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団体交渉報告

10/22団体交渉の継続交渉
要求項目(13項目)は●こちら●

2007年12月7日(金)10:00 - 11:00
多元研 材料・物性総合研究棟1階大会議室


■佐々木補佐 これから団体交渉を始める。まず法人側から発言する。

13項目要求への法人側の回答

■折原理事 本日は、前回組合から説明された13項目の要求について回答し、あるいは検討状況の説明をする。

  1. 2007年度一時金について、現行支給月数4.45ヶ月を0.05ヶ月引き上げて4.5ヶ月とし、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、引き上げた0.05ヶ月分を加算して支給すること。
  2. 時間雇用職員に対して、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、一時金として当該職員の時給の30時間分を支給すること。
  3. 2007年度人事院勧告を参考として、若手教職員を中心とした給与表改善を図ること。

■折原理事 項目の人勧関係については、大学として検討中であり、明確な回答はできない。12月の給与については従来通りの内容で支給する。組合からの要求項目については、理事副学長会議等で検討してきた。とくにこの3項目は、今回の交渉に向けた重点項目ということもあり、本学としても重要なので重ねて議論してきた。選択肢をさだめて12/4の経営協議会、役員会で意見を聞いた。その際、欠席者もいたので、総長から直接欠席した人に意見を聞くことになった。その意味で決定していない。それほど重要な課題と認識している。以下、丁寧に説明したい。

人勧の取扱いを検討する際の前提について

■折原理事 人勧の取扱いを検討する際に、いくつかの検討の前提がある。

(1)国、仙台市、宮城県、他大学においてどのような対応がされるか。
 国は、指定職部分を除いた他には人勧通りの内容で給与法の改正が成立した。仙台市も国と同様、宮城県は実施せずという方針だと承知している。他大学は検討中だが、国と同じようにする大学や、国とすっかり同じではないが一時金で今年度は対応する大学、将来的に人勧の内容で改定する大学等、それぞれ対応が異なる。

(2)H17年に同様の給与交渉をして制度設計を含めて議論したが、その際の基本方針の考え方をふまえる。
1) 国立大学法人には、独立行政法人通則法第63条が準用されており(国立大学法人法第35条)、同条第3項は「給与の支給の基準は、業務の実績を考慮し、かつ、社会一般の情勢に適合したものとなるように定められなければならない」と規定し、その支給水準が国民一般の理解と納得を得るべきものであることを求めている。
2) 本学の職員の給与改定については、民間企業の従業員の給与の動向、生計費等の諸要素が盛り込まれた人事院勧告を有力な参考資料として基本におきながら決定する。
3) 給与改定の実施時期については、人事院勧告に基づく給与法の改正、労使交渉に要する十分な期間の確保、人件費予算の計画性の確保などを考慮して、翌年4月から実施する。

(3)井上プランの実施にかかる経費をどうするか。
 井上プランがスタートし、その中に人事労務のプランも定められている。このプランを実行するにあたり、実行するのは大学の職員であり職員を大事にすることが必要だし、また、プランの実施には金がかかるので、その見通しをどうするかが検討課題だ。

(4)来年度以降の本学の財務状況がどうなるか。
 法人化で自由になったが、運営費交付金には効率化係数がかかっている。また、その中でも運営費交付金の人件費については、平成17年度を基準として18年度から22年度までの5年間で5%削減するという方針がある。人勧にもとづく給与引上げがある場合に、この5%削減にカウントしなくてもいいという閣議決定がされているが、財源自体は自前で用意することが必要だ。大学の給与を引き下げても引き上げても、その財源について国は面倒を見てくれない。本学の人件費について見ると、その他職員の人件費は本部の人件費枠から出るが、教員人件費は部局配分の予算から出る。教員人件費は、現時点でも、人勧を全面実施しなくてもすでに赤字の部局が出ており、そういった部局では厳しい部局運営を強いられている。

■折原理事 これら4つの検討の前提をふまえて、理事副学長会議で検討を重ね、経営協議会、役員会に諮ってきた。まだ結論は出ていないが、指定職本級表適用者を除き、基本的に国と同様に実施しようという基本方向だ。ただし財源が問題だ。今年度に遡及して適用すると、指定職本級表適用者を除いても約1億8000万円かかる。20年度以降については3億4500万円かかる。ということで、内容としては人勧通りだが、実施時期について定まっていない。要するに、平成19年度の取扱いが決まっていないということだ。いろんな意見があった。たとえば、「現在退職者が多いこともあり、19年度だけを見ると対応できるかもしれないが、シミュレーションによると人件費5%削減が終わる22年度の時点では苦しくなっている」「このまま今回人勧通り実施してよいのか」「来年4月から実施すべきではないか」「他の大学でも、今年4月から遡及実施するところもあるし、本学職員の勤労意欲も考えて実施すべきだ」という意見もある。将来の見通しとの関係で、今年度どれくらい出せるかについて、なお検討中だ。申し訳ないが、回答できる状況にない。

2.時間雇用職員に対して、2007年12月の期末・勤勉手当支給日に、一時金として当該職員の時給の30時間分を支給すること。

■折原理事 これまで週30時間以下の勤務なので期末勤勉手当と退職手当は支給対象としていなかった。新たに一時金を支給するということは、本学の財務状況の中では人件費の増につながり厳しい。教育研究費を圧迫し、教育研究に支障を来す可能性がある。よって財源の確保には関係者の十分な理解が必要だ。大変厳しい状況だ。しかし、一方、今回は組合としても、時間雇用職員の理解も得て30時間分の要求に押さえて要求しているということもある。制度に関わることで、これまでは難しいという回答だけだったが、これは検討すべき事項だと考えている。理事副学長会議や経営協議会でも、時間雇用職員は、勤務時間は短いが正職員と同じようにきちんと働いてもらっているという実態があるので、それをきちんと評価すべきだという意見もあった。状況は厳しく財源の問題もあるが、関係のところの理解も求めつつ、今後検討していきたい。

4.新教員制度における助教の処遇について、教育職本給表(一)の1級と2級の間に助教に適用する級を新設するなどして、その改善を図ること。

■折原理事 助教の処遇改善は財源措置の問題と密接に絡んでいる。待遇改善をはかるということは、新たな財源措置をどうするかということとセットで考えなければいけない。新たな級の新設はできない。本学独自の級を設定した場合、毎月の額もさることながら、退職手当の差額を本学で用意しなければならない。これは大変だ。現時点ではこれは難しい問題だと思っている。

5.1980年7月以前採用の准職員は、当然に正職員に転換すること。当面、今年度実施の正職員登用試験制度を、勤務実績を強く考慮した制度に改めること。

6.法人化以前より長期にわたって勤続している時間雇用職員について、勤務実績を強く考慮した正職員登用制度を設けること。

■折原理事 これについてはこれまでも要求されていて、今年度から登用試験を実施した。今回は、要望も踏まえて勤務実績を特別に考慮するということで、二次試験の一次試験や小論文の免除を行った。あるいは試験内容についても受験者による区別はなく面接を実施し、採用後も正職員との区別なく人事管理するということで実施した。事務系については、132名応募して120名受験、一次試験合格者6名、最終合格者2名だった。図書系については、14名応募して14名受験、一次試験合格者1名、最終合格者1名だった。来年度以降もこの登用制度で登用をはかっていきたい。

7.大学病院における「7:1看護」体制採用後の看護師等の勤務実態を調査し、超過勤務の縮減と年次有給休暇完全消化が可能となるよう、看護師等の増員を図ること。

■折原理事 従来からの対応方針に変更はない。7:1の看護体制を実施している。前回も交渉でもいろんな問題があると聞いた。現状における課題や問題点を整理して、看護師を含めいろんな職員の労働環境の改善についてさらに努力するように本部から病院に伝える。

8.東北大学全体の教職員の超過勤務の実態を把握し、不払い労働が生じないよう措置すること。

■折原理事 改善しなければいけない。できる限りの最大限の努力をしている。労働時間の適性管理の徹底、時間外労働の縮減等、労基署の是正勧告等をふまえて調査し、通知で全学に周知した。引き続きこのような努力をしていきたい。部局長、事務長等に会うたびに話していく。

9.高齢者雇用安定法施行に伴う教員の定年制変更等についての方針を早急に呈示すること。

■折原理事 改正高年齢者雇用安定法の施行をうけ、事務職員等についてはすでに再雇用制度として制度化したが、教員についてはまだ検討中だ。教員人件費との関係で状況はきわめて厳しいが、法定事項でもあり、枠内で導入可能な制度について検討している。理事副学長会議にも一度かけた。方向性としては、定年制の延長ではなく、再雇用制度を導入するという方針で検討を進めている。

10.長期勤続者のリフレッシュ、教職員の修学や国際貢献活動のための休暇制度改善を図ること。

■折原理事 従来からの対応方針に変更はない。一方、教職員の修学や国際貢献のための休暇制度の実施については国でも4月に施行されている。本学でもできるだけ早く実施できるように検討している。

11.年次有給休暇を使わない形での夏季一斉休業を実施すること。

■折原理事 本学では、事業場ごとに計画年休の労使協定を締結して、一斉に年休を取得する形で事業場休業としている。労使協定による計画年休については、労基法に基づいて、年休の取得促進をはかることを目的としている。メリットは光熱水料の節約、年休の取得率アップ、気兼ねなく年休を取得できること等がある。引続きこのような形で実施したい。一方、夏季休暇が、特別の有給休暇として7月から9月の期間内で連続する3日間をつかって休めることになっている。特別の有給休暇としてこれを夏季一斉休業の時に移すか、夏の一斉休業の時に年休ではなく自分の夏季休暇を使うか等いろんな選択肢がある。今の夏季休暇3日に加えてそれもほしいというのはいろんな状況のもとで難しい。

12.教員の任期制導入を安易に行わないよう全学に周知すること。

■折原理事 大学教員任期法、労基法にもとづいて本学の就業規則が定められ、就業規則に基づき任期を付けて採用している。安易に任期が付けられているものではないと考えている。

13.初任者研修の場において、職員組合が説明をするための時間を設けること。

■折原理事 研修の趣旨にそぐわないので、研修期間中には組合の説明の時間を確保することはできない。


質疑

回答が遅い問題について

□組合 ゼロ回答だと困る。前回の交渉は10/22でありすでに1カ月以上たっている。あまりにも回答が遅い。私たちの12/10のボーナスについてどうするかという要求に対する回答なのだから、もっと早く回答しなければならない。理事就任後の役員会内での苦労はわかるが、民間企業でも労務担当の理事は非常に強い力をもっているので、臆することなく総長や他の理事とわたりあっていただかないと困る。

 以上を前提として、本日の回答は、組合の要求に対して、認めるというものは一つとしてなかった。したがって、全項目について今後も継続して交渉する。

時間雇用職員のボーナスについて

□組合 の時間雇用職員へのボーナス支給については、一定程度前向きに検討するということなので、ぜひ実現してほしい。我々は30時間分の支給を要求しているが、場合によっては、時間に応じて、たとえば週20時間の人については20時間分ということもあり得ると考えている。額の問題よりも、みんながボーナスをもらっている時に自分はもらえないということがつらい、という声を聞いている。気持ちよく働けるような労働環境を作れば、大学のために非常に有効だろう。

人勧の取扱いについて

□組合 の今年度の人勧をふまえた給与改善について。組合の把握では、旧帝大クラスで人勧通り実施しないところはほとんどないのではないかと思うが、法人側ではどう把握しているか。

■折原理事 それぞれ検討中だということだ。

□組合 たとえば、東大ではすでに決まったと私は聞いているが。

■折原理事 経営協議会前に確認したところでは、方向性はそうだが、決定したとは聞いていない。

□組合 組合の把握では、人勧通りに今年4月遡及で実施するという大学が相当多い。その点はともかく、引下げ勧告のときには、人勧に準拠すべきだという論理だった。上げるときには人勧に準拠しないというのは、論理として難しいのではないか。一度でも人勧で上げない時に本学は上げていれば使える論理だろうが、前回の賃下げを人勧通りに強行しているので、みんな納得しないだろう。

■折原理事 前回については、改定しないということで対応したと承知している。人勧は重要な参考資料だが、人勧がすべてではない。国立大学法人として、自分としてどうするかということなので、本学として総合的な判断をしなければならない。

□組合 その論理は前回私がつかった論理だ。それでも法人側は人勧通りやりたいということで賃下げを強行したので、今その論理を使うのは良くない。その理由では教職員の理解はほとんど得られないだろう。

■折原理事 人勧をないがしろにするということはない。人勧は民間の動向や生計費もふまえた判断なので、尊重しなければいけない。

□組合 給与を上げる時に躊躇するということだと、何のために法人化をしたのかという話になる。賃下げ人勧には準拠して、今回の賃上げ人勧には準拠しないということでは、法人化したことそれ自体に疑問が生まれる。教員はいいかもしれないが、職員は反発するだろう。非公務員化されて給与まで上がらないということなのだから。傍聴者はこちらにこないか。

■折原理事 給与を上げないと言っているわけではない。まだ検討中だと言っている。

□組合 時期について検討中だと言っているが、人勧通りの実施だとすると、4月に遡って賃上げするということだ。それならばすぐ実施した方が多くの教職員の士気が上がるだろう。今年は東北大100周年で大騒ぎして、そのために事務の人は大変だった。それにも拘らず、本学では、賃上げの人勧にしたがって給与を上げることはしないとか、来年4月からしか実施しないというのでは。いつ結論が出るか。

■折原理事 早急に大学として決めてもらいたい。

□組合 人事担当理事なのだから、決めてもらいたいということではなく、闘ってもらわないと困る。井上総長を怖がる必要はない。それに金はいくらでも総長がとってくるだろう。金がないならば総長裁量経費を全部出せ、と言っても良い。基幹経費云々で部局から吸い上げようという話もあるが、それを全部使えと言っても良い。

■折原理事 怖がってはいない。しかし、総長としての立場というものがある。総長として、今後の東北大をどうするかという判断がある。

□組合 もちろん、総長のポケットマネーをもらいたいというのではない。そういうことならば、この場で要求する。
 第一に、金がないということならば、早急に大学の財政を示す資料を出すべきだ。
 第二に、人勧通りに実施できない場合、経営側の責任を明確にすべきだ。たとえば理事について何カ月減給等だ。経営協議会の委員にも当然責任がある。経営側の責任を明確にした上で回答してほしい。

■折原理事 今はまだ、検討中だということしか言えない。早急にお答えしたい。財政についてもその中で説明する。

□組合 問題はこういうことだ。もし法人化せずに公務員のままだったならば、この12/10には0.05カ月分増えたボーナスが出たはずなのに、法人化され、しかも無能な経営者が多いためにそれができない、こういうことが教職員の士気を高めるかどうか、ということを言いたいのだ。

■折原理事 経営者が無能かどうかはともかく、教職員皆が頑張っている。人勧が全てではない。教育研究を含めた総体としての本学の力がどれくらいなのかについて経営判断しなければいけない。

□組合 我々が問題としているのは、あくまで労使関係のことだ。賃金を経営側がどう考えるか、教職員を大学としてどういうものと考えるのかについて言っている。その点を誤解しないでほしい。できれば、次回の交渉日程についてもこの場で決めたいが、まずは、次の問題に入る。

■折原理事 良い回答をしたいと考えているのだということを理解してほしい。

□組合 時間もないので進めるが、時間雇用職員のボーナスについては、前向きの回答が得られた。実現をあらためて強く要望する。

助教の待遇改善について

□組合 項目の助教のための級新設は退職手当の問題もあり難しいということだが、級が助手と同じなのは、職の中身が違うのでおかしいということは、一般的に理解できることだろう。新しく級を設けることが難しいということならば、他の方策が考えられないか。これが知恵を出すべきところだ。助教が傍聴として出席しているので発言する。

□組合(組合員・助教) 今年については、前年度に決まったカリキュラムで進んでいるので講義の担当はないが、来年からは助教としての責務がカリキュラムに反映されるだろう。今後、前年度までの助手だった時とは仕事の内容が当然変わるし、大学院の学生指導もある。負担は増えている。今までとは違うところだ。これに何らかの形で応えてほしい。

□組合(組合員・助教) 同僚の助教のみなさんからぜひ出席、発言するように言われてきた。部局により助教の仕事は違うと思うが、我々は、教授、准教授のサポートの他に、司法試験合格をめざす学生に対して指導や、ゼミなどがある。他に学部の授業もある。モチベーションの問題として働いた分に見合った形で何らかの報酬がほしい。助教集団としての要望だ。何らかの形で反映させてほしい。

□組合 理系、文系の助教から発言した。今後の助教の待遇にどう取り組むかは東北大の将来に関わる問題だ。助教の多くは若手であり、東北大学をしょって立つ人の待遇をどう改善するかは本学の将来に大きな影響を及ぼす。

正職員への登用制度について

□組合 項目の正規登用制度については、准職員・時間雇用職員から正職員への登用をこれからも続けるということは良い。そのやり方が問題だ。今年のやり方をこれからも続けるということか。

■折原理事 制度設計を変えるつもりはない。

□組合 その点には問題があると考えている。今後とも望ましい方向に向けて交渉していく。この問題について、准職員から発言する。

□組合(組合員・准職員) 登用試験を受験したが、やはり内容が厳しかった。優秀な人材がほしいと大学の言っている趣旨はわかるが、私たちも何十年も正職員と同じように大学のために働いてきた。もう少し違うやり方でしてほしい。試験を受けにきたら、大学生も受けにきていた。同じ試験を受けるのは、子どもに大学生もいるのでよくわかるが、大変厳しいものがあった。受験勉強としても内容を理解することも難しいし、理解した内容を覚えていることも難しい。50歳を過ぎて大学生と同じ試験を受けるのは厳しい。次回はハンデをつけてほしい。

□組合 前にも言ったが、正職員への登用の道があること自体は良い。やり方には工夫が必要だ。今日の新聞だったか、どこかの銀行が派遣職員全員を正規職員にするという記事があった。長期に働いている准職員、時間雇用職員は、正職員以上にその仕事ができる場合がある。正職員の指導をする場合もある。異動がないということもあるが、逆に言うと、一定の職について非常に詳しくなる。むしろ必要なのは、大学がそういった人をいかに活かすかということだ。どう活かしてなおかつ正職員にすることが、大学の人的資源の活かし方として非常に重要だろう。たしかに新卒など若い人は受かるだろう。だが若い人は採用後、教育しなければならない。教育しないと戦力にならない。すでに長期にその仕事に通暁している人ならばモチベーションを高めて仕事に邁進できる。なぜそれを活かさないのか。疑問だ。どんな方法がいいかについては検討したい。

看護師の大変さについて

□組合 7:1看護についてだが、たしかに7:1看護によって看護師は増えた。他方、大変なところも生まれている。現場の声として聞いたところでは、新人の教育が大変だという。一定のレベルに達した人でないと全面的には任せられないので、新人がたくさん増えたことで、すでにいた看護師が新人教育で大変だという。新人教育が一定クリアできると、その後は楽になる可能性はある。ただ、看護師の仕事は大変らしく、一年目ですぐ辞めてしまう人も多いようだ。欠員の補充だけでも大変な状況だ。そうすると4月の採用時点ですでに人数に余裕を持った形で採用しないと、総体として病院の質、看護の質が下がってしまうのではないか。その意味で、現在の看護師の状況について、7:1看護ができて万歳ではすまないだろう。ぜひ看護師の声を十分聞いて、仕事の大変さから患者へのミス等を起こすことがないように、配慮してほしい。また、最近は二交代勤務の導入が問題になっている。いくつかの診療科で二交代制の試行に入っているという。二交代制は昼夜半々の割合ではなく、昼が8時間で夜が16時間くらいということだ。私の親の入院の際の看病の経験からも、患者の対応で大変なのは夜だということはわかる。それが長時間だというのは大変だ。若い人には、まとまって休みが取れるので、二交代制は望ましいという声が多いようだが、子どもがいたり、老人がいたりする看護師は、二交代制で働かなければいけないならば、辞める以外にないと発言している。もし二交代制勤務を導入しようとするのならば、看護師の年齢や体力にも十分配慮した上で行うべきだ。単に病院の看護のあり方だけでなく、看護師の労働条件に関わる。ぜひ病院側と人事担当理事として相談して一定の方向を出してほしい。

超過勤務について

□組合 番目の超過勤務の問題に関して、お願いがある。超勤は、教員よりも、事務職員や看護師、技術職員等にとって深刻な問題だろう。とくに事務職員の超勤は非常に多いようだ。組合は、水曜日の夜に会議を行うことが多く、それはだいたい20時から21時頃に終わるが、定時退庁の日であるにも拘らず、本部事務局には灯りが点いている。定時退庁していないことがわかる。定時退庁の日の超勤に超勤手当がちゃんとついているのかどうかも疑問だ。事務職員の勤務状態をしっかり把握することは大学としてもすべきことだ。メンタルな面でかなり問題が生じている大学もあるようだ。全大教が事務職員の方々の健康を気にして、全国的に事務職員へのアンケート調査を行うことにしている。これは事務職員の超勤実態等についてのかなり詳細なアンケートだ。組合としては取り組みたいが、大学と一緒の方が事務職員の人がアンケートに応じやすいのではないだろうか。必要ならば、大学としても、アンケート項目をプラスしてもいいし、違う形でもいいし、何らかの形でこのアンケートに協力いただけるとありがたい。検討いただけないか。

■折原理事 難しい。今までもいろんな調査をしてきたが、全大教には全大教の考えがあっての調査だろう。それを直したり、それに追加したりすると良くないのではないか。忙しい時にやって効果はあるかという問題もある。アンケートに応じるかどうかについては個人の選択ということはある。大学として協力して行うとプレッシャーになるということもある。結果についてはいただきたいが、協力はできない。

□組合 こうしたらどうか。結果についてはお知らせするので、全大教のアンケートが事務職員のところにいくが、結果については法人側にも知らせてもらうことになっている、という程度でも、事務職員に連絡していただけないか。

■折原理事 事務職員のプレッシャーになることはしたくない。

□組合 プレッシャーにはならないと思う。むしろ結果については、組合はもちろん、大学にも利用してもらえるのではないかと思うが。

■折原理事 組合で淡々と進め、結果だけいただけるようにしていただきたい。

□組合 それならば組合で行うが、超勤の実態については大学側も調べてほしい。大学側の調査と我々の全大教アンケートの結果が一致するかどうかがたいへん興味がある。

教員定年制、再雇用について

□組合 番目の教員定年制のあり方についてだが、今、再雇用制度として整備することを検討中だということだ。検討されている再雇用制度はどんなイメージか。

■折原理事 方向としてはそういう再雇用制度の導入という方向だが、まだ検討中だ。イメージとしては事務職員等の再雇用と同じだ。63歳定年後に民間や私学に移動したり、あるいは退職することになるが、65歳で年金が満額支給されるまでは働き続けられるように事業主として制度設計せよというのが法律の趣旨なので、本学で働きつづけたいという教員のために、制度の骨格について本部で制度設計する。人件費の事情など部局によって違いがあるだろうから、詳細は部局で設計してほしいと考えている。

□組合 私は日本法制史だが、定年になる前に次の教員を採用する。たとえば私が再雇用の教員になった場合、その間日本法制史の講義は誰がするのか。

■折原理事 今でも非常勤講師制度がある。非常勤講師に講義をお願いするか、それとも別に再雇用の教員としてその先生に何をお願いするか、契約の問題として、部局において検討が始まるということだ。

□組合 文系では教室という単位がある。医学部なら医局がある。そういった医局なり教室なりを運営するのは誰なのか。一般的には63歳定年前に運営者を採用する。もとからいた方の人はどうするのか。

■折原理事 新しい人を採用するか、それとも採用しないで再雇用の人でやるのか、人件費との関係でどうなるのか等、どれが学生のためになるのかという点から部局で検討する。

□組合 事務職員等の場合、給与は定年前の6割の水準となるということだが、教員についても同様か。

■折原理事 具体的な制度設計は部局にお願いするが、研究、学生の指導、管理運営等の何をお願いするかしないか等、何をお願いするかは人によって違うだろう。一概には言えない。部局の予算との関係もある。お願いすることとの絡みでお金のことも決まって来る。

□組合 そういう複雑な制度を東北大学で導入しようとしていることと比べて、東大はすでに65歳定年延長を決めた。かたや東北大は再雇用となるとすると、教員から見てどちらがいいか。

■折原理事 法人化前にそういう制度設計にした。

□組合 東大は非常に特殊だとみんな言っている。東大だけを抜け駆けさせるなというのが、全国の教員の中での議論だ。

■折原理事 東大は55歳で任期制としたり、大学の人件費に影響が出ないような工夫をしたりしていると理解している。必ずしも全員が65歳までいられるというものではないと思う。

□組合 知人の東大の教員はほとんど65歳定年だと言っている。少なくとも東大の法学部については65歳定年だと言っている。その代わり、助教授が教授になる年齢が遅くなるのが問題だといっている。

■折原理事 学部によって違うと思う。また、再雇用の場合、理系など教室としては困るだろう。若手を大事にせよという意見も出ている。

□組合 私も若手を大事にしたいと思っている。

■ 折原理事 その関係でも再雇用は難しい。しかし、法律事項なので制度はつくらなければいけない。

□組合 東大はうまくやった、という雰囲気になると、教員はやる気を失うだろう。

■折原理事 東大のことは調べてみる。

□組合 いずれにせよ、この問題については継続して協議していく。

次回日程について

□組合 時間がきたので、1013の項目についてはあらためて議論したい。この場で、次回の交渉日程は決められるか。

■折原理事 日程だけ決めて、また検討中では申し訳ない。

□組合 こちらは早ければ早いほど良い。火曜日、水曜日、木曜日は避けてほしい。月曜日か金曜日でお願いしたい。火はなんとか調整も可能だ。何しろ、みんな早く0.05カ月分をもらいたいだろう。

■折原理事 経営協議会や他の方々の意見も聞かなければいけない。

□組合 それでは事務方と書記局とで打合せをしてもらう。本日の回答と質疑を踏まえて、すべての項目について継続協議ということを確認する。


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