5年上限への改定は無期転換権の発生を阻止するためであることは文書から明らか

大学側はこれまでの団体交渉で、 「3年上限から5年上限への就業規則の改定は、労働契約法改正とは無関係である」 という荒唐無稽な言い逃れを繰り返してきました。 それは、政府首脳も重ねて表明している 「無期転換を避ける目的の雇い止めは好ましくない」 ことを大学も認めざるを得ないからです。そして、 2月7日の団体交渉 では、 「本学にクーリング規定は存在しない。3月末で雇い止めされた人が、 4月からの公募に応募することは禁じられておらず、 誰を採用するかは部局の専決事項である」 との「公式見解」を表明せざるを得なくなっています。 ( しかし、この「公式見解」と矛盾する文書の訂正や撤回は頑に拒否しています。)

本学にも、クーリング規定は存在した

更新上限を5年とすることを初めて記載した文書「改正労働契約法にかかる主な対応方針(案) 」(平成25年2月19日.部局長連絡会議資料)では、

〔今年度中の対応〕
通算雇用期間について、平成 25年 4月 1日以降の雇用契約から新たにカウントする旨学内に通知する。
〔来年度の対応〕
准職員就業規則及び時間雇用職員就業規則を改正し、通算雇用期間について、特定プロジェクト研究等に専従する場合等を除き5年を上限とするとともに、改正法を踏まえ原則6か月のクーリング期間を設ける
とされており、脱法行為である「クーリング規定」がはっきりと方針に掲げられています。

無期転換を阻止するための5年限度は明らか

翌年、就業規則を改定する際には、表向きにはクーリング規定はなくなりましたが、以下のような記述があります。改正労働契約法を踏まえた対応方針(案) (平成26年1月21日.部局長連絡会議資料)

(1)通算契約期間の上限
通算契約期間の上限は原則として5 年(研究開発力強化法による労働契約法の特例の対象となるものについては 10 年)以内とし、具体的な期間・回数等は労働条件通知書で示すものとする。
【説明】労働契約法第 18 条の規定により、通算契約期間が 5 年(研究開発力強化法による労働契約法の特例の対象となるものについては 10 年)を超える場合には、 無期労働契約への転換の申込みが可能となる。通算 5 年(又は 10 年)を超える 有期労働契約の更新は、各部局等に財源等の面で大きな負担と責任が伴うものであるので、行わないことを原則とする

まさに、「頭隠して尻隠さず」状態です。 日本貿易振興機構(JETRO)では、 「財源・予算規模ともに将来の人件費の安定的執行に制約があるため、 無期転換の対象となる職員数は相当限定せざるを得ない」 という「内部文書」について、世耕経済産業相が 「文書を撤回し、労働契約法の趣旨を周知徹底し直すように指示」し、 その後、JETROは雇止めと派遣社員導入計画を撤回しました。東北大学は、どうするのでしょうか?


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