2003年11月25日
東北大学総長
吉本 高志 殿
東北大学職員組合 定員外職員部
東北大学には、約230名の日々雇用職員が在職しています。その中には、私たちのように、1980年以前から20年ないし30数年の長期にわたって、定員内職員と同様の仕事をフルタイムでこなし、知識や経験を積み重ねてきている、日日雇用職員が80数名含まれています。日々雇用職員は、度重なる定員削減により減らされた定員内職員の代わりとして、定員削減に反比例して増える業務、さらに純増する業務を担い、東北大学の基幹的な業務を円滑・効率的に遂行する上で欠くことの出来ない存在になっています。
しかし、私たちは、フルタイムではたらいているにもかかわらず、国家公務員法の形式上、「非常勤職員」とされ、劣悪な待遇の下に置かれています。定員内職員の昇給は1年に1号俸ですが、私たちは3年に2号俸です。退職金やボーナス、休暇も定員内職員と格差がつけられており、文科省共済組合にも入ることができません。大学は、私たちを必要としているにもかかわらず、1年以内の任用という政府方針に縛られているために、毎年3月30日をもって任用を中断し、4月1日から再任用するのです。業務上はおよそ意味のないこの任用形態のために、私たちは毎年、春になると雇い止めの恐怖にさらされ、不利な勤続年数計算に甘んじなければならないのです。
私たちのほとんどが女性であることも知っていただきたく思います。日日雇用職員の労働条件は、「女性は劣悪な待遇ではたらかせてもかまわない」という、一昔前の価値観と呼応するものです。日日雇用職員の問題を、いま東北大学が推進しようとしている男女共同参画の課題として直視していただきたいのです。
来年4月1日から東北大学は法人化されます。定員内職員は法人職員として承継されますが、私たちはどうなるのか、まったく知らされていません。雇い止めや、これ以上の処遇切り下げはとても納得できるものではありません。
これまでも、私たちは承継と待遇改善を求めて、何度も要請を行ってきました。昨年11月22日には、組合委員長名で「法人移行に際しての非常勤職員の雇用継承および待遇に関する要望書」を提出しましたし、今年1月17日の総長との交渉(交渉報告)でも、5月15日の上田人事課長との交渉(交渉報告)でも、繰り返し私たちの立場を訴えました。回答はいつも「検討中」「現時点で確約する段階ではない」というものであり、そのたびに私たちはやりきれない思いになりました。しかし、もう待つことはできません。
私たち日々雇用職員は、雇用責任者としての東北大学総長に、国立大学法人東北大学への承継について以下のとおり要求します。今度こそ、誠実な回答をお願いいたします。
以上