。それが6月にもう生じる、それについてどう考えるか。
■理事 同じだ。一人一人の事情があるだろうと思う。当然、総長も部局長も私もみんな同じだ。誰かが減らされないということはない。まさしく東北大の役職員としてみんなで受け止めようと提案している。
□組合 指定職だといくら位の減額になるのか。
□組合 部局長だと20万位。
□組合 部局長が平均で20万円くらいということだが。
■副学長 基本はそんなに変わらないはずだ。
□組合 指定職も20万円くらいということか。これもいろんな人の話を聞くと、一律になってはいるのだが、感情として上にいく人の方の%を増やせという意見が出ている。使用者側としてみんなに痛みを耐えてもらうということなら、人勧はこうだが、東北大の指定職はもうちょっとマイナスにする、というテクニックがあるのでは。
■理事 去年も人勧を受けて指定職だけボーナスを厳しくした。0.05月上がった時に、役員には上げなかった。
□組合 そういうことをhpにもあげてほしい。
□組合 大学職員の給与の取扱いについては「本学職員の給与の取扱いに関する基本方針」があるということだ。その中に、「給与改定の実施時期については、人事院勧告に基づく給与法の改正、労使交渉等に要する十分な期間の確保、人件費予算の計画性の確保などを考慮して、翌年4月から実施する」とある。今回はそういうことも反古にしてでも実施するということか。
■理事 基本方針にはたしかにある。これまでの人勧の取扱いでもこれに沿って基本的には翌年4月から実施としてきた。今回は、本給部分ではなく、ボーナスについて暫定的な特例措置ということで、こういった特例措置をふまえて、今回6月、そして12月精算ということでお願いしたい。基本方針については言われる通りだ。
□組合 人よりも、大学の決めごとよりも、国家公務員、人勧のしくみの方に従うと聞こえる。理事の判断の基準はどこにあるのか。
■理事 東北大学だ。東北大学がきちんと発展していくためにはどうしたら良いか。
□組合 その考えには賛同するが、0.2ヶ月分の凍結がどうして東北大学の発展になるのか。やる気になる人が一人でもいるのか。どう考えるか。
■理事 今回私自身が払われないので、同じように。
□組合 やる気はでるか。
■理事 しかたがない。やる気を出すための云々は別の問題だ。今回はしょうがない措置だ。たいへん申し訳ないが、本学の職員としてぜひ理解してほしい。
□組合 たとえば、先ほども兵頭先生の本の話が紹介された。私も一部読んでみたが非常に立派な本だ。たとえば、一部抜粋してきたのだが、「各法人は、その改定内容について公務員と同じだから当然という主張ではなく、自ら説明責任を負う」と言っているし、「人事院勧告があるという理由だけで交渉に臨むと、実質的な団交拒否とされ、不当労働行為とされる危険性が高い」ということも言っているし、「総額人件費が運営費交付金の積算根拠の範囲内で、それが法人の業績の向上、あるいは業務の徹底的な見直しを伴う少数精鋭化の努力の結果であれば、そのことを堂々と説明すれば良いし、世間の目が気になる分だけ外部競争力をむしろ確保できる」と言っている。すばらしい見識だ。その著者がいる大学でこの通りの運営がされないのか、非常に不思議だ。理事が言っていることもその通りだと思うが、しかし実際に本学でやられていることを見ると、言われていることと乖離があるのではないかという疑問が払拭できない。
□組合 その通りだ。
□組合 どうか。
■理事 法人化したことは画期的だ。将来そうなればいいと思う。財務構造も変わって。しかしやはり6年目だが、いろんな意味で過渡期にある。そういう気持ちをもって経営にあたり、働くことは大事なことだ。しかし本学の状況からすると、難しい面も多々ある。
□組合 状況とは具体的にどういうことか。財務ではないということか。
■理事 違う。
□組合 その場合に、理事が言っている状況とは何か。
■理事 たとえば、他の大学法人がみんなやるといっている。国もやる。民間もそれについて何も言っていない。たぶんそれは当然だと見ているだろう。その時にひとり東北大学だけが、本学は法人化になって頑張っているし、他のことは知らないと。
□組合 知らないと言っているのではなく、検討した結果として、兵頭先生の言うように、「業務の徹底的な見直しを伴う少数精鋭化の努力の結果であれば、そのことを堂々と説明すれば良い」だけのことだ。
■理事 そういう風にやる部分と、やらない方が良い性質のものがある。今回のことは等しく公の性格をもったところは、ということで、官房長官談話はそういう趣旨だ。今回のこれについては、大変申し訳ないが、東北大だけが一人違う性格にすると、未来永劫含めて東北大にどんな影響があるかを考えると、そういう判断はできなかった。他のことで出していけば良い話だ。
□組合 それはだめだ。これまでも、時間雇用職員の一時金の問題でも、他の大学の関係もあって、今の制度ではできないと理事は言っている。だから結局、その考え方ではふみはずせない。兵頭さんは今過渡期であるかどうかではなく、過渡期であろうが最初であろうが、経営者がそういう立場でやらなければ良い法人が生まれないと言っている。今過渡期だからなどと言ったら、永久にできない。そういうことではないか。
■副学長 そうだ。しかし、こういう席にいるとそうは言えない。
□組合 それは二枚舌だ。兵頭副学長はそういうことはないと思う。
■副学長 誠実には対応する。
□組合 誠実に対応してほしい。
□組合 理事は定年まで東北大にいるつもりか。我々はずっといる。法人化してずっと、いいことはあまりない。理事は適当にミスしないで出ていくということではないか。本当に東北大のことを思っているのか。
■理事 そういうふうに言われると悲しくなる。職業を選んだ時から、たしかにそのような転機はある。しかし、そこに行った時に、自分の将来を考えてそこの判断を歪めたことはない。今回その判断が東北大にとって悪い判断か。どの大学もそれぞれの判断でやるということになっている。東北大の役員も含めて、みんなに将来にわたって悪い影響を与えるような判断かというと、そういうことはない。
□組合 そう考えると、みんなと同じようにしておいた方が良いということになる。
■理事 今回の話は、結果的にはそうなってしまっているが、そういうことだと思う。
□組合 東北大学は、研究第一主義とか、大学独自の主義主張を持っている。他の大学とは一線を画すというところをもって、みんなそれを誇りに思って教育・研究している。他の大学のことは出し抜いてやろう、一番になってやろうという気持ちで働いている。言われていることはまったく逆だ。判断の基準は大学人ではなく、国や他大学に心があるように見える。大学から浮いているような発言に見える。なぜ大学のことを考えているのなら、東北大学はこうする、と独自の判断が出せないのか。
■理事 独自の判断を出せるところでは執行部が頑張って出す。今回のことはなじまない。私もそう思うし、経営陣としての判断だ。私は総長から権限を受けて来ている。私がどうのこうの言うことではないが、私もそう思う。今取りうる措置としてはしょうがない。
□組合 法令遵守という観点でいった時に、互いの理解の違いがある。私は遵守していないのではないかと言っている。考え方の違いはあるが。今回については、我々としては法人側の提案に賛同できない。非常に残念だ。この交渉がうまくいかない状況で、これが実施されることについては我々も遺憾だ。今回の交渉は決裂ということだと思うが、先ほど言ったように、夏の人勧以後、実際にカットする、しないという問題が出てくる。我々はこの6月もカットされていると思っているが。その時点でまた誠実な交渉にあたってほしい。誠実という意味は、理事はいつも誠実だと思っているかもしれないが、我々の言うような意味で、内容を、我々の質問にきちんと答えてほしいということだ。残念だが、今回の交渉については決裂ということにならざるを得ないのではないか。
■理事 私も残念だ。答えていないと言われるが、きちんと何も隠さずに答えている。
□組合 それに対して、我々としては、見解にもあるようにこういう点で答えていない、こういう点でも答えていない、と言っている。
■理事 こういう点で答えていないとは。
□組合 たとえば、被害の評価だ。
■理事 下がるということは同じだ。
□組合 そういう言い方では、法に対してきちんと答えていないということだ。労働契約法があるのだから。不利益変更する場合にこれこれという項目がある。総合的に判断した結果だと十把一絡げに言うが、その一つ一つの項目に答えていない。
■理事 労働契約法10条についての労働局長の例示もある。それに沿って前回説明したつもりだ。それを踏まえて総合的に判断したということだ。
□組合 一つ一つに答えたというのか。
■理事 答えられる範囲で答えたと思う。
□組合 答えていない。総額4億円位ということは聞いたが。それと総合的に考慮ということだ。不利益を被ること自体は承知しているか。
■理事 凍結ということで。
□組合 今の経済状況で12月にプラスになるとは思えないが、12月以前に大学から離れた人にもきちんと払うのか。今回の0.2月凍結で不利益を被ったままか。
(法人側、答えられませんでした)
□組合 それではやはり不利益を被ったまま東北大を離れるということではないか。
■理事 基準日でやっている。
□組合 基準日に対して、あきらかに凍結ではないではないか。基準日をうやむやにして凍結しているのではないか。やはり損害だ。
■理事 支払わないのだから。
□組合 凍結ではなくて、下げるときちんと書くべきだとこの間も言った。
■理事 下げるのではない。支払わないということだ。
□組合 下げて、12月に上げれば良いのではないか。
■理事 夏の勧告を見て、同じようないろいろのことを考えて判断するということだ。
□組合 凍結の意味がいまだにわからない。
□組合 損害をどう見積もっているか、どう考慮しているかについていろんな考え方があると思うが、さきほど理事から聞いたことを全構成員にいかに説明したかも重要だ。それについては組合からも、全員に対して誠実な説明をしてほしいと言っている。前回からの動きと今後のどんな説明をおこなっていくのかについて、考えを聞きたい。
■理事 6/4交渉の翌日、6/5に事業場長懇談会と、過半数代表者との懇談会で、大学の今回提案した内容と考え方について説明をした。持ち帰って、意見をもらう段階だ。それぞれの事業場でいろいろなことをしているのだろうと思う。その中で、あるところから、きちんと大学としての話をしてほしいと言われたので、それを踏まえて、12日に、今回の特例措置案について、今回の特例措置の目的、本学における基本方針、人事院勧告、凍結分の今後の取扱い、その他の大学等の状況を記して、以上のことを総合的に考慮し判断した結果ということで、細則の改正による特例措置として理解をお願いした。過半数代表者、事業場長、事務長に話してきちんとした理解をいただけるように通知した。
□組合 12月にまた変わるということもあるが、金額についても相当大きいと判断していると思う。やむを得ないという状況にあるという説明だった。こういう差し迫ったときに、全員に対してきちんと説明することがどれだけ損害を誠実に受けとめているかについての我々の判断になる。一つの事業場から意見があったからということでそういう説明をしたということだが、他の事業場については調べなかったのか。
■理事 過半数代表者から質問を受け、回答している。また、ある事業場は、直接来ていろんな話を聞きたいということで関係者に説明した。
□組合 ある事業場からは来て説明をしたといことだが。他の事業場でも、あるかもしれない。丁寧に説明をすることが今回の執行についての大きなポイントなのではないか。今後そのような計画はないのか。過半数代表者を呼んで説明すればよいということではなく、事業場の隅々まで、大学の考え方がわかったと言えるように周知徹底できるのか。
■理事 大事なことだ。できるだけ多くの方に、できれば全員の方にわかってもらう努力は必要だ。
□組合 労働契約法10条について、いくつかの中の一部を満たせばよいという判断なのか。不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情等に照らして合理的であれば、ということだ。判例もそれをすべて考えた上でということだ。折原理事の「平成21年6月期(ボーナス)における特例措置(案)について」には、組合との交渉経緯なども触れられていないし、まだ十分に要件を満たしているようには思えない。
■理事 事業場長懇談会、過半数代表者には説明した。一般の人の理解のためにつくった文書なので、労働契約法の10条については縷々述べることは必要ないと判断した。組合とは交渉していることは伝えている。10条にそってつくったペーパーではない。
□組合 10条は、最初に、変更後の就業規則を労働者に周知させ、で始まっている。変更の内容など、全員にしかるべきタイミングで必ず示してもらえるよう、約束してもらえるか。
■理事 今回は周知も含めて、これでわかってほしいというつもりで出した。
□組合 就業規則が改正されたという通知だけをして、法律的には無効ということにならないように。
□組合 措置自体、知らない人がまだまだいるようだ。代表者だけ集めるとか、hpに流すということではなく、措置も凍結だし、交渉も継続中なので、0.2月ダウンをしたにしても、その後でも説明はした方がより理解は得られるだろう。もう必要がないということか。
■理事 要望があれば、あとから説明が必要だということならば、誠実に対応しようとしている。
□組合 それはおかしい。呼んでもらえたら、必要があれば、いつでも説明するということではないか。
■理事 これを見てもらった上でだ。
□組合 hpを見てもらっているかどうかはわからない。看護師長会があった。病院長と総務課長が病院の経営改善についてのお願いにきた。その時に、看護職の代表者が、いろいろと切実な思いが自分のところに届いている。医療職ならば平均6〜7万円ということになるので、非常にたいへんな事態だということで、世の中なり国に説明する前に、職員に説明してという気持ちが縷々届いているというような話を訴えたときに、総務課長も病院長も、非常に説明に困っているということだった。脅されているということだ。何に対してかわからないが。こうこうだから0.2ヶ月凍結だと、凍結の意味も含めてきちんと説明することができなかった。
■理事 病院長も?
□組合 病院長も。
■理事 総務課長も?
□組合 総務課長も。
■理事 正直なところ残念だ。
□組合 残念だ。理事の話を聞いていても、自分の判断だ、ということしかわからない。具体的な。
■理事 経営として決めることだ。私がたまたまここにいるが。
□組合 同じことを何百回説明されても、きちんと理解することは、一職員としては難しい。理解はなかなかできない。生活は困難にいたる。
■理事 気持ちとしてはわかる。今回は申し訳ないと思う。
□組合 過半数代表者は一人だが、一般の職員が病院には何千人といる。その人たちに法人がきめた方針について説明するのは過半数代表者の仕事なのか。代表者は医師で診療、研究などで忙しい。看護師長だって日常の業務をするのが本務だ。過半数代表者は意見を集めてこちらに伝えるのが役割だと思うが、法人側が立てた戦略、方針を伝えるのは過半数代表者の仕事なのか。
■理事 本部なり、事業場長なりの責任だ。
□組合 そうだ。それがまだまだ不十分だということは認めるべきだ。今後どうするべきか。みんなに負荷が係ることだ。全額で4億円ものお金を浮かすわけだ。それだけの法人の事業だ。それをどのように職員に理解を求めるかというのは、法人側が考えることだ。過半数代表者の仕事ではない。まだまだ不十分だ。知らないうちにボーナスが少なくなったという人が出ないように最大限の努力をすべきだ。Hpに書いている言葉も一般人には難しい。凍結という言葉自体が、凍結って何だというところから始まる。本当に法人側が考えた判断をわかってほしい、協力してほしいという肉声が伝わらない文章になっている。今回のこれまでにいたる説明の経緯についても、広報の手段なり回数なり、全体のボリュームがまだまだ不十分だ。まだまだわかっていない職員がいっぱいいる。病院長も総務課長も、とびぬけて病院だけがやらないとなったら、全学の中でたいへんなことになるかもしれないと。病院長、総務課長も苦しい立場にある。病院はとくに運営費交付金が年々減らされる中で黒字経営をしなければいけない、その中で、教育・研究もしなければいけない。高度救命センターも開設する。臨床病棟も大きくする。手術件数も大きくする。職員一丸となって努力している。厳しいシフトの中で、医師も看護師もコメディカルの人も、外来棟の移転で土日出勤もこれからどんどんあるだろう、これから数年間にわたって。厳しい病院の経営がある中で、なぜ今ボーナスカットなのか。絶対、職員としては納得できない。なぜ、黒字にと、稼働率もこれだけ上げて、在院日数も短くして、今まで40日・50日あった在院日数が今20日をきっている。ということは、どれだけ多くの患者を入れ替わり立ち替わり診察・診療しているか。病院職員一人一人にかかる負荷は大きくなっている。それは折原理事も認めていると思う。その中で、なぜ今カットなのか。お国が言うからだ、それに倣わないとたいへんだからだ、としか聞こえない。お国がそういうふうに決めたらやらざるをえないと、はっきりそう言ったらどうか。
■理事 話はよくわかる。
□組合 そういう気持ちだ。みんなそういう気持ちで、職員は、法人化になって、給与が安くなり、ボーナスもカットされて、忙しくなる一方で、先生たちも疲れ果てて、どういう病院をめざすのか、どういう看護をめざすのかといっても、何の夢も希望も示されないような病院、そういう魅力のない病院を、大学をめざそうとしているのか。それでも東北大学を守っていると言えるのか。職員としては疑問だ。そういうことに肉声で答えてほしい。今回凍結だけれども職員のために最大限防御するのだと、そのような肉声を私たちに届けてほしい。それを言うために仕事を抜けてここに来た。
■理事 話はわかった。最大限努力する。
□組合 肉声ということだ。時間なので打ち切るが、12月に最終的なカットが行われる可能性が高い。今回は凍結だということで示されなかった代償措置という問題が必ず出てくる。人件費を削るときに、ただ単に建物にもっていくなどということのないようにいろいろ考えてほしい。代償措置をいっしょに出してほしい。
■理事 あとは夏の後で、交渉の中で話してほしい。
■補佐 終了する。