Q:法人化はもう目の前ですが、管理運営制度や人事制度の準備はどうなっているのでしょう?
A:法人化推進本部がようやく骨子を公表しました。就業規則案は2月から意見聴取するそうです。4月以後の労働条件のことなのに、教職員への情報提供が遅れています。
Q:当局案を見ても、大学運営への参加や労働条件がいままでとどう変わるのかよくわからないのですが。
A:組合は、当局案を分析してこのマニュアルをつくりました。項目別に従来の状態、当局案、組合案を併記し、当局案を採点しています。これを使って、気になるポイントをチェックしてみましょう。そして、意見や要望を出していきましょう。部局のルートで出しにくい場合は組合に寄せてくだされば、まとめて提出します。
Q:就業規則は大学が制定するから、何を言っても反映されないのではないでしょうか?
A:いいえ。大学は法人化前に組合と協議すべきですし、文科省や国大協もそれを勧めています。これまでの交渉や懇談の結果も当局案にいくらか反映されています。また、労働基準法に従い、大学は就業規則に対する意見を労働者の過半数代表から聴取しなければなりません。加えて、残業、裁量労働制の導入、計画年休の実施など、労基法が定めたはたらき方の原則から外れたはたらき方をする場合には、過半数代表との労使協定を結ばなければならないのです。
Q:では教職員にも一定の権利があるのですね。過半数代表とは労働組合とは別のものですか?
A:過半数組合のある事業場なら、組合がそのまま代表になります。そうでない事業場では、選挙をして労働者の代表を選ぶのです。規模の小さい部局は別ですが、おおむね各部局が事業場になる予定です。
Q:公務員でなくなると身分保障がなくなって不安ですが、組合は力になってくれますか。
A:もちろんです。法人化されると教職員の団結権・団体交渉権・団体行動権が全面的に保障されます。組合は組合員の労働条件全般について大学と交渉できるし、組合員にだけ適用される労働協約も結べます。困ったときは、組合を通せば確実に大学と話しあえるのです。職場生活のセーフティ・ネットとして、アドバイザーとして、組合加入のメリットはこれまでとは比べものにならないくらい大きくなります。この機会に加入をご検討くだされば幸いです。
項目 | 現在の労働条件 | 東北大学当局が提案・検討している法人化後の人事制度・就業規則案 | 組合の要求する労働条件 | スコア |
「スコア」欄は、組合による当局案の評価です。
○=おおむね良い。
△=良い点もあるが、修正・補充も必要。
×=抜本的な変更が必要。
?=当局案が未定または不明。あるいは組合が研究中で未評価。
身分 | 国家公務員 | 国立大学法人東北大学職員として大学と労働契約を結ぶ労働者 | - | - |
法人化時点での承継 | --- | 4月1日に職員であれば、法人に承継される(法人法)。非常勤職員は「現状のまま移行」という方針だが、正式発表されず。3月末に雇い止めされるおそれがなくなっていない。 | 全職員を承継すること。日々雇用職員は正規常勤職員として承継すること。 | △ |
労働条件の法的枠組み | 国公法、人事院規則など。 | 労基法、労組法、均等法など。 | --- | - |
身分保障 | 身分保障あり。しかし、官制の改廃による廃職の場合は免職させられうる。これが法人化による非公務員化を合法化する根拠になった(国公法、人事院規則)。 | 就業規則案に整理解雇条項あり。 | 就業規則において、解雇の条件に整理解雇を含めないこと。 | × |
教員の身分保障 | 評議会の審査結果によらない限り、本人の意志に反して転任・免職・降任されないし、懲戒処分を受けない(教特法)。 | 本人の意志に反する降任・解雇は教育研究評議会の議による。配転・懲戒は不明。私立大学では、教授会審議を経ない解雇や懲戒処分の有効性が訴訟で争われた例あり。 | 教育研究評議会の審査結果によらない限り、本人の意志に反して配転・解雇・降任されず、懲戒処分を受けないことを就業規則に明記すること。 | △ |
教員任期制の基本性格 | 特定のポストを任期つきとし、当人の同意を得てそのポストに配置(任期法)。一部部局では全教官職任期制や現任教官の任期制への転換事例があり。 | 特定の教員と任期つき労働契約を結ぶ(任期法)。現任教員は当人の同意なく任期制に転換できない。任期制の導入は各部局の判断に委ねる。 | 任期法と付帯決議の趣旨を守り、全員任期制や現任教員の任期制への転換を行わないこと。 | △ |
教員任期制の任期 | 特に制約なし(任期法) | 1年経過すれば退職は自由(任期法・労基法)。文科省は民法を根拠に5年を超える契約はできないと通達。東北大で検討中。テニュア・トラック制も検討されているが、詳細は不明。 | 文科省は、雇用保障は5年を超えてもできることを認めること。当局は現在の任期を実質的に短縮しないような制度設計を行うこと。任期中について確実に雇用保障すること。 | × |
教務職員制度 | 教育職だが教官でない。職務に比して待遇が劣悪。一部、助手への振替を実施。 | 教務職員制度の存続を前提に、助手への振替にも言及。 | 法人化を機会に制度を廃止して、現任職員を助手等に転換し、処遇を改善すること。 | △ |
日々雇用の非常勤職員(定員外職員) | 1980年以前から雇われている日日雇用職員が存在。定員内職員と同等の仕事をしている。部局予算による雇用。毎年3月30日に雇い止めし、4月1日からの任用を繰り返す異常な任用形態。昇給・手当・退職金・休暇等が劣悪。 | 労基法適用。当局は「現状のまま移行」という方針。「準職員」の呼称。部局予算の範囲で雇用。4月1日から翌年3月31日までの1年の有期雇用。継続任用は3年限度で特殊な場合は5年限度だが、1980年以前の採用者は例外とする。正規職員への登用はしない。給与、退職手当は現状のまま、期末手当は任用中断日がなくなることで改善する。 | 1980年以前から長期にわたって在職している日日雇用職員を正職員として承継すること。仮にそうできない場合でも承継すること。脱法的雇用形態を確実になくし、一方的雇い止めをしないこと。正職員と手当・休暇を同等にすること。 | △ |
時間雇用の非常勤職員(定員外職員の中のパート職員) | 部局予算による雇用。退職金なし。昇給・手当・休暇等が日日雇用よりも劣悪。 | 労基法、パート労働法適用。当局は「現状のまま移行」という方針。以下すべて検討中の案。「準職員」の呼称。部局予算による雇用。1年の有期雇用。継続任用は3年限度で特殊な場合は5年限度。 | 法人職員として承継すること。これまで更新限度がなかった人に更新限度を一方的につけないこと。ボーナス、退職金を支給し、慶弔・病気休暇を保障すること(今はない)。 | △ |
総長選挙参加 | 教授・助教授・専任講師と一部助手が選挙権。 | 総長選考会議が選考(法人法)。構成員の投票は法的定めがないので、大学の制度次第だが、当局案は不明。 | 現在以上の構成員参加を「意向投票」として保障すること。総長選考会議に現職総長や理事を加えないこと。 | ? |
教育研究評議会の権限 | 評議会が大学運営の重要事項を審議・決定(国立学校設置法、教特法)。 | 組織の改廃は役員会、予算審議は役員会と経営協議会が審議(法人法)。東北大制度検討委中間報告は教育研究評議会に予算審議権限を与えるとしたが、現在の当局案ではそれが削除されている。評議員の管理職手当廃止。 | 組織の改廃や予算に関する審議権を教育研究評議会にも認めること。 | × |
部局の運営 | 教特法適用。教授会の議に基づいて学長が行う。事実上教授会自治。 | 部局の運営の原則は教授会の意向を尊重。役員会は運営費交付金の範囲内でたてられた部局教授会の雇用方針を尊重。管理職としての副部局長設置。教員人事は別項参照。 | 教授会を研究・教育の重要事項審議機関とすること。 | △ |
事業場の単位 | --- | 小規模なところ以外は部局。小規模なところは事務組織の管轄によってくくる。過半数代表選出方法は未定。 | 事業場における使用者代表を明確にし、労働者の過半数代表選挙を民主的に行うこと。 | ? |
教員の採用・昇任 | 選考。教授会の議に基づき総長が行う(教特法)。 | 多様な採用制度の導入。部局長の申し出に基づき総長が行う。 | 教授会の議に基づくことを就業規則に明記すること。 | × |
職員の採用 | 国家公務員試験。 | 「国立大学法人等職員統一採用試験」による。 | 検討中 | ? |
定員 | 総定員法など。 | 東北大学独自に、運営費交付金で雇用する教職員を「配置職員数」と「人件費総枠」で管理。現在の非常勤職員や部局自己収入による雇用については未定。 | すべての雇用形態を包括する人件費基準を作成し、雇用について大学で責任を持つこと。 | △ |
勤務の原則:職員の義務と権利制限 | 忠実義務、職務専念義務、政治的行為(国公法)、公務員の地位を利用した選挙運動禁止、教育者の地位を利用した選挙運動禁止(公職選挙法)。 | 当局案には「職員は……本学の利益と相反する行為を行ってはならない」という包括的な忠実義務、職務専念義務、配布物の届出制、掲示物・集会の許可制あり。政治・宗教活動の制限は原案にはないが、検討対象。 | 使用者への人格的隷属や組合活動制限を招くような表現を含めないこと。配布物・掲示物・集会も政治・宗教活動も、業務遂行を妨げない限り制限する理由はない。政治活動の制限は、「教育者の地位を利用した選挙運動禁止」に厳密に限られるべき。 | × |
勤務の原則:職員の権利と使用者の義務 | 平等取扱いの原則(国公法)。 | 当局案は上司の義務、大学の安全管理義務などにふれ、用語も労働契約上のものにほぼなっている(俸給→基本給、休暇願→休暇届)。しかし、労働者の義務・使用者の権限規定が多く、労働者の権利・使用者の義務規定が少ない。 | 対等平等の契約にふさわしい就業規則。民族、国籍、思想信条、性別などにより差別されない均等処遇原則、公益通報者保護、健康診断に際し医師を選ぶ権利などを明記すること。 | △ |
給与体系 | 給与法、寒冷地手当法、人事院規則等により決定。人事院勧告と法改正で賃上げ・賃下げ。 | 現行の給与表と給与体系をほぼ維持。著名な研究者や専門職に対する年俸制や外部資金による特別手当も検討。大学院担当の俸給調整を見直す提案があるが、法人化時点かその後か不明。 | 少なくとも現在の給与・諸手当を削減しないような就業規則をつくること。議論を尽くすことなく給与体系を変更しないこと。給与の原資にかかわらず、雇用責任を明確にすること。 | ○(俸給調整と年俸制:?) |
諸手当 | 同上。 | おおむね現行制度通り。人事交流の場合は国立大学法人間の移動でも単身赴任手当を支給。調整手当の移動保障廃止。新幹線通勤手当の対象拡大。衛生管理者手当・産業医手当新設。 | 現在の諸手当を削減しないような就業規則をつくること。 | ○ |
昇給 | 国は1年に1号俸昇給させることができる。55歳昇給停止。 | 給与体系が現行制度なので、昇給方式も維持される可能性が高い。ただし運営費交付金次第で人件費総額の制限が厳しくなる。 | 就業規則によって、少なくとも現行の昇給ペースを維持すること。 | ○ |
昇格・昇任 | 国の級別定数による制限あり。平等取扱い原則があるが(国公法)、東北大では女性が係長級以上になることが困難。 | 全国レベルの級別定数はなくなる。東北大は現行通りだが、運営費交付金の範囲内で実施する方針。均等法に対応した苦情処理制度はつくらず。 | 少なくとも現在よりも教職員が不利にならないようにし、かつ女性の昇格・昇任を改善すること。均等法に対応し、雇用上の性差別を扱う苦情処理制度を整備すること。 | △ |
教員評価と労働条件の結びつき | 勤勉手当などについて、部局毎に検討・実施されている。 | 実施予定だが具体案不明。 | 公正で透明な評価基準を確立することが先。それなしに評価を処遇に結びつけることに反対。 | ? |
勤務時間・休憩 | 8時30分始業で17時終業。8時間勤務で休憩30分。このほか勤務時間中に15分の休息が2回ある。実質は7時間30分労働して1時間休む。 | 8時30分始業・17時15分終業、休憩45分・休息なし。実質7時間45分労働して45分休むことになり、負担増。 | 休み時間実質1時間を維持すること。労働時間短縮計画を立てること。 | × |
職員の超過勤務 | 命令による。超過勤務手当はリジッドな予算制約内でしか支払われない。不払い残業(いわゆるサービス残業)が横行しているが、労基法適用外のため、労働基準監督機関に申し出ることができない。 | 労使協定が必要(いわゆる36協定)(労基法)。具体的な当局案は未定。不払い残業は罰則付きで禁止されている違法行為だが、民間企業では横行している。労基法・三六協定違反は労働基準監督機関に申し出ることができる。 | 超過勤務を極力行わず、教職員の健康と私生活を守る方針を明確にすること。不払い残業がないようにすること。組合で相談受け付け。労働基準監督機関への申し出を支援。 | ? |
教員の勤務時間管理 | 形式は職員と同じだが、実態は異なる。 | 教授研究が労働時間の過半を占める講師以上の教員に専門業務型裁量労働制導入の方針。診療を行う教員は対象外。導入には労使協定が必要。 | 裁量労働制を導入する場合、あわせて教員の負担増に報いる増単手当を新設すること。 | △ |
宿日直 | 医師・歯科医師などにつき給与法等で規定。 | 労基法では、緊急医療が頻繁に行われれば宿日直ではなく通常の勤務という扱い。そうした部分は交替制や変形労働時間制での対処が必要だが、当局案は不明。 | 現在の宿日直に比べて負担と給与を改善すること。組合案は検討中。 | ? |
年次有給休暇 | 20日。20日まで繰り越しあり。日、半日、時間単位取得。 | 現行通りとする当局案。計画年給制度を導入(労使協定必要)。時間単位の取得は労基法違反とみなされるおそれあり。 | 就業規則によって少なくとも現行水準を維持すること。 | ○ |
病気休暇 | 有給。 | 現行制度維持。 | 就業規則によって少なくとも現行水準を維持すること。 | ○ |
特別休暇(出産、結婚、忌引き、選挙権行使、ボランティアなど) | 有給。 | 現行制度維持。 | 就業規則によって少なくとも現行水準を維持すること。長期勤続者のリフレッシュ休暇を創設すること。特別休暇の日数を改善すること。 | △ |
育児休業 | 子どもが3歳になるまで。無給。1年間は育児休業手当金が文科省共済組合から支給され部分的に所得保障。任期つき教官も取得できる。 | 現行制度維持。育児休業給付金が雇用保険から支給され部分的に所得保障。 | 就業規則によって少なくとも現行水準を維持すること。 | ○ |
介護休暇(休業) | 連続6か月以下。無給。介護休業手当金が文科省共済組合から支給され部分的に所得保障。任期つき教官も取得できる。 | 現行制度維持。介護休業給付金が雇用保険から支給され部分的に所得保障。 | 就業規則によって少なくとも現行水準を維持すること。 | ○ |
任期制教員が育児休業・介護休業をとった場合の任期進行 | 停止しない。 | 明文では未確認だが、現行通りとすれば停止しない。 | 育児休業・介護休業中は任期の進行を停止すること。 | × |
研修 | 教員は勤務地を離れた研修、現職のままの長期研修が権利として保障されている(教特法)。職員の場合は、任命権者が実施する(国公法、人事院規則)。 | 教員の研修について、教特法と同様の内容を就業規則に明記。 | 教員について、教特法の水準での研修を認めること。職員について、研修の機会を拡大し、権利として保障すること。 | ○ |
職員の人事交流の性格 | 国の組織内部での異動。 | 東北大学以外との人事交流は、出向または転籍となる。 | --- | - |
配置転換に関する労働者の権利 | 異動命令の権限は強力。教員は評議会の議によらなければ転任されない(教特法)。 | 就業規則当局案は、配転命令権を明記。なお、私学では教員を職員に職種転換したことが紛争となる例あり。 | 適性や家庭責任などについて、本人の事情と希望を踏まえること、転居を伴う配転はその都度本人の同意を条件とすること、他職種への転換は教員については行わず、職員についてはその都度本人の同意を条件とすること。 | × |
出向に関する労働者の権利 | --- | 人事交流は在籍出向で行う。就業規則案に包括的出向命令権を明記。詳細は未定。 | 出向は、その都度本人の同意を条件とすること。出向・復職の手続や、労働条件が不利益変更されないことを就業規則に明記すること。 | × |
転籍に関する労働者の権利 | --- | 労働契約の解除・再締結なのでその都度本人の同意が必要。本学採用者の転籍は行わない方針。 | 転籍は、その都度本人の同意を条件とすること。裁量的な転籍命令権を就業規則に記さないこと。 | ○ |
兼職 | 国公法・人事院規則等による制限。勤務時間内兼職は、兼職時間だけ給与減額。 | 範囲・許可基準は当面は現行のものを参考にする。週15時間、月45時間、年間360時間、本学給与の額を超えるものは兼業審査会で審査。 | 従来認められてきた兼業については、支障がないようにすること。労働時間管理につき、従来のような割り振りが出来るかどうかを調査中。 | ? |
倫理 | 国家公務員倫理法・倫理規程。 | 東北大独自に、従来の法・規程に準じた規程を制定。教職員の規程や役員に適用されないが、役員の規程は未定。 | 非常勤役員を含む、役員の倫理規程を明確にすること。 | ? |
安全・衛生 | 人事院規則などによるが、罰則なし。 | 労働安全衛生法による。違反には刑事罰あり。事業場毎に、規模に応じて総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医、作業主任者を選任し、安全衛生委員会を置く。 | 十分な移行予算を保障すること。学生の安全も考慮した措置をとること。 | △ |
災害補償 | 国家公務員災害補償法による。 | 労働者災害補償保険法による。補償が現行水準を下回る部分は、国大協の保険に加入して措置。 | 補償水準を切り下げないこと。 | ○ |
苦情処理制度 | 不利益処分に関する人事院への不服申し立て。(国公法・人事院規則等)。 | 法的保障なし。苦情処理制度を整備せず。 | 労使代表による苦情処理制度を整備すること。 | × |
雇用機会均等 | セクシャル・ハラスメントに関してのみ具体的規制と相談制度あり(人事院規則、人事院指針) | 女性差別・セクハラに関しては労使代表による苦情処理制度等を設けねばならないが(均等法と厚生労働省指針)、当局案は現在のセクハラ防止対策委員会を承継するだけ。 | 労使代表と専門委員・外部委員による苦情処理制度を整備すること。セクハラだけでなく雇用に関する性差別を取り扱うこと。 | △ |
懲戒 | 国公法、人事院規則、人事院指針などによる。教員は評議会の審査結果によるのでなければ懲戒処分を受けることはない(教特法)。人事院の不服申し立て制度あり。 | 懲戒委員会の審査を経て行う。教員の懲戒を教育研究評議会の審議事項とするかどうかあいまい。不服申し立て制度なし。 | 教員の懲戒処分は教授会・教育研究評議会の議に基づくこと。労使代表を含む不服申し立て制度を整備すること。 | × |
定年 | 教官63歳。職員60歳。国公法、教特法、東北大学の規程による。 | 現行どおり。職務の特殊性がある場合は個別に規定。法人化後に検討。 | 定年を短縮しないこと。年金支給開始年齢にあわせた65歳定年制について検討を開始すること。 | △ |
退職金 | 国家公務員退職手当法による。法改正で切り上げ・切り下げ。 | 国家公務員時代から通算される。現行制度と同じ支給基準。 | 公務員時代からの通算を保障するとともに、少なくとも現在の水準を切り下げないような支給基準をつくること。 | ○ |
整理解雇 | (身分保障の項参照) | (身分保障の項参照) | (身分保障の項参照) | - |
雇用保険 | 不適用。 | 加入の見込み。保険料を負担しなければならないが、その補償措置はない。文科省共済との給付調整が一部あるが、保険料が安くなるわけではない。 | 実質的負担増にならないようにすること。 | △ |
公務員宿舎 | 利用可能(国家公務員宿舎法)。 | 宿舎は文科省や財務省が国立大学法人に現物出資する。国立大学法人に出資されない公務員宿舎に入居していても、引き続き居住できる。宿舎使用料は宿舎法を踏まえて各国立大学法人が決定する。東北大の具体的な規程案はまだ不明。 | 唐突な使用料引き上げなど負担増がないようにすること。 | ? |
公的医療保険・年金 | 文部科学省共済組合(国家公務員共済組合法など)。 | 法人化されても利用可能。 | --- | - |
労働基本権 | 大きく制限される。職員団体に加入できるが、職員団体の交渉権は限定されており、労働協約締結やストライキはできない。大学が交渉を拒んでも罰則はない。 | 団結権・団体交渉権・争議権を保障。教職員は労働組合に加入できる。大学が団体交渉を拒めば不当労働行為として罰せられる(労組法)。交渉のあり方等は労働協約による。 | 当局は組合と誠実に交渉すること。 | ? |
不当労働行為 | 制度不適用。 | 禁止。労働委員会への申し立て・訴訟が可能(労組法)。当局案に含まれる宣伝活動制限は紛争の火種となりやすい。業務を実質的に妨げない宣伝活動は、たとえ形式的に就業規則違反でも正当で懲戒処分は無効という判例あり。 | 当局は不当労働行為を行わないこと。組合活動抑制と労使紛争につながりかねない政治活動禁止・宣伝活動の制限を就業規則に含めないこと。 | × |
管理運営制度については、「法人化後の大学運営及び移行に関する基本的考え方について」「同(その2)」による。
人事制度については、「法人化後の人事制度について(案)」法人化推進本部、2004年1月22日と「国立大学法人東北大学職員就業規則(たたき台案)」2004年1月19日(同日法人化推進本部第2部会提出資料)の記載事項をもとにした。これらに記されていない部分は、法人化推進本部第2部会提出資料の中からもっとも新しいものによって補い、部会の議論内容については、可能な限り関係者からのヒアリングを行った。
人事制度・就業規則に関する質問・意見を組合にお寄せください。
へどうぞ.メールでの質問にはすみやかにお答えします.メールで加入申し込みもできます。
東北大学職員組合
内線 片平5029,3349
tel 227-8888 FAX 227-0671