2月18日、東北大学評議会は、医学系研究科・付属病院の教官全員を対象にした任期制導入を承認しました。
当初の医学系研究科では、任期をさかのぼって適用し、法人化前後に再任審査を行うような案が検討されていました。職員組合には、この点についての不安と批判の声が多数寄せられました。私たちは、1月17日の総長交渉でこの問題をとりあげて調査を求め、その後も、「現職教官を含む任期遡及適用つき全教官職任期制」は法の趣旨に反し、人事のルールをゆがめるものであることを訴え、評議会構成員には慎重審議を要請してきました。最終的に導入が決定された任期制は、私たちの批判を一部取り入れ、遡及適用は含まれないことになりました。
しかし、決定された任期制には、なお重大な問題が残っています。第一に、現職教官を含む全教官に無差別に任期制を適用することは、そもそもの「任期」法の制定趣旨に反していることです。第二に、現職教官から3月上旬までに同意書をとることをめざしており、研究科としてこれを推進することは、事実上の強制となるおそれがあることです。私たちは、このような「現職教官を含む全教官職任期制」が実施されることに改めて抗議の意を表明します。
職員組合は2月19日に玉井研究科長・山田病院長・佐々木自己評価専門委員長らとの会見を行いました。その場で研究科長らは、「同意を強制しない」こと、現在の法的枠組みの下では「任期制に同意しなかったからといって不利な扱いをすることはない」ことを明言しました。しかし同時に、「将来、任期が付いているかどうかで違いが出てくるかどうかは、法人化や、国立大学医学部付属病院長会議で議論されているマネジメント改革の動向に左右されるかもしれず、なんとも断言しようがない」という発言もありました。この点は重大です。任期つき教官であることが、近い将来の労働条件や研究条件をどう左右するかわからない状況の中で、任期制への同意・不同意を選択させること自体が不見識と言わねばなりません。研究科長・病院長は、同意しないことはもちろん、制度変更の行方がはっきりするまで回答を保留するような選択も認めるべきです。
私たちは医学系研究科の教官のみなさんに、任期付きポストへの配置替えにつき、以下の点に注意して慎重に対応されることをお勧めします。
任期制問題は、医学系研究科だけの問題ではありません。総長の出身部局でこのような制度が導入されたことは、他の部局にも影響を与えるおそれがあります。今後も、法人化をはじめとする制度変更の過程で、改革の名の下に研究・教育・労働条件が不当に切り縮められるおそれがあります。
制度改編に対しては、教職員による健全なチェック機能が必要です。東北大学職員組合は、それを担っています。今回、全教官職任期制の導入自体を阻止することはできませんでしたが、任期の遡及適用という無法な運用を食い止めることには役立ったと自負しています。組合がもっと大きく、賢くなれば、もっと有効なチェック機能を持つことができるでしょう。
あなたが組合員になれば、任期制や法人化といった制度変更の中で不利な取り扱いを受けそうになったときに、組合を通して交渉することができます。あなたが組合員であれば、研究・教育・労働条件を守るために、組合の交渉権、基金、情報を活用することができます。あなたが組合員であれば、他の組合員と助け合って大きな力を生み出せます。どうぞ職員組合にご加入ください。
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